ゲームセンターにて。
　プリクラの台の前には、２人の覚者の姿がある。
　１人は、琥珀色の髪をウルフカットに、肩ほどまで伸びた後ろ髪は後ろに結わえた少年だ。彼の名は、『極道【浅葱組】の若様』浅葱 枢紋（CL2000138）という。相手を威嚇するような視線をすることがあるが、整った顔立ちは非常に好感が持てる容姿である。
　枢紋は黒い髑髏柄の服に暗めの紅いカーディガンを羽織り、下はダメージジーパン、足元はブーツ。ダッフルコートにマフラーをし、防寒対策も行っている。
　もう１人は、『白い人』由比 久永（CL2000540）だ。
　彼もまた、白基調の長袖シャツを着ており、濃いネイビー色のジーンズは編み上げブーツに入れている。その上から黒のトレンチコート、落ち着いた赤紫のマフラーを身につけていた。
　真っ白な直毛は腰の位置まで伸びているが、それをやや低い位置で縛ってポニーテールにしている。アルビノの為、全体的に色素が薄く、真っ白な印象を受ける少年に見える。
　薄紫色の瞳、たれ目、右下に泣きぼくろ。綺麗な顔をしている久永だ。
　一見すると、仲のいい若者２人に見えるが。久永はこう見えて、実年齢が枢紋の倍どころか、５倍してもまだ上だというから驚きだ。実際の２人は、孫とお爺ちゃんという関係である。
　やや世間ずれしている久永がプリクラに初挑戦ということで、枢紋が使い方をレクチャーする。だが、なかなか理解ができず、久永は操作に四苦八苦してしまう。
　それでも、撮れた最高の１枚。枢紋が久永に横から抱き着き、久永がその頭を優しく撫でている姿だ。枢紋は教えているうちに暑くなったのか、コートを脱いでいる。久永は、孫との時間が楽しいのか、優しい微笑を浮かべていた。
　その左上には、『ひさじぃとしゅもん』という、枢紋による可愛い丸文字風の字。さすが、何度か撮ったことがなるようで、書き慣れている感がある。
　そして、下部には、ややガタガタとした『メリークリスマス』という字。こちらは、初めて久永の書いたものだ。
　思い出の１枚を手にした２人は仲睦まじく、その場を去っていったのだった。