●カレーはかれー 秋。まだまだ夏は残っているとはいえ、涼しい風が吹いて過ごしやすい日が続いている。 そんな季節の中で、アークにひとつのレクリエーションが提案された。提案したのは、『相良に咲く乙女』相良 雪花(nBNE000019)だ。 そういうわけで、そのレクリエーションの文字に惹かれたリベリスタたちは、ブリーフィングルームにやって来ていた。 そこで待っていたのは、当然雪花である。 集まったリベリスタたちに、雪花はまず、手作りの用紙を渡した。その用紙は筆で書かれたもので、あまりにも達筆すぎて逆に読みにくい。 なので、リベリスタたちは首を傾げて、雪花の説明を待った。 そんなリベリスタたちの様子を見て、雪花は首を傾げたが、はっと気付いて顔を赤くした。 「も、申し訳ありません……。私、こういうの作るのは始めてで……」 もじもじと手を擦ってから、雪花は息を吸って、提案をした。 「山でカレーを作りませんか?」 その発言の意図や、何をやるのかは検討がつくが、リベリスタたちは首を傾げた。具体的にどうするというのだろうか、という疑問である。 「三高平市から少し離れた小山でキャンプを行うことを提案しました。メインのイベントはカレー作りです」 うんうん、とリベリスタたちは揃って頷いていく。それは何となく分かるし、それが正しいレクリエーションの姿ということも分かる。 「カレーの材料は皆で持ち寄って、グループごとに作りましょう」 どうも、このカレー作りというものに雪花は拘りがあるようだ。リベリスタの一人がそれを指摘すると、 「はい。小学校のイベントで行ったキャンプが楽しかったので、皆さんともやりたい、と思ったのが切っ掛けです。親睦を深める会、というのは後付の理由ですね」 少し恥ずかしそうに、雪花ははにかんだ。普段はお嬢様らしい立ち振る舞いや、張り詰めた雰囲気を持っていた彼女であったが、その顔は歳相応のものがあった。 「私も作りますが、私は皆様のカレーを頂いてみたいです」 無邪気に、少女のように笑う雪花。 「じゃあ、採点はお願いね」 ひょっこりと、そんな雪花の隣に『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)がやって来て書類を渡す。そこには、せっかくだから評価制にして、競い合わせようぜ、と書いてあった。こちらもこちらで無邪気である。 「ええっ、評価ですか……? わ、分かりました。相良 雪花、参ります!」 気負う雪花を前に、リベリスタたちはカレーをどうしようかと考えた。 何故だか分からないが、妙な評価を下される気がしたからだ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年10月05日(水)23:38 |
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■メイン参加者 0人■ |
●それぞれのカレー ボールいっぱいに盛られた野菜をうまく切り分けて生野菜サラダを大量に作っている桐は、カレーを作っていなかった。それは何故かと尋ねると。 「口直しサラダはカレー沢山食べるのでしたら必要でしょう?」 とのことで、付け合わせのピクルス・福神漬け・ラッキョ・チーズ・生卵・ゆで卵などから、デザートの用意までしていた。なんとも気の回る子なのかと感心すると、 「あ、これもカレーですし。カレー粉使ってますから」 と、ちゃっかりもしていた。評価は宮本武蔵級。例外的な評価である。 その辺のキノコを拾いつつ、正道はちょっとバーコードな頭を撫でていた。はたしてこれは食べられるキノコなのだろうか、どうなのか。明らかにヤバそうな色ではないが……。 「……英雄というのは銃弾の雨の中にあっても弾の方が避けてくれるそうです」 と、いうことで出された正道の普通カレー(自称)は見事、初の闇カレー認定された。 「なんだろ。ぐるぐさんきのこ興味あるー」 雪花が避けたそれを食べたぐるぐが悶絶してごろごろと転げ回った。 「あはははははは」 そして奇妙な笑い声を壊れた機械のように繰り返すぐるぐ。口からエクトプラズムを放出しそうな勢いである。 生霊化しかけたぐるぐが後に下した評価はヤバイ級。何がヤバイって命がヤバイ。 気を取り直してカレーである。できれば普通のカレー。 「カレーと聞いて黙っていられなくなりました」 ということで、審査員席に何気なく座りつつ、市販のカレーを置いた小梢。 ただちょっと美味しいものが食べたい。それで研究を重ねた味付けらしい。それにはにっこりと笑って、雪花もまっすぐに挑んだ。 下された評価は 級である。 「なんでだろう。キャンプのカレーって一段と美味しいよね」 その言葉は恐らく真実だろう。皆も、それに頷いたのだから。 「カレーって奥が深いよね。みんなにとってのカレーは多分それぞれ違うと思うよ。でも、満足して欲しいって気持ちと美味しいって気持ちは、多分いっしょだと思うんだ」 中辛の。よく手間がかかったビーフカレーを置いて、凪沙はまっすぐ雪花を見つめて萌えていた。燃えていたの間違いではない。 インディカ米などを使った丁寧な調理で、下された評価は長野業正級。 「やったあ! 目標通り!」 飛び上がって喜ぶ凪沙に、雪花も薄く笑った。 自分の作ったカレーを慎重に味見しながら、翠華は多めに作ったそれをどう配布しようか悩んでいた。以前作った時は、肉じゃがと間違われた翠華のカレーであったが、今回は慎重に作った分だけマシになっている……と翠華は思う。 「味見をしたけど……多分、大丈夫だと思うわよ?」 その味を見た貴志と真琴だが、何とも言えないような首の傾げ方をしていた。確かにおいしいんだけど、なんだか不安になる。そんな味。 下された評価は山本勘助級である。 高和の出した味噌カレーは、色々な意味で悶絶しそうな出来であった。ぼくらのすごいやつ、と形容できそうな形でもある。 雪花も自分が手を出していいのかと少し手間取ったが、高和の希望で食べることになった。このいい男は九条からの評価が気になるらしい。 「これは……。初めて学校のカレーを口にした教育実習生が絶頂しそうになる味ですね……」 「だろう? キミにニャンニャンってことさ」 紳士的に皿を片づける高和に、雪花は森蘭丸級という評価を与えた。 ●そういう界隈 さて、山の中で起こっているのはカレータイムだけではない。カップルタイムもある。カップル界隈ともいう。そうじゃない組み合わせが紛れていても、気にしない。気を使った雪花の配慮なのだから。 ともかく、はしゃぎながらカレーを作っているアナスタシアを見るに、それは正しかったと思える。 「ココナッツミルク……カレーに入れるって初めて知ったよぅ、美味しいの?」 多少屈み気味に、隣でひよこ豆とココナッツミルクとひき肉のカレーを作っている鷲祐の顔と火加減を見比べながら、アナスタシアは子供のように目を輝かせていた。 「ココナッツミルクなんかはあまり使わないだろうが、まぁ、新しいことに触ってみろ。俺の可愛い嫁よ」 そんなアナスタシアの頭を鷲祐が軽く撫でてから、二人はカレーを完成させた。 そして審査。不安なのかアナスタシアは鷲祐の後ろに隠れていたが、雪花が本多平八郎忠勝級と評価すると、鷲祐と共に喜んだ。 踊るようにしてカレーを作る静と玲、普段から料理上手な二人が作るカレーは、作る場面もどこかの劇場のようである。 静がスムーズにご飯を炊いて材料を刻み、玲が準備をしながら炒めて煮込んだビーフカレー。サラダもあるよ。 そして二人で飾り付けて、シェフの衣装に早着替え。 「コクの詰まった自然と炎のビーフカレーを召し上がれ」 「雪花さんにも食べて貰って好評だったら静さんの店のメニューに入れて貰うんだ!」 という気概と共に出されたビーフカレー。その評価は上泉信綱級。すごい! 「やったな! 例えが分からないけど!」 「うん!」 静は玲の頭をくしゃりと撫で、笑顔と笑顔を合わせてから、二人で川釣りに出かけた。 朱子と一緒の班になりながらも、火車は言い訳のような言葉を並べていた。 「キャンプとかってーのは楽しくあるべきだろ? 思い出はそうあるべきだって。そう思うんだオレは。……まあオレ相手で楽しくなるかは、この際別な。別」 机の上に並んでいる食えるもの(火車談)を横目に、落ち着かなさそうに眼鏡をかけなおしながら、市販のカレーを使うもののちょっと改良したカレーを作っていた。 (隠し味は、火車くんからかうの面白いなという心) これを隠すために、朱子は落ち着かなさそうにしている。 刃紅郎に貰った肉などを入れて、完成したカレーを食べる火車。 「……うん! 最高!毎日でも良いね! やっぱこういうんは女史が作ってくれたモンが良い!」 「ルーの代わりに……ルー・ガルーを入れた」 「えっ!」 ちなみに、雪花が下した評価は直江兼続級。 吾郎は仁太を助手としつつ、野生の感全開で料理にあたっていた。つまり非常におおざっぱに作っていた。 「うおぉ火が鍋に! 鍋に!」 そして燃えた。 「はぁ……。必殺、完成品はこちらに用意してあります」 消火後、無事に出された冷カレーは仁太のものである。松永久秀級だ。タツジン! 「仁太ぁー! よくやった!」 もふもふとしながら、二人の男は転がりまわった。 雪花と狄龍に向けて優希が出したのは、獄炎カレーだ。なんとも物騒な名前であるが、これには優希の情熱と闘志が盛り込まれていて、美味しい……けど、辛かった。 「ど……どうだ?美味いか?」 「かーらーいーぞー。……だが、美味い!」 凝視する優希の前で、からいと言いながらも美味しそうにお代わりを要求する狄龍。途中で物理的に吹っ飛んだものもあったが、スタッフの優希がなんとかしました。そして狄龍の広東風中華カレーは関平級とされましたとさ。 「うっす、雪花、久しぶり、おいしい激辛カレーわけてもらってきたぜ! 一緒にくおうぜ」 夏栖斗が持ってきたのは、さっきの獄炎カレーだ。 「久しぶり、雪花さん。このカレー、珍しい具材で美味しそうだったから、雪花さんの分も分けてもらってきたよ」 そして一緒にやってきたのは快だ。あ、こいつ彼女いるのにナンパしてやがる、と思った快と負けられない夏栖斗が持ってきたカレーでの勝負を行った。 ジャッジは関ヶ原判決。厳しい勝負だったが、激辛と珍味に耐えた快を評価して快の勝利となった。 「雪花さんが可愛く見えるのは、きっと笑顔が増えたからだよ」 このナンパ野郎め、と睨む夏栖斗。お前にナンパ呼ばわりされるとは……と、快は疲れていた。 ●グループカレー 多人数で組んでカレーを作っているグループもある。その一つが、刃紅郎を中心とした【野味カレー】である。何が野味かといえば、実際に狩った獣を使うから、野味カレー。 「おー王様、いくぞー、ルカに遅れをとるなー」 真っ先に走っていくのは、着の上にエプロン一枚のルカルカ。 「おー」 さっそく発見したのは熊である。なんでこんなキャンプ地に熊が、とは言っていけない。 「見事だ。後は我が行こう」 そしてその熊を、刃紅郎が狩る。なんとも狩り慣れた動きであり、その信頼感が見て取れた。 「急所を1発で狙い打つという狩人の腕の見せ所です」 そして劉の弓が鹿を仕留める。仕留めた鹿は劉が血抜きを行い、ちゃんと食べられるかどうかは分からないけどとりあえず置いておいた。 狩ってきた猪や熊の肉を机の上に叩きつけながら、刃紅郎は狩りの間にカイが仕込んだ野菜やご飯を見て満足そうにしていた。 「熊肉は充分に火を通して下さいね」 カイの助言と、刃紅郎の構想、そして狩りのメンバーが得た肉によって作られた野味カレー。評価は小山田信茂級だ! 続いて、最大人数の【オカ研】である。 「あー、楽しみだな」 守夜はそう言いながら、インドカレーに使えそうなものを並べていく。 「シーフードカレーだ!」 「……あれ?」 しかし、フツや椿はシーフードカレーという。名付けるならばクトゥルフカレーというものらしい。 「今こそアタシの真価が問われる時!」 そこで出てきたのが陽菜である。彼女は独自の材料を使って、守夜と共にカレーを作るようだ。ただ、激辛のカレーだが。 「わ、わたしもお手伝い……します」 更には友達や知り合いを増やしたい三千も混じって、三人はきゃいきゃい叫びながらカレーを作り始めた。主に味見役の守夜が叫んでいる。 「魚介類メインかな? あれ……なんか変なもんなかったか……。ははっ、俺の見間違いだな」 クトゥルフカレーの方を覗きながら、モノマは目を凝らす。料理ができない身でも、これが明らかにおかしいのはわかる。 「モノマ先輩、このえびの殻を剥いてもらえますか? 壱也と共にとりあえず簡単な仕事をしつつ、モノマは嫌な予感に身を震えた。 「熱感知がある! 火の加減はまかせな!」 「なんか旧支配者とかの名前も出とるし、せっかくやからそれにちなんだカレーにでもしよか」 フツの言葉はともかく、椿は怪しげに笑いながら色々と用意している。蛸とかブロブフィッシュとか。 「材料がアレやけど、味は悪ないはずやよ!」 「少し和風な味にしたら、雪花も気に入ってくれるかしら……?」 そして、できたカレーはふたつ。和風でクトゥルフなのと、闇100倍カレー。 「くわわ……。ふーっ、ふーっ」 「ん? ちゃんと熱を冷ましてくれるのか」 「あ、あーん」 フツとあひるの二人は、ここぞとばかりに二人の時間を満喫している。メンバーとの交流で忙しかったが、こういうのも大切な時間だ。 「モノマ先輩も食べますか……? あ、あーん、ししし、してくだ、さい」 こちらは初々しく。結果は伏せます。 「はい、あ~んして」 「オゴォ!?」 陽菜の邪悪な笑顔に釣られて闇100倍カレーを食らった守夜は、後のセッションでカレーをモチーフにしたシナリオを三千とやったという。 ちなみに、 「ゴハーン」 そう鳴いていたミーノは、カレーに使うご飯を覗いてみたりしている。 「あまくち、あまくち~♪ りんごとはちみつ~♪」 また、こんな歌詞で歌いながら食べていたので、オカ研の皆から頭を撫でられていた。 「ぴゃーーーーーーーっ!!」 ただ、100倍カレーの方を口にしてしまって、ぴこぴこと動き回るはめになったが。 評価は二つ合わせて斉藤道三級でした。ご了承ください。 ソラは高校生たちの引き起こした爆破の様子を遠目に見ながらも、【未知カレー】のメンバーと一緒になって材料を放り込んでいる。 「普通のカレーなんて面白くないじゃない?」 ということらしい。だからひたすらシーフードの缶を開けては放り込んでいる。これがシーフードカレー……であるはずがない。 それじゃダメだと思います、とそこに突っ込みを入れたのは空だ。がんばって市販じゃないカレーを作ろうと材料を持ってきたが……肝心の作り方は? 「はっ! ちゃんと調べてメモしたのにメモを忘れた……がーん」 この通りである。何とも言えない結果に、ソラとレイラインも楽しければいいのよ、と開き直った。空も開き直った。 「こうなれば、数撃ちゃ当たる作戦で行くかのぅ!」 レイラインはそう考えて数多くの鍋を用意して、ソラのように色々と放り込んでいた。豆乳も投入されているが、一つくらいはまともなのができるだろうという算段である。 そしてできたのはヤバそうなものの山。 「うーむ。そこで盗撮しとる竜一」 「えっ、どっきりうっかりはぷにんぐですか?」 カメラを構えてレイラインの豊満な胸にズームインする竜一の口に、黒くなってきたカレーをシュート! 「……ああ、俺ってなんてモテモテでリア充なんだろう」 どうも、頭の中がエキサイティングしてしまったらしい。空を見上げて何かをぶつぶつ言っている。 「美味しい筈だったけど、これはだめそうね」 冷静にソラは言い放った。 どこか奇妙な人間が集まった【みょんべり】は、九十九を中心にして、外見からは想像できないぐらい纏まっていた。 「スケキヨさんの集めてくれた山菜!」 「アプリの山菜図鑑を活用し、ルアくんが転ばないように見てきましたよ。フフフ……」 ルアの頭を撫でながら、スケキヨはニヤリと口を開く。途中でピンクと白の水玉模様のキノコと遭遇し、ルアに拾われそうになって慌てたため、その額には汗が出ているが。 「えへへ~っ♪ 転びそうになったけど、スケキヨさんが抱きとめてくれたの!」 先ほどからドキドキする胸を押さえながら、スケキヨと繋いでいる手にルアは安心感を覚えていた。 「シエルさんが炊いてくれたご飯!」 「山間から湧き出る清水も持ってきました……」 竹筒を手に、控えめに胸を張って自信があると自慢するシエル。 「そして私の用意した鶏肉とルー!」 「私も、調理をしました。わりと私、調理の手際はいいのです」 「トッピングもお題もフリーダムで、デリシャスなみょんべりのカレーが遂にキャンプ場上陸よぉん!」 作られた山菜カレーに死角はありませんと、九十九は怪しく、ニニギアはふふっと笑った。 実際に、つまみ食いされて妙なキノコが入っている以外はまともな料理であり、雪花も雑賀孫一級の評価を下した。特にステイシーが盛り付けが見事で、盛られたモルは食べるのがもったいない、とのこと。 「そしてこれが俺のカレーだ」 封印を解いたというランディの料理が今ここに。狩ってきた野鳥と、きめ細やかで独自の調理法を組み合わせた、とっても丁寧に作られたカレー! 足利義輝級! 「よし、俺はカレーを食いに行くぞ! ――俺はカレーが食いたい!」 そして、カレーを狩りに出かけるランディ。 「まあ、つまる所これが私達から雪花さんへの歓迎の気持ちってやつですかのう」 シエルの水を受け取りながら、雪花はひたすらに照れていた。これだけ想ってくれていることを、実感したからだ。 ●まとめてくれる人は 「何を隠そうアタシもこの料理が大好きさ。だって老若男女みんなが笑顔になれる料理だからねぇ」 手際良くカレーを作りながら、説得力のある富子の言葉に皆は頷いた。 それにふっと笑って反応しながら、富子の料理の手伝いをしているのは龍治だ。とはいえ、料理経験がほとんどない龍治は力仕事や配膳を手伝っているだけだ。 「ま、女将に任せておけば間違いなく旨いものが出来るからな」 とのことで、富子が作ったカレーを主に一人暮らしをしているリベリスタたちに向けて振る舞っている。なぜかと言えば、 「みんなが家族。アタシにとっちゃみんなかわいい子供たちだからねぇ」 とのことである。 「食べる! おかわり!」 次々とカレーを(闇カレーも)食べ続けていたイセリアも、これには目を輝かせてうまいと唸った。 「よし! 私が最強のカレーをきめてやろう!! 全部だ!!」 イセリアはカレーで頬を染めながら、大きな笑顔と大きな声、そして大きな胸を弾ませて宣言した。 「こんな日も、たまには良い」 龍治の言葉通り、みんなが笑顔になっている。 ほとんどディートリッヒが作ったキャンプファイアーの下で、茉莉・エリス・孝平たちと、踊りの希望者たちが踊っている。みんな、ディートリッヒにお礼を言っていて、ディートリッヒはどこか照れくさそうであった。自分は所詮裏方だと言っていたが、最後は皆に誘われて踊りに参加していた。 そして、 「お疲れ様でした、雪花様。私もサポートした甲斐があるものです」 最初から最後まで配膳やカレー品評会の整理、闇カレー被害者たちの搬送など、雪花をサポートしたジョンに、雪花は徳川埋蔵金級の賛辞を送った。 「いい写真だ!」 最後に、復活した竜一がカメラに写った雪花の笑顔を見せて回っていた。そこには、緊張感が抜けた14歳のかわいらしい笑顔があったという。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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