●欧州からやってきた留守番 シンヤが持つアジトの一つは、太平洋に浮かぶ客船にあった。このアジトはアシュレイの隠蔽能力によって存在を隠蔽されていることと、海上を動きまわるという性質上、見つけにくいものだ。しかし、千堂(恐山会)から情報提供を受け、カレイド・システムの集中運用をしたことによってアークはこの場所を発見することができた。 そして、このアジトを主に利用しているのは、ミスター・ヴァンパイアと呼ばれていたシンヤ配下のフィクサード、ジ・オルドだ。 そのジ・オルドは、客室の中で焼鳥を食べていた。ビールと焼鳥を机の上に置いて、TV番組を見ながら待っていた。何を待っているのかといえば、彼が欧州から呼んだ三人のフィクサードだ。リベリスタとの戦闘後、このアジトに自身の配下を呼び寄せていたのである。 「ジ・オルド様、探しましたよ。我々を置いてこの国に来ているとは……さすがは、ジャック様のファンを自称するだけはありますね」 そんなジ・オルドを見ながら、欧州からやって来た男の一人が言う。真面目そうな顔に執事服という格好のこの男は、ジ・オルドの執事を自称しており、こうして世話を焼こうとしているのだ。その根本には純粋な忠誠がある。 「あれ、伝えてなかったっけ。ま、いいじゃん。楽しいお祭りが起こっているこの国にキミたちを呼んであげたんだし」 そんな執事の言葉に、ジ・オルドは笑って返した。仕方ない人だ、と執事は肩を落とした。 「ジ・オルド様!! ここで我々は如何様な任務に当たればよろしいか!! どのようなご用件でも、この武神エクスにお任せくだされ!! この国の黄色い猿など、何人でも殺してみせましょうぞ!!」 エクスと、名乗った男は船中に響き渡るような声で自信満々に言い放っていた。その声に対して耳を防ぎながら、ジ・オルドは肩を落としてため息をついた。 「相変わらず大きい声だねぇ」 「は!! お褒めに預かり光栄であります!!」 「……」 そう言いながらも一歩下がったエクスに変わって前に出てきたのは、三人の中で唯一の女性だ。かなりの色気を持った人物で、セクシーな衣装と合わせて全身からフェロモンのようなものが出ている。 「ジ・オルド様ぁ。私ぃ、会えなくてずっと寂しかったんですよ? 私を満足させてくれる男がいなくて、ずっとずっとジ・オルド様を思っていたのー」 「はいはい」 くねくねと動きながら歩み寄る女――パルクをあしらいながら、ジ・オルドは三人に向けて不思議な武器を投げて寄越した。 「今必要なのはこれかな。元々はシンヤくんへのお土産なんだけどね。使う機会がなかったみたいだからあげる」 「ジ・オルド様。これは……?」 人数分配られたその武器はアーティファクトであった。フィクサードである三人はその武器に何らかの力を秘められていることを直感し、歓喜に震えた。自分たちがジ・オルドに認められたのだと。……それほど、彼らはジ・オルドを信奉している。それは、三人でジ・オルドの騎士を名乗ることにも現れているだろう。 「僕はちょっと調べ物をしに出かけてくるから、それでここを守っててね。いやぁ、ここをシンヤくんに任されちゃった手前、留守にしておくわけには行かないでしょ? だからキミたちを呼んだの」 「はっ!」 執事の言葉に続いて、跪く三人を見るジ・オルドの視線は、笑顔であった。不気味な、人間味を感じさせない笑顔。 「あ、お菓子は食べないでね」 ジ・オルドがさり際に放った言葉はこれだ。残されたジ・オルドの騎士たちは、それぞれの武器を構えながら、何者であろうと叩き潰す考えを持っていた。 ●三種の武器 ブリーフィングルームの机に三つ並んで乗せられたアーティファクトの資料を見ながら、リベリスタたちは『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)の言葉を待っていた。 「このアジトは、ジ・オルドと呼ばれるフィクサードが主に出入りしているところだね。今はどこかに行っているみたい」 だからチャンスでもある、と真白イヴは言う。鬼の居ぬ間に洗濯と言うが、強敵がいない内にそのアジトを調べることもできるだろう。 「それに、敵の戦力を削るチャンス」 敵の使っているアーティファクトは強力な武器だ、それを破壊するか回収すれば、相手にダメージを与えることができるのは間違いない。欧州から呼び寄せたというフィクサードを叩くこともシンヤの陣営にダメージを与えることができるはずである。 「船上になる客船は三人のフィクサードだけが乗っているみたい。侵入は簡単だね」 アークがモーターボートを用意するらしい。太っ腹な話であるが、少し乱暴な侵入となるだろう。 「……ジ・オルドは姿を見せていない。だけど、ここで敵を叩くことには意味がある。だから、油断はしないでね」 真白イヴの言葉に、リベリスタたちは頷いてから、敵の戦力を改めて確認し始めた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 2人 |
■シナリオ終了日時 2011年10月28日(金)00:13 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
■サポート参加者 2人■ | |||||
|
|
●侵入開始 ボートの上で波に揺られながら、リベリスタたちは海の上を移動していた。目指すはシンヤのアジトのひとつ、洋上に浮かぶ客船である。 波しぶきを体で浴びながら、まるで映画の一シーンのようだとリベリスタたちは思う。 「まるで高価な玩具を与えられてはしゃぐ子どもね。でもだからこそ、“世界征服”を夢見るような男の下にいるのかしら」 前回戦った時、ジ・オルドという男は世界征服が目的と語った。それを思い出しながら、『薄明』東雲 未明(BNE000340)は今回戦うジ・オルドの部下について考えている。 猫っけのある髪の毛が風に揺られるのを抑えて、未明はふっと笑う。それならば、正面から挑んで潰すだけだ。 「吸血鬼同士が洋上で戦うってのも、思えば可笑しな光景ね」 未明は自身もヴァンパイアである。故に、ヴァンパイアが集まっているジ・オルドの部下と戦うことに、皮肉気な感性を覚えていた。 「ジ・オルド、捉えどころのない人でしたね。今回の攻勢で背後関係を含め、少しは尻尾を掴めるといいのですけれど」 ボートの上で精神を集中させている『蛇巫の血統』三輪 大和(BNE002273)の言だ。スレンダーな体をボート上にまっすぐに立たせて、大人しくも柔らかい笑みも浮かべていた。まるで大和撫子のように、柔和な印象である。 「海上の客船なんて言ったら普段はロマンチックなんでしょうけど、今回はそんなことは言ってられませんね。むしろ気を引き締めていかないと危険ですよね! 来るべき決戦に先駆けての戦力潰し、がんばってやっちゃいますよー!」 そんな大和とは違い、激しく揺れながら『鉄壁の艶乙女』大石・きなこ(BNE001812)は言う。その特徴的な巨乳が派手に揺れているのは、きなこ自身が派手に動き回っているからだ。そうすることで、これからの戦いに向けてテンションを高めているのだろう。 「と、そろそろですねー」 と、きなこは前に出てボートをかばうようにして盾を構えた。これは、この隠密行動中のボートが敵にバレ、船上から攻撃された場合に、防御に優れたきなこがその攻撃を一手に受け、ボートを守るプランのためだ。 「シンヤ、嫌なヤツ。……彼の手掛かりは、何が何でも手に入れる。……持ってる情報、全部出してもらうよ 身の丈ほどもある巨大な剣を背に構えながら、『スターチスの鉤爪』蘭・羽音(BNE001477)は猛禽類の目を輝かせている。普段はぼうっとしたような無表情を見せている彼女だが、今回に限り、むすーっとした顔を浮かべている。その理由はもちろん、シンヤへの憎しみや恨みからだ。 「守る事が俺の仕事だ」 さて、件の船が現れるのを待ちつつ、羽音と同じように海の向こうを注意深く見ているのは『鋼鉄の砦』ゲルト・フォン・ハルトマン(BNE001883)だ。また、ゲルトはきなこのように、高い防御能力を活かして船を守る体勢をとっていた。 「ジャックは暴れたいだけかと思っていたが、シンヤが組織だって動いているところを見ると何か目的があるのか?」 鋭い眼光はそのままに、ゲルトは考えている。シンヤの動きが不穏だということを感じ取っている彼は、特にその動きに対して敏感であろうとしていた。 「見えてきましたね」 最初に船を補足したのは、ホークアイの力を借りた『ミス・パーフェクト』立花・英美(BNE002207)だ。凛とした表情を浮かべている英美には、覚悟がある。覚悟を持つだけの理由もある。 「彼らは強い。アーティファクトを持つならなおさらに。それでも私たちは負けるわけにはいきません! この逆撃の好機、一連の事件を食い止めこれ以上の被害を出さないために……ジ・オルドの騎士! 貴方方を必ず打ち破ります!」 だから、まずは覚悟を言葉に変えて、堂々と宣言する。まだ隠密行動中ではあるが、この想いがきっと敵を倒すための一矢になると英美は思ったから、言った。 (……アウラさんがいらっしゃるなら、私は負けない……。私は勝つ! 護り、護られるこの魂を……。折れるものなら折ってみなさい!) そして、心の中で叫んでいるのは、覚悟の理由。彼女の隣でいつもの表情を見せながらぴよこと戯れている『むしろぴよこが本体?』アウラール・オーバル(BNE001406)の存在が、英美に力をくれるのだ。 「頼ってくれていいぜ?」 そんな英美の肩を叩いて、アウラールは笑いかける。その笑顔には、ふざけながらも仲間と恋人を心配するような表情が浮かんでいた。それは注意深く見なければ分からないものだったが、少なくとも恋人の英美は見抜いた。だから、英美は優しい笑みを返す。 「いこう」 そんな中で、『雪風と共に舞う花』ルア・ホワイト(BNE001372)は電気を鳴らしながらギアを解き放っている。翼の加護に合わせて素早くなり、船に向けて奇襲を行うための前準備だ。 「きっと、辿りつけるよ」 円らな瞳を浮かべて、仲間たちの前で可愛らしくも真剣な表情を見せる。 ここからが、戦いだ。 ●船上へ 船上から放たれた炎の矢は、群れとなってモーターボートへと落ちて来た。それをきなことゲルトが防ぎつつ、横目で『食欲&お昼寝魔人』テテロ ミ-ノ(BNE000011)に合図を送る。 「わかったのー。ミーノははいぱーすぺしゃるわんだふるさぽーととして頑張るのっ」 合図を受け取ったミーノは翼の加護を使い、味方のリベリスタたちに飛行能力を与えていく。ぐっ、と握った幼い拳は、微笑ましくもリベリスタたちに力強さを与えてくれた。 そして受け取った飛行能力を使い、リベリスタたちは一気に船上にまで飛び込んでいく。そこに待つのは、敵だ。 「まさか、敵襲とは夢にも思いませんでしたよ。我々を恐れない無謀者……アークでしたか」 タキシードに身を包んだ執事らしき男が、炎で矢尻が燃えている弓を構えながら言う。先の炎の矢はこの男が放ったのだろう。 「関係なし!! 我が剣によって、ジ・オルド様の敵はすべて排除する!! それこそが、騎士たる者の務め也!!」 騎士を名乗る男――イクスは叫び声を挙げながら、飛び込んでくるリベリスタたちに向って剣を音速で振り回し、暴風を放つ。 「騒がしいのは苦手なの」 その暴風を受けぬように未明は後方に陣取り、ソードエリアルを使って執事へと攻撃を進めていく。 「……あたしは、これぐらいの風には負けないから」 対して自ら暴風の前に出て、味方への攻撃を庇ったのは羽音だ。大剣を盾のように構えながら、攻撃の範囲に入ってしまっていた英美を助ける。 「ありがとうございます、羽音さん。では……いざ! どちらの信念が勝るかの勝負です!」 矢を連射するハニーコムガトリングで反撃を行いつつ、船上へ着地する英美。その矢は幾つか命中し、三人組にダメージを与えることに成功した。 「さて、ヴァンパイア狩り……だな。同族だけど容赦はしない」 ライアークラウンを執事に向けて放ちつつ、『まめつぶヴァンプ』レン・カークランド(BNE002194)は牙を剥く。思うところはあるが、余裕は見せられない相手だと確信していた。だから、少しだけマジな顔を見せる。 (今回の敵は強いんだよね、大丈夫かな。ちょっと恐いな) 暴風の前に出てしまっていたルアいつもと違う感覚に囚われる。いつものようにいかないのではないか、という不安。 「ルア、ちゃんと付いて来いよ」 それに気付いたアウラールが、手本を見せるよう暴風を潜り抜けていく。もちろん、風の刃はアウラールに傷を残すが、それでも前に出ることに意味はある、とアウラールは考えていた。 (だめよ、しっかりしないと。皆が居るんだから大丈夫) アウラールの言葉に頷いてから、ルアは暴風を抜けて甲板に着地。そのまま加速して執事まで肉迫した。 「……早い、ですね!」 対応して素早く弓を構えた執事だが、その攻撃よりは遅い。 「――やぁッ!」 突風のように放たれたソニックエッジは、執事の体を切り裂いていく。単純な突撃であるが、それは風に舞う花のように優雅であったという。 「今助けますぞ!」 そんな執事の元に向かおうとするイクスに、ジャスティスキャノンが直撃。 「俺、先回もオルドに会ったけど。声うるさくて肉壁くらいにしか使えない、無能でノロマな部下ってアンタの事か」 ジャスティスキャノンを放ったのは、あくまでも明るく笑いかけるアウラールだ。 「貴様ぁ!」 心当たりがあるのか、その挑発にイクスは乗った。だから、アウラールはにやりと笑みを浮かべて、イクスとの戦いに入った。 「バカばっかりねぇ。じゃあ、回復を――あら?」 「アークだ。大人しくしてもらうぞ」 傷つき始めている仲間に向かって天使の歌を使おうとするパルクの元にも、ジャスティスキャノンは飛んで来る。ゲルトが放ったものだ。 ゲルトの一撃ではその余裕の表情を崩すことはできなかったが、ゲルトがパルクの前に立ち塞がるのには十分な時間を稼げた。 「俺が敵を倒さずとも仲間が敵を倒す。その仲間を守ることが俺の誇りだ!」 啖呵を切って、ゲルトは仲間のためにブロックを始める。それが命をかけることになろうとも。 ●乱戦の行方 執事へと攻撃を集中させることにしたリベリスタたちは、その矢の雨を潜り抜けながら戦わなければならず、苦戦を強いられていた。 「良い弓です……」 特に、英美が言ったようにアーティファクトの弓は強力であった。そこから放たれる炎の矢が、実際に体を焼きつくす勢いでリベリスタたちの体力を奪っていったからだ。 「けれど強き力は強き意思あってこそ! 勝負!」 英美のハニーコムガトリングが、執事を襲う。リベリスタたちが分断させてしまったため、複数を巻き込むことはできなくなってしまったものの、弓による連射攻撃は確実に執事の体力を奪っていった。 「……行きます!」 矢に続いて大和が動き、執事の合流を防ぐべくギャロッププレイを使う。 その一撃で体を絡めとられる執事だが、余裕の表情を崩さずに矢を放った。これは、ハニーコムガトリングだ。矢の嵐を生み出し、リベリスタたちを引き裂こうとしたのである。 「私もまだまだですね。……ですが。ここで敗れるわけには行きません」 「……何度……でも、立ち上がる……よ!」 フェイトを使って立ち上がりながら、大和と羽音は膝に力を入れる。笑いそうになる膝だけど、まだ戦えると信じているから、立ち上がれる。 「シンヤの仲間なら、容赦はしない……」 そのまま立ち上がって、執事に向けて飛び込みギガクラッシュを羽音は放つ。 「あの草臥れたオジさんが大した好かれようね、何がそんなに良いんだか」 それに合わせて、未明が執事を吹き飛ばして距離を調整するためにメガクラッシュを放った。 「あのお方を侮辱するんじゃぁないッ! この場で殺す!」 その二つを受けて、派手にダメージを受けて吹き飛びながらも、執事は怒りの表情を浮かべて叫んでいた。何が彼の忠誠を支えているのかは分からないが、異様な雰囲気にリベリスタたちは顔をしかめる。 そして弓を構え、執事はリベリスタたちに更なる攻撃を行おうとした――。その瞬間、顔に矢が突き刺さり、前のめりに倒れていく。蓄積したダメージが限界に達し、倒れたのだろう。 「父の弓は私の中に……父の弓は、パーフェクトです!」 弓を整えてから、英美は空に向けて礼をした。天国にまで届くように。 その頃、ある言葉を思い出しながら、アウラールは生死の境を彷徨っていた。 「それでも世界を守って共に生きることをエイミーと約束したから……俺は……」 フェイトを使っての復活をしながら、倒してきた敵達の地獄へ行くことを拒否する。アウラールはまだ、この世界でやることがある。 だけど、イクスの剣はそれを許さない。攻撃を重ねて、もう一度アウラールを倒れ伏せさせようとしてくる。 「――私のほうが、速いッ!!!」 滑り込んだルアのナイフが、イクスの剣を弾き返す。 「速いだけじゃない、今、貴方には無くて私にあるもの……。それは安心して背中を任せられる大切な仲間よ!!!」 そしてそのままの体勢から放たれたルアのソニックエッジが、イクスの返し刃を抜けて突き刺さる。 「もう、大丈夫ですよー」 対して、きなこは天使の息を使ってしっかりとアウラールの体を癒している。しっかりと距離をコントロールし、全体攻撃も盾を使って凌いでいたきなこの体には傷がほとんどなく、その揺れる三つ編が頼もしく見えた。 「おのれ! おのれ! おのれぇぇぇ!!」 横槍を入れられ、激昂したイクスが剣を振り回して暴風を作り出す。再びあの技を使おうとしているのだ。 「あうっ……」 「……風、強い。……でも、あたしには、翼がある」 リベリスタたち――特に羽音は大和を庇いながらもそれを受けていく。体はボロボロで、重傷は免れないほどのダメージが皆に蓄積されていく。未明とルアもフェイトの力を使わざるを得なかった。 それでも、リベリスタたちは戦いを止めない。逃げない。 「言ったでしょう。騒がしいのは嫌いなの」 「ここであなたは終わりです。では、さようなら」 挟撃。未明のメガクラッシュと大和を受けて、イクスは体勢を大きく崩し、動けなくなる。 「皆と同じ敵を狙え! 走れルア、撹乱させろ」 「皆が居る。それだけで強くなれるのよ!」 そして、アウラールの言葉を受けたルアがイクスの前まで辿り着きソニックエッジを放つ。 この神速の刃が、イクスを倒す一撃となった。 さて、残ったパルクだが。これはゲルトのジャスティスキャノンが上手く功を成し、怒りを与えること回復の手を緩め、攻撃させることに成功していた。 「俺はお前より魅力的な女性を知っているのでな。お前程度に魅了されてやる訳にはいかんよ」 「なのー」 そして、魅了の効果を持つ鞭の力はミ-ノのブレイクフィアーによって対応。それによって封殺されてしまっていたのだ。 「これであとはあんただけ! Trick or Treat!」 レンの言葉に続いて、リベリスタたちが集まってくる。パルクは慌てて周りを見れば、倒れているイクスと執事の姿。 「……私の、負け?」 「言ったはずだ。仲間を守ることが俺の誇りだと」 笑って言い放つゲルトを前に、パルクは膝をついた。実質的に、勝利は決まったようなものだろう。 こうして、戦いは終わった。リベリスタたちは傷ついた体を引きずって船を調査し、目ぼしそうな物を持ち帰ることに成功したが、詳しくは調査待ちということになる。 その中でも、ジ・オルドのお菓子は本当にただの駄菓子だったのはすぐに分かった。変わったフィクサード、というのは確かなようだ。 調査を終えてエンジンも破壊し、海に浮かぶ置物と化した船をバックに、リベリスタたちは帰還した。果たして、この先どんな航海が待っているのであろうか。 とりあえず、確信できるのは、 「にふふ~ひでみちゃんとあうらちゃんがあっちっち~」 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|