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『時よ止まれ』
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――聖夜。 アーケード街を歩く設楽 悠里(BNE001610)と、カルナ・ラレンティーナ(BNE000562)。二人の姿がそこにはあった。やがて、 「……わぁ! 綺麗……!」 カルナは眼前に“ソレ”を見る。 クリスマスツリーだ。自らの身長の何倍あるだろうか。 数多の光を放つ装飾品と、いくつかの色を持つ球体、クーゲルが美しい。 見惚れるカルナの視線に合わせ、悠里もまたツリーを見上げれば、 「……カルナ」 言葉を紡ぐ。 たった一言。短い。だからこそ己の本心を。この聖なる夜に、 「僕は、幸せだよ」 送るのだ。 君と共に居れて幸せだと。 カルナの編んだ赤きマフラーを首に巻いて。カシミアの心地良い感触に包まれながら。 「……ふふっ」 彼のそんな言葉に、笑みを伴い応えるカルナ。 「私もですよ」 聖夜の光が彼らを照らして。 「悠里が幸せだと、私も幸せです」 お互いに持つ銀時計が、時を刻む。 永遠に。永遠に。 寸分違わず時を刻む。 けれど。 少なくとも今は、この時だけは。 時よ止まれ。 彼らの幸せを、この一瞬を。 どうか永劫感じられるように―― Merry Christmas. |
設楽 悠里(BNE001610) カルナ・ラレンティーナ(BNE000562) |
担当VC:しんりミツバ 担当ST:茶零月 |