力無き者の脈動

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――2015年8月29日 22時39分 某所

「東北地区の報告だと覚者組織『秋津組』を壊滅させたそうだ」
「九州地区の『ヴォルケイノ』も頭領を失い、メンバーは千々に散ったそうだ」
「連中は源素の力を使った妖を退治を理由に、法外な護衛料を巻き上げてきた組織だ。これで平和が訪れるだろう」
 とある和風の館。蝋燭の火だけが光源の夜の座敷。そこに並ぶ11の者たち。
 ある者は年老いてなお血気盛ん、ある者は希に見る大きな体躯を持つ。ある者は妖艶といえる美貌を持ち、ある者は若輩ながらもその瞳に復讐の炎を燃やしていた。
 様々な面々だが、共通することはただ一つ。
 彼らは覚者ではない。そして覚者を滅ぼすべく集まった集団だ。そしてその結束は固い。その団結力と組織力が彼らの最大の武器なのだ。 
 個として源素の力を持たぬ者は、覚者に対して劣る。だが数をそろえればその限りではない。覚者とそうでない者。その比率は1000倍程と言われている。その全てが覚者に相対するわけではないが、数で押せば勝てるのはこちらなのだ。恐れる道理などない。
「よろしいか」
 薄明るい中、一人が手をあげる。その者が報告するには、
「京都に新たな覚者組織の可能性だと?」
「大量発生した古妖を捕獲し、近辺地域の保全に関与している……か」
 11人のメンバーは一様に思案に耽る。そして、
「覚者組織なら潰すべきだ。大まかな活動区域はわかっているのだろう?」
「待て。下手に動けば気取られる。連中の中には未来を見る者もいる」
「ならどうする?」
「いつも通りだ。連中が動けば動くほど、その全体像が見える。今は放置し、その動向を見守る」
「覚者同士が潰しあってくれるなら、我らとしても手間が省けるというものよ」
 彼らにとって『覚者』も『隔者』も関係ない。力を得た者すべてが敵なのだ。
 彼らは怒る。彼らは憤る。覚者の存在に。力自体の存在に。
 ある者は己の利で、ある者は力に対する嫉妬で、ある者は若返ることへの羨望で、ある者は家族を殺された恨みで。
 彼らに共通するのは覚者に対する怒り。純粋な『己と異なる』者への感情。覚者憎しの思いが捻じれ、集まり、螺旋となって一つの組織を生み出した。

 『XI(イレブン)』 

 ウェイト版タロットにおける『正義』――正義、正当性、正しき判断。
 マルセイユ版タロットにおける『力』――信念、努力、根気。
 それら二つの意味をもつ力無き者の組織。

『力』を忌み嫌う彼らが欲し、得たものもまた武装という『力』であった。

※2015年9月8日現在、この情報はPL情報となります。プレイヤーは「複数の情況や組織がここ最近の近畿での動きを注視している」という状況のみ知らされている状態です。

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