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竜一は、妹に甘いのだ。 十八を過ぎた妹の枕元にサンタクロースの扮装をしてプレゼントを置きにくること自体、どう考えてもシスコンだ。 虎美に夢を見ているのは兄の方かもしれない。 「お兄ちゃんやっぱり来てくれたんだね信じてとらバサミ2012バージョンを用意しててよかったよさすがお兄ちゃんなんでマフラー巻いてるのお部屋の中は暖かいからそんなものいらないよ寒かったら私の布団に入ればいいよ私の腕はマフラーよりずっと温かいから問題なしだよもう抱き枕だと思ってくれて全然構わないよ」 後頭部に照射されている妹の視線。 笑み交じりの浮かされた物言い。 床に転がったカンテラで浮かび上がる妹の微笑は、兄への狂いそうな愛に満ち溢れている。 虎美の兄は妹に甘いのだ。 ちょっと振り払えば取れてしまうトラバサミに、今年にも律儀に引っかかってくれるのだから。 「いっそ足も絡めようかその方が温かいよねせっかくクリスマスだし聖夜を一緒に過ごそうねそもそもクリスマスは家族で一緒に過ごすものだしこれが正しいクリスマスだよねおにいちゃん間違いないよねおにいちゃん別に間違ってても構わないよねおにいちゃん」 ああ、お兄ちゃん大好き。 |
結城・ハマリエル・虎美(BNE002216) 結城 竜一(BNE000210) |
担当VC:つとう 担当ST:田奈アガサ |