●人であるとは ――ああ、本当に嫌な世界だ。 私は人間が嫌いだ。 彼らは不躾に私を見てくる。 興味も大して無いくせに、他人を値踏みするように。 そのような見方をするのは人間だけだ。 社会の歯車として毎日を過ごしていると、どうしても不躾な視線を受ける。 ああ、そのような顔をやめろ。値踏みをするんじゃない。 私はただ、静かに過ごしたいだけだ。 人間の中で生きるのが疲れるだけだ。 だが世界には人間が溢れており、私も人間でしかない。 その中に潜み続けるしかない。 ――その時だ。あの放送を見たのは。 伝説のジャック・ザ・リッパーを名乗る殺人鬼。 朝、出勤を前にした私の目に飛び込んできたあの映像。 人を人とも思わない、いや、人相手だからこそのあの傍若無人な振る舞い。 甚く感銘を受けたのだ、私は。 決して自分を縛る必要などない。やりたいようにやればいいのだ。 この人に満ちた世界を、人でないもので満たしていいのだ。 「……え、やだ。何あれ?」 まただ。私を見ている。人間が、人間の顔で見ている。 そうだ、まずはこの女性だ。私を見る、その顔だ。 私は知っている。人間を構成するのは顔だと。 顔を構成する皮膚一枚。それがないだけでも人間は人間でなくなる。 人間を証明する、人格は崩れ去る。 ――さあ、はじめよう。私の世界を、人でないもので埋め尽くそう。 ●ブリーフィングルーム 「大事件ってやつだ。通り魔ってやつか?」 集まったリベリスタ達に対し、『駆ける黒猫』将門伸暁(nBNE000006)が飄々とした態度で言った。 眼前のモニターに写っているのは大虐殺の様子。血の海に、一人の男が立っている。 「こいつの名は祀木 廉治。力のあるフィクサードだが、今まで目立ったことはしてこなかった。 酷く面倒を嫌うタイプでね。人嫌い故に、可能な限り揉め事を起こさず生活をしようとしていた」 だが、眼前のモニターの映像はそのような人物評を覆す光景であった。 手にした六十センチほどの長さの刀身の剣。やや短めの、禍々しい意匠を施されたその剣を振るい、楽しくもなさそうに淡々と人々の顔を削ぎ取っていく。その姿は揉め事を避ける、といった評とは程遠い現実だった。 「ジャック・ザ・リッパー。あいつがやらかしてからお茶の間は騒然。 そこら中では何かに当てられた連中が暴れだしてる。ひょっとしたらこいつもそうなのかもな」 ジャックの早朝の演説。それ以来、各地でフィクサードやエリューション事件が頻発しつつある。 彼によって現実は破壊され、狂気は増幅された。これもそのうちの一つというのだろうか。 「あいつが持ってる剣、あれはアーティファクトだ。あんなものを持ってるというのは知らなかったけどな。 効果のほどは……まあ画面を見てくれればわかる」 伸暁に促され、モニターを見たリベリスタ達は目を疑う。 顔面を削ぎ落とされ、倒れていた人間。それがゆらり、と立ち上がり動き出した。 完全に絶命したはずの肉体が、力なくふらふらと、彼に従うように動く。 「あの剣はエリューションの力を、殺害した相手に注ぎ込む。 長くは持たず、力もたいしたことは無いがどうやらあのゾンビが存在することが祀木の力になるらしい。詳しいことは資料を見てくれ」 そう言って伸暁は資料を放った。 「手を施せない場合、被害はひたすら広がるだろう。 キッチリ止めてくれよ? そうすればお前達はクールなヒーローさ」 そう言って、緊張を解すように伸暁は笑った。いつものように、シニカルに。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:都 | ||||
■難易度:HARD | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年10月03日(月)22:37 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●無貌の楽園 そこは地獄が生まれようとしていた。 早朝のビジネス街。多数の人が行き交い、労働の為に職場へと向かう。 中には仕事へ行くのなんて面倒臭い、休みたいと思っている人間もいることだろう。 ――だが、それすらもかけがえの無い日常であったと言えよう。 普段は雑踏で歩くのもままならない駅前の広場に奇妙な空間が出来上がっていた。 地面は湿り気を帯び、赤い液体が満ちて絨毯のような状態となっている。 ごろりごろりと寝転がる人型。多数存在するそれらは全てぴくりとも動くことなく、地に伏していた。 そしてその騒ぎの中央に佇む一人の男。 あまり目立った容貌ではない痩身の男。ゆらりと立つその姿には生気が薄く、幽鬼のようにも見える。 片手に下げた装飾過多の短めの剣は赤く血に染まり、それがこの惨劇を引き起こした凶器であることを明確に示している。 何より異質だったのは。これだけの惨劇を引き起こしながら彼が一切の返り血を浴びていないことであった。 場は恐慌状態にある。怒号が響き、悲鳴が響く。走り去るもの、足が竦むもの、へたりこむもの。そして悲鳴を聞きつけ集まる野次馬。 男はその様子を横目に、剣をゆらりと振った。 ――その動きにあわすように、のそりのそり。と倒れていた人型が次々と立ち上がった。 その顔面は削ぎ落とされ、肉色と血色、脂肪の黄色が混ざり合った平面となっていて到底生きているものの状態ではない。その動きも不自然に痙攣しつつ、のたりとした遅いものである。 だが、神秘に慣れていない人々はさらなる恐慌に襲われる。状況を理解したもの、理解できず呆然とするもの。無貌の屍が新たな犠牲者を求め、動く様に。 「早く逃げろ! 殺されるぞ!」 「逃げてくださいまし、遠くへ!」 その時、鋭い声が響く。状況を理解させるためのキーとなる一言。 『殺される』、その一言は何よりも本能に危険を理解させるのに効果的であった。 一斉に逃げ散り始める人々。本来ならば一刻も早くこのような場からは離れたかったのだ。 だが、非現実に塗り潰された思考が警告の一言により、一気に理性を取り戻した。そして彼らは逃げた。脇目も振らず。 その様子を安堵した表情で『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)と『節制なる癒し手』シエル・ハルモニア・若月(BNE000650)は見送った。他ならぬ警告を送ったのは二人なのだから。 逃げ出す民間人を無気力に見送る男――祀木 廉治。その姿に向けて突如、シャッター音とフラッシュが浴びせられた。 「――逃げ続けるのは結構だけれど、人の道行きを邪魔するものではないわ」 片手にカメラを持ち、男を撮影した女性『BlessOfFireArms』エナーシア・ガトリング(BNE000422)。 値踏みするかのように廉治を見る彼女は、挑発的に彼へと語りかける。自分に相手の目を向けるよう。周りに目がいかないように。 今現在場に残るのは、わずかな人数。完全に腰が抜けたり、気を失って動けない民間人。そして八人のリベリスタ達。 「……逃げないのか? お前達は」 残ったリベリスタ達に向けて廉治は問いかける。 その言葉には自信も緊張感もない。ただ、逃げ散る一般人もリベリスタも、等しく彼にとって等価値なだけだ。 「強いんだかなんだか知りませんが、許しません!」 「祀木廉治、お前は死ね。それだけだ」 『さくらさくら』桜田 国子(BNE002102)が、『終極粉砕機構』富永・喜平(BNE000939)が、立ちはだかる。 国子は惨劇の被害者と、被害者「だった」死体に哀れみを覚え。喜平は彼の暴挙を世界への八つ当たりと断定し、叩く。 (始めて見る種類の破界器だね。じっくりと観察させてもらうとしよう) 『鉄血』ヴァルテッラ・ドニ・ヴォルテール(BNE001139)は彼の手にした剣に注目している。神秘を探求する徒である彼は、特異なアーティファクトであるその剣に興味があるのだ。殺害した他者をアンデッドと化す邪剣『アンデッドベイン』。無貌の屍が動き出す要因となったその剣に。 「人は一人では生きられない。廉治ちゃんは本当に人のいない世界を作りたいの?」 その瞳に愁いを乗せた『優しい屍食鬼』マリアム・アリー・ウルジュワーン(BNE000735)は問いかける。彼の真意を測るかのように。 「人のいない世界が作りたいわけじゃない」 ノータイム。彼は考えることもなく、即座に返答する。 「人が人でないならば、全ては同じ。等しく肉の塊。私が望むのは個人が個人足らず、等しく価値のない世界。――ただの無貌の世界だ」 彼は紡ぐ。自らの思想と哲学を。生の果てに辿り着いた彼の真理、世界にとっての狂気を。 廉治の瞳がリベリスタ達を見る。その目を見た時、ぞくりとリベリスタ達の背中に寒気が走った。 希望も理想もない、淀んだ瞳。深淵の如き昏さを持つソレを持つ彼が、一体今までどのようにして社会に紛れ込んでいたのか不思議なぐらいに、その気配は重い。 「誰が誰とも気にする必要はない、何故ならば全ては同じ、無個性無価値無貌ただただあるのは没個性。素晴らしいだろう笑いたまえさあ君達も笑うんだ」 淡々と捲し立てつつ、廉治は剣をゆらりと振る。それは優雅に、指揮者の如く。 ――周りを囲む死体達が笑い出す。その削ぎ落とされた顔で、哂う。半ばまで切断された舌で、声無き声で、悲鳴を上げるかのようにその全身をびくんびくんと痙攣させ哂う。 「――その世界にあるのは平穏ではなく、孤独よ」 マリアムは得物を、『狂恋ラブリュス』を握る。悲哀を込めて。彼の世界を否定する為に。 (理性の一線を越えた相手、か) 廉治の様子に『弓引く者』桐月院・七海(BNE001250)は腰が抜けた人々等をエスコートしつつ、思う。 (少し羨ましくもあるが、ああならずに済んだわけか) 限界を超える為に何かを犠牲にする、それは理性であり社会性であり人間性であるかもしれない。 そのようにならずに済んだことに、彼は多少の安堵を覚えた。 ――語る時間はもう終わり。 ここからは殺し合う時間だ。 ●囲みを越えて 顔の無い肉塊がリベリスタ達を包囲する。 のたのたと動きの遅い死体達はさしたる脅威とはいえない。 だがその数は多く、一筋縄ではいかない。なにより彼らは廉治の力となる。物量的にも、それ以外にも。 「だからこそ、早く叩く」 やや地より浮いた所から、雷音が印を結ぶ。大気中の水分が凍結し、刃となって死体へ、廉治へと降り注ぐ。 エナーシアもまた、対物ライフルを構え銃撃を開始する。凄まじい轟音が次々と唸り、向かう敵を粉砕しようと銃身が吠えた。 氷が、銃弾が、次々と死体へと突き刺さる。ぐらりぐらりと傾くが、それでもまだ動き続ける死体。命がないからこその、攻撃をものともしない挙動である。 廉治もまた攻撃をゆらりと交わし、剣をで弾く。全てを防ぐことは出来ないが、さすがに決定打といくには不十分であった。 圧倒的な耐久力を誇る屍が包囲を狭め、リベリスタ達へと迫る。 「そちらへは行かせるわけにはいかないですね」 その屍達へ七海が矢を次々と放つ。狙いは違わず屍を打ち抜き、進軍はやや遅れた。 「お前達は大人しくしてくれてると嬉しいんだけどね」 「ここで止まって貰うよ!」 その一瞬で十分。喜平と国子が即座に間へと立ち塞がり、後衛への接近を防ぎ、攻撃を加える。 喜平が銃を振り回し、近距離から散弾を浴びせ、国子の銃が撃鉄を響かせ弾を吐き出す。 一部が半ば崩れかけつつも進軍する屍達。それはどこまでも死体らしくなく、死体らしい。 動きの遅い屍は、足止めをする者がいれば包囲を突破するのも難しくはない。そしてこの惨劇は廉治を抑えることなく終了は迎えないのだ。 屍の最中をすり抜け人影が廉治へ迫る。その人影は機械の如き武装を着込み、エンジン音を響かせ踊りかかる。 「自分のやりたいようにやる、その手段が通り魔かね?」 詰まらん男だ、と吐き捨てつつヴァルテッラは手にしたチェーンソーを振り回し、斬りかかる。その一撃を廉治は体裁きでかわし、ぼそりと答えた。 「ああ、それで構わない。何故なら誰でもいいんだ」 同時に剣を奇妙な振り方をする。と、同時に一部の屍がビクンと奇怪な痙攣を起こす。 ガクガクと震え、急激に干からびていきやがて塵となって崩れ去る屍。そこから漂う黄色の瘴気が剣へと吸い込まれ、消えた。 瞬間、廉治の動きが加速した。攻撃の隙間をすり抜け、さらに肉薄する。 が、リベリスタは一人ではない。 「あら、ごめんなさいね」 ヴァルテッラに迫る廉治の進路を阻むように、マリアムの斧が振り抜かれた。 それを咄嗟に身を捻り、廉治はかわし、距離を離した。 ――瞬間、再び大きく後ろに飛びずさる。一瞬遅れて先ほどまで廉治の立っていた場所に魔力の矢が弾けた。 「皆様の力を信じているからこそ……道を切り開きます」 シエルの放つ魔力の矢は次々と叩き込まれる。それらを弾き、逸らし、掠めつつ廉治は間合いを取った。 幾度となく交錯する視線。彼を制圧しようとする強い視線。全てを等しく無価値に見た虚無の視線。それが交錯する度にお互いが技を振るい、力を振り絞り、精神を磨り減らす。 そして再び氷雨と銃弾が周囲に吹き荒れ――全ての屍は地に伏し、崩れ去った。 ●Faceless 尊厳を奪われた死体はすでに無く、そこに存在するはそれを生み出した人物のみ。 力を与える刃の能力も、媒体となる死体がなければ発揮されない。その上で、この戦いは未だ続いている。 それはすなわち。廉治自身の実力がそれだけ抜きんでいるということである。 「逃がさないっ!」 国子がその速度で目まぐるしく立ち位置を変えながら銃撃を行う。一発二発。次々と銃弾は吐き出され、切れれば即座に弾を再装填し、再び撃ち込む。 「ほら、もう一発だ!」 喜平もまた、散弾を打ち込み肉薄し、全力でその重量のある散弾銃を振り回し殴りつける。 彼の十二分に速度の乗った攻撃は相手を捉え、傷つけていく。 しかしそれらの攻撃をまた不気味にゆらりと逸らし、致命傷は避けていく。同時に振るわれる刃がリベリスタ達を深く傷つけていった。 血に塗れていた地面はさらに赤を増す。それは死体が流した血であり、リベリスタが流した血。数多の血が駅前の路上を染め上げて噎せ返るような空気へと変えていく。 「いい加減静かになってもいいんじゃないか?」 「御冗談を。そっくりお返ししますよ」 廉治の問いかけに攻撃を以って答える七海。矢継ぎ早に放たれる矢は相手を繋ぎとめ、射抜こうと襲い掛かる。 実際リベリスタ達に余裕はない。倒れたのも一度や二度ではない。 目立つ攻撃があるわけではない。だが遠近共に放たれる一撃の的確さと手数。それらはリベリスタ達のリソースを削り取っていく。 「そうならないように、癒します。幾度でも」 「心折れない限り、力尽きることはない。いくらでも立ち向かう」 シエルが、雷音が、的確に癒していかなければ戦線は既に崩壊していただろう。 二人によって補われた体力は戦闘の継続をリベリスタ達の肉体に許可し、かろうじて食い下がる状態と言えた。 「さて、顔を失ったぐらいで貴方は崩れ去ってしまうのかしら?」 前衛の襲い掛かる合間を縫うようにして相手の頭部へとエナーシアが轟音を響かせ銃弾を放つ。 その銃弾は剣で弾くように逸らされるが、勢いはとまらず廉治の頬を大きく抉り取った。 「崩れるんじゃない。ただ埋没するだけだ」 されど廉治は怯まない。苦痛は彼を苛まず、意志を奪うものとはなりえない。 「そしてお前達も同じだ」 ゆらり、と廉治が刃を揺らす。その動きはいままでになく禍々しく。廉治の身体もそれに合わせゆらりゆらりと揺れていく。 「……! まずい、仕掛けてくる!」 その挙動に雷音が気づき、警告を飛ばす。廉治の使う秘剣。その挙動を。 一斉にリベリスタ達は身構え、相手の技へと備える。 「うおおぉぉぉ!」 だが、ヴァルテッラが吠える。相手の挙動に合わせ、全力で右腕のチェーンソーを振り下ろす。 その一撃は咄嗟に防ごうと振った廉治の剣と衝突する。金属と金属、動力と破界器が奏でる凄まじい金属の不協和音がぎゃりぎゃりと響いた。 やがて反発力がお互いの体制を崩し、弾き飛ばす。火花が散り、両者は大きく仰け反る。 だが、廉治の動きはそれすらもものともしない。そのままの体勢から振りぬかれた刃は狙いを違わず周囲を囲むリベリスタ達の顔面を削ぎ取ろうと、凄まじい剣速で襲い掛かった。 咄嗟に防ぎにかかるリベリスタ達。来るべき方向はわかっていた。だがその知識すら嘲笑うかのような速度の一撃は。 ――リベリスタ達への致命打とはならない。 それは積み重ねの結果。屍を叩き、廉治への更なる力の補助を奪い。間断なく攻め立てるリベリスタ達の連携であり。 ……先ほどの鍔迫り合いで火花と共にはじけ飛んだ、黄色の瘴気であり。 ヴァルテッラの思い切った一撃は断ったのだ。相手の命ではなく、相手の力の一部を。それ故に廉治の刃はリベリスタ達への命へと届かなかった。 この瞬間決着はついたのだ。 国子の拳銃から放たれた弾丸が廉治の身体へと叩き込まれた。その銃弾には誓いが。絶望すら照らす光になるという彼女の決意が込められ。 エナーシアの、喜平の銃撃が火線となり襲い掛かる。その砲火には覚悟が。相手の命を確実に奪うと決めた、殺意が込められ。 七海の放つ矢が廉治を射抜く。その矢に乗るは研鑽が。より高みを目指しつつも彼のようには決してならぬという訓戒が乗り。 ――ああ、泣いている。優しき吸血鬼が涙を流している。 歪んだ理想と結論に陥り、自らの世界を体現しようとした男に。この女性は涙している。 哀れみではなく、苦痛でもなく。ただ彼の孤独の為に、マリアム・アリー・ウルジュワーンは泣いている。 「貴方のことは、私が覚えておくわ。だから廉治ちゃん。」 ――貴方は一人じゃなかったわ。 慈悲深い彼女から、無慈悲な一撃が振り下ろされる。 その時、ずっと表情を見せなかった無貌を愛した男。祀木廉治は。 彼の世界から開放されるからか。彼の世界へと消え去ってしまうからか。 それとも。最後の時に涙する人がいたからか。 ――笑っていたような気がする。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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