●アメリカ人的感動擬音 「YHAAAAAAAAAAAAAAAA!」 「OH yeahhhhhhhhhhh!?」 「HOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」 「GYAAAAAAAAAAAAAA!!!」 ●冷静な日本のブリーフィング 「という訳で海外からの協力依頼です。現場はマンハッタン。出現したのはエリューション。皆さんにはベコベコに敗退した現地組織『アメリカオールスターヒーローズ』に代わり、問題を解決して欲しいそうです」 「……何つー投げやりな説明か」 『塔の魔女』アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア (nBNE001000) が指し示したモニターの中に映る風景は世界第一位の都市とも呼ばれるニューヨークの中心地マンハッタンの風景であった。現代社会の光を浴びる中心地――眠らない街は凡そ神秘とは縁遠いイメージである。 「ま、それを言うならアメリカ合衆国自体が国としての歴史は浅いですからね。この界隈では比較的『静か』な場所ではあるんですが。それはそれとして時にそんな場所にも事件は起きる訳ですよ。この国の東京のど真ん中で事件が起きるのとぶっちゃけあんま変わりませんしねぇ」 「まぁ、そういうものか」と呟くリベリスタにアシュレイは頷いた。 「事件の形質としては比較的スタンダードです。マンハッタンの街に人々の情念が神秘とおかしな形で結びついた結果生まれた『怪人』の皆さんが出現した訳です。ある意味、『本場』ですからねぇ。ネタには事欠かないものらしく」 アシュレイの説明に合わせ、モニターの中には『磁石大王』やら『白塗りおじさん』やらある方面に非常に有名な困ったパチモンの皆さんが登場する。何処かで見たパチモンの皆さんと言えばリベリスタ陣営も同じなのだが、文化とは概してそういうものである。 「基本的にエリューションは余程高いフェーズを持たない限りは派手に人前で目立つような行動を避ける『傾向』があるんですが、今回のエリューション・フォースについては生まれが生まれだからかその辺の制約が緩いらしく。逆を言えば生まれが生まれだからなのでしょう、ドラマもへったくれもなく被害を撒き散らすようなタイプでもないようですが」 「……急いで向かって何とかすればどうにかなる、と」 「『アメリカンオールスターヒーローズ』がいいかませ犬になってくれてますからねー」 アシュレイの言葉は非常に身も蓋も無く辛辣なものだった。 しかし、大抵のコミックだの映画だのにおいてはヒーローが屈従を強いられるシーンというものは山場の前のお約束として非常に重要なものである。 「シナリオ的には彼等はこれから『リベンジャーズ』を結成して、またボコボコになる予定です」 「もういいから。しかし……現地のリベリスタがそんなんでアメリカは大丈夫なのか……」 尤も過ぎるリベリスタの言にアシュレイは真顔でキッパリ言い切った。 「神秘業界の面子の問題、騒ぎにしたくないという事情で傭兵依頼は来ましたけどね。 U.S.ARMYは間違いなく世界最強なんですよ!」 そりゃそうだ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 10人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2013年11月17日(日)23:39 |
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■メイン参加者 10人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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●ヴィランとスーパーヒーローの国I 「ブッヒッヒ! 戦火の米国に即参上! あっし in USA だぜ!」 カメラ目線の豚――じゃねぇ、『戦火野郎Bチーム』オー ク(BNE002740)から視線を切り、一帯に広がる高層ビル群に目をやれば――ここが何処だかは自ずと知れた。 自由の国、アメリカ。世界的都市と呼ばれるニューヨーク、その中枢はマンハッタン。 十五世紀から十六世紀、最も華々しい『海洋の時代』。大航海時代に一大センセーショナルを巻き起こした新世界の発見より云百年。西洋の人間が入植地と考えたこの土地が世界に冠たる超大国となったいきさつは御存知の通りである。 しかして――表の世界の軍事力やパワーバランスがどうあれ、アメリカという国は最も強大な力を有しながらも、国としての歴史を浅くしか持たないのは事実だった。やはり神秘界隈は秘されて続くもの。革醒者――特に『何かを守ろうとするリベリスタ』というものが多くの痛みと苦しみを抱える覚悟が必要である以上、代々続く……を余り持たないこの国が腕利きのアークのリベリスタを頼ったのは当然だったかも知れない。 ここはエンターテイメント大国・アメリカ。 勿論、血沸き肉踊るムービーやコミックに憧れてヒーローを志す者も少なくは無いのだが…… 「軍の人たちを出撃させずにアメリカンオールスターヒーローズを活躍させながら神秘秘匿して勝利せよ……と。 ……注文が多いし、これは……酷い状況かも知んない……」 ……はるばるこのマンハッタンにやって来た『三高平の悪戯姫』白雪 陽菜(BNE002652)の呟きが示す通り、少なくとも今日については――その『誰もが知っているエンターテインメント』が逆効果を引き起こした感は否めなかった。 「なーんか、誰もそれもみーんなどっかで見た事あるような……」 「自分は良く分からないが、そういうものなのか?」 『生還者』酒呑 ”L” 雷慈慟(BNE002371)の使い魔で現地情報を確認したパーティは状況が少なからず頭痛を伴うものであるという事を早速確認する羽目になっていた。 そこは酷い乱戦の様相を呈していた。陽菜曰くの『何処かで見た事がある』姿のリベリスタ達と、これまたどうにも既視感のあるエリューション怪人の面々は周辺に適当な被害と迷惑を撒き散らしながら泥試合を続けている。その戦いの内容は概ね怪人側がリベリスタ側を押し捲るという一方的なものではあるのだが…… ……それもその筈、ヒーローかぶれの彼等はリベリスタとしては二流で出現した敵は大都会の人々の想像力が神秘と結びついて出現したものである。つまる所、リベリスタとエリューション、実力差という違いはあっても二者は等しく自らのルーツを同じ根っこに――アメコミに持っているのだから似通うのは当然だ。 ヒーローは何処か滑稽な位にヒーローらしく、悪役は悪役でオーバーアクションで神に祈るギャラリーに手を出さない律儀さを持っている。 「……凄いドラマ振りだな。ああ、あのヒーローSの字が間違ってる。アメリカ人なのにスペルが逆だ……」 髪を結い、『侍らしさ』を表現した 『誠の双剣』新城・拓真(BNE000644)のいでたちは何時もと少し違う。 「まさかこの様な事態に巻き込まれると思っていなかったが、これもまた任務。被害が出過ぎる前に事を収めねばなるまい」 苦笑しながらも表情を引き締める拓真は些か『くだらない』状況にも真面目そのものである。 「此度の忍務、我らアークはあくまで脇役。 真なる主役…HEROは傷つき地に伏した異国の戦友達…… 彼らが不死鳥の如く再び立ち上がるまでの時を、この身に変えて稼ぐ所存に御座る」 「崩界を食い止める事が第一。海外の仲間もこれ程の気迫で仕事に臨んでいるとは……安堵するばかりだ」 『影刃』黒部 幸成(BNE002032)、雷慈慟もやる気は十分といった風で……兎に角やられてもやられてもしぶとく立ち上がりまたやられる『アメリカオールスターズ』はSの字と実力がどうあれ同じ『リベリスタ』を感じる存在である以上はそれも当然なのかも知れないが。 「……ま、どっちにしろだ。ついにオレも国外デビューか、感慨深い。 ヒーローとヴィランの戦いに乱入とか実にアメリカっぽくていいじゃないか、嫌いじゃないぜ。 どうせならハリウッド映画のように派手に行こうじゃねぇか!」 成る程、白いスーツにティアドロップのサングラスをかけて風に吹かれる 『ラック・アンラック』禍原 福松(BNE003517)は子供のなりながら、どうして様になっている。『ちびっこギャング』のようなキャラクターが活躍するような話も見ない訳では無いからこれも中々『ハリウッド』である。 「ようやく俺にも海外出張のお話が来たって訳だ! サクっと仕事を済ませて、本場のステーキを食うぞっ!」 「……あ、とか言ってる間に蜘蛛男がまたやられた。そんで立ち上がった」 「い、生きてるよな。ちゃんと、まだ……」 一応、まだ大丈夫。所謂、ギャグキャラは死なない法則とかで。 鷲峰 クロト(BNE004319)が目を見張り、逆に目を細めた 『痛みを分かち合う者』街多米 生佐目(BNE004013)はニューヨークの空の下、高らかに宣言する。 「ここは一つ――我らがひと肌脱がねばらぬようだな。 括目する事だ――我ら箱舟の者、そして、『痛み分かち合う者』と呼ばれた我が闇の力を――!」 「旅のしおりっと……ニンジャには気をつけろ……これ味方ですよね。オークの前に姫騎士を出すな……ミュゼーヌさんに鎧着せちゃいけないんですね……未成年ですし。キンバレイちゃんはお仕事終わったら溶鉱炉の中でサムズアップして退場……これ難易度高いですね」 たびのしおり(アメリカ編)をぺらぺらとめくる『健全ロリ』キンバレイ・ハルゼー(BNE004455)は相変わらず緩いままだったが…… 「さあ、行くわよ!」 凛とした『鋼脚のマスケティア』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)の号令にリベリスタ達が動き出す。 (まさか、国外で活動する機会が訪れるとはね。 光栄な事だし、日米の関係も考え、必ず成功させなくちゃ――その為なら……恥を忍んで、いくらでもキャラを被ってあげる!) そう決意するミュゼーヌは何か体のラインが良く出るパイロットスーツに身を包み、美少女アニメナイズさえ辞さない覚悟であった。 旅の恥はかき捨て。使命がここに在るならば是非も無し。 SAMURAIヒーローズ、ここに出陣――! ●ヴィランとスーパーヒーローの国II 「……マイク、俺はここまでだ……」 「なっ……!?」 「ジェニーに、俺の事を伝えて欲しい。『アイツは最後まで――そう、勇敢だった』と」 絶望的な戦況に覚悟を決めたリベリスタの一人が傍らの親友にそう告げる。 思えば悪い人生では無かった。家族にも、友人にも恵まれた。カレッジでの生活は特に――嗚呼、畜生。来週末のデートが気になってない訳じゃないけどさ! 馴染みのコミックの悪役(ヴィラン)達は余りに強かった。コミックの中ではスーパーヒーローがそんな彼等と強力に戦っていたけれど、漫画の世界と現実は違うものらしい。それでも、彼はリベリスタだった。この世界を――あの憧れのヒーロー達と同じように守るんだと心に決めたその日から。 拳を握り締めた蝙蝠男が口をもぐもぐと動かす白塗りおじさんに向き直る。 彼が最後の勝負を考えたその時―― ――WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!!! 状況を見守っていた人々から大声が湧き上がっていた。 「……ッ!?」 戦場のS字逆型が、蜘蛛や蝙蝠男が、その他一杯諸々が――声の方に視線を送る。 「鳥か、飛行機か! それともあれは――いいえ、あれは空飛ぶ豚よ!」 「ブッヒッヒー! 戦火野郎Bチーム、B・T・バラニク、通称オーク。運転の天才だ。 人妻でも女騎士でも戦火してみせらあ。でも、監視だけは勘弁な!」 ヘリのローターがバラバラ煩い。飛べない豚は唯の豚かも知れないが、マンハッタンで飛ばれてもそれはそれで怪異である。 ……明らかに増えた『新手』にヒーロー達の表情が強張った。 明らかにフィクサードくせぇ豚に周囲は混沌としかかるもアメリカ人達は結論から言えば『ソレ』が大好きだった。 アメリカのみなさーん、一応それリベリスタですよー。 「NINJYA!!! SAMURAIッ!!!!」 手にした携帯電話のカメラを一斉に向ける彼等にとって豚より重要な存在がそこに居た。 「郷に入っては郷に従え。忍ぶ者といえど亜米利加の流儀に則り、ここでしかと名乗らせて頂こう」 逆光となるビルの上に幸成が立っていた。マンハッタンのコンクリートジャングルに黒装束は忍ぶ所かこれ以上無い位の自己主張の塊ではあるのだが、忍者にそんな事は期待されていない。 「時には摩天楼を自在に渡り、時には人知れず街の影に潜みて蠢きし者。 人それをNINJAという。黒部幸成、ここに推参で御座る――」 言葉と共に直角のビルを駆け下りる幸成に歓声が飛ぶ。 軽く着地した幸成の傍らに駆け寄った亀のビーストハーフ(NINJYA)が呟く。 「……アンタ、最高にクールだぜ! 俺はHOKUSAI。見ての通り忍者だ。宜しく頼む!」 北斎ってオマエ……何気に親日家なのか? 一方でNINJYAに対してのSAMURAI――拓真はその双剣で斬り込み、強烈な一撃で磁石の王様を後退させていた。 「名乗るほど者では御座らんが、義によって助太刀いたす……!」 唯それだけの台詞にも関わらずアメリカ人達のテンションは既におかしな事になっていた。 陽菜は『アメリカオールスターヒーローズ』に対して『ジャパンオールスターヒーローズ』の結成を提唱した。成る程、出るわ、出るわアークのリベリスタ十四名(但し一般人枠あり)の援軍大サービスである。 「怪人連合、見覚えある気がするがこまけぇ事はいいんだよ! 行くぞ、変身!」 特撮と言えば(多分)黙っていられない『Brave Hero』祭雅・疾風(BNE001656)が混戦の場に殴り込む。 「悪の怪人連合! 貴方達の思い通りにはさせない!」 白い衣装にマフラーを靡かせ、わざわざバイクで現場に乗りつけたその陽菜には撮影の嵐。 「YHAAAAAA! ジャパニーズアイドルキンバレイちゃんだよー皆よろしくねっ!」 撮影なら此方が凄い。魔法少女ルックにアニメっぽい決めポーズで手を振るキンバレイと言えば激しいにも程がある状況である。ご丁寧にもワールドイズマインとテンプテーションを併せ持つ彼女はまるで熱狂のコンサートの中心に居るアイドルのようであった。 「神秘の秘匿もそれなりに大切やん……大切……?」 「……あ、そういえばー写真大丈夫なんですかねー?」 神妙な顔をした明覚 すず(BNE004811)に大して気にした風もないキンバレイが応える。 一応これは神秘事件の筈ではあるが、何か有耶無耶にしてこいとか言われていたし…… 「大丈夫、大丈夫なのよ」 キンバレイの傍らで自分に言い聞かせるようにミュゼーヌが呟く。 アメリカ人のOTAKUに大人気なのはプラ……パイロットスーツに身を包む美少女も同じなのは言うまでも無い。状況に頓着しないロリならばいざ知らず、眉根に皺を寄せるミュゼーヌの方はかなりしんどい。 「大丈夫、U.S.ARMYは世界最強だし、FBIもCIAも優秀なの。きっとそうに決まってるわ!」 ミュゼーヌの六十口径が火を噴いた。 「だからそう、そうね……名前が必要なら、Ms.Pfeifer(ミズ・ファイファー)と呼んで頂戴!」 「RevelGeer!!!」 「どうして知ってるのよ!?」 この辺りは沙織に詰問が必要なレベルである。取り乱したミュゼーヌをフォローするようにすずが叫ぶ。 「はい、映画! これは撮影や! そうに決まっとる!!!」 「オレはジャパニーズYAKUZAの『Luck-Unluck』。仁義に生き、仁義に死す昔気質のYAKUZAよ」 「OH! Very pretty!!!」 「誰が可愛いんだよ!」 ……東洋人は幼く見えるから……ええと、福松も受けるには受けていた。 「ったく、折角決めて来たのによ…… 『義を見て為さざるは勇無きなり』と言ってな、助太刀させてもらうぜ。同盟国の諸君」 福松がこれでどうだとばかりに二ページ見開きの大コマを要求する! ――YHAAAAAAAA!『八岐大蛇(Yamata no Orochi)』!!!←大コマ感 「遅くなった 面倒毎は自分に任せ 君は奴を討て!」 声を上げた雷慈慟の灰色の頭脳は如何にしょうもな……弱…… 「アメリカの平和……? いや……世界平和への決定打は君に……君達にかかっている!」 ……いや、少なくとも雷慈慟は彼等の覚悟と戦いに敬意を表している。 「アメリカ国民はテロに負けない、屈服しない……だったな?」 「当然さ!!!」 そんな正義の友人たるアメリカオールスターヒーローズに上手い戦い方をさせるかに猛烈な回転を始めていたし、 「――光あれば闇あり、闇の眷属たる我の刃は、汝らの正義への道を拓こう。 それが我唯一の『宿業』なれば――」 マント(音楽室のカーテン)を翻した生佐目が敵の動きを阻みに掛かれば、ここぞとばかりに釣られて乗ったアメリカ・ヒーロー達が些か不恰好に袋にかかった。 これならば失敬されたカーテンも幾らかは浮かばれるものだろう。 元々ドラマチックでヤル気は十分にある奴等なのである。 遥か遠方の国――日本からの援軍にアメリカ人達は熱っぽくしきりに何かを叫んでいる。AA辺りにすればひっじょーに表現が楽な彼等は純粋に、自らのヒーローの危機にかけつけた友人達に興奮している様子だった。 「よーし、雷慈慟さんの言う通りだぜ。アメリカさん、面倒なのは全部こっちに任せとけ! 暴れて派手にやっつけて――あんた等の強さを皆にしっかり見せてやれよな!」 どれ程通じているかは分からない……というかNINJYAと同じ扱いを受けている気もしないでもないが、厳密には日本古来から伝わる『黒子』姿のクロトは八面六臂の大活躍といった風。 或る時は弱ってるアメリカさんを狙う敵を背後から刺し、或る時は隙だらけな敵を凍らせてアメリカさんに好機を与え、或る時はアメリカさんが落とした武器を拾って丁重に手渡し、或る時は倒れたアメリカさんを担いで回復の為キンバレイの所に連れて行き、或る時は回復中のアメリカさんの汗まみれの顔をおしぶりで丁寧に拭いてあげ、或る時は面倒臭くなってきたから敵の只中に飛び込んで大技(グラスフォッグ)で敵を纏めて狙ってみたり……兎に角頑張り、頑張り、頑張っていた。 「きんばれいはアメリカのヒーローさんを応援するのです!」 「流石は本場、ヒーローにも怪人にも事欠かないみたいね。 ……だからこそ、目の前で倒れる何ての――みたくないのよ、ええ!」 『炎髪灼眼』片霧 焔(BNE004174)が一般人の前に立ち塞がる。 「対物ライフルはメリケンでは市販しているから問題ないのです。 これは説明書を読んだだけなのです。私は何処までも一般人なのですよ><」 説明調台詞と共にやたら的確に観衆に迫る危険を排除する『BlessOfFireArms』エナーシア・ガトリング(BNE000422)にとって今回は半生振りの里帰りなのであった。 (U.S.ARMY最強と言ってもそれは戦争での話。非対称戦では火力が高すぎて活かし難いわ。 自国を戦場にはしたくないでしょうしねぇ……) まぁ、第三次世界大戦を始める人もいますけど。 戦いは続く。わやくちゃの中で続く。 激しい戦闘に陽菜が(半分わざと)倒れた。 「ゴメンナサイ……アタシはもう……戦えないみたい。あとを……お願い……世界の平和……を……――」 「UAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?」 バタくさい演技に本気の慟哭を上げるアメリカ人達。 「男にはやらにゃならン時があるのよ…… それにな、ジャパニメーションにはこンな有名な台詞があるンだ。 『飛翔べない豚はただの豚、可哀想だけど明日の朝にはお肉屋さンの店先にならぶ運命なのね』ってな!」 サムズアップしたオークがこの展開に特攻をかける。 「これぞ、神風──かつて、日本に存在した魂の具現。往け、ヒーロー……アメリカの平和は、おぬし達が守れ……!」 「貴殿の実力はその程度で御座るか……否、違う筈!」 拓真が、幸成がヒーロー達を奮い立たせた。 燃え上がる魂。熱が溶けて、更に大きな熱になっていく。 「スーパーヴィランと戦うのは……貴方達ヒーローよ! さぁ、行って。その手でステイツの自由と平和を勝ち取るの!」 「行け、この戦いを……っ、終わらせろ!」 生佐目とミュゼーヌのその声を背に受けて――ヒーロー達が敢然と突撃していく。 「U……」 「USA!」 声は気付けばその場に居る全員から零れていた。 「USA! USA!」←この辺サクラの術を使った幸成 「USA! USA! USA!」←この辺ノリでそんな気分になった疾風 「USAUSAUSAUSAUSAUSAUSAUSA――!!!」←アメリカ人大興奮 USA! USA! USA! USA! ――さあ、リベリスタ達の戦いはこれからだ!(尚、この事件は解決しました) |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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