これまでのバロックナイツ、特級フィクサードやミラーミスとの戦闘…… 取り分けあのキースとの戦いでお前達もアークの現状と危機を痛感したものと思う。 そこで、戦略司令室は状況を勘案した結果、今後の活動に新方針を加える事を決定した。 ああ、先に断っておくぜ。 お前達に諮る事も考えたが、今回は政治も含めた俺の主導だ。 その点については組織として不可避の事情もある。許せよ。 さて、実際の計画だが…… お前達を傭兵として買う声が世界中で高まってるのは聞いての通りだ。 そこでアークは日本国外のリベリスタ活動を解禁し、『政治的都合』をクリアすると共に、お前達自身の能力を試し高め、更にはお前達に――アークに新たな力をもたらす神秘を探せれば上々って形を狙う事にした。 勿論、日本の防備を緩める訳じゃない。 原則的に対外遠征をして貰うのは『万華鏡』で探査され、『比較的問題が少ない期間』に限る。又、日本国外での活動が自分のリベリスタ活動の基準に合わないと考える奴は無理に動く必要は無い。どっちみち動かなかったとしても日本の警戒戦力になるだけだからな。その辺りは主義信条と相談してくれて構わない話だ。 注意点としては二点。 一点目は海外での活動には『万華鏡』のサポートが無いという点だ。 『万華鏡』による精密探査で本部にもたらされる情報、依頼のブリーフィングは各国のリベリスタ組織に頼る事になる遠征活動のそれに比べて手厚い事は間違いないだろう。これは『依頼の成功率、もしくは不測の事態を生まない確率』に直結する点。 当然ながら海外での依頼が成功しないという事は無いがある意味では国内の仕事よりシビアになる可能性は考えておくべきだ。 二点目はお前達の活動が対外組織とアークの関係性に影響を与える可能性の存在だ。 勿論、依頼は成功するに越した事は無い。失敗したからといってそれで即座に責任が生じるような話にはならないが、実際に相手方幹部や関係者に遭遇する状況があったとして、影響が皆無とは言えないからな。これは一応考えておく程度でいいがね。 さて、前置きが長くなったが――状況は以上だ。 取り敢えず何件か海外からの依頼も本部の方に回しておいた。 何れもかなりの『旅行』になるが、参戦が可能ならば是非宜しく頼みたい。 『期待している』。 |