クリスマスSS 2015
「ああ。ちょっと、待ってくださいってばぁー」
『ロンゴミアント』和歌那 若草(CL2000121)も、女性としてはそれなりに長身と呼べる部類だった。けれども、身の丈2mにも近い華神 悠乃(CL2000231)と比べれば、まるで大人と子供のような身長差だった。そして悠乃はイベントごとにはこと眼が無く、ふらふらとあちこちに動いて回る。歩幅も大きいせいで、若草は追うだけでも結構な体力を使った。
「んー? あ、ごめんごめん」
「いえ、大丈夫です……色々見て回るの楽しいですけれど、ほら」
「どれどれ……」
若草の示す方を悠乃は見て、そして一瞬言葉を忘れる。ショッピングに飾られる、色とりどりの飾りつけ。クリスマスツリーに巻き付けられた電飾が淡い光を放っている。マネキンの来ているジャケットも、雪だるまのミニチュアと並んでいるせいで、フードに付いているファーが淡雪のように見えた。見慣れたショッピングモールが、意識を少し変えるだけで、まるで別世界のよう。
「ちょっと立ち止まって見るのも、良いと思いませんか?」
雑貨屋に置かれたクリスマスリースを軽く掲げて見せながら若草は柔らかな笑みを浮かべる。
「確かに、こういうのもありかもね?」
悠乃は歩調を緩めた。今度は若草が先導する番だった。かたや学生格闘家、かたや民俗学者。そして源素の力を振るう覚者。けれども、今この時だけ、二人は全ての立場を忘れた乙女だった。
『ロンゴミアント』和歌那 若草(CL2000121)も、女性としてはそれなりに長身と呼べる部類だった。けれども、身の丈2mにも近い華神 悠乃(CL2000231)と比べれば、まるで大人と子供のような身長差だった。そして悠乃はイベントごとにはこと眼が無く、ふらふらとあちこちに動いて回る。歩幅も大きいせいで、若草は追うだけでも結構な体力を使った。
「んー? あ、ごめんごめん」
「いえ、大丈夫です……色々見て回るの楽しいですけれど、ほら」
「どれどれ……」
若草の示す方を悠乃は見て、そして一瞬言葉を忘れる。ショッピングに飾られる、色とりどりの飾りつけ。クリスマスツリーに巻き付けられた電飾が淡い光を放っている。マネキンの来ているジャケットも、雪だるまのミニチュアと並んでいるせいで、フードに付いているファーが淡雪のように見えた。見慣れたショッピングモールが、意識を少し変えるだけで、まるで別世界のよう。
「ちょっと立ち止まって見るのも、良いと思いませんか?」
雑貨屋に置かれたクリスマスリースを軽く掲げて見せながら若草は柔らかな笑みを浮かべる。
「確かに、こういうのもありかもね?」
悠乃は歩調を緩めた。今度は若草が先導する番だった。かたや学生格闘家、かたや民俗学者。そして源素の力を振るう覚者。けれども、今この時だけ、二人は全ての立場を忘れた乙女だった。
