●奇奇怪怪なる人の縁 秋の日は釣瓶落とし。 十月の末日ともなれば外の気温も随分と下がりそろそろ涼しいを通り越して寒い、という評価にもなろうというものだ。 夏場比較的涼しく冬場暖かい太平洋側の静岡においてもこの所は随分と着込む人の姿も増えてきた。相も変わらず元気な誰か等は薄着で居るケースも多いのだが、山々の風景が鮮やかな赤や黄色に衣替えする季節ともなれば人間がそれに倣うのもやはり時間の問題である。 さて、それはそれとして。 十月の末日と言えばハロウィンを連想する人間も居るだろう。元々はケルト人の行なっていた収穫感謝祭を起源とするとされるハロウィンは由来と歴史的背景から専らヨーロッパ圏で馴染みの深いイベントと思われている所があるが、要するに現代のこれは非常に『お遊び』の要素の強いお祭りである。 外の文化を大衆俗化して取り入れる事に余念がなく、また非常に得意とする日本の場合『お菓子を貰うか悪戯するか仮装して迫る』等という面白おかしい造りを敢えて見逃す理由は無い。 ましてやこの人種の坩堝――ある意味で『年がら年中仮装しているような連中が闊歩する』三高平の場合、敢えて外す理由は無い。 かくして、色とりどりに飾られた三高平の風景は、辺りを見渡せばめいめいの衣装に身を包んだ誰かを見かける市内の様相はすっかりお祭り特有の高揚感に満ちているのであった。 ジャック・オー・ランタンの 『夢にみる鳥』カイ・ル・リース(BNE002059) が歩き回る向こうには頭から螺子を生やした 『アリアドネの銀弾』不動峰 杏樹(BNE000062) が居る。 そういうお店の呼び込みのお姉ちゃんのような――コホン、魔女のコスプレに身を包んだ 『高嶺の鋼鉄令嬢』大御堂 彩花(BNE000609) が全身にぐるぐると包帯を巻きつけた 『リジェネーター』ベルベット・ロールシャッハ(BNE000948) 、相変わらずお美しい三銃士のような格好をした 『鋼脚のマスケティア』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589) と談笑して歩いている。戦乙女の扮装をした 『あほの子』イーリス・イシュター(BNE002051) はひらがなで何かを叫び騒ぎ、上等のフランス人形のような 『イノセントローズ』リゼット・ヴェルレーヌ(BNE001787) は澄ました顔でソレを見ている。何? 少女ばっかり? 趣味優先はやめろ? 仕方ねぇなあ。 南瓜パンツの王子様――の格好をした変態もとい 『カボパン王子』結城 竜一(BNE000210) は「イヴちゃんぺろぺろ!」とかうっせーし、キンキラキンの衣装を着込んだ 『自称アカシャ年代記』 アーゼルハイド・R・ウラジミア(BNE002018) は将軍サンバでもやらかしそうな位に違和感がたっぷりだ。デュラハン(こったへんそう)をする ツァイン・ウォーレス(BNE001520) や 『アンサング・ヒーロー』七星 卯月(BNE002313) の存在感は抜けているし、男なんだか女なんだか何の動物なんだかむしろお前は何なんだか良く分からないレベルの 『エチゼンクラゲ』犬束・うさぎ(BNE000189) も悪目立ちの領域で目立っている。 妙にたくましい魔法少女―― 『鋼鉄の信念』シャルローネ・アクリアノーツ・メイフィールド(BNE002710) が「軟弱な男なぞ認めん」と仁王立つ一方で、ギリシャかどっかの武神のような神々しさを湛えた 『ミサイルゴッデス』白石 明奈(BNE000717) が「違いねぇ」と豪快に笑う。蒟蒻だかぬりかべだか分からない 『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439) が黒色の猫を抱えた猫娘―― 『運命狂』宵咲 氷璃(BNE002401) に虐待を受け「シュゴシン!」だの何だのと叫ばされて遊ばれている。 妙に尖がった木馬に跨る意味深な三蔵法師こと 『泥被り』モニカ・グラスパー(BNE002769) が恍惚とする向こうにはあのアシュレイのコスプレに身を包む 『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)、 蘭堂・かるた(BNE001675)、 『蜥蜴の嫁』アナスタシア・カシミィル(BNE000102)、 『ガンスリンガー』望月 嵐子(BNE002377) 等の姿もあった。胸元を見れば誰が誰だか分かりそうなのがポイントである。 何か妙に血生臭いホッケーマスクにチェーンソー、その系統な 番町・J・ゑる夢(BNE001923)、 『積木崩し』館霧 罪姫(BNE003007)、 髑髏を下げ血濡れた大鎌を備える死神の 『偽りの天使』兎登 都斗(BNE001673)、 『鉄腕メイド』三島・五月(BNE002662) 。更には刃物とランタンをぶら下げるメイド 『戦闘用メイド』エナーシア・ガトリング(BNE000422) 、ブラッディ赤ずきんこと 『ネメシスの熾火』高原 恵梨香(BNE000234) の異彩も止まらない。 「皆可愛い!」と興奮して騒ぎ出すインド―― 『優しい屍食鬼』マリアム・アリー・ウルジュワーン(BNE000735) の帽子は零れそうな位のお菓子を湛え、キョンシーの姿でぴょんぴょん跳ねる 『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086) はフォーチュナにドン引きされる彼氏の有様を納得したように眺めていた。半獣半人の仮装をした 『メタルフィリア』ステイシー・スペイシー(BNE001776) は解放的な『ゆるい』空気を大いに愉しみ、男性を誘惑するサッキュバスを気取る 『ぴゅあわんこ』悠木 そあら(BNE000020) は互いに弁慶と牛若丸の扮装に身を包み今日も全開でらぶらぶな 『てるてる坊主』焦燥院 フツ(BNE001054)と 『みにくいあひるのこ』翡翠 あひる(BNE002166) を見て「あたしもさおりんがうんたらかんたら」今日も今日とて闘志をめらめらと燃やしていた。 えとせとら。 エトセトラ。 えとせとらったらエトセトラ! ちょっと全てを紹介し切るには難しい程、様々な格好に身を包んだリベリスタ達は思いの外今日という時間を楽しんでいるようだった。 元々日頃から珍しい扮装している事も多い彼等だが、今日の雰囲気と格好を見れば中にエリューションが混ざっていても、部外者が混ざっていても気付かないであろうというのは明白だった。 「ふっふっふっふ……」 低い笑い声を立てる小さな人影は。 小賢しい人影は珍しく足りない頭を全力で回し、それを何となく知っていた。千載一遇のチャンスに三高平に侵入した――フィクサード。世界の平穏を崩すものは人知れず一人静かに笑っていた。 「はろいんにまざってあたしが三高平にしんにゅうしたなどとはおしゃかさまでもきづかないのです」 嗚呼、恐るべきひらがな率。ヤツの名は、ああ。ヤツの名は。 「あたしはいちごもすきですがおかしもすきなのです。 とりっくおあといーとで三高平のおかしをぜんぶあたしがうばうのです」 トリートが舌足らずなのがポイントです。 彼女の名はストロベリー。この世界を孤高に行き、お笑うもの。 まぁ、こんなのも混ざり込む位に――今日の三高平は寛大だった。 さあ、皆でそう。Trick or Treat! ※参考リプレイ 怪盗ストロベリーの挑戦 怪盗ストロベリーの逆襲
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