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Re:煉獄の彼女


「うーん?」
 『未来日記』牧野 杏里(nBNE000211)は悩んでいた。
 広げている新聞を見てみれば、小さな小さな記事に目を向けている。
 その内容はとある線路上で原因不明のボヤ火事が頻繁に起きているという記事。
「この場所って確か……」
 思い立った杏里がとある世界の訪問者の下へと足を進めた。
 

 ひとつ摘み、ふたつ摘み、切り取っては母のため。
 みっつ摘み、よっつ摘み、千切取っては父のため。
「命は大切にしろって優弥が言った」

 積まれた骸は山となり、命の炎は消えていく。
 此処は戦いが絶えません。
「此処は平和だ、ずっと此処に居たい」

 どこに、どこに消えた。
 煉獄に生を受けたその身で、安静など失笑。
「何を言う」

 ほら、煉獄の炎がオマエを探しているではないか。
「戻りたくない、もう戻りたくないんだ」



「……う、うわあああああ!!」
 飛び上がるように眠りから覚めた黒野 煉。全身にびっしょりと汗をかき、鼓動が平常より激しい。
 彼女は煉獄という世界からの来訪者であると共に、この世界に受け入れられた存在。
 見た夢は何処か懐かしい煉獄の香りがした。
 しかし、それよりも畏怖の念の方が強く、その小さな身体が震える。
「……来た」
 それは直感であり、予感。同胞の気配を、同胞のいない世界で悟る。なれば答えはひとつ。
 何かに脅えるように肩を抱き、布団の中にくるまった。だがすぐに思い立ったかのように布団から脱出。そして大きく深呼吸してから、一言。
「こういうとき、どうすればいいんだ」
 煉は頭を斜めに傾けて悩んだ。
 戦い以外考えた事の無かったその頭。一人で生きることしか考えなかったその頭。
 最下層に落ちてきて、教えられ、気づき、覚えた感情は『助けて欲しい』という思い。
 偶然であれ、杏里が煉の下を訪ねた。
「煉さーん、お元気ですか? あのですねー最近、煉さんの出現地帯近辺でボヤ的な火事があって……?」
「おお、杏里! 依頼だ、依頼するぞ!」
 目を輝かせて杏里に飛びついた煉だが、杏里はにっこり笑いながら頭にハテナのマークが浮かんでいた。


「皆さんこんにちは! 今回は煉獄からの訪問者だそうです」
 とはいっても、杏里が万華鏡の力で未来を見た訳では無い。
「煉獄、という上位世界からやってきたアザーバイドが、フェイトを得ているのですが……その子が落ちてきた穴から、また違う煉獄の何かが出てきてしまったようです」
 と、いうのも、もうすでにこの世界に来てしまっているようだ。
 その証拠が黒野 煉の出現地帯である線路近辺で頻繁に起きる火事。
 それと、煉獄のアザーバイドである黒野 煉の同胞の感知だ。
 ブリーフィングルームに居た煉が口を開く。
「来たのは、恐らく煉獄の兵器だ。炎で構成されていて、炎で攻撃し、炎を受け付けない」 
 まさに炎で戦う煉獄での最終兵器。
「すまない、私を探しているようだ。私がそこへ行けば姿を表すはずだ。私を連れ戻すために」
 だが煉は煉獄へは戻りたくない。
 この世界に受け入れられている限り、この世界に居たい。何より好きな人のために。
 きっと煉獄では今でも戦争が起きているだろう。仲間の血が流れているだろう。
 そんなことは分かっている。自分だけ幸せになりたいだなんて贅沢なのも承知している。
 けれど、けれど。
「助けてくれ。もし、駄目なら私は恩を返すために煉獄へと帰るから……」
 覚悟はもう、できている。
 最後に杏里がこう付け足す。
「D・ホールの位置は特定できていますので、最終的にはそれ、壊しちゃってくださいね」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:夕影  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年11月11日(金)22:43
 夕影です
 拙作『煉獄の彼女』の続編です
 煉獄からの訪問者を保護したが、どこかにあるD・ホールから再び、という事です
 それでは以下詳細と補足

●成功条件:D・ホールの破壊

●煉獄の兵器「フレイムキラー」
・見た目は炎で構成された、頭を二つ持った犬
 全長3メートルくらい
・フェーズ的にいうと2くらい
・BS火炎、業火がつく攻撃は無効で、攻撃力分回復
・気配遮断
・攻撃には全てBS火炎がつきます
 火拭いたり(BS火炎)、噛み付いたり(BS出血)、尻尾でなぎ払ったり(ノックB)
・D・ホールの近くにうろうろしてたりする

●D・ホール
・線路の脇にあります

*今回は黒野煉が同行します
●『煉獄の彼女』黒野 煉
・戦闘できますが、全て炎系攻撃なので無駄でしょう
・リベリスタが全滅した場合、大人しくフレイムキラーに捕まります

●場所
・とある田舎の昼の線路上
・極々たまに電車が来ます
・広さは問題ありません

それではご参加、お待ちしています
煉の命運はいかに
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
デュランダル
雪白 桐(BNE000185)
スターサジタリー
ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)
ソードミラージュ
紅涙・りりす(BNE001018)
インヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
クロスイージス
ツァイン・ウォーレス(BNE001520)
マグメイガス
来栖 奏音(BNE002598)
プロアデプト
廬原 碧衣(BNE002820)

●迫り来る同胞
「もう……もう……――戦いたくない!!!」
 戦いたくないんだ。

 ――熱く燃える大地。炎となり、廃となり、塵となって消えた同胞達。
 幾度と無く繰り返される戦いは輪廻の如く永遠の一端。
 荒い吐息を吐き出し、熱い空気を吸い込みながら、赤い空の下で煉獄の大地を走った。
 全身から溢れ出す汗も気にせず、疲れも忘れ、本能のままに逃げた。
 生き残れたのは、幸運にも自分の火力が一般より高かった事か。
 だが、追ってくる兵器はそれを無効とし、意味をなさない。
 どれだけ走った事か。
 追いつかれて殺される、もう駄目だ、その時。穴へ落ちてそして、そして――。
 空を見上げたら、青かった。


 目の前で電車が轟音と共に走っていった。
「よし、今のが行ったから、しばらく電車は来ないはずだ!」
 廬原 碧衣(BNE002820)が予め暗記してきた電車の運行時間を頭の中で確認した。
 田舎の線路のため、これでしばらくは電車は来ないだろう。
 ハッと我に返った煉が辺りを見れば8人のリベリスタと一緒だった。
「だいじょーぶ?」
 一番近くに居た『人間失格』紅涙・りりす(BNE001018)が、心ここに在らずの状態だった煉に声をかけた。
「あ、ああ、平気だ、問題ない」
 だがその顔色は目に見えて悪く、小刻みに身体が震える。同胞を捨てた煉にとっては、元の世界自体のもの全てが恐ろしかった。
「なるほどねぇ、これがフェイトを得たアザーバイドか……!」
 ツァイン・ウォーレス(BNE001520)が物珍しそうに煉を見る。そうしながらも、強結界を辺りに張る。
「私は強いんだぞ! 怖いんだぞ!」
 その背中を仰け反らせて、胸を張ってみせた。
 そんな彼女に『鋼脚のマスケティア』ミュゼーヌ・三条寺(BNE000589)がそっと諭した。
 戦わなくても良い。敵の出現に責任を感じなくても良い。
 かつての同胞への罪悪感も分かる。けれど煉が選んだのはこちらの世界で生きる事。
「だったら、それを貫き通して。私は貴女を応援するから」
 そう言いながらミュゼーヌは煉の前に屈んで、見上げながら煉の手を両手で握った。
 煉はただ、一回だけその首を縦に振った。
「大丈夫だ、私もできる限りの事はやってみよう」
 声は震えていた。けれど、やると決めた。煉が動かねば敵も動かない。
「特に、目立って音は聞こえませんね」
 雪白 桐(BNE000185)がその耳を澄ませてみたが、物音はせず。聞こえるのは今しがた通った電車の音と、辺り一面の木々が揺れる音だろうか。
 来栖 奏音(BNE002598)は仲の良いリベリスタと一緒に依頼に行けて、嬉しそうに歩いていた。いつも以上に頑張れそうだ。
 『普通の少女』ユーヌ・プロメース(BNE001086)が辺りを見回して、燃焼系の物が無いか確認する。気になるのは頭上を走る電線といったところか。
 煉がミュゼーヌの手から離れ、線路の中へと入っていった。
 『高校生イケメン覇界闘士』御厨・夏栖斗(BNE000004)が、煉とのすれ違い様にその背中へ言う。
「僕らが守る、約束する」
 その声を聞いて、煉は小さく笑った。歩くスピードが速まる。
 煉獄の住人であろうと、この世界の寵愛を受けた。ならば、仲間だ。
 元の世界に帰りたくないと言うのであれば、守ろう。
 こちらの世界で幸せを掴んだならば、守ろう。
 夏栖斗を始め、多くの仲間が同じ気持ちを持っている。

「フレイムキラー! 私は此処だ! 終わらせよう、こんなくだらない鬼ごっこを!!」
 ミュゼーヌが炎の熱に反応する。向いた方向から炎をその身に、灼熱の獣が煉へ目掛けて飛び込んできた――。


「僕には残念ながら、見え見えでね」
 直感に加えて、ビーストハーフの血にこそ流れる常人以上の反射神経を駆使し、飛び込んできたフレイムキラーの牙をその左腕で受けた。
 3メートルの巨体が突っ込んできたが、その足を梃子にして耐える。
 ユーヌが煉と繋いだ手を引っ張り、その背中へと煉を隠す。
 肉を抉る牙の間から、りりすの血が流れ出てきた。だがそんなのよりも鮫の牙の方が遥かに鋭い。
「人の恋路を邪魔する奴は、鮫に喰われて死んでしまえ」
 ラブコメが意外にも好きなりりす。それを邪魔するのはりりすの癇に触る。
 赤く、鋭く、獲物を捕えたりりすの目と、フレイムキラーの目とが交差したが、すぐにフレイムキラーがその腕から離れ、後方へと跳躍した。
 扇を型に走った夏栖斗が、その着地したフレイムキラーの背後を狙い、魔氷拳を繰り出す。
 その背へと当て氷結をお見舞し、フレイムキラーが纏わり着いた氷で動きが鈍る。
 片手で煉の手を繋いでいるユーヌが、もうひとつの手でグリモアを開く。
「たかが一個体の回収に態々来るとは、余程戦況が悪いのか?」
 煉獄の事情はいざ知れず。けれど煉を帰す気も微塵にも無く。
 むしろ上位の者が下位の世界までやってくるなんて苦労極まり無く。だからこそ、舐められるのも遺憾。
「お帰り願おう、地獄の底に」
 陰陽・星儀。占った未来は暗雲至極に、フレイムキラーへ影が襲った。
「お返しはしませんよ」
 続いて、桐が愛刀まんぼう君を振りかぶれば、フレイムキラーへとギガクラッシュを放つ。
 自付さえ無くともその威力は甚大で、フレイムキラーの炎が一瞬歪んだ。
 ミュゼーヌが光弾を放ち、それがフレイムキラーの右目へと確実に当てた。
 炎で構成されているため、右目が潰れようともすぐに元に戻ってしまうが、ダメージは着実に与えている。

 フレイムキラーが炎を吐き出し、前衛を飲み込む。
「うおお! あっちーなおい!!」
 だがすぐにツァインがブレイクフィアーを仲間へとさずけた。
 元より、彼のクロスジハートが仲間へと行き渡っているためか、仲間の回復も迅速である。
 少し遅れて、碧衣が動き出す。
「全く、どんなアニメか小説だ」
 異世界の住人とこちらの人間との恋愛沙汰だなんて、目の前にあるとは思わなかった。
 嫌いな訳では無い。むしろ尊重する。それを守れるなら、それをするまで。
 ヘビーボウを構え、放たれた気糸が幾重となりフレイムキラーを射抜いた。
「みなさん、大丈夫ですかー?」
 最後に奏音が手の平にアルカナを浮かばせて、天使の歌を奏でた。


 りりすがソニックエッジを叩き込んだ後に、再びフレイムキラーが炎を巻く。
「煉獄からの番犬ってとこか、炎はきかないぜ」
 燃えない夏栖斗にフレイムキラーが首をかしげながらも、炎を吐いた方と違う首が動く。
 その首が前方の桐に噛み付き、嫌な音をたてながらも牙が肉に減り込んだ。
 だが桐はひるまずに、大太刀を握る。
「平和を望む人に争いへの帰還を望むのは野暮ってものですよ?」
 胴に噛み付いているならば、振り落とすだけで当たるはず。
 そのまま振り落としてはギガクラッシュをお見舞いする。
 反動をくらい、フェイトが消費されたが、なんのその。
 牙の離れた腹部からは、絶えず血が流れるが、それを奏音とユーヌが忙しく塞いでいく。
「端から痛いのぶちかますぜぇー!」
 桐とは交代してツァインが前へと出る。
 補助としても特化しているが、攻撃ができない訳では無い。
 ブロードソードを取り出し、一直線にフレイムキラーの顔面へとヘビースマッシュを放つ。
 まだまだ余力のあるツァインの一撃は、本来の力よりも高く、強く。
 切り出しているツァインの背後から碧衣が弓を引く。
「ツァイン! そのまま動くなよ!」
 再び、本数の多い気糸――ピンポイント・スペシャリティが、ツァインを上手く避けながらもフレイムキラーを射抜いていく。
 ミュゼーヌが再び光弾を放ち、目を射抜くが、その瞬間再び炎がリベリスタを襲った。

 前衛を巻き込み、2度炎を吐き出す。
 炎が効かない者も、ツァインのスキルによってバッドステータスは回避されたとしても、そのダメージは大きい。
 ユーヌだけでの回復では間に合わず、奏音も回復へと徹する。
 ツァインが後退し、ミュゼーヌが前へと出た。
 それまで遠距離から攻撃していたが、ひとつだけ近距離でも攻撃できるスキルもある。
 遠近両用できる彼女がいて幸運だった。
 飛び上がり、機械の足で落とすは魔落の鉄槌。


 荒々しく吐き出す息は、体力の消耗を表しており、自身の終わりは着実に見える。
 声無き咆哮をあげながら、その身体の後方に着いた尻尾でなぎ払う。
 回転しつつ前衛を全員巻き込んで吹っ飛ばした。そして、煉へとフレイムキラーの牙が襲う。
 ユーヌが煉との間に入ったが、巨体を抑える事は難しく、止まらない。
「――ッ!」
 煉が咄嗟にその両手を前に、炎を生み出す。
 リベリスタであろうと、巻き込めば甚大な被害となるその膨張した炎がフレイムキラーを包んだが、無意味。むしろ餌となる。
「やっぱり駄目か」
 煉がユーヌを突き飛ばして、その胴体をフレイムキラーが捕えた。
 傷ついたフレイムキラーは、その口に煉をくわえて一直線にD・ホールへと向かう。
(私さえ居なければこの世界にこいつも来なかっただろう)
 帰ってしまえば、この世界を守れる。諦めた。もう駄目だと分かった。所詮、煉獄の彼女。
 愛しい人にお別れさえ言っていない、そればかりが気がかりだ。
 必然的に涙が溢れた。それが軌跡を辿って――

「好きな奴がいるんだろ? ずっと一緒にいたいんだろ?」
 追いかけた夏栖斗の頬に涙がかすった。

「だから言えよ。帰りたくないって」
 りりすがフェイトの恩恵を受けながらも、立ち上がる。

 何故、追いかける、何故、守ってくれる。
 私はアザーバイド、異世界の……この世界には関係の無い住人。
 けれど、そんなことどうでも良い。
 無意識に伸ばした手はリベリスタへと。この手を掴んで、助けて欲しいと。
 煉獄という檻から、引きずり出して欲しいと。

「私は、私は――帰りたくないんだああっ!!」

 それだけで、りりすは十分。
 激痛の走るその身体だが、負けない。フレイムキラーにも負けない。
 いや、負けられない。目指すは完全で完璧なる勝利のみ。
 8人の中でも最速を誇るりりすが、地面を蹴ってフレイムキラーを追った。
 残り少ない精神力がなんだ。身体から出る血がなんだ。愛憎殺戮エゴイズムを握り締めて、フレイムキラーの後方へと放つソニックエッジの威力は甚大。
「仲間だろ? 助けを伸ばした手を離さねぇよ」
 衝撃に、フレイムキラーの口から離れた煉の手を夏栖斗が引き、その身体で受け止めた。涙で濡れた顔は、か弱い少女そのもの。
 悲しみに歪んだ女の顔は嫌いだ。だから、すぐにそんなの吹っ飛ばしてみせる。
 フレイムキラーが迂回して、再び狙うは腕の中の――たった1人の少女。
 まだ、守る力が残っている拳に纏うのは、絶対零度。炎を凍てつかせ、炎よりも熱い氷拳。
 煉へ目掛けて飛んできたフレイムキラーへ、カウンターが如く打ち抜いて凍らせる。
「駄犬には――」
 すかさず、後ろから走ってきたミュゼーヌが宙へ飛ぶ。
 空中で一回転し、その機械の足の踵をフレイムキラーへと落とす。
「地に伏す姿がお似合いよ!!」
 ダイナミックな魔落の鉄槌。
 その足はフレイムキラーの胴を貫通させると共に、瞬時にその炎を全て消滅させた。

●それ、壊しちゃってくださいね
 フレイムキラーが向かった直線上にある、D・ホールを破壊し終えると煉がほっと一息吐いた。
「怖いのはもうこない、来たら遠慮なく呼べよ、いつでも助ける」
 夏栖斗の服を掴んで離さなかった煉が、はっとしながらやっと離れる。
「ふ、ふんっ。私は大丈夫だぞ。こう見えてもお前らよりも強く丈夫だ!」
 強がってはみたものの、まだ震えが完全に止まった訳では無く。
 伝えたいのは、そんな意地張りでも無く。
「ま、まあ、フレイムキラーじゃなければ、な。だからその……ありがとう」
 恥ずかしさにリベリスタとは目線が合わせられなかったが、それは精一杯の感謝の気持ち。
「ここまで関わっちまったからよ、出来るだけ協力すんぜ? まぁ、彼氏のおまけ程度にな?」
 ツァインがからかい程度に言葉を発し、煉の頭を撫でた。
 その煉は煉で、想い人を思い出せば顔が赤くなる。
「そ、そんな彼氏なんかじゃっ、保護者だ保護者っ!」
 とか言いつつ、虚空に炎が舞い上がってますよ煉さん。やめて! それフェーズ3の炎!
「優弥さんの家ってこの近くなんですよね? 折角ですし会いに行かれますか?」
 桐が煉の手を握って聞いた。
 どことなくそわそわし始めた煉だが、もうボロボロでリベリスタもフェイトも飛ばした者も少なくは無い。
「また、今度にしましょうか?」
 小さく笑ったミュゼーヌが付け足す。
 少しばかりしょんぼりした顔になったが、リベリスタに手を引かれて、帰路へと着いた。


 煉獄の何処か。
「む、フレイムキラーと戦姫の気配が消えた?」
 あちらとこちらを繋ぐ、僅かな穴が消えた。けれど上位のモノを下位の者が倒すなんて甚だしい。
 消えた穴ならば、再び開くのを待つばかり。
 ――運悪く。こちらの世界の崩壊は事実、進んでいるのだから。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
依頼、お疲れ様でした!
結果は上記の様になりましたが、如何でしたでしょうか?
かっこいいプレイングがありました!それが描写できていたら幸いです!
煉とはまた遊んでやってくださいね!
それではまた違う依頼でお会いしましょう!