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枝に下がった大小のオーナメント。明滅するイルミネーション。 クリスマスツリーが飾られた部屋は、それだけで充分すぎる程に聖夜の装いで。 恋人と二人、カーペットの上で寛ぎつつケーキを食べるという一幕も、ぐっと特別な時間になる。 今年も彼女――草臥 木蓮(BNE002229)と共に過ごせることの幸福を噛み締め、雑賀 龍治(BNE002797)は生クリームに苺を乗せたクリスマスケーキをフォークで口に運んだ。 舌鼓を打ちながら他愛の無いやり取りを交わすうち、木蓮が龍治の顔をじっと見詰める。 「……どうした?」 「龍治、ここ」 唇の端を指差し、クリームついてる、と告げる木蓮。 口元を拭おうとケーキの皿を置いた龍治の手に、不意に白い手が重ねられた。 いつの間にか眼鏡を外していた木蓮が、肩にもう片方の腕をもたせかける。 愛しい顔を間近に見たと思った瞬間、柔らかな舌が彼の口元を撫でるように通り過ぎた。 「……!?」 思わず目を見開いた龍治の眼前で、木蓮は掬い取ったクリームを舐める。 微かに熱を帯びた翠の双眸が、彼の姿を映した。 「なあ、もっと味わわせてくれよ」 続けて囁かれたのは、蕩けるような甘い睦言。 二人の夜は、まだ始まったばかりだった。 |
草臥 木蓮(BNE002229) 雑賀 龍治(BNE002797) |
担当VC:auau 担当ST:宮橋輝 |