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すりすりすり、と。 背に頬ずりする竜一を見るユーヌの瞳は、仕様が無いと言った感じで。 二人は、空から共に降ってくる。 雪と共に、降ってくる。 本来ならば、立ち位置が逆であろう。という一般的な誹りは、この二人には当て嵌まらない。 背負う、というよりかは、しがみついている、と言った風体で。 しかし、これはこれで限りなく幸福な結果の一つに違いない。 ユーヌが一目も憚らずに甘えてくる、という様子を、竜一は上手くイメージは出来ないが、その逆はさもありなん。ちょっと加虐趣味のありそうな彼女は、ちょっと被虐趣味のありそうな彼をそうやって許容している。なればこそ―――その結果は、この二人だからこそ。この二人以外では有り得ない、立派な奇跡だった。 「うりうり」 竜一のスキンシップは、そのユーヌには反撃の出来ない体勢を盾に取って、若干過剰にその胸の内を吐露する。これだけ近くに居て、これだけ近くに心臓があって、―――もっとくっつけられたらいいのに。 ユーヌは何も言わない。相変わらず視線だけでその感情を返す。 言葉に乗せなくても伝わる感情が―――あると、思う。 言葉に乗せないからこそ伝わる感情が―――あると、思う。 聖なる夜のこんな奇跡の中で、 二人は降りていく。 どこまでもどこまでも。 この奇跡に、果ては無いのだから。 |
ユーヌ・プロメース(BNE001086) 結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210) |
担当VC:須藤怜 担当ST:いかるが |