●虎とメカと蛇と 双子虎の姉のフリーダム具合を知らぬ三高平市民は恐らくほぼ居ないだろう。そんな自分もその一人。 本部でヤケに上機嫌だから(尤も不機嫌な所なんて見た事ないけど)訳を訊いてみれば、「これをみるのだ」と言われた。見てみた。看板。 『なんでもそうだんひつ』 あぁ、これか。自分も時たまお邪魔している。どうやら(本人的には)思ったようにいったらしい、上機嫌。鼻歌。それ混じりに、唐突に。 「名古屋もやるのだ」 「はい?」 「三高平にはまだまだなやんでるひとがたくさんいるのだー。シュッチョーするのだー!」 「出……張……?」 「三高平中のなやめるリベリスタをすくうのだー!」 「え、マジですか?」 「……よう、昼間っからなに騒いでんだお前等」 「あっ蝮原様こんにちは」 「マムシもやるのだ」 「は?」 「カクカクシカジカなのだー!」 「……名古屋、説明しろ」 「えぇと……カクカクシカジカなんです」 「………」 ●そんなこんなで 『はい、本部には良く行くけど小っ恥ずかしくて『なんでもそうだんひつ』とかに顔を出せないそこの貴方。こっそり悩みを聴いて欲しいそこの貴方。ただお話がしたいそこの貴方。特に理由はないそこの貴方。フリーダムなそこの貴方。取り敢えずそこの貴方。『ネオなんでもそうだんひつ』開幕です。寄ってらっしゃい見てらっしゃい。特別ゲスト:蝮原様』 これでよし、と張り付けたポスターを前に『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)は頷きを一つ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ガンマ | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2012年02月19日(日)23:44 |
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●ネオなんでもそうだんひつ 「……何で俺まで付き合わにゃならねぇんだ」 「まぁまぁ、これも一興って事で。では、次の方どーぞですぞー」 ●夏栖斗さんどうぞ 「あのさメルクリィ、僕の彼女超かわいくってマジどうしようっておもうんだけどどうしたらいいかな? こうさー、女心って難しいよねえ。愛され系メルクリィとしてはどうやって女の子って喜ばせてあげてる?」 その気は無くともすぐ怒らせてしまうのだと夏栖斗は肩を下げる。女の子と付き合うの初めてだしさー、と。 「そうですなァ、愛され系の私としては――どんな時でも相手の気持ちを考えて。尊重して。好意を偽りなく表す感じですかねぇ。 特に彼女さんなら『どんな時でも君が一番だよ!』っていうのをさりげなく時には大胆にアピールすると良いんじゃないでしょうか!」 「成程ねー。でも彼女超かわいいよ! みてみて写真! 騙して熊だっこさせた瞬間に激写したやつ! ちょーかわいい! マジかわいいだろ! 携帯の待ち受けにしてんの! チョーラブ! 本人みたら怒るからないしょにしといてくれな!」 「勿論ですとも、これからも末長くお幸せに!」 ●エナーシアさんどうぞ 「では、邪悪ロリィについて」 (びくっ) 「……は、誰かが確実に聞いているわよね」 (ホッ) 「うーん、名古屋さんはフェイトと運命についてどう考えているのかしら? 態々分けて言っているのは私は別物だと考えているのだけど。 運命は確かに存在するけれどそれは主しか知らず解らない。自らに理解出来ない因果に貼りつけて黒い箱の中に放り込むためのものじゃあないのだわ」 いえ、猫箱かしらとエナーシアは顎に指を添える。そのまま続ける。 「世界に愛されたっていうのもおかしな話よね。エリューションは確実にこの世界に存在し起こっているこの世界の現象なのだから、扱いはまるで不治の伝染病の如くだけど」 でも、知っているかしら? 「伝染病の病原菌というのは別に宿主を殺すことが目的じゃあない、過失なのよね」 真っ直ぐなエナーシアの眼差しを見返し、フォーチュナは答えた。少しの思案の後に。 「フェイト。運命。視えなくって、あやふやで、理不尽だからこそ、人の数だけ解釈があるかと思う事を先に申し上げておきますね。 その上で……運命とは、万物に決められていますが変える事が出来る。そしてフェイトこそが、その運命を強力に塗り替える事が出来る必殺アイテムなのだと考えておりますぞ。塗り替えようとするかどうか、実際に塗り替えられるかどうかはその人次第ですが」 それから。 「世界に愛された。そうですね、難しい話ですが。愛されたなら、愛し返そう。私はそう思いますぞ!」 ●タヱさんどうぞ 「やー、ドーモドーモっす。アタシは蛇穴ってェケチなモンでやすがね、まあ、まだ色々安定して無い新参っすよ、どうも……にひひ。 ちょいと今回お聞きしてェのは、アンタ様、ええと。ティバストロフ様。略してティバ様の肩のソレはお幾ら万円?」 「世界で私の肩にしかない非売品ですぞ☆」 「あーそぉ、アハハ。あぁ、アタシ、まだ得物を決めかねてるンですよねェ。飛び道具もいいけど、ヤッパもいい。最初から持ってるこの鋼糸も『必殺!』てな感じで悪くもねェ。 ここはいっちょ、他人様から見ると何が合う様に思えるのか聞いてみよかな、なんてねェ。ま、付き合いも浅い間柄ですし? テキトーに第一印象ってヤツを、教えてやっておくんなせェよ。えェ」 「ラバーカップ(ドヤ」 「大喜利じゃねぇぞ名古屋」 「えー。そうですね、パイルバンカーとかデラ恰好良いと思いますぞ! 一撃必殺は浪漫です。実際に『一撃必殺の杭打ち機です』って説明ですし」 私が戦闘員なら装備してますよ、えぇ。 ●甚内さんどうぞ 「聞いてよー。名古屋ん」 「聴きますぞ」 「何て言うんですか開放感? 何だかんだちんたら生きてきたからアレなんだけども。 今まで粛々と小銭稼いで……うーん。小銭稼いで生きてた訳ですよ。でもってさ、運良くアークに拾ってもらえた訳なんだけどもさぁ、リベリスタって結構沢山居るじゃん? 居るよね? 少なくともアークって結構。 とりあえずアークに居れば食いっぱぐれないし、そこそこ裕福にさせて貰ってるけどさぁ、いざって時は我が身可愛さにケツ捲くったり、イモ引いても良いんでしょー?」 我々に要求される最優先は崩界を止める事? 自分の望みを叶える序ででの協力でも構わないって事? 「コレって凄く変わってくると思うんだよ、僕。いざって時はどうすべきなんだろうね?」 「そですなー。いざって時は、自分が一番信じる道……選んで後悔しない道を選ぶのがCOOOLかと思いますぞ!」 いざ、って時の話ですけどね! ●ウィンヘヴンさんどうぞ 「あ、あるよ。聞きたいことー。ボクが聞くのも変な感じだけどフライエンジェって翼が邪魔になって泳げないってホントー?」 「え、そうなんですか?」 「そうなのか?」 「どうなの?」 「どうなんだ名古屋」 「えー……人に、よりけり?」 「一遍泳いで確かめて来いよ、ビューハート」 「そっか!行ってきまーす」 その後どうなったかは、存じ上げませぬ。 ●クリスさんどうぞ 「今年の冬は寒い。本当に寒い。これはいったい何事だろうか。崩壊度が上がったせいで気温まで崩壊したのか?」 「そ、そこまでは何とも……」 「寒いのは好きじゃねぇな、俺も。蛇だからか知らんが」 「とはいえ、寒い寒い言ってもどうにもならない。人間は服を着て寒さを凌ぐワケだが……こう、フライエンジェだと翼が寒くて。翼をあったかもこもこにできる服とか無いだろうか?」 「フライエンジェって色々大変なんですね~」 「裁縫の上手い奴に頼んだらどうだ?」 あと、張るカイロとかな。 ●優希さんどうぞ 「俺がまだ武道に長けていなかった頃、一方的に殴りかかってきた奴がいてな。葛木というのだが、謝ってもらっていない訳ではないのだが……そいつを見ると勝てなかったあの頃を思い出してムシャクシャしてな。 完膚なきまでに叩きのめして勝利を心から得たいというのにアイツは逃げるのだ。もっと勝負をさせろ、一部の情けでもみられた戦は勝ったとしてもノーカウントだ、1000回連戦して勝つまで地獄の果てまで追いかけてやる!」 「熱いねぇ」 くつくつ笑う咬兵、しかし優希は笑い事では無いと真剣な眼差し。 「まずはアイツを戦いの場へと引きずり出したいのだが、何か良い罠の張り方は無いだろうか」 「そうですな。寝起きドッキリとか」 「具体的にどうすればいい?」 「その人が起きる前にその人の枕元にて待ち構えるのですよ。で、起きた瞬間に思いの丈をぶつけるのです、真剣に、心の底から、真っ直ぐに。当然ですが相手の気持ちを尊重する事も大事ですぞ?」 私達に話せたんですから、その人にも話せる筈ですぞ! ●猛さんどうぞ 「いや、実は随分前にとある奴をぶん殴っちまってさ。んで、そいつとは今また顔つき合わせてんだけど。あ、焔っつーんだけどさ。その時の事、しっかり謝ってるにも関わらず。なんか俺を見ると周りに見せてる態度からころっと変わりやがって、噛みついてくんだよ。 おまけに、勝負しろ、勝負しろ、っていうから一回やって俺が負けたにも関わらずまた何度も言ってくんだぜ! なんか、俺が手加減しただの言ってくるしよぉ。お前が強くなったんだっての」 「そりゃ、災難だったねぇ」 先より可笑しそうにする咬兵、しかし猛は笑い事では無いと真剣な眼差し。 「なんつーか、これってどうすりゃ良いんだろうな。また、夕日が浮かぶ砂浜でシリアスに決めながら素手で殴り合うべきなんだろうか? アドバイスを貰えると嬉しい」 「そうですな、明日は遅起きすると良いでしょう」 「は? 何で?」 「いいからいいから。それから起きて最初に会った人の話をちゃんと聴いて、猛様も心からの思いの丈をぶつけるのです。当然ですが相手の気持ちを尊重する事も大事ですぞ? 私達に話せたんですから、その人にも話せる筈ですぞ!」 良いお友達を持ちましたな! ●リーゼロットさんどうぞ 「物理型スターサジタリーの現状と未来をどう思いますか。現在自分一番の命題です……」 「そですなー。大御堂のメイドさんも物理型では? 彼女なら我々より良い答えを出してくれるかもしれませんぞ」 何せ我々はフォーチュナとクリミナルスタアですし。 「ま、自分の思う道を往くのが一番じゃねぇか?」 十人十色、だぜ。 ●燕さんどうぞ 「へぇへぇ、お悩み相談ねぇ……。ところが燕さんは特に無いんだなこれが」 「良い事じゃねぇか」 「まぁね。んー、折角だし何か聞いとくか。そうだな、二人は普段メシとかどうしてんだ? やっぱ外の行きつけのトコで食ったり?」 「私はちょくちょく食べ忘れたりしますが、大体即席系だったり……あ、ギロチン様と食堂で一緒にご飯食べたりもしますぞ。豚の生姜焼き定食とか」 「陰ト陽がお勧めだな」 今度行ってみると良い。 ●翠華さんどうぞ 「出来れば解決しておきたい事があるのよねぇ。最近、妙に『邪悪ロリ』が流行ってる(?)みたいだけど……その影響(?)なのか、私まで『ロリ』扱いされる事があるのよねぇ? という訳で……私の相談内容は、私がお酒も飲める立派な『お姉さん』という事を証明するには、どうしたら良いのかしらね?」 「じゃあく ロリ」(蘇るバレンタインの夢 「そこの名古屋は放っておいて……そうだな。お前は十分に良い女だと思うぜ?」 「……っ !」 「要は他者の価値観の問題だと思うが。ま、それでも気になるんなら……服装や髪形でも弄ってみたらどうだ?」 まぁ、俺ァ女のファッションとか分かんねぇけどな。 ●惟さんどうぞ 「これだ」 「メルクリィですぞ」 「蝮原だ」 「あまり相談するような事も……ああ、そうだ。これは騎士だが、闇のオーラを纏ったり、己の生命力を暗黒の瘴気に変えたり、禍々しい黒光を帯びた告死の呪いを使ったりと身体に悪そうなスキルしか使っていない気がする。何かお勧めの健康法は無いだろうか?」 「……乾布摩擦?」 「乾布摩擦ですかね」 「乾布摩擦か」 朝一にやると良いそうですぞ。 ●快さんどうぞ 「どうやったら彼女が出来るのかを相談しに来ました!」 「ストレートですな」 「切実だな」 「黙らっしゃい! 誰でも良いなら、付き合ってくれる人がいるのかもしれないけど。でも、今俺のある種の評判を振り払うために彼女を作る、っていうのは、本末転倒だしね。いや、自分で答え出さなきゃいけない話だし、なるようにしかならないってのは判ってるんだけどさ。 そういえば、蝮原さんは『そういう話』とか無いの? 昔話とかで」 「さぁな」 くくっと笑ってはぐらかす。苦笑で返した。 「ああ、でも今蝮原さんに恋人ができたりすると、雪花さんが色々複雑かな。多感な年頃だし。いつか蝮原さんの所に「雪花さんを俺にください!」って言いに来る、勇気ある男がやってくるのかね」 咬兵は何も答えなかった。ただ咽の奥で笑っていたが、目だけが笑っていなかった…… 「まぁ、快様には某『いい男♂』が「俺の力は、誰かの夢を守る力!!」 ぱりーん(ヘビースマッシュ ●礼子さんどうぞ 「これはわしの友達の話なのじゃがな。80歳にもなって、魔法少女に憧れて、よく変身の真似ごととかするらしいのじゃ。 本当はやめておきたいのじゃが、覚醒した影響で見た目が本当に少女だから……妙に似合ってるせいで、やめるにやめられなくなってしまったのじゃ! ……変かのぅ? い、言っておくが、決してわしのことではないぞ!?」 レインちゃんとか知らんし!早口赤面焦り顔。あらあらまあまあ。 「えぇい、はよう質問に答えんか!」 「了解ですぞ。……そうですね、私は変だとは思いませんぞ?やりたい事をやる、それが一番かと。 『強欲』とか『欲望』とか、どうも『欲』には悪いイメージがありますが……我々の動力源はすべて、あれしたいこれしたいそれやってみたい食べたい寝たい、『欲』なのですから。ゴーイングマイウェイですぞ!」 「ふむむ……なるほどのぅ……。 そういえば、その友人が、魔法少女の仲間を探しておったのじゃが……メルクリィではむしろ悪の総帥とかじゃな」 「はい?」 いや、今の話、忘れてくれぃ。 ●那雪さんどうぞ 「あのね……相談、なの。どうやったら、眠くならないで……みんなと、お話、できるのかしら……?」 しょぼん、と。背中の黒い羽まで垂れさせて、そのまま続ける。 「知り合いのおにいさん、教えてもらった、コーヒーと、運動……それから、顔を洗うも、効果なかったの……よ」 「まぁまぁ、そうしょんぼりしなさんな。」 「普段はどういう時に起きてんだ?」 「そう、ね……甘いもの、食べてる時は、起きてる、けれど……」 「なら、甘いものを口に頬張っときゃ良いんじゃないか?」 「なるほど、蝮原さん、頭いいの……」 きゅん、と。虫歯には気を付けろよという言葉にも頷いて、満足気に。 「ありがとうな……の、よ……」 うとうと。 うとうと……船漕ぎ、揺れる頭が、 ガタン。 机にヒット。 ●拓真さんどうぞ 「久しいな、こうして顔を合わせるのは……時村の本邸での戦い以来か」 「そうだな、良い面付きになったじゃねぇか」 あの時は、敵と味方――互いに望むべく物は各々に存在し、それを勝ち得る為に戦った。 遠いようで、ついこの前の様な。思い出せば直ぐにでも蘇る。 「こういう風に、顔を会わせられる様な関係になるとは思ってもいなかったが」 己よりも強く。そして、他者を惹きつける何かを持った侠。道は違えずとも、何時かは自分もそう在れる様になれればと考えた事が何度もあった。 「それで、質問なんだが。蝮原が俺と同じくらいの歳の頃は、一体何をしていたんだ?」 それは単純な好奇心。彼がどういった道を歩んで来たか、それを少し聞いてみたかった。 そうだな、と蛇の無頼は葉巻を吹かし。 「あの頃は……兎にも角にも、馬鹿みてぇに全力だったよ。我武者羅に、前しか見てなかった。世間知らずで青かった。馬鹿ばっかやらかしてたな」 だが、と言う。 その目は遥か遠くを懐かしげに見澄まして。 「――悪くなかった」 ●瞑さんどうぞ 「うちは恋愛相談があるんさ。『お、やっとマトモな相談が来たぜ』って顔だね! そのほっ、とした顔、いい表情だね」 「全員割とマトモで俺ァ正直ホッとしt「まぁまぁまぁ。で、何でございましょう?」 「相談ってのはこれさ!」 テテーン。(ギャルゲーの雑誌) 「メインヒロインピンク子ちゃん、金髪ツインテツンデレ子ちゃん、青髪不思議系クーデレ子ちゃん、黒髪元気っ娘妹ちゃん、たかしくん。 数々のギャルゲーをクリアしてきた歴戦の猛者メルクリィちゃんにしか相談出来ないから丁度良かったわー。で、どのキャラから攻略しようか迷ってるんだけど」 「ぴんくはいんらんですぞ」 「おま……」 「勿論、蝮ちゃんからの意見も参考にしたいぜ」 「(明後日の方向を向いた)」 「嫁さんとの馴れ初め経験とか活かしてズバッと! 意見言っちゃってよ。なにその困った表情マジ受け あ ちょ 待っ」 無頼のデコピン、クリティカル。 ●アンジェリカさんどうぞ 「つまらないものだけど」 と、いつもの無表情を少し赤くしつつアンジェリカが差し出したのは和菓子だった。 そして椅子にちょこんと座り、語り始めたのは――彼女の過去。養父母に虐待されていた事、二人が覚醒してエリューションになった時、自らも覚醒、それを助けてくれたのがフリーのリベリスタだった『神父様』だった事、ある時書置きだけ残して彼が居なくなった事。 「蝮原さんは、なんだかボクの神父様に雰囲気がとても似てるんだ……。だからもし蝮原さんが雪花さんに黙って出て行くとしたらどんな時か聞けたら、神父様の事も解るかな、って……」 でもこんな事聞かれても困るよね。誰かに聞いて欲しかっただけだから――そう言って誤魔化し赤面する少女の頭の上に、咬兵はぽんと手を置き。 「……そうだな。お嬢を脅かす甚大な危機が迫った時、だろうな」 何よりも誰よりも心配させたくないが故に。 「ま……色々あったみてぇだが、お前なら大丈夫だろうよ」 不器用ながらも優しさを込められた声音に少女は小さく頷いた。 「また会いに来てもいいですか?」 「構わねぇよ」 ●ツァインさんどうぞ 「なぁ逆に二人は悩み事とかないのか? このツァインお兄さんが特別に聞いて進ぜよう!」 「あ、じゃあ私」 「はい、メルクリィ! うん、真空管ね。無理ッ!」 「おま」 「蝮の旦那は? やっぱ組長さんのことかね? 確かにあの歳で色んなもん背負い込む事になっちまったからなぁ、心配なのは分かるけど、俺あの子は上手い事やると思うよ、見掛けよりずっと強いと思うぜ?」 「……」 「おっと、本題忘れてるところだった。聞いてると思うけどトロットの旦那がクェーサーんとこの世話になってるみたいでさ。 今回の件が片付いたら顔見せに来てくれると嬉しいよなぁ、俺も話したい事あってさ……まっ、挨拶代わりに一発撃ち込まれるかも知れねぇけど!」 「そうだな、それとなく気を付けておくと良いぜ」 未来は誰にも分からない。 ●喜平さんどうぞ 相談事なんて無いが昔フルボッコにされた相手なんで顔を見に行くのも悪くないかなぁ、と。 「別にリベンジしたいとかじゃないよ。本人もヤクザ仲間も命令差し引いても相当好き勝手やったじゃないの。アークは結構すんなり受け入れたが遺恨が消えた訳じゃ無いし、転向後も組織間の調整やらで気苦労が多そうだとね。 まぁ軽く心配になっただけ、それだけ……蝮相手に要らない心配だったかな」 「あぁ、退屈しなくって楽しいよ」 「ああー他に話すことも無いんでこれで」 去り際に渡したのは、胃薬。 ●御龍さんどうぞ 「いやぁー相談ってほどじゃぁないんだけどぉ昨今の運送業界の話をだねぇしに来たのよぉ。ウチも意外に厳しいんだよねぇこう見えてもぉ。やれ飾りは駄目だとかぁいろいろねぇ。どうしたもんかねぇ」 「私は恰好良いと思いますけどね~、龍虎丸」 「どぉもぉ。あとぉなかなか社員が増えなくてねぇこれも頭が痛い問題だよぉ。一応トラック運転できる社員はあたし含めてぇ二人だからねぇもう一人はぁ土木担当のダンプ屋だからぁ実質色々運んでるのはぁあたし一人ぃ寂しいもんだよぉ。どうやったら社員増えるかねぇ?」 「宣伝ですかねぇ」 「ビラ配りとかな」 「街角でポケットティッシュ?」 風船でも良いかもしれない。 ●ティセラさんどうぞ 「咬兵さんのEXスキルって暴れ大蛇なの? 荒覇吐なの?」 「荒覇吐だ」 「あ、そうなんだ……で、リベリスタとフィクサードの違いってどこにあると思ってる? 崩界を食い止めるか否か、力を自分のために使うか否かという所だけでは分け切れないように感じるの。崩界を止めるフィクサードも自分のために戦うリベリスタもいるわ」 言い方は悪くなるけど、フィクサードであったあなたにこそ聞きたい。 「こいつァ難しいな。だが、まぁ、自分の主張次第じゃねぇか? 人殺しでも『自分はリベリスタだ』っつったらそいつァリベリスタ、善い事しても『自分はフィクサードだ』っつったらそいつァフィクサードなんじゃねぇかな」 人の数だけ解釈が在るとは思うがな。 ●ルーメリアさんどうぞ 「いきなりですがメルクリィさん、黒い球団のファンって本当ですか、ブルータス、お前もか! ルメの贔屓のチームだってね、がんばってるんだよ! まだまだ若いチームだけど、地道にね……!」 開口一番メルクリィをがしっと掴んでゆっさゆっさ。くどくど。それから、着席。 「ルメが贔屓球団のために何かできることはないかなぁ……毎日応援だってがんばってるの! いつかのために野球の練習だってしてるんだけどルメは女の子だし、それに……エリューションだし。無駄なのは分かってるんだけどね。 でもでも、やっぱりがんばって欲しい! こんな力がなくても、あれだけ人を感動させる所に惹かれるっていうか……」 な、なんか相談じゃなくなってきたの。項垂れるルーメリアであったが、そんな彼女にメルクリィは優しく笑んで。 「それだけ熱心なファンがいれば! ルーメリア様贔屓の球団も元気百倍ってもんでしょう。人の思いは弱いかもしれません。ですが同時に、とっても強くもあるのですから」 特に、『他者を元気付ける』という点に於いては。 「うん、話聞いてくれてありがと!」 ●弐升さんどうぞ 「どうも名古屋さん、今日も真空管カッコいいですね。そして、蝮原さんは初めまして。アノニマス、といいます。どうぞ良しなに」 「ドヤァ」 「宜しくな」 「で。人生相談、かどうかはちょっと解らないんですが……プロアデプトらしさってなんなんでしょう。 俺、得物はチェーンソーや鉄槌ですしギガクラ大好きなんですけどプロアデプトです。 近々、戦鬼烈風陣とかデッドラを習得したいとか思っててもプロアデプトなんです。 殺られる前に殺れ、が信条ですけどプロアデプトです。 一般的なプロアデプトから外れてる自覚はあるんですが……お二人の考えるプロアデプトらしさ、というのを教えてもらえますか?」 「思うが儘のお前の儘で良いと思うぜ?」 「蝮原様と同意見ですぞ」 「やっぱ、COOOOL!とか言ったほうがいいのかな」 「いんでない」 「だな」 ●久嶺さんどうぞ 「こんにちは、メルクリィ、依頼では何度かお世話になってるわね。蝮原さんはお初にお目にかかるわ。よろしくお願いするわね」 「ドモですぞー」 「おう」 「で、今回の相談なのだけど……実はアタシ、双子のお姉さまがいてね……とても好きで好きでたまらないのよ。 でも、最近ちょっと様子が変で……とある子と、とても仲がよさそうなのよ……。 このままではアタシのお姉さまが取られてしまうかもしれない……いったいどうしたらいいのかしら!?」 「見守っときゃ良いんじゃねぇか」 「蝮原さん、他人事じゃないのよ! 貴方のお嬢にもし悪い虫がついたらどうするのかしら! アタシだったら発狂する、その虫を抹殺するわ!? でもなんか仲よさそうだから手出しづらいのよ! お姉さまを怒らせるのもまずいし……!」 ギリギリギリ。咬兵の苦笑交じりな溜息。 「お嬢なら大丈夫だ、何せあの人の孫だからな。お嬢ちゃんも姉貴を信じてやったらどうだ?」 大事な人だからこそ。 ●恵梨香さんどうぞ 蝮原咬兵を避けていた。苦手意識。初対面時に敵対し敗北した経験。 けれど今や重要な仲間であり……そろそろ自分の苦手意識も克服しておきたい。 「先ずは、今までの働きに対する労いと感謝の意を申し上げます」 「気にしてねぇよ」 止せよと言わんばかりの表情の彼へ。裏世界で生きて来た歴戦の戦士へ。自分とは経験の量も質も違うと評価しているからこそ。 「模擬戦で遠慮の無い実践訓練の手解きを受けたいのですが」 一本でも取る事ができる様になれば。苦手意識を克服し、心から受け入れられる様になるのではないか、と。 「どうなんだ名古屋」 「まぁ……程々に、窓とか割らない程度に?」 「だとよ、良かったなお嬢ちゃん」 良い女の誘いを無碍にしちゃぁ『相模の蝮』の名が廃る、と。丁度部屋も広いしな。 「やれやれ……次の方どうぞー」 ●りりすさんどうぞ 「まむっしーぼくだー決闘してくれー。あー冗談。冗談。7割くらいは本気なんだけど」 そう言ったりりすの視界に、恵梨香を軽く往なしている咬兵の姿。 「まぁ……何だ。アーティファクトの性能差が、圧倒的な戦力差だとは思うけど。それを支える下地はあってしかるべきだよね。うん。素手で殴り合うなら闘士かくりみなだろうって事で一つ、拳で応えてもらいたいっていうかヤろう。すぐヤろう」 超スピードで突っ込んでいくりりすへ、メルクリィは「窓割っちゃ駄目ですぞー」と。 ●ルカルカさんどうぞ 「てばさきー」(腰元タックル 「ごフッ」 「すきー。てばさきー」 ぱーん! ~間~ 「え? ルカ悩み事? ないわよ。だってルカ天才せくしーそみらだもの。だってルカ最強だしかわいいし、ぶりりあんとなのよ」 「さ、さいですか……」 「しかたないわね。てばさきのなやみきいてあげるのよ。ルカが解決してあげる。ルカ天使だから」 「そうですね、しょっちゅう割られる事ですかね」 「なるほどなのよ。そうね……」 パーーーーーン!!! 「真空管割ったら解決なの。ルカの大岡裁きなの」 滅茶苦茶だこのピンク羊。 ●凛子さんどうぞ 「怪我は嫌ですよね。ホント困った人が多いですね」 メルクリィの真空管の治療を終えた凛子ははふりと溜息をもらし、のびた恵梨香とりりすを担いで戻って来た咬兵へと目を遣った。 「訓練は大切ですからね」 苦笑、二人を治療しつつ。 一段落すれば、御茶とお茶菓子を取り出して。 「安易ですが、名古屋というお名前からういろうを用意してみました」 「ドーモですぞー!」 それはまったりとした時間。ゆるりと、他愛もない話でもしながら。 最中、凛子は隅でだらだらしているりりすを手招きし。 「人と交流も難しいですか?」 手に渡すお茶菓子、撫で撫でと甘やかし。 ●ジルさんどうぞ 「最近さー、寒くて体が動かない訳よ、朝。もーベッドから出るのに一大決心が要るレベルで。昨日もうっかり2度寝突入して、いつもより30分寝坊しちゃったわ。 一人暮らしで6畳一間のウサギ小屋だから、部屋もなんか嫌に寒々しいし。ペット飼うにも一人身でこの仕事じゃ世話できないし。何とかならないいものかしら」 延々、吐き出すのは相談とも愚痴ともつかぬ事。 お気楽テキトーに生きて居るように見えて、それなりに悩みはあるらしい……小さいが。 「モッコモコに厚着するのは如何でしょうか! あ、ルームシェアとかも良いかもですな」 「気合いで何とかするっきゃねぇな」 寒ィのはどうも嫌いだ。 ●茅根さんどうぞ 「名古屋さん、蝮さん聞いて下さいよお。あ、どうも初めまして。山田茅根です。 相談なんですが、娘の反抗期が何時まで経っても終らないんです。ちょっと顔を見せれば嬉しそうに剣を向けて来て……あれ、好かれてます? でも、殺す愛って余り現実的ではないですよね。うーん、何でそんなに憎まれているんでしょう。私はこの世界の常識や良識を、ちゃんと守って行動してはずなんですけれど。リベリスタにもなって頑張ってるのに、訳が分かりません」 たまにちょっと悪戯心を出す時もありますけど、本当に多少ですし。 「まぁ、ガキってのは一番複雑な時期だからな」 「逆に考えるんです。完全無視よりマシじゃないか……と」 「そうか。いやはや、人の感情って本当に難しい。まあ、それが楽しくもあるんですけどね」 価値観の相違って素晴らしいです。 ●亘さんどうぞ 「悩み多きお年頃なのですが。実は……悩みがないのが悩みでして」 「良かったですね! 次の方どうぞー」 「いえ、すいません、ちょっと待って下さい。 改めて、どうやったら名古屋さんみたいなジェントルな人間になれますか? やっぱり肩の電球ですか? あれがあるとなんか愛とかが溢れ出てジェントルメンになれるんですか!」 「真空管ですしおすし」 「こほん、失礼取り乱しました。普段の名古屋さんを見ていて、皆さんへの心配り等が凄いなと思ってるんです。 博愛の心……それがどれだけ難しいものか。自分のは大きな悩みではないですが、ただ誰かと話してたり依頼の時とかにもっと上手く相手を思って話せんじゃないか、と考えちゃうんです」 完璧な答えはないと分かっています。でも、何かアドバイスを頂けると嬉しいのですよ。 「やはり貴方には悩み事が無いようですな。そういう風に思えている時点で、貴方は十二分に優しいジェントルメンですぞ!」 これからも、その優しい気持ちを大切にして下さいね。 ●瀬恋さんどうぞ 「名古屋のニーサンはあっち行っててくれ」 「へ?」 「聞いたら殺す。間違えた。壊す」 「えええええ」 と、まぁ、瀬恋が向き合うのは蛇の無頼。 「アタシは家族を殺されてから一人で生きてきた。生きる為、それが全てだった。 でも、前にあるフィクサードに言われたんだよね。『正義か悪、一つ所に魂拵えてから出直して来い』ってね。 別にだから腰を据えよう、なんて訳じゃねぇ。でも、ちっと考えてみようと思うのさ。アタシのあり方ってやつを」 蝮のオッサンよ。 「アンタが戦う理由を聞かせてくれ。組の為ってのは勿論あるだろうさ。相良橘平と組みを立ち上げて、戦い続けた理由を教えてくれ。それを聞きゃあ、アタシにも何か見えるかも知れない」 「……、」 咬兵は椅子に深く背を預けた。そうだな、と。一間の後に。 「若ぇ頃は旦那の背を。そして今は、お嬢の背を。そうだな……いつだって、俺ぁ誰かの背中を追い続けて、」 不器用に、少し視線を背けて。 「憧れているからこそ、かもしれんな」 戯言だ、忘れても良い。 ●虎鐡さんどうぞ 「うっす! 咬兵。元気そうでござるなー!」 「よう、お前もな」 虎鐡はにっこにこと手を上げ挨拶。着席。 「今日は世間話でもしようと思ってきたでござるよ。他の相談者とか色々と深い相談もあっただろうでござるから、緊張ほぐしに」 まぁ、そういう玉ではないでござろうが。 「咬兵は普段はどういう事やってるのでござるか? 趣味っぽい何かとかあるのでござろうか? 普段の生活が想像できないでござるからな」 「お前は何やってんだ?」 「拙者は普通に料理作ったり裁縫したりでござるなー。子育てとかしてた影響でもう自立できる年だというのにやってしまうでござるな 」 「へぇ。ま、これからもチビ共を大事にするこった」 「当然でござるー! ……あ、何かはぐらかされた?」 「気の所為だぜ、くくっ」 秘密って訳だ。 ●源一郎さんどうぞ 「話と言うのは他でもない、メルクリィへの想いの事だ」 「はぁ、私ですか?」 「矢張り幾多の日常、催しを経て交流する内にメルクリィへの好意がより強く大きなものへと変じていく、其の感情と心意を抑える事は叶わなかった」 基より抑える気も皆無であったが。 「共に居る時間は三高平に来る以前と比べ様の無い程に色鮮やかな、世界が違うかの如しもの。メルクリィのおかげで、多大なる幸いを噛み締める事が叶った」 真剣に、真っ直ぐに。 「好きだメルクリィ」 「 … へ?」 「我が今一番大事に思う存在。之からも共に居る時を過ごしたい」 「え、あの、 は い ! ?」 「その証明を今此処で行おう」 「あ、ちょ、待っ――源一ろ、 」 寄せた顔からの零距離。一瞬だったけれど。 「こ、こここここぉのおばかーーーー!!? ひっ人前の日中だし私男ですし三十路ですし邪悪ロリィならまだしもっていうかアレは全部悪い夢即ちフィクションです実際の団体人物とは一切関係御座いませんですしですしあばばばばばばばば」 ちょっと色々爆発したんで思わず平手打っちゃいました。ごめんね! 「……何と言うか。三高平、奇々怪々だぜ」 見なかった事にしよう。咬兵は先の凛子の茶菓子を頬張るのであった。 ●ウラジミールさんどうぞ 「悩み事など素面で話をすることでもあるまい?」 という口実の下、酒が飲めるメンツとわいわいと酒を飲むのが少佐の作戦。 「悪くねぇな」 と、やや上機嫌気味に咬兵は他愛もない話を。 「あれはバレンタインが悪いんです闇の妖精が悪いんです大体あの時私って13歳華奢かなり低いのガチな女の子でしたし何て言うかその場のノリっていうかリア充充実しろっていうかフィクサードスレッドっていうか多少の悪乗りも良いよねっていうかガイヤが俺にもっとハジけろと囁いたっていうか」 メルクリィのよく分からん言葉もウラジミールはうんうん頷き。肩に手を置き、言い放つ。 「酒を飲めば大体のことはそれで解決するものだ」 「ですよねー」 この後、下戸なメルクリィが吐くまで呑んだのは言うまでもない。 ●○いみーさん(18才高校生/プロフィールは本人によるもの)どうぞ ※目の部分に黒い線、声もモザイク入り 「悩みなんですが……私、正統派ヒロインなんですよ。え? だから、正統派ヒロインなんですけどね。 最近やたらヤンデレとか言われて、勘違いするなって感じですよねー。お前らなんぞにデレないっていうか、私がデレるのは一人だけだし? 三高平で1、2を争う正統派ヒロインの自覚はあるんですけど。いや、別に興味はないですよ、周りがどうしても放っておいてくれないというか、ヒロインヒロイン言われてまぁしょうがないなぁって感じ? ファンサービスみたいなものですよ。 え、悩みは何かって? 今年こそ高校卒業したいです」 「が、頑張って下さいね……!」 (何だこりゃ……) ●仁太さんどうぞ 「なんについて相談かっちゅうと……」 『人生博徒』 ←これ。 「まぁなんや、この称号のルビをどうしようか考えちょるんよ。ほら、『幻想殺し』でイマジンブレイカーとか『国士無双十三面』でライジング・サンみたいに、日本語の単語に外国語のルビをつけるあんな感じのをやりたいわけぜよ。 こう、必殺技撃つ際とかに『わしが!○○ぜよ!』ってな感じで見得切るとかっこええやろ? 使いどころ選ぶけんどピッタシはまったらなんか強うなった気ぃするぜよ。 じゃけんど、わっしこういう名前決め苦手なんよね……。ちゅーわけで、このルビを決めてもらいたいぜよ。二人のネーミングセンスに期待しちょるで、カッコええの頼むぜよ!」 「パチンコ」 「それあんまりですぞ蝮原様ッ……!」 そんなこんなで考えた結果。 人生博徒(ジャンクオブラスベガス):ギャンブルで有名なアレとそれの中毒者的な感じだそうな ※第二候補:人生博徒(パチスロ) ●湊さんどうぞ 「わたくし、武器の名前を悩んでおりまして。何か良い武器の名前をご一緒に考えてくれないでしょうか? 武器の種類は蛇腹剣。ええ、三高平ではわりと不評な武器のようです。 すみません、少し無茶ぶりかも知れません。でも割とホンキで悩んでおりまして。ネタでもシリアスでも、深く考えず軽い気持ちで構いません、お願いします メルクリィ様みたいな素敵な名前の方なら、良いネームセンスしていると思っております」 「魔剣蛇腹ソード」 「それはあんまりじゃねぇか名古屋?」 そんなこんなで考えた結果。 ダブルバインド(読み:ぐるぐるふたつ):double bind。二重拘束。矛盾した二つの命令を受け、身動きできない状態。 ※第二候補:魔剣ジャンバラヤ(読み:めっちゃえぇかんじですがな) ●レイラインさんどうぞ 「アークに来てはや一年。様々な出会いがあった訳なんじゃけども……ぶっちゃけ、彼氏が出来ないのは何故なんじゃろうか!? 可愛いとは言って貰えるから顔が悪い訳では無いと思うし……ならば性格か!? と思ったが交友関係で問題があった事もないし……なら後は何が原因だと言うのじゃ! 教えてお二人様!!」 「え、レイライン様って未だ彼氏いなかったんですk「フシャーッ!」 ぱりーん。 「でも何ででしょうねぇ?」 「良い女だとは思うんだがな」 「今年は積極的に行ってみてはいかがでしょうか! ファイトですぞ!」 _(:3 」∠)_ ●九兵衛さんどうぞ 可愛く。苦手な野菜をどうしたら好きになれるか教えて貰いにきました♪って感じ。 が、一変。深刻に。顔の前で手を組んで。 「のう名古屋、蝮の。E化した人間は肉体が若返る事がある。素晴らしい事じゃが、外見がどうであれ、年老いていった経験が存在するのであればやはり年寄りじゃ」 中略。 「ばーさんをばーさんと見抜くスキルはなかったかのう。ただな、あったらあったで困るんじゃ。ワシ以外の……特に本物のお姉ちゃん達にそれを習得されてしまっては……ワシはっ、一体どうしたらいいんじゃあっ……!!」 「あ、『リーディング』っていうスキル御存知です?」 「言うなぁぁぁ」 あと『深淵ヲ覗ク』っていう…… ●ルアさんどうぞ 「メルクリィさーんっ!」 ギアは全開★最高速、ドーンと突撃一直線! 「ルア様ー♪」 高い高い、きゃっきゃとはしゃいで。 「でもね、初めて見かけた時、私泣いちゃうかと思ったの。メルクリィさん身長高いし……お顔、ちょっと怖かったし」 「まぁ……、自覚はありますな」 「あっ! でもね、今はそんなことないのよ? ほんとにょ?!」 わたわた、顔を真っ赤に慌てる彼女を「分かってますぞ」と優しく撫でて。 着席した彼女の話を聴くべく。 「相談事というか、スケキヨさんの素顔が見たいなって。……こ、恋人としては、相手の事は全部知りたいなぁって」 指をもじもじさせて呟く。でも、ケンカはしたくない、と。 「うむ、ここは待ちの一手ですぞルア様! なにも今すぐ全てを知らないと駄目な訳でもないでしょう? 好きで、信頼しているのでしょう? だからこそですぞ。ゆっくり。ゆっくり。一日に一歩の速度でもいいのです、共に歩いている内に、気付かなかった所にまで気付くようになる筈ですよ」 ルア様ならきっと大丈夫! ●殊子さんどうぞ 「暫くぶりに本部を訪れたら浦島太郎だった私を救ってくれ。こんな大勢のフォーチュナ何処から調達したんだ」 「ジンバブエです嘘です」 「……。まぁ、宜しくな。で、相談員から見た各フォーチュナの印象を簡単に教えて貰えると嬉しい。 た、例えば車椅子のフォーチュナとか。奴は普段、本部でどう過ごしている?」 心なし身を乗り出し、目も声も真剣。どうやら本題。 「べ、別に探りを入れに来た訳じゃないぞ! たまたま見掛けた事のある人物を例えに出しただけで、深い意味は無い!」 なんて、両手を膝に突いて待ち。 「逆貫様ですか? あの人はちょっとツンとしてらっしゃいますが、我々の中で誰よりも人間らしくって、優しくって、世話焼きで、良い人だと思いますぞ。 ただ、ちょっと神秘の存在が恐ろしいみたいで。私なんか殺意の目で見られてますよ、そこが可愛いんですけどね~あっはっは……は、あの、何ですかその胡乱なジト目は」 「いや、何でもない。何でもないぞ。私は腐ってないから嫉妬などしない――有難う。参考になった」 (さりげなく爆弾発言ー!?) ●おしまい 「……今の奴で最後か?」 「ですな。お疲れ様でした!」 ネオなんでもそうだんひつ、閉店がらがら。 『了』 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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