クリスマスSS 2015

――ふたりで分け合う筈だったクリスマスケーキ。けれど何たることか、ふんわり苺ショートに乗っかった片方の苺が、一つだけ多かったのだ!
「よし、じゃあ苺が一つ多いケーキを賭けて勝負だ!」
「……余興、と言う訳ですか。クーは構いませんよ」
 そんな訳で小唄とクーは早速、積み木の塔を積み上げていって、バランスを崩した方が負け――と言うパーティーゲームを始めることに。
 ――しかし、これがなかなか侮れない。集中力と判断力、そして慎重さと大胆さを求められる、恐るべきゲームなのだ。
「むむむ」
 現在両者一歩も引かず、決着はまだまだのよう。何時しかタワーはどんどん高く積み上がり、ふたりはケーキのことなど忘れて勝負に夢中になっていた。
(あああ、倒れそう……いや、でもまだだ!)
 くりっとした青の瞳は真剣そのもの。手番となった小唄は木片を抜き出し、何とかてっぺんに積み上げようとするのだが――限界を迎えつつあるタワーはゆらゆらと不安そうに揺れて、今にも崩れてしまいそう。
(ふふ、お手並み拝見なのです)
 汗だらだら、手をぷるぷる震わせて何とか危機を乗り越えようとしている小唄を見つめるクーは、心なしか楽しそうに見える。否――獣の耳と尾がちょこちょこと動いている所を見るに、本当に楽しいのだろう。

 さて。この勝負の行方は――ふたりだけの秘密、と言うことで。

●発注キャラクター●
クー・ルルーヴ(CL2000403)
御白 小唄(CL2001173)
担当ST:柚烏
イラスト:ぺいゆ

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