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壁には、クリスマスリース。窓には、靴下と色とりどりの折り紙で作った輪繋ぎ。 ハンドメイドの温かみに満ちた飾りたちは、聖なる夜のホームパーティを優しく演出してくれる。 テーブルの大皿には、食べかけのローストチキン。この人数だと、少しばかり大きかったかもしれない。 その手前に二つ並んだ小皿の片方、ピースの先っぽが欠けた生クリームのケーキと、後に取っておいたと思われる苺が残っているのを見て、ロアン・シュヴァイヤー(BNE003963)は不意にそんな事を考えた。 隣でケーキを食べていた筈の伊呂波 壱和(BNE003773)は、膝の上で寝息を立てている。パーティをしながらサンタクロース――三高平市ではその存在が実際に確認されている――の来訪を待っていたのだが、どうやら眠気に負けてしまったらしい。 起こしてやった方が良いのかもしれないが、安心しきったような寝顔を眺めていると、暫くこのままにしておこうかとも思う。時折、寝息に合わせて尻尾がぴくりと動くのが、また何とも言えず愛らしかった。 髪をそっと撫でてやりながら、ロアンは慈愛に満ちた瞳で壱和の寝姿を見守る。こんな風にのんびりしたクリスマスも悪くない。 窓の外に降る雪が、部屋の明かりを受けてほのかに輝いていた。 |
ロアン・シュヴァイヤー(BNE003963) 伊呂波 壱和(BNE003773) |
担当VC:TsuYama 担当ST:宮橋輝 |