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「アティリオさんは、今日は女性のお召し物ではございませんのね」 雪がちらちらと舞っている露店が並ぶ界隈。 有価とアティリオは、お互いへの贈り物を探して歩いている最中だ。 デザインが気に入り、女物に好んで袖を通すアティリオは今日は男物のサンタ服だ。 サンタ帽ではなく、フード付きで豊かな髪が背中に流されているのがちょっと変わったデザインだ。 「幽華さんはとてもかわいらしいのでありますよ。ドキドキいたします。ほんとでありますよ」 恥ずかしさに、幽華はちょっとだけ急ぎ足だ。 その後をゆったりアティリオが追いかけてくるのに、幽華は我知らず笑みをこぼした。 「いえいえ、あの、本当に……」 意味不明な言葉を並べてしまうが、なかなか素直にありがとうと言えない14歳である。 「いえ、あの、私のことはともかく、質問に答えていただきたいのですわ」 実は、はぐらかされるのもちょっとドキドキしてしまう複雑な乙女心である。 「幽華様の襟元、ちょっと開いてるのであります。アクセントに、ペンダント。それとも襟巻きなどいかがでありますか?」 なかなか答えてもらえない。 プレゼントは答えがいいとなかなか言えない、幽華14歳のクリスマスだった。 |
アティリオ・カシミィル(BNE002555) 姉小路 幽華(BNE004171) |
担当VC:斉藤アキ 担当ST:田奈アガサ |