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単刀直入に言おう。決戦だ。 |
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先の戦いで失陥した三ツ池公園と『閉じない穴』を奪還します。
アークの――リベリスタの総力を挙げて臨むこの作戦はこの世界を守る為の戦いになるでしょう。 |
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言葉には一つの大袈裟もないぞ。
状況から考えてアシュレイの目的は『世界の破滅』と見られている。
どんなお題目も意味を為さない位に大それた狙いだが、奴はその準備を整えている。
奴がバロックナイツ撃破を願ったのは『神器級アーティファクト』の奪取の為だった。
だが、奴は使えないアーティファクトそのものを欲していた訳ではないようだ。
奴の狙いは『神器級アーティファクト』が持つ莫大な魔力値の方だった。『聖杯』を完成させたペリーシュの極めて優秀な魔力抽出技術を併せる事であの女は究極の召喚陣の起動を目論んでいた、という訳だ。 |
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究極召喚陣『魔王の座』から出現する脅威――ミラーミスを我々は『Case-D』と仮称しました。
この破滅的存在は『R-type』とも似ていますが、その脅威はそれ以上と言えます。
因果律を修正してこの世界を『無かった事』とする現象は、最悪のシナリオとして万華鏡が観測しました。 |
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有体に言えば『召喚成立すれば世界は滅びる』という事だ。
即ち、我々の勝利にはアシュレイの儀式が完成する前にヤツを殺すか、穴を閉じる事が必要になる。
敵側も幾らかの混乱はあるだろうから、状況は有利とも不利とも言えないが。 |
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敵側の主力はディーテリヒの信望者や傭兵。
魔術的儀式の産物――エリューションやアザーバイドです。
この内、フィクサードについては状況をきちんと把握せず迎撃に出る者も居る筈ですから……
現場の動き次第で彼等を此方の有利に動かせる可能性はあります。
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フィクサードと言えば、破滅願望のない利益主義者共も今回は味方につくようだ。
本部の根回しがギリギリの所で奏功した。特に逆凪黒覇等は…… |
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我が社も未曽有の損益は御免蒙るのでね。
世界が滅亡したのでは、今後の利益のあげようもない。 |
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フィクサードと言えど世界を滅ぼしたい人間なんて多くは無い。
そういう意味じゃ今回の戦いは維持と破滅の戦いとも言えるんだが……
例の『ロンギヌスの槍』を突き刺すのは簡単な事業にはならないぜ。
時間との勝負で、瀬戸際の攻防なのは間違いない。
最後の頼みになるかも知れんが――何とかあの女を止めてくれ! |