クリスマス当日は、友人の家に皆で集まって。
　気取ったお洒落も、男の子達の目も気にしなくていい。
　今夜はそんな、女の子だけのパジャマパーティ。
「気楽がええやん」
　ねー！　と友人達と笑顔を浮かべ、ジュースで乾杯。
　茨田・凜もラグの上にペタンと座り、膝上に乗せたばくちゃんを時折撫でながら、友人達との話に花を咲かせる。
「このマカロン美味しー」
「どこで買ったん？」
「これは駅前の、ほらあのオシャレな……」
「あー、あそこちょっとオシャレ過ぎて入りにくない？」
「それがメチャメチャ格好いいオニーサンがいてて」
　女の子同士。１つの話題があれば、どんどんと連鎖して話が尽きない。
「すっごい格好いい笑顔で『ありがとうございました。またのお越しを』なんて言われて」
「また来る来るーってなったんね」
「そーそー」
　皆で笑い、凛もばくちゃんを胸元に抱え笑った。
　ものすごーく真剣な顔で、友人が切り分けてくれたケーキ。ふぅー、とひと仕事やり終えた感で額を拭う姿に、皆で拍手。
　口に含めば、生クリームの甘い味が広がった。
「しあわせー！」
　外の寒さも忘れるほどに、部屋の中はあったかい。
　いつまでもいつまでも、その夜は彼女達の楽しげな笑い声が聞こえていた。