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「ああ……」
 薄らと朱を帯びた頬に手を添えながら、アガーテが詠嘆する。
「どれも美味しそうで迷ってしまいますわ」
 緩やかに焼き上げたガトーショコラ、苺色のスポンジに紅ほっぺを載せたショートケーキ、モンブランに桜のケーキ―――。
 思わず目移りしてしまう、見ているだけでも愉快なそんなショーケース。そこ映るアガーテの隣の姿が、彼女に視線を合せるように少し屈んだ。
「どれも美味しそうだね。困ったね」
 薄く笑ったイシュフェーンに「イシュ様はどれにしますか?」とアガーテが返す。どうやら愛らしい表情とは裏腹に、真剣にケーキを選んでいる様だった。
「強いて言えば、アガーテ君が選んだケーキが食べたいね」
「そんなこと仰らないで、イシュ様も選んで下さい」
 アガーテとは対照的に、イシュフェーンは然程困った様子も無く、何処かアガーテを含めたこの状況を楽しみ、飄々としていた。
 二人の手には荷物が下げられている。
 今日はクリスマス。
 昨日のケーキも、明日のケーキでも駄目。今日のケーキだからこそ、意味がある。
 そんな二人の様子に思わず微笑んだ店員が、アガーテの助けに入る。「例えばこちらは当店のオススメで……」と指されたケーキに、アガーテの視線が釣られて動いた。
(まだまだ掛かりそうか)
 だがこの時間は、悪くない。むしろ好ましい。
 ぷらんとイシュフェーンの指で小箱の入った袋の持ち手が揺れると同時に、「イシュ様」と困った様な嬉しい様なアガーテの入り混じった表情が彼を捉える。
「そうだね、じゃあ僕は……」
 もし来年があるのなら―――、君の作ったケーキが食べてみたいものだけれどね。
 
イシュフェーン・ハーウィン(BNE004392)
アガーテ・イェルダール(BNE004397)
 
担当VC:ハツキリゥ
担当ST:いかるが