● ……私はついに、神秘の深淵を垣間見ることに成功したのです! 運命の恩寵の秘密を理解したのです! そう。 それは、未だ魔力を生成したことがない鋼の乙女の無限機関を改造した、この恩寵無限機関から生成することが可能なのです! もはや、リベリスタどもから逃げ隠れする必要はありません! いえ、より世界に愛された存在に生まれ変われるのです! 感謝の言葉など必要ありませんよ? ● 「もちろん、でたらめ。というか毒電波」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は切って捨てた。 「そんなろくでなしのたわごとのために、革醒したてでアークも補足しそこなったリベリスタが何人も犠牲になった」 モニターに映し出された女性達の写真は、片手で足りない。 「このフィクサード『発明家』は、自称錬金術師。『無限恩寵機関』を作るため、メタルフレームの女性の無限機関に固執している。ノーフェイスに口上を述べた後、承諾なしに工房に連れ込み『無限恩寵機関』を移植する。……もちろん失敗する。ノーフェイスはアンデッドと化す」 ろくでもない。と、イヴは繰り返した。 「今回の任務は、このフィクサード討伐と彼が所持しているアーティファクトの回収もしくは破壊」 モニターに、小さな女の子の陶器人形が映し出された。 台座がくるくる回るようになっている。 「東洋の道士が使う『指南車』に似てる。アーティファクト『乙女の行く末』。近辺にいる革醒したての女性のいる方向を指し示す」 いつも肌身離さず持っているはず。とイヴは言う。 「やつは今自分の工房にいる。中には発明家と犠牲になったリベリスタとノーフェイスのアンデッドがいる」 イヴの表情は変わらない。 「何もかも。『発明家』の痕跡をチリ一つ残さずこの世界から排除して。二度とふざけた妄想にとり憑かれた馬鹿が現れないように」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年10月27日(木)23:18 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 間もなく突入。 別働班が退去し始める。 「『よく出来た科学は魔法や信仰と区別がつかない』なんて何かの雑誌に載ってたけど、単なる信仰というか狂信を科学と言われてもねぇ」 天ヶ瀬 セリカ(BNE003108)は、本音はさておき。と、付け加えた。 『発明家』には、べらべらとご高説を垂れ流すことに専念していただいている隙に、アンデッドを叩こうと言う作戦だ。 聞いていると腹が立ってくると言うことなので。 「耳栓とか、その上から耳当てとかとにかく遮音性が強力そうなやつ。本屋とかに売ってましたっけ?」 とって戻った別働班から、必要そうなものはちゃんと事前に申請書くださいね~と念押しされて、予備の耳栓を渡された神谷 小夜(BNE001462) は、内心ちょっぴりブルーである。 戦うのはいろいろ面倒だからできれば説得して場を収めたいのに、今回の相手は説得不可能だと言うのだ。 (宗教とか思想は誰かを幸せにするためなら全然アリだと思うんですが……でも、他の人に強制したり、ましてやそれで不幸どころか殺しちゃうのは看過できませんね。話し合いで解決する余地がありそうな感じでもないですし、仕方ないです) 『超重型魔法少女』黒金 豪蔵(BNE003106)も耳栓をつめる。 「連絡はハンドサインで行いますな」 ものごっつい手が、パッパッとああしたらこういう意味、こうしたらああいう意味と仲間に伝達された。 既に臨戦態勢。 元プロレスラーの強大なゴリマッチョな肉体を、特注サイズの魔法少女的デザインの防護服が覆っている。 ちょっとした、視覚の暴力。 任務に殉じたリベリスタの少女の約束の証と言われると、むげにもできない。 いたって礼儀正しくまじめな人なので、余計に始末におえない。 かくも、狂信とは周りに影響を及ぼすものである。 いかなる形であれ。 ● 工房にリベリスタ達が押し入ったのを見たとたん、『発明家』は隅に置かれた手術台の上に飛び乗った。 手術用のライトが、スポットライト代わりだ。 「ぃよ~おこそ、アークのリベリスタ! 私の研究に注目なさいましたか。さすがです! お目が高い! まさしく、まさしく、まさしく! 恩寵の無限生成の実現が目の前に、目の前に、目の前にきているのでございますよぉ!?」 時代錯誤のスタンドカラーのシャツに着物に袴。その上からはおったありふれた白衣は、油か脂かそれ以外のもので薄茶色くまだらに変色している。 若白髪なのか毛染めに失敗したのか分かりかねる、最後にくしを入れたのはいつなのか尋ねたくなる、ざんばら頭。 黙って立っていれば、端整と言える顔立ちだろうに。 興奮で収縮した瞳孔を、限界まで拡大している度のきつい眼鏡が鼻先からずり落ちそうになっているのを気にも留めずに、手を振り回して口から泡を飛ばして演説を始める。 年齢不詳のフィクサード『発明家』 そも、革醒した時点で肉体が時間から切り離されることも少なくないリベリスタにとっては、見た目の年齢などたいした問題ではない。 『女子大生』レナーテ・イーゲル・廻間(BNE001523)は、イヤホンから流れる音楽になかばかき消された『発明家』の演説に表情をゆがめる。 (二重の意味でバカなんじゃないの。そんな簡単に運命に愛されることが出来るなら、誰がココまで苦しむってのよ) 一度セリカを振り返る。 未だ実戦を経験していない、「魔力を生んでいないまっさらな無限機関」を今保持している。 (戦闘中、『発明家』が興味を示すようなら、優先的にかばわなければ) 工房と称した倉庫の中は、怪しげなビーカー。フラスコ、蒸気機関にかび臭い本が絨毯の代わりに敷き詰められ、まさしく足の踏み場もない。 (しかしここすげーガラクタだらけだけど、何気にこゆの結構好きなんだよな!) 『1年3組26番』山科・圭介(BNE002774)は、一瞬気をとられかけるが、じっくり見るのは倒した後と戦闘に意識を切り替える。 癒し手の負担を減らすため、自動治癒の加護を体にまとった。 (あらららら! なんてこと、久しぶりに無情で最悪でどうしようもないお相手さんね! リベリスタとして見逃しちゃ駄目ねっ) 『ヴァルプルギスの魔女』桐生 千歳(BNE000090)は、雑多なガラクタが散乱している床を、わずかに浮いて避けている。 呼吸するのも変な物質が紛れ込んでいる気がして、はばかられる。 リベリスタ達は、発明家と対角の隅に陣を敷いた。 「正義の魔法少女ジャスティスレイン‥‥‥推・参!」 繰り返すが、豪蔵は、25歳男性、ゴリマッチョだ。 周りの雑物を拾い上げ、近づく敵に順に投げつけるのは、ダメージ目的ではなく、足止めと足場の整理のため。 その隙に、リベリスタ達は迅速に守りを固める。 回復役は小夜しかいない。 アンデッド八体は全て前衛。 まさしく彼女が生命線。 小夜の前に、千歳が立った。 (神谷さんは守らなきゃね! 庇うわ! んふっ、護るの大好きよ、このからだ、いくらでも傷つけていいのよっ) 千歳は、人を護って傷つくこともいとわない自分が大好きなのだ。 (相手が狂人では、説得も不可能か……犠牲者をこれ以上出させんために、ここでけりをつける!) 『赤光の暴風』楠神 風斗(BNE001434)は、並べられた廃品の椅子からゆらりゆらりと立ち上がる乙女と不適合者から仲間を護る壁となるべく、白銀に赤いラインが入った愛剣を構える。 「オレはお前を討伐に来たが、お前の研究にはとても興味がある。本当にノーフェイスにフェイトを与えることが可能なのか?」 風斗の挑発的な調子に、『発明家』は眉を吊り上げる。 「もおおおおおちろん! 無限に魔力を生み出す無限機関の中でも、未だ属性定まらぬ、即ち混沌たる可能性を秘めた未だ魔力を生成したことのない革醒したて、更にとりわけ無垢な乙女のものを厳選し、しかるべき練成を施せば、恩寵さえも生み出す無限恩寵機関が誕生するのです!」 これが世界の真理ですっと、手術台の上でくるくる踊る。 「ああ、確かに。私の技術が及ばないばかりに、この方達にはかわいそうなことをしてしまいました、がっ! こうして、あなた方の足止めをして私を守ると言う高邁な使命を全うできると言う点でですね、この方たちの犠牲も全革醒者にとって輝かしい功績になるという訳ですよっ!! ええ、称えられてしかるべきです。何しろ歴史に名を残す私の! 盾と、なるのですから!」 リベリスタ達は、『発明家』の話す内容が怒りを誘うものだと思っていた。 しかし声は聞こえずとも、いやおためごかしが聞こえない分、より鮮烈に。 目の動き、身振り手振り、頭の神経質な振り方。 『発明家』の驕り高ぶり、犠牲者のことは実験材料としか思っていないということが手に取るようにわかった。 (彼に憤ればいいのか、彼らに悲しめばわからないけど。できるだけ、マイペースにやらせてもらおう。発明家の為にでもなく、犠牲になった彼らの為にでもなく) 陣の中央よりやや後方。 仲間の位置を確認しながら、間宵火・香雅李(BNE002096)は迫り来るアンデッドの群れに目を向ける。 (ボクの為、わがままにやらせてもらう) 体内を駆け巡る魔力増幅のための術式を展開した。 ● その乙女の無限機関は、はらわたの底にあったようだ。 おそらくは、革醒したという自覚もないままにえぐられた「無垢」の無限機関。 その空虚を縫い絞られ、不自然に細いウエストをコルセットで支えている。 能面のように動かない表情。 手にした鉈を振りかざし、押し込まれた「無限恩寵機関」で極端に膨れた腹を持つ不適合者ともつれるように、リベリスタ陣中に突っ込んでくる。 刃が踊る。 血風をともなう社交ダンスに、前に陣取っていた風斗、レナーテ、豪蔵が巻き込まれた。 報復の神の威光が、香雅李から撃ち出され、乙女と不適合者のワルツの動きが悪くなった。 「というか、こいつら止めてもらえません? 話聞こうにも聞けませんってば、これじゃ!」 だめでもともとと、セリカが声を張り上げる。 「なにをおっしゃいますか。止めたら最後、あなた方、私を殺してしまうおつもりでしょう!? 私の研究を横取りなさるおつもりでしょう!? それもいたしかたありません。私の研究の糸口さえも常人では到達できない境地でしょう。盗みたいのもよっく分かる。ああ、いえいえ、本音を明かせなどとは言いません。正義の組織の建前は、大事です! 私は死なせすぎた。 それも認めましょう! 命は命であがなうべきと言う考えも許しましょう! しかし天才の業績は、天才の薫陶は、残されるべきなのです! ですので、私はあらん限りの努力を持って、皆様に私が逃走するぎりぎりまでのエッセンスのごくわずかなものでも受け取っていただきたいと、こうして声を張り上げているのです! あわよくば皆様を倒すことができたなら、皆様の全てを有効活用いたしますので、どうぞお心安らかにっ!。」 矛盾だ。矛盾に満ち溢れた狂人の戯言だ。 耳をふさいでいる者達は幸いである。 『発明家』のたわごとを記憶しないで済む。 耳を開放している者達も幸いである。 心に、この先会うかもしれない『発明家』の類への免疫をつけることが出来る。 「いやはや、すごいね。キミは常軌を逸した天才過ぎて、よく理解できないよ。もっと詳しく教えてくれないかな?」 香雅李は、感心したように声を上げた。 (彼の言う言葉を風音のように受け流す気持ちで覚悟して、良く聞きだしておこう) 禍津風。 中身を心に留めないように心がけ、『発明家』に余計なことをさせないために、香雅李は『発明家』に相槌を打った。 ● セリカの流星が尾を引いて、乙女と不適合者を穿つ。 慶介の気糸が、穿たれた重婚に更に痛打を入れる。 不適合者の一人が大の字になって床に倒れ、そのまま動かなくなった。 それでも屍の輪舞は止まらない。 パートナーを失った乙女の刃がレナーテを吹き飛ばす。 体制を崩したところに群がる不適合者達。 背中や延髄から無限機関が突き出ている。 青白く色の抜けた掌が、レナーテの内部を破壊する。 それでも、不沈艦として開花したレナーテを沈めるには足りない。 小夜からの癒しの風をうけ、盾が覇界闘士に渾身の力で叩きつけられた。 「おおーっと! 手が滑ったー!!」 白々しい台詞と共に、千歳が編み上げた四本の魔力の奔流が『発明家』を襲う。 生白い皮膚が裂けて、青黒く変色する。 不愉快なまでに軽やかなステップを踏み損ねてどてんとこけた。 (だってムカついたんだもん) ムカついているのは、皆も同じだ。 「皆さん、私の筋肉のてかりのショックで正気に戻してやりましょうぞ!」 豪蔵が、パフスリーブから露出したむき出しの上腕二頭筋を見せ付ける。 確かに全員の血が止まり、怒りもとりあえず噴出を抑えられはしたが、何か釈然としないのは何故だろう。 風斗は後衛に攻撃が及ばないように、迫り来る乙女を吹き飛ばそうと刃を振るう。 その前に、胸部から金属部分をはやした不適合者が立ちふさがった。 バックリと金属部分を断ち割られ、その場に崩れ落ちたが、やけに満足げだ。 その脇をすり抜け、風斗の肩に胸部がごっそりえぐれた乙女がひたりと張り付く。 その刹那、風斗の肩が爆ぜた。 「全体回復行きます!」 小夜の詠唱により、福音が召喚される。 重ねられた閃光によりアンデッドたちの動きはぎこちなく、致命的な一打を受けていなかった中衛に向かって、乙女が二人なだれ込んできた。 乙女にまだ自意識があるのかリベリスタには判断できなかったが、二人がセリカに向かったのは「未だ生きている新品の鋼」に対する嫉妬なのかもしれない。 身を割り込ませたレナーテが、構えた盾で一人分は肩代わりした。 しかし、続けざまに叩き込まれた二発の斬撃の前では、セリカの防具は紙同然の頼りないものだった。 近くにいた香雅李が、奥歯をかみ締める。 (マイペース。できるだけ、マイペース) 香雅李から、ひときわ強い神の威光がほとばしる。 至近距離からの閃光に、乙女達は身をすくませ、折り重なるようにしてその場に崩れ落ちた。 着実に積み重ねてきたダメージが、乙女から戦う力を奪っていた。 (これで相手に止めはさせないけど、どこまでかは怯ませられるよね) そう信じて仕掛け続けていた光が、実を結んだ。 ● そこが分水嶺だった。 八人がかりで崩せなかった前衛が半分で崩せるはずもなく、体勢を立て直したレナーテと風斗に隙はなかった。 両断され、吹き飛ばされ、豪蔵の体重を乗せたタックルで最後の乙女がしとめられた。 「ご大層な演説、ご苦労だったな」 風斗は、低く呟いた。 足元の雑多なものを蹴り飛ばしながら、手術台の上でどんどんどす黒くなっていく『発明家』に近づいていく。 風斗にとって、今までは後衛を守るため、壁にならねばならなかった。 前に出ることは許されない状況。我慢のしどころだった。 そして、もはや敵は『発明家』ただ一人。 ことここに至って、何をはばかることがあろうか。 「これ以上喋る必要は無い。続きは地獄で鬼相手にするがいい!!」 体に刻まれた傷をものともせず、肉体のくびきを解き放つ。 傷から流れ落ちる血も、今の風斗にとっては動きを滑らかにする潤滑油に他ならない。 溢れる闘気を力に替えて、刃に託す。 「今までどんな研究をどれだけ積み重ねてきたのかしら? その程度で本当に運命の恩寵を得られたと思っているの?」 風斗の脇に並び歩を進め、レナーテは流していた音楽を切った。 「さっぱり聞いてなかったんだけどさ。アナタ、自分が何やったか判ってるよね。生き永らえられた人を殺し、何か救いがあったかもしれない人を実験台にして、それでも尚自己満足の為だけにバカみたいな研究続けてんのよ」 あんまりこういう言葉は使いたくないんだけどさ。と、レナーテは前置きした。 「命を弄ぶようなヤツは、地獄に落ちるといいわ」 「ボクからも教えてあげよう。キミが間違っていると言う事を!」 「生まれ変わったらもーちょっと人様の役にたつ発明家になってね! という訳で3939片づけさせて頂きます」 二人の援護に、香雅李の光がほとばしり、圭介の気糸が飛ぶ。 「損失です! 私の研究を成就させないなんて世界の損失です! おお、世界はまだ私を見捨てていません。動けます、私、魔法をつかえますよ!」 四重奏のくびきから解放された「発明家」は風斗に向かって、あたふたしながら魔力の奔流を編み上げ、撃ちはなった。 すっとレナーテが風斗の前に出て、それを代わりに受けた。 レナーテに直撃させることすら出来なかったことに、『発明家』は大きく目を見開いた。 そのかすり傷も、小夜の風が癒した。 「うおおおおおおおっ!!」 豪蔵が雄たけびを上げながら、邪気払いの光を放ちつつ風斗とは別方向から『発明家』に迫る。 そちらに気を取られた瞬間。 一閃。 「私には、恩寵があるのです。何度でも、何度でも、甦ります。恩寵、恩寵、恩寵ぉ……!? 動け、無限恩寵機関! 私の研究は完璧です! 動け、ウゴケェェェッ!?」 リベリスタの手によって死ねる『発明家』は幸いである。 運命の恩寵が失われる瞬間を味わって死ぬことが出来たのだから。 きっと、地獄での研究に役立つことだろう。 ● (ノーフェイス。不適合者、乙女。可哀想ね、すぐ殺してあげる。不運だけれど、安らかに眠りなさいな 敵……いえ、無念は、自分たちがはらしてあげるから) 千歳はうずたかく積まれた「研究の成果」と未だ死んでいないアンデッドに向かって、呪文をつむいだ。 召喚した業火が近づいてくる気配がした。 「お掃除します! 下がってくださいなっ!」 仲間に一声かけて、世界に破壊の炎を呼び込む。 (気が滅入るわね。流石に明るい系千歳ちゃんも笑顔は作れないわ) 「犠牲者が既に出てるので、ちょっとやるせないですね」 小夜が小さくため息をついた。 「アンデッドたちに墓を作りましょう 」 豪蔵は、手を合わせながら言った。 圭介は、好奇心旺盛の少年らしく、あちこち興味深そうに見て回っていた。 「アーティファクト、回収ー!」 圭介は、「乙女の行く末」を『発明家』の遺骸から見つけ出した。 千歳がつかつかと近づいてきて、圭介の手からそれをつかみあげた。 「壊すわ。こんなもの、あっちゃいけないわ」 止める間もなく、アーティファクトは千歳の呼んだ炎の中に投げ込まれる。 鋼の乙女の胸の上で、陶器の乙女は、炎に耐え切れず、ぴしぴしと音を立て、天に帰った。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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