
司令室
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「――報告は以上だぜっ」
「ありがとう。大変だったみたいだな、ゆっくり身体を休めてくれ」
報告を終えた黒崎へ礼を言うと、中(あたり)は机の上に積まれた資料に目を向けた。
FiVEメンバーと古妖狩人の交戦から、次々と情報が入手されてくる。
(彼らの行動範囲とパターンは概ね理解できた)
現場に立って何かをすることはできないが、その情報を分析するのが自分の役目だと中は自認していた。
(『本拠地』と数多くの『拠点』を有し、拠点から狩人を古妖の所に派兵する。その拠点で選別を行い、本拠に輸送する……こんな所か)
各拠点を潰すことは、古妖狩人の弱体化につながる。それ自体は無駄ではない。
だが……。
純粋な物量や組織力ではおそらく憤怒者が勝る。このまま長期で対応するには分が悪い。
現状、FiVEの有利な点は『敵がこちらの正体に気づいていない』ことだ。
とはいえ、それも時間の問題だろう。今の妨害もいずれ組織的な行動と気づかれる。そうなれば最悪雲隠れされる可能性もある。
冷たくなったコーヒーを一気に飲む。眠気を吹き飛ばし、中は息を吐き出した。
(うまく本拠を探り当てることができればいいのだが……。頼むぞ、皆)
古妖狩人の横行を許せばそれだけ古妖が犠牲になる。それはFiVEの目的である神秘解明が遠のくことを意味している。さらに古妖の力が憤怒者に渡ることでより多くの覚者が犠牲になるだろう。
「――そろそろ時期なのかもな」
先の日の丸事変、そして古妖狩人との戦い。FiVEの存在を隠すのも限界は近づいている。
幾多の事件を経た覚者を揃え、組織規模としては異例とも言える数の夢見を有した今、戦力面でも情報面でも不足はないだろう。
夜明けの光が差し込んでくる。
雌伏して時の至るを待つ日々の終わりは、近い。
「ありがとう。大変だったみたいだな、ゆっくり身体を休めてくれ」
報告を終えた黒崎へ礼を言うと、中(あたり)は机の上に積まれた資料に目を向けた。
FiVEメンバーと古妖狩人の交戦から、次々と情報が入手されてくる。
(彼らの行動範囲とパターンは概ね理解できた)
現場に立って何かをすることはできないが、その情報を分析するのが自分の役目だと中は自認していた。
(『本拠地』と数多くの『拠点』を有し、拠点から狩人を古妖の所に派兵する。その拠点で選別を行い、本拠に輸送する……こんな所か)
各拠点を潰すことは、古妖狩人の弱体化につながる。それ自体は無駄ではない。
だが……。
純粋な物量や組織力ではおそらく憤怒者が勝る。このまま長期で対応するには分が悪い。
現状、FiVEの有利な点は『敵がこちらの正体に気づいていない』ことだ。
とはいえ、それも時間の問題だろう。今の妨害もいずれ組織的な行動と気づかれる。そうなれば最悪雲隠れされる可能性もある。
冷たくなったコーヒーを一気に飲む。眠気を吹き飛ばし、中は息を吐き出した。
(うまく本拠を探り当てることができればいいのだが……。頼むぞ、皆)
古妖狩人の横行を許せばそれだけ古妖が犠牲になる。それはFiVEの目的である神秘解明が遠のくことを意味している。さらに古妖の力が憤怒者に渡ることでより多くの覚者が犠牲になるだろう。
「――そろそろ時期なのかもな」
先の日の丸事変、そして古妖狩人との戦い。FiVEの存在を隠すのも限界は近づいている。
幾多の事件を経た覚者を揃え、組織規模としては異例とも言える数の夢見を有した今、戦力面でも情報面でも不足はないだろう。
夜明けの光が差し込んでくる。
雌伏して時の至るを待つ日々の終わりは、近い。