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 美男美女のカップル。お似合いの二人。
 そんな月並みの形容が決して月並みなどでは無い事は、ただ楽しげに会話をしながら歩いているだけの拓真と悠月が通り過ぎた後、多くの人々が不意に一度振り返ってしまう事も明らかである。
 ―――当の本人たちは、そんなことに全く気が付いていないであろうが。

「妹の方は、順調なのか」
「どうなのでしょう」
 何処か意地悪気に問うた拓真の顔を見て、悠月もくすりと笑みを零す。
 歴史の長さではこの二人に及ばない。出来たてほやほやのペアは、悠月の妹と、そして二人の知らぬ中では無い男性との組み合わせ。
 肝心な所で奥手な"彼"と、しっかり者だがどこか抜けている妹の紆余曲折など、拓真と悠月には微笑ましい事この上なかった。
 腕を組んだ所から、じわりと熱が伝導する。
「しかし、時が経つのは早い。年々早くなるというのは、案外嘘じゃ無いな」
「ええ。心理学的にはジャネの法則で説明されてますから。物理学的にどうかは、分かりませんけど」
「ふむ」
「あと何回―――こうしてクリスマスを過ごせるでしょうね」
 一瞬過ったのは、戦いに身を置くが故の結末。
 クリスマスの喧騒が一瞬止んだ。
 拓真に絡んだ腕に、少し力が籠る。
 真直ぐ前を見つめながら、拓真も腕に力を籠める。
 その止まった時を、拓真が解凍する。
「何度でも。幾夜でも。悠月となら」
「私がおばあさんになっても、ですか?」
「悠月がおばあさんになっても、だ」
 繋がった腕は、さっきより暖かい。
「早く、ケーキ、食べに帰りましょう」
 この繋がりは。
「―――ああ」
 この熱量だけは、真実だから。
 
新城・拓真(BNE000644)
風宮 悠月(BNE001450)
 
担当VC:たぢまよしかづ
担当ST:いかるが