クリスマスSS 2015
あなたと冬の温度
「やっぱり友達って最高よね~」
イブの夜は秋ノ宮 たまきと三峯・由愛、ルームメイトにして従姉妹かつ親友のふたりだけで豪華なクリスマスディナーを楽しんだ。
「こういうイベントでもないと盛り上がらない恋なんて、私たちには必要ないない」
グラスを高くかかげ、ここぞとばかりに女の友情を崇め奉り、思いっきりから騒ぎして外に出た時には、日はもうとっぷりと暮れていた。
澄んだ夜空から綿毛のように軽い雪が、ゆっくりとふたりの上に落ちてくる。
「……初雪だね」
「ええ。ホワイトクリスマスになりましたね」
お互いを繋ぐように首に巻いた一本の長いマフラーが、とても暖かで、それだけで頼が緩んでしまう。自然に絡まる指と指。
通りがかった教会から、クリスマスキャロルが聞こえてきた。
「メリークリスマス、由愛さん」 「メリークリスマス、たまきさん」
このあとの予定は特にない。好きなビデオでも借りてきて、部屋でのんびりと女同士でおしゃべりをするのも良いと思う。
でも、もう少しだけ――
イルミネーションに輝く並木道を歩きながら、互いのぬくもりを感じていたい。
どちらからともなく、絡めた指を握りしめた。
イブの夜は秋ノ宮 たまきと三峯・由愛、ルームメイトにして従姉妹かつ親友のふたりだけで豪華なクリスマスディナーを楽しんだ。
「こういうイベントでもないと盛り上がらない恋なんて、私たちには必要ないない」
グラスを高くかかげ、ここぞとばかりに女の友情を崇め奉り、思いっきりから騒ぎして外に出た時には、日はもうとっぷりと暮れていた。
澄んだ夜空から綿毛のように軽い雪が、ゆっくりとふたりの上に落ちてくる。
「……初雪だね」
「ええ。ホワイトクリスマスになりましたね」
お互いを繋ぐように首に巻いた一本の長いマフラーが、とても暖かで、それだけで頼が緩んでしまう。自然に絡まる指と指。
通りがかった教会から、クリスマスキャロルが聞こえてきた。
「メリークリスマス、由愛さん」 「メリークリスマス、たまきさん」
このあとの予定は特にない。好きなビデオでも借りてきて、部屋でのんびりと女同士でおしゃべりをするのも良いと思う。
でも、もう少しだけ――
イルミネーションに輝く並木道を歩きながら、互いのぬくもりを感じていたい。
どちらからともなく、絡めた指を握りしめた。
