● ――許しはしない。 その一念が、今の彼を彼として在らせる根源。 自らの身がヒトであることを捨ててから早三日。鋭い爪と牙が生え、獣のような硬い体毛に覆われたこの身体も、けれど今の彼にとっては天からの恵みのように心地よい。 妻を殺され、両親を殺され、息子を殺され、 慟哭の澱に埋め尽くされたこの身に宿ったのは、彼らを裁くべく与えられた力。 その時から、ヒトとしての在り方を捨てた。唯復讐心に憑かれた獣として、彼らを殺すために追い続けた。 ……そして、その時は近いと確信する。 その証明のように、憎き略奪者達の気配は、この身が疾るほどに近づいていく。 ――ああ、もうじきだ。 ――もうじきで、お前達の思いを遂ぐる事が出来る……! 知覚が研ぎ澄まされる。 姿こそ見えぬものの、エンジンの駆動音と排気ガスの臭いに紛れて、野卑た男達の会話が、匂いが、はっきりと感じられる。 知らぬ内に、牙の生え揃った口が歪み、不明瞭な言葉を紡ぐ。 『……ミィ、ヅ、ゲダ』 ● 「……依頼よ。内容は、エリューションの討伐」 ブリーフィングルームに集まったリベリスタ達の姿を見て、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は説明を始める。 「対象はノーフェイス。フェーズは2。……このノーフェイスは革醒から三日しか経っていない状態で、フェーズを進行させている。このまま放置していくと、短期間で更なるフェーズ進行が見込まれる。早急な対処が必要」 その言葉に対して、リベリスタ達の表情に緊張が走った。 エリューションのフェーズ進行は個体差によるが、それにしても三日は早すぎる。 「エリューションの外見は、濃い紫に黒いまだら模様のついた、豹のような外見。攻撃方法は、爪や牙を使っての単純な近接攻撃しか持っていない。その攻撃力も、一撃はそれほど高くないし、防御性能についても、硬い体毛で多少刃や弾が通りにくい程度」 けれど、とイヴは前置きする。 「このエリューションの一番恐ろしい能力は、言わば第六感……極限まで知覚能力を研ぎ澄ませ、更にその中から『必要なモノ』を取り出す事が出来る能力」 具体的に言えば、対象の心臓の鼓動や発汗、微細な視線の動きなどから、『相手が次に何をするか』と言う疑似的な未来予測を可能にするというモノらしい。 フェーズ2である現在、その能力は限定的なため、今のリベリスタ達でも何とか倒せるレベルである、というのはイヴの意見だ。 「敵は、今現在とある街を移動している。移動する方向から予測するに、みんながたどり着く頃には深夜、住宅街の辺りを走っていると思える」 其処までを説明した後に、イヴは苦い顔で『もう一つ』と付け加える。 「……このエリューションは、革醒の寸前に、押し込み強盗に入られて家族を殺されている。肉体が彼処まで獣のそれに変化しているエリューションが本能に囚われず行動している理由は、狂的なまでの復讐心に他ならない」 余程、言うべきか迷ったのだろう。イヴはリベリスタから瞳を逸らした状態で、説明を続ける。 「エリューションは現在、その押し込み強盗達が乗っている車を追いかけている。例え犯罪者であろうと、一般人がエリューションの被害に遭うことはあってはならない」 イヴは、最後に頭を下げて、言う。 「強盗達については、此方で通報しておく。貴方達はエリューションの討伐に専念して。……御願いね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田辺正彦 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年04月23日(土)23:36 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 頑執妄排、という言葉が思い出される。 エリューションである、豹のような外見をした獣は、自身を後方から追うリベリスタ達の姿に全く気づかぬまま、唯、復讐の対象が乗る車を追っていた。 リベリスタたちは、僅かばかり拍子抜けする反面……それほどまでに、憎いのか、とも思う。 ラキ・レヴィナス(BNE000216)は、何処か哀しみにも似た感情をエリューションに抱きつつも、その足を緩めることはない。 今のところこのエリューションは、追っている車の進行方向、その先に在る『網』へと向かっているが、それがどのタイミングで別のルートに切り替えるかは解らない。 その場合は、自分たちが敵の注意を引き、誘導する必要がある。 「……ったく! しょうがねぇとは言え、本来守られるべき奴を殺してあんなクズ共を守る事になるとはな」 世界を守るため。その大義は理解できるものの、感情がそれに納得するかはまた、別の話だ。 「せやね。けど……だからこそ、早くあのお兄さんを助けてやらんとね」 彼の言葉に苦笑を浮かべるのは、同じくエリューションを追う『たい焼き屋のおっちゃん』今川・宗助(BNE001708)。 憎しみを嫌う宗助は、故に苛烈なまでの復讐心に囚われたままの『彼』を助けて、家族と同じ場所に送ってやりたいと、そう思っていた。 その手段が、最も哀しい一つしか無いというのは――皮肉でしかないが。 (おっちゃんが出来ることは、こんな事しか無いんやけど) 懐に収めた、小型のビデオカメラ……強盗達の車と、そのナンバーを撮影したその感触を確かめつつ、キリ、と歯を食いしばる。 「ちぃっ! 駄目だ駄目だ全然駄目だァ! こんな走りじゃ俺の最速には全く足りねェ!」 そんな中、苛立つ思いを言葉にして叩きつけるのは、『雷帝』アッシュ・ザ・ライトニング(BNE001789)。 攻撃開始地点までエリューションに気取られることが無いよう、自身の速度を加減していた彼が、此処で遂に不満を爆発させる。 その目的は唯一つ、速さを競うというそれだけであり、其処にはエリューションの背景に対する感傷などは、微塵も抱いていない。 それはある意味に於いて、この場にいる誰よりも、生死を賭けた戦いに相応しい在り方と言えた。 そうこうしている内に、いよいよその場所――作戦で決めた、戦闘開始地点が見えてくる。 「さあて、そろそろだぜェ! みんな、用意は良いか!?」 「……当たり前だ」 返したのは、『不良?女子高生』早瀬 莉那(BNE000598)。 何時もと同じように見えるその仏頂面は、しかし、今この場に於いては、侵さざる矜恃を瞳に宿している。 (チーターのアタシが、豹ごときに足で負けるか……!) そう思うや否や、猟豹は加減していた速度にスパートをかけ、エリューションに接敵しようと近づいていく。 同時に、アッシュもまたナイフを取り出して、今一番の咆吼を上げた。 「とろとろしてんじゃねェ! 俺の! 前は! 何人たりとも走らせねェ―――!!」 あと、僅か。 最早意識して知覚しようとするまでもない。獣が前を見た直ぐ其処に、件の車は見えている。 『――――――、――――』 人には到底聞き取れぬ何かを呟いて、獣は尚歩を進める。 彼我の距離は最早幾ばくも無い。後僅か。後僅かで、奴らの命にこの手が届く。 獣は逸る心を抑えきれず、唯、それに追いつこうと必死になっていて。 ――だからこそ。 予想せぬ位置、獣の視覚外に待ち伏せていた彼らから繰り出された攻撃は、的確に獣の身を貫いていた。 『――!?』 闇を裂いた二条の光矢をそれぞれ放ったのは、『BlessOfFirearm』エナーシア・ガトリング(BNE000422)、『ミス・パーフェクト』立花・英美(BNE002207)の二人。 獣は瞬時に狙うべき対象をシフトし、彼女たちを狙おうとするが――それを許さぬとばかりに放たれたのは、盾と巨剣の追撃。 直感がそれを察知し、それらについては回避することに成功したものの、『幸福の鐘』ハッピー チャイム(BNE001429)、『通りすがりの女子大生』レナーテ・イーゲル・廻間(BNE001523)の立て続けの登場により、後衛陣に対する攻撃もこれで封じられる。 「……気分が良いか悪いか、で言えば悪いよ。同情しようと、加減はしてあげらんないから」 誰ともなく呟いたレナーテの台詞を次ぐように、エナーシアも淡々と言う。 「それでも……正しき怒りから出た行動だろうと、殺人は殺人以外の何者でもない」 故に、止める。 手慣れた火器から弓矢に持ち替えているその手は、しかし僅かな誤差もなく、獣の身体にぴたりと照準を定めている。 「叶わナイにしてモ、貴方ハ幸せ者でスよ。憎めル相手が居り、憎めル力が有り、憎み続ケルからコそ、愛すル家族の記憶を失ワなイでいらレル」 チャイムの言葉は、己にそれが許されなかったことの悲哀を説くかのよう。 けれど、だからこそ――と、英美は涙を溜めた瞳で、懸命に叫ぶ。 「その記憶が有る内に、貴方を倒します。すべて憎しみに囚われた化け物にまで、あなたを……堕とさせはしないっ!」 しかし、そんなリベリスタ達の言葉も、今の獣は介する知能を持ってはおらず。 唯、其処に在るのは――障害を滅ぼすという、明確な意志のみ。 敵との位置を確かめつつ、レナーテは淡々と言う。 「さて、向こうも直ぐに追いつきそうだし、本腰入れて戦わなきゃね」 「ええ。殺す以外に止める手段はない状況だけど、闇雲にはならないように、ね」 ――手は綺麗に、心は熱く、頭は冷静に。 そう唱えたエナーシアの思いの根源は、確かに、『救い』へと向いている。 ……剣は抜き、弩は張られた。 舞台は整い、これより始まるは詮無い寸劇。 「さア、さア! 家族を守れナかった弱い貴方が、何処まデ戦えルか、見セて貰いまショう!」 開幕は、チャイムの喜々とした叫び声によって告げられる。 ● 光条、一閃。 闘気を刃に纏わせたチャイムの巨剣の一薙ぎは、しかし獣が身を屈める事で、あっさりと空を切る。 だが、彼らの攻勢はそれに留まらず。 「逃がしはしません……!」 体勢を立て直そうとする獣に放たれる二本の矢は、そのどれもがまさしくコインを撃ち抜く精密さを以て、肩を、足を貫く。 「……素早いとは聞いてたけど、これじゃあロクに当てられないわね」 本来狙っていた感覚器官を大きく外した結果に対して、レナーシアが小さくぼやいた。 痛みに表情を歪める――ように見えた――獣だが、当然、そのままでは終わらない。 夜の闇に自身の身体を溶かして、死角から急所を捉えるべく、爪の一刺が飛ぶ。 「っと……!!」 しかし、それはすんでのところで、レナーテの盾に遮られた。 刃物と変わらぬまでに研ぎ澄まされた爪は、甲高い音を響かせて僅かな火花を散らせるのみ。 後方から獣を追っていた班も、既に合流を果たしている。 自身と宗助による二重の防御を得た今、彼女の双盾を貫くのは容易なことではない。 だが。 『――――!』 彼女に鉄壁の構えがあるように、誇るべきものは、獣にも有る。 眼球の動き、構える腕の予備動作、そう言った諸々を加味した予測の上で改めて放つ爪撃は、盾の在る位置を掠めて、彼女の肩口に突き刺さる。 痛みに顔を歪める彼女を援護するように、打ち込まれるのはラキの鉄槌と、莉那のナイフによる斬撃。 本来ならば、例え手数の差が有ろうと回避できるであろう獣だが――何故か、莉那の一撃は頬をかすめ、更にラキの轟撃は避ける事すらも出来ず、無防備な胴に重い振動が与えられる。 先の待ち伏せと共に、リベリスタが決めた策の二つ目、攻撃タイミングをずらすことによる時間差攻撃は、確かにエリューションの知覚能力を鈍らせていた。 「確かにてめえは、目にも止まらぬ速さなのかもしれねえ」 が、と何処か嗜虐に似た笑みを浮かべるアッシュは、くるくるとナイフを回しながら、叫ぶ。 「残念だったなァ。この俺様は、眼にも映らねえ速さなんだよォ!」 瞬間、彼の動きは分身もさながらというように加速し、幾たびもの傷を獣につけていった。 街灯がナイフの刃をきらりと反射すれば、出でる銀の軌跡はまるで糸のように獣を取り囲み、その体躯をがんじがらめにしていく。 まるで、それはリベリスタそのものが、獣を縛り付けているかのよう。 ……しかし。 『――――――ッ!!』 それを唯、是とするエリューションではない。 白刃の檻が自身を取り囲むというなら、その囲みすらも潜り抜ける。 それを為すだけの力量を、獣は持っている。 「……漸ク本領発揮、でスかね?」 未だ丁寧な口調を崩さぬチャイムも、それを本能的に察知したためか、言葉ほど余裕を抱いてはいない。 寸劇であるはずの舞台に、未だ――終わりは見えない。 ● リベリスタ達の攻撃は、確かに功を奏していた。 時間差攻撃によるかく乱、二重の防壁。自身の能力によって更に精度を強化された攻撃は、獣の体力を着実に削り取っていく。 逆を言えば――削るところまでが限界、という意味でもあった。 そう。彼らの攻撃には、決定的な致命打が足りないのだ。 仮に言うならば、圧倒的な火力か、例え僅かな間であろうと、リベリスタ達が集中攻撃を叩き込める迄の、動きを止める何かが。 そも、成功するかのリスクは伴うにしろ、既に能力に頼らず獣に攻撃を当てる作戦が立っていたのなら、例え一度でも威力主体の攻撃を放つ価値はあったのだ。 敵のステータスばかりに注目して、それに対する策だけしか立てられなかった、彼らの唯一のミスである。 当然、このままでも倒せはするだろう。だがそれに至るまでには幾ばくかの時間を要する。 それが、どのような結果を招くのかといえば―― 「……そろそろ、これも打ち止めなんよ」 手の平から出でる光が傷口に滑り込み、それが僅かに広がったかと思えば、先ほどまで有った怪我は、最早流血の跡を残すのみとなっている。 だが、その光も――最初に放ったそれと比べれば、光の量が弱まっていることに気がついたであろう。 それに、通常のそれより効果を増す人払いの結界も、しかし往来の真ん中で延々と戦闘を繰り返していけば、一般人に気づかれる確率は僅かずつでも上がっていく。 リベリスタ達は一刻も早く戦いを終わらせるために、未だ苛烈なる攻撃を止めようとはしない。 宗助の回復が完全に追いついていない莉那も、その一人だった。 「……。個人的には、アンタの復讐は遂げさせてやりたいんだけどな」 ゆらり――と、振るうナイフは陽炎のような幻を纏い、その軌道を不規則なものとする。 「相手が一般人だってのと、アンタがエリューションだってことを、恨んでくれ」 捉え損ねた一閃をまともに受けて、獣の胸に紅が咲く。 語る莉那の言葉は、傍から見れば無責任ともとれるだろうが――それがかつての自己に言われるかもしれなかった言葉と考えると、どうだ。 誰も、彼女を恨めない。 獣も、彼女を怨まない。 唯、真に憎き相手への道程を阻む矮躯を疎ましいと、そう、思うだけ。 『――、――!』 「っ、くぁ……!」 指先、爪先の、闇色の刃が彼女を切り裂き、次いで真白の牙が、彼女の肩口に深々と食い込む。 「莉那ちゃん!」 宗助の回復が、一手遅れて飛ぶものの、続く連撃の前には、あまりにも微細な助け。 揺るがぬ勝利という宿命の対価――個人の犠牲という名の不幸は、彼女を道連れの相手に選んだ。 慌てて宗助が癒しの力を起こす様子が気にはなるものの……だがそれゆえに、此処で倒れた彼女の意思に報いぬわけにはいかない。 「ったく、しぶといなあ、お前も……!」 苦虫を噛みつつ、ラキが続けざまに鉄槌を振るう。 持つだけでもかなりの負担となろう重量物を軽々と扱う彼の戦舞も、だがエリューションの身体を僅かにかすめるのみ。 「……蓄積しない負傷と疲労はないわ。地道に、積み重ねていくわよ」 技を撃つほどの力は既に彼女には無くとも、エナーシア自身の闘志が、今は武器に見えざる力を与えているかのよう。 『――――』 応酬は続く。光と闇、それぞれが、それぞれの意志を抱いて。 幻を塗られたナイフが獣を切り裂けば、返す刀でアッシュの片腕は深く抉られ、 救済の意志を込めた英美の矢が獣に突き刺さると、怒りの反撃は盾を通して、彼女までの道をふさぐレナーテの両腕を軋ませ、 巨剣が獣の片腕をズタズタに切り裂くと、もう片腕が胸元に突き刺さるチャイムに、宗助が癒しの光を零す。 時間にして、それはおよそ五分強の短い戦闘。 だが、其処で戦う彼らからすれば――かけた時間は永遠と言って、尚余りある。 そして、遂に。 「クロコさん、頼むんよ!」 此処が正念場と踏んだ宗助は、思い切って回復の為の余力を回して攻撃を放つ。 宗助が放つ式符が鴉の形を取り、獣の胴に深々と嘴を突き刺った。 累積したダメージの大きさに、獣も流石に片足を突く。 これほどの傷を負って尚、獣は逃走より突破を選択し、 ――故に、それこそが終幕の合図となる。 回復をとうに終えたチャイムの振り下ろしを、未だ動く片腕でどうにかさばく獣。 空いた脇腹に蹴りを叩き込もうとした獣は、その瞬間に気づいた。 「フェイク・アンド・フェイント――」 彼の影に潜む、一迅の雷を。 「騙し討ちは……狐の得意技ってなァ!」 避けられぬ程の近距離から放たれた一撃は、獣の太い首に深々と突き刺さる。 異形と成って尚変わらなかった赤い血液を周囲に撒き散らして、遂に獣は、息絶えた。 ● 「……流石に此処まで時間が経てば、今から追うのは厳しいねえ」 緊張の糸が切れた宗助は、未だ傷が深い莉那の手当てをする傍ら、大きく息をついた。 念のために、強盗達の車を手がかりとして撮影しておいて良かった、と彼は思う。 「少シばカり、怖い目ニ遭って貰いたタかったモのでスガね」 「必要ないでしょう。悪に報いは必ずあるそうだしね」 一戦を終えた後でもペースを崩さず、くすくすと笑うチャイムに対して、あくまでも淡々と答えるのはエナーシア。 「ま、亡くなったこの人の幸せは祈るよ。せめてあの世では御幸せにね、と」 腕を伸ばしながら言うレナーテは、その身にかなりの傷を負っていた。 回復が追いつかなかった分の傷を、しかし顔をしかめる程度ですませた彼女は、何の気無しに空を見上げる。 「エリューションも死んだら、天国に行けるんでしょうか……」 同じように星空を見上げる英美は、零れる涙を抑えようともせず、唯、彼の死後の幸福を祈るばかり。 非業の場に居合わせ、非業の力を得て、非業の死を迎えた彼に――いや、彼だからこそ、せめて終わりの向こうでは、幸せになれるようにと。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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