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陽が差し込む部屋で、サンタクロースの衣装を纏った三人娘はお喋りに花を咲かせる。 コタツの上には、温かいお茶と、何冊もの“薄い本”。同人誌即売会などで頒布されるアレだ。 いずれもBL(ボーイズラブ)――いわゆる、男性同士の絡みを題材としたジャンルの本である。 当然、それらを手に語られる話は“そういった内容”になるわけで。 「わたしは、鍵穴って襲い受けだと思う。鍵がなかなかその気になってくれなくて……なんてよくある話よね」 「スイッチと電球も捨て難いかな。点くも消えるもスイッチの手の内で、フィラメントが焼き切れちゃうほど弄ばれるけどドキドキしちゃう……とか」 って、無機物カップリング? 擬人化ですらなく? ……ごめん、ちょっと高度過ぎてついていけない。 身振り手振りをまじえて白熱した議論を交わす羽柴 壱也(BNE002639)と翡翠 あひる(BNE002166)の間では、テテロ ミーノ(BNE000011)が狐の耳をぴんと立てて二人の話に聞き入っている。 時折、真っ赤になって \ひゃぁぁぁ/ と声を上げたりもするが、九本の尻尾がせわしなく揺れているあたり、興味津々ではあるらしい。普段の言動からどうしても幼く見えるけど、ミーノも年頃の女の子ですしね。うん。 「……あと、はずせないのは消しゴム×鉛筆のカップリングなんだけど」 「ほえ?」 「あひるは、鉛筆が誘い受けかなって」 「わかる。全部消してみろよ……って言うんだよね。きゃー!」 目を爛々と光らせ、話に乗ってくる壱也。 その隣でミーノが首を傾げているのに気付き、あひるは説明を始めた。 「あ、誘い受けっていうのはね。受けの人が……」 それで意味を理解したミーノが、\うひょぉぉぉ/ と叫ぶ。 BL談義に疲れたら、クリスマスケーキとお菓子を持ってきて休憩しようか。 でも、その時が訪れるのはまだ当分先のようである。 |
テテロ ミーノ(BNE000011) 羽柴 壱也(BNE002639) 翡翠 あひる(BNE002166) |
担当VC:ちろりるら 担当ST:宮橋輝 |