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A子クライシス

●殺人鬼A子の心情
 どうして世間は煩わしいのだろう。顔より先に胸を見る男も、中より先に顔を見て舌打ちする女も煩わしい。笑顔は醜い。泣き顔は鬱陶しい。怒り顔は吐き気すら覚える。何もかも無味無臭で無感動ならばいいのに。何もかもゼンマイ仕掛けのブリキであれば美しいのに。いっそ死んでしまえばよいのだ。そうだ、何もかも、何もかも根こそぎ死んでしまえばいい。何もかも殺してしまえばよいのだ。髪を掴んで引きずり潰し、踏み落としては噛み切ればいい。掻き毟っては捻り刻み、千切り投げては八つ裂きにすればいい。悪臭数えて69億。全てが総て殺し尽くしてしまおう。そのためになら悪魔に魂を売っても構わない。神様に土下座しても構わない。ああだから何様か、これに感謝致します。この力を授けていただいたことに感謝致します。必ずや、必ずや根絶やしにしてみせましょう。如何にして、如何にして野晒しにしてみせましょう。それじゃあ、さようなら人類。今までありがとうございませんでした。二葉亭四迷。

●噂1
「もう5人目だってよ。あの事件」
「またかよ。1人目からまだ2週間だろ? こええよな」
「ほんとにな。あーあ、あっぶねー殺人鬼がうろうろしてんだからよ。学校くらい休みになんねえのかなぁ」
「学校来てもねてんじゃねーか」
「ベンキョーは俺に向いてねーんだよ」
「自慢になん――」
「ん? どうかし――」

●噂2
「もう7人だって、あの事件」
「また? 昨日は5人って言ってたじゃない」
「夜になって見つかったそうよ。今度は2人同時」
「怖いなぁ。こうやってお昼買いに行くのも危ないのかしら」
「そうよね、明日からおべん――」
「え? なんて――」

●殺人鬼A子の発見
「××日、××市の××で会社員と思われる女性2人の死体が発見されました。警察は身元の確認を急ぐとともに、一連の事件における同一犯と見て――」
 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)はリモコンを動かし、ニュース番組を映すモニターを落とした。
「半月で9人。恐るべき、といえる数字ね」
 細腕で抱えたうさぎのぬいぐるみに顔を押し付け、小さくため息をつく。
 調査に追われ、何日も碌に寝ていないのだろう。
 事件は今月初旬に始まった。
 深夜、某所の高校に通う少年の死体が発見される。ナイフと思われる刃物で心臓を一突きにされた彼は、生前の素行もあり、当初は女性関係の線から捜査を進められた。
 だが、その2日後に事態は急変する。
 事件現場近くの公園で、住所不定者が男性警官の死体を発見。鑑識の結果、同じ刃物によるものであると結論づけられる。
 少年と男性の関係性は皆無。現場状況からも警察は同一犯の仕業であると断定。加えて無差別殺人であると認識を改められ、捜査班は再編成された。
 さらに2日後、3人目の被害者が出る。
 犯人像は未だつかめず、捜査は難航を極めたまま、4人目の被害者が発見された。
 一切の手がかりもなく、マスメディアにて連日報道される中、どうしてか一つの噂が流れ始める。
 曰く、犯人は女性である。
 噂が噂を呼び、何の根拠もないまま週刊誌が、ワイドショーが、ネット掲示板が無責任に話を掻き立てる。
 そうして、その何もわからない無差別殺人犯に俗称が付けられた。
 殺人鬼A子、と。
「単独犯であることには間違いないの。でも、だからこそ人間業じゃない」
 アークは一連事件の通り魔をフィクサードであると断定。警察上層部と協力し、調査を開始する。
「でも――」
 ぬいぐるみから顔を放し、集まったリベリスタ達を見つめる。
「予言できたの。次の犯行場所も、時間も特定できた」
 『要焼却』と記載された資料を配り、疲れの滲む、されど強い声で。
「絶対に捕まえて。これ以上、市井に被害を出すわけにはいかないの」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:yakigote  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年04月24日(日)21:53
皆様いかがお過ごしでしょう、yakigoteです。
殺人鬼A子、と呼ばれる通り魔フィクサードを止めてください。
A子はナイフで背後から心臓を一突きにし、現在までに9人の人物を殺害しています。
アークはA子がリベリスタの存在を知らない単独犯であるとし、この見解に間違いはないでしょう。
また、成り立てのフィクサードであるとも想定されます。
力の使い方を覚えてしまう前に、彼女を打倒してください。

※敵情報
名称:殺人鬼A子
・人間が大嫌い。人類滅亡を目論む少女。しかしその方法は自分で69億人全員を殺害するという荒唐無稽なもの。
・覚醒前から精神的にかなり参っているため、説得は不可能です。

追伸。
かわいい女の子の敵を考えていたらこうなりました。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
デュランダル
宮部乃宮 朱子(BNE000136)
ナイトクリーク
犬束・うさぎ(BNE000189)
プロアデプト
阿野 弐升(BNE001158)
ナイトクリーク
苑 そわか(BNE001386)
ナイトクリーク
十七代目・サシミ(BNE001469)
覇界闘士
アイカ・セルシウス(BNE001503)
ナイトクリーク
御津代 鉅(BNE001657)

●十人十色処に寄り虚数
 何故人を殺してはいけないのか。そんな思考に辿り着く方が問題であるという意見はさておき、それはネガティブな感情を与えられるからであると推測される。暴力は怖い、共食いは醜い、死は悲しい、戦争は辛い。マイナスの思考、発想が結論づけられる、想定されるからこそタブーなのではないのかと。
 当然、妄言だ。答えに至るプロセスが逆様を向いている。元より、無意味な論理思考こそメインではないのだから、哲学的発想も文化的考察も価値をなさない。問題は、禁忌を是として辿りついてしまった者。主題は、

「殺人鬼……ねぇ? 面倒なお嬢さんが力を手に入れたもんだ」
 それは、誰も彼もが同じことなのかもしれない。一歩間違えれば『イケメンヴァンパイア』御厨・夏栖斗(BNE000004)とて同じ末路に至ったかもしれない。自分の世界を奪った不条理に胸を焼くことがないわけではないのだ。
「さて、姿が判明していない敵とは、厄介でござるよな」
 そう言う『ニンジャブレイカー』十七代目・サシミ(BNE001469)は普段の忍者衣装ではなく、ウエイトレス姿である。敵の目を欺くためであろうか。
「どうやら、随分と人間が好きらしい」
『燻る灰』御津代 鉅(BNE001657)からすれば、件の殺人鬼も人間好きと見て取れる。全人類、総人口に向けて各々に意識を向けている。嫌いならば放ればいいものを、忌むならば捨て置けばいいものを。
「色々と思うところはありますが……先ずは無力化しなければいけませんね」
『消失者』阿野 弐升(BNE001158)が二指を擦り合わせた。軽快な一音が鍵となり、常人を無意識にテリトリーの外へ送り出す。これで無闇に被害を広げることもなくなるはずだ。
「自分の価値観を人に押し付ける……まして暴力という形で。なんて自分勝手……」
『消えない火』鳳 朱子(BNE000136)にとって、一方的な意識の反映はエゴイズムである。協調なくして繁栄のない世界においてそれを嫌悪するというのなら、自分の世界を抱えて滅びればいい。しかし、コミュニティとは一線を画すそれに惹かれる者も居るものだ。
「女の子にしては実に壮大な夢ね」
『絶対零度の舞姫』アイカ・セルシウス(BNE001503)は少しだけ、期待していた。人間を9人も殺害した成り立てのフィクサード。それは戦闘愛好家からすれば、自分を楽しませてくれるかも知れないと期待する要素でしか無いのだから。
「煩わしいですか……そうですか。私はそういう『貴女の表情』が気になります」
 心とは真逆、表に色のでない『夜翔け鳩』犬束・うさぎ(BNE000189)にとっても、およそ共感を得難い殺人鬼の顔色は興味の対象であった。煩わしい、煩わしいからこそ殺して晒す。彼女は傍目から見て、自分にどう写るのだろう。
 淡々と、粛々と、次々と失わせていく連続殺人鬼。『闇撫手』苑 そわか(BNE001386)にしてそれは魅了されるものではあったが、アークに身を置いている以上、放置というわけにもいくまい。それでも、甘美な響きに心が踊る。面白い、面白い。
「さあさ、此方の心の臓腑。つらぬいてみよ」

 気分は高揚しない。心は劣化しない。経過に興味はなく、過程に意味はなかった。結果にすらも価値はない。未来を確信するまでもない。心臓が動いていることに当然を感じることすらなく、目覚めれば日が昇ることを必然と思うわけもなく、それは殺して、殺して、殺して、滅ぼそうとした。滅ぼそうとしてしまった。

●三十六計逃げるに能わず
「そういえば、例の事件。もう9人でしたっけ。遂には殺人鬼A子なんて呼ばれているとか。ゲームのようで、笑ってしまいそうです」
「殺人鬼ってこわいこわい。でも、かわいこちゃんって話なんだろ?」
 男3人がうわさ話をしながら歩いている。少しだけ声は大きく、少しだけ不自然に。
 話を続ける弐升と夏栖斗から一歩後ろ、傍から妙と見えない程度の位置を鉅が歩いている。周囲をきょろきょろと見回すような真似はしない。共に行動している、それでも2人の話には混じらない。ただただ集中している、神経を研ぎ澄ませている。

「都市伝説みたいでござるよな。一人では出歩けんでござる、がくぶる」
 彼らから離れ、それでも眼に見える位置に彼女らは居た。此方も同じく、件の殺人鬼について話している。
 話しながら、時折携帯端末を開いて着信の確認を行う、確認を行うフリをしている。何度目か、画面反射で背後の様子を探り終えると朱子は端末を閉じた。被害者は誰も彼も背中から刺されている。後ろを気にするのも当然といえよう。
 そわか、サシミにしても無警戒ではない。直感を、神経を、獣の嗅覚を働かせ、襲い来るのであろう何かを待ち受けていた。

「殺人鬼A子ですか…一体どんな顔しているんでしょうね」
 うさぎとアイカ。この2人を含めた8人が本件の解決に向かったリベリスタ達である。彼女らもまた、A子などと呼ばれるそれを噂していた。おびき寄せるならこれまで起きた状況の再現を、ということなのだろう。
 3:3:2。2人だけで鬼をおびき寄せる彼女らは、他班に比べ危険とも言えよう。だが、それでも構わない。アイカはそれでも構わない。8対1よりも、3対1よりも、2対1の方が戦いは激しくなる。楽しくなる。面白くなる。少しだけ唇を笑みに歪ませ、早る心をおさえつけた。来るならきやがれ、手の鳴る方へ。

 見ていた。見ていた。じっと、じぃっと。3つと、3つと、2つ。大振りのそれを抜き放ち、走る。駆ける、音もなくそこへ到達させる。どれをとは迷わない。過程も経過もなんでもないのなら、彼女は迷うことなくそこを狙った。

●五十歩百歩あと逆走
 止めたのは鉅だった。
 背後からの一撃。迷いのない心臓への突貫。吸い込まれる白刃を、抜き放った短刀で止めることができたのは常に怠らなかった警戒の賜である。それでも、できたことはそれだけだった。
 押し飛ばされる。噛み合わされた二刀は、競り合いに踊る暇も無く受け止めた側を遥か後方へと浮かばせる。
 技術ではなかった。能力でもなかった。単純なる膂力である。純粋で直線的な力により、大の男を退かせたのだ。
 それもそのはずである。つい先日まで只の人間嫌いでしかなかった少女に、背骨を縫う術など無い。筋を見極める業などない。これまでの9人。男と女と男と男と女と男と男と女と女、どれもこれも誰も彼も無理矢理に貫いてきた。無茶苦茶に引き裂いてきた。技術は膂力で代替しろ。殺人はパワーだ。絶命はストレングスだ。力みだけで崩壊のカタルシスを歌えばいい。
 認識を改め、心を強くせよ。それを怪物だと認め、悪夢だと震撼せよ。目前の敵を定かに、今にして人殺しの正体を強く見つめる。見つめていく。
 容姿を見て言えば、恵まれていると思える。格好に派手さこそないものの、光るものがあった。その端正な顔を歪ませるものを除いて。
 嫌悪。それは紛れもない嫌悪感。敵意はない、殺意がある。憎悪はない、嫌悪がある。犬に噛まれたから犬を嫌うのではなく、虫を嫌うから虫を嫌っているそれに似ている。何故かはどうでもよく、是非かは言うまでもなく、嫌っている。嫌っている。生理的に、精神的に、徹底的に嫌っている。
 ゾクリと、背筋に冷たいものが走る。ああ、駄目だ。これは話を聞きやしない。聞くことすらも気持ちが悪い。
 駆けつけてきた仲間に、凍りかけの心臓が高まり、戦闘へと精神を引き戻す。構える、心する。これは自分たちとは違う生き物だ。

 異様な雰囲気を感じ取る。それでもアイカにすれば関係のない話だった。一足飛びに間合いを詰め、凍気を帯びた拳を振り下ろす。確認するまでもない、これが敵だ。私は誰だ。ならば戦うまでだ。打ち付けた拳はナイフに止められる。刃を浸食する凍土を無理矢理に振り払い、殺人鬼が凶器を突き出してくる。防いだのは足の裏。威力に重心をかけ、後ろへ飛ぶ。宙を舞った。
 アイカが数歩下がり、その場で伏せる。機械化された脚部が熱を帯び、高炉を活性化させると同時、風の刃が彼女の頭上を通り過ぎ、殺人鬼へと顎を擡げた。蹴り足を収め、夏栖斗が走る。
「じゃじゃ馬お嬢さんの相手はつかれるね!」
 軽口を叩いて通じる相手ではないともう分かっている。それでも自分を鼓舞するように。己のスタイルを貫くように。
 
 ギャロッププレイ。
 全身是暗器と言わんばかりに至る所から伸びる気糸の群れが、殺人鬼を攻め立てる。鬼の直感か、それを危険と見た少女はナイフを奮い、駆け、時に転がりながら逃げ続ける。逃げ続ける。
「そら、此方も其方も、きっと、紅が似合うぞ。互いたぁぷりと詰まっておる」
 楽しそうで、楽しそうだ。刺しても刺されても、それはきっと、楽しそうで、楽しそうだ。どちらの染具が美しいのか。どちらの塗料が綺麗であるのか。
「殺人など無意味でござるよ。ほれ、拙者一人殺せはせんでござろー」
 挑発しながら麻痺毒の糸を撒き散らす。サシミはウエイトレス衣装を脱ぎ捨てていた。R指定無しにモザイクへ飛び込むわけもなく、その下の忍者服へと早変わり。お約束である、忍者だもの。
「……私は、好きなんですけどね。感情のあらわなそう言う顔が」
 好意的に、それでも無表情に、ちぐはぐの獣は言う。嫌い嫌い大嫌い超殺したいと訴えかける強張りに、それでも無表情に。素敵を思いながら。うさぎの真意はわからない。
 縦横無尽の津市。その猛攻でも、目が慣れれば薄れてしまう。掠り傷はやがて紙一重へと、そして外れと呼ぶも虚しくなる頃、殺人鬼はその名の通り何人も殺さんと足を踏み出し。
 そして一寸の先に狙撃を見た。
 気糸が脚を貫く。今までの踊り狂ったそれらとは別の、ただ一点だけを狙った間隙のスニークアタック。押しかける攻撃は彼女を捉えられない。押し付ける千撃は彼女を逃してならない。しかし、しかして、殺人鬼は素直すぎたのだ。それは弐升の狙い通り、天秤が傾いた瞬間に背後から蹴落とすものであった。
 脚の痛みは、一瞬だけ殺人鬼の動きを止める。ほんの一瞬、それは十二分の刹那。無限に張り巡らされた麻痺の糸が遂にA子を絡めとる。身動きを封じられ、それでもナイフで糸を切り払おうとする刃先、投擲された短刀が最後の抵抗の邪魔をする。的確に手の甲へと突き刺さり、痛みは9人を殺した魔剣を落としてのけた。
 終に、背後から輝きを纏う直剣に引き裂かれ、少女の意識は深く深い淵の底へと沈んでいく。勝利を確信し、鞘へと納め、落ちる敵をと振り向いた朱子は絶句した。
そこに嫌悪の顔がなかったから。意識を途切らせる直前、鬼の見せた表情は、悔恨でも安堵でも失望でもなく。それは歪な――

 心象風景は染められる。心傷風景は克てられる。慣らし運転のようなものだった。一人、一人、二人、二人。一足飛び。八人。吐き気はない、むかつきもない。飛び越えた、飛び越えることができた。たしかにその先に行ったのだ。

●千変万化の固形物
 厳重に拘束し、アーク本部へと送り届けた後でも殺人鬼は眠ったままだった。こと殺し合いにおいてど素人でもあり、怪物でもあったフィクサードの面影はそこにはない。意識を巡らせるそぶりもなく、ただすやすやと眠り続ける彼女は、歳相応の少女に見えた。見えるだけで、中身もそれというわけではけしてないのだけれど。
「私も難儀な人間よね……」
 アーク職員――御世辞にもカタギには見えないが――に運ばれていく彼女を見ながら、アイカは独話めいた。楽しめた、とは言い難い。その才能こそ恐るべきといってしかるものではあったものの、如何せん戦闘での経験に差がありすぎた。戦うために動いたリベリスタと、殺すために通ったフィクサード。その違いが決着を分けたのだ。いや、そも自分とはモチベーションの出しどころが違ったか。
 嫌い。なんてシンプルな理由だろう。単純で明快。ひとえにあきらか過ぎてあまりも納得しがたい。それでも見透かさせられた。見透かさせられてしまった。暴力的な意志で、意図的な暴力で、彼女は人間が嫌いだから殺しているのだと理解させられてしまった。
 けれども、もう逢うこともないだろう。彼女は鳥籠に納められ、外界は彼女を忘れていくのだ。悲劇の幕は大団円で閉じない。平穏と日常、誰もしらないエキストラだけで埋め尽くされていく。惨劇は大衆を脅かし、活劇は少数を沸騰させた。明日には覚えていないかもしれない、来月にはもう忘れているだろう、来年にはもう思い出せないかもしれない。それでも、怖かったから。面白かったから。狂おしかったから。
「さらばじゃA子。此度は感謝の意を表する。楽しかったのじゃ」
 奥の扉が閉じる寸前、眠り鬼がこちらを見たような気がした。
 了。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
今日も頭の中で正体不明共が這いずっています。
夢に出てくるので割と恐怖。

次はどの化物が飛び出してくるのやら。