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<Blood Blood>致命的で刺激的で絶命的なDEATHとデスを貴方と貴方と貴方にとアナタに

●再生巻き戻しエンドレス
「キャ――――!」
 血、血、変わり果て、血……モニターの中でほのぼのとした子犬のニュースズバッとモーニング
「だ、誰か警備員、いや警察を……!」
 誰の者とも知れない甲高い金切り声、血塗れたナイフ朝の時間喋らない
「ひ、ひいいいい――!?」
 スタジオ、もう何も喋らない何一つ喋らない無残な惨劇の現場
 首が無い血血血血血血ちちちちちちもう誰もしゃべらない平静なのは外国人の男

「――よお、いい朝だな。黄色い猿共!」
「ああ、見える。見えるぜ。どいつもこいつもピーチク囀ってやがるのが。怖ぇか? 怖ぇだろうな。俺が狂って見えるか? 安心しろよ、俺は最初から至極冷静に狂ってる!」
「良く聞け、猿共! 俺は、ジャック・ザ・リッパーだ!」
「楽しいぜェ。今度のイベントは最高さ。
 殺してやる。殺してやる。子供も殺す。女も殺す。男なんて言うまでもねぇ!
 怯えるな、雑魚共!
 殺したくても殺せねェ雑魚共! テメェ等の本能を剥き出しにしろ!
 テメェ等に最高のショーを見せてやる。俺の伝説を見せてやる。参加させてやる!
 こそこそ隠れてる馬鹿共、暴れろよ!
 殻も破れねえヒヨコ共、俺が新しいやり方を教えてやる!
 リベリスタ何ぞにビビる必要はねぇ!
 三流組織の雑魚共なんざ、この俺が全て片付けてやる!
 俺がジャック・ザ・リッパーだ! バロックナイツのジャック様だ!
 つまらねぇルールを踏み躙れ、本能に覚醒してみせやがれ!
 さあ――さあ、パーティの始まりだぜ!」

 巻き戻し。キュルキュル。機械の山の上、自分を囲む幾つものブラウン管が巻き戻る。
 再生。テレビの中の狂気の中の外国人の男。ブラウン管が煌めく。

「よお、いい朝だな。黄色い猿共! ああ、見える。見えるぜ。どいつもこいつもピーチク囀ってやがるのが。怖ぇか? 怖ぇだろうな。俺が狂って見えるか? 安心しろよ、俺は最初から至極冷静に狂ってる! 良く聞け、猿共! 俺は、ジャック・ザ・リッパーだ! 楽しいぜェ。今度のイベントは最高さ。殺してやる。殺してやる。子供も殺す。女も殺す。男なんて言うまでもねぇ! 怯えるな、雑魚共! 殺したくても殺せねェ雑魚共! テメェ等の本能を剥き出しにしろ! テメェ等に最高のショーを見せてやる。俺の伝説を見せてやる。参加させてやる! こそこそ隠れてる馬鹿共、暴れろよ! 殻も破れねえヒヨコ共、俺が新しいやり方を教えてやる! リベリスタ何ぞにビビる必要はねぇ! 三流組織の雑魚共なんざ、この俺が全て片付けてやる! 俺がジャック・ザ・リッパーだ! バロックナイツのジャック様だ! つまらねぇルールを踏み躙れ、本能に覚醒してみせやがれ! さあ――さあ、パーティの始まりだぜ!」
 巻き戻し。
「!ぜだりま始のィテーパ、あさ――あさ !れがやせみてし醒覚に能本、れ躙み踏をルールぇねらまつ !だ様クッャジのツイナクッロバ !だーパッリ・ザ・クッャジが俺 !るやてけ片付て全が俺のこ、ざんな共魚雑の織組流三 ぇねは要必るビビにぞ何タスリベリ !るやてえ教を方りやいし新が俺、共コヨヒえねれ破も殻 !よろれ暴、共鹿馬るてれ隠そこそこ !るやてせさ加参。るやてせ見を説伝の俺。るやてせ見をーョシの高最に等ェメテ !ろしにし出き剥を能本の等ェメテ !共魚雑ェねせ殺もてくたし殺 !共魚雑、なるえ怯 !ぇねもでまう言てんな男。す殺も女。す殺も共子。るやてし殺。るやてし殺。さ高最はトンベイの度今・ェぜいし楽 !だーパッリ・ザ・クッャジ、は俺 !共猿、け聞く良 !るてっ狂に静冷極至らか初最は俺、よろし心安 ?かるえ見てっ狂が俺。なうろだぇ怖 ?かぇ怖。がのるがやてっ囀クチーピもついこもついど。ぜるえ見。るえ見、ああ !共猿い色黄。なだ朝いい、およ ?!――いいいいひ、ひ !……を察警うあい、員備警か誰、だ !――――ャキ」
 再生。
「キャ――――! だ、誰か警備員、いや警察を……! ひ、ひいいいい――!? よお、いい朝だな。黄色い猿共! ああ、見える。見えるぜ。どいつもこいつもピーチク囀ってやがるのが。怖ぇか? 怖ぇだろうな。俺が狂って見えるか? 安心しろよ、俺は最初から至極冷静に狂ってる! 良く聞け、猿共! 俺は、ジャック・ザ・リッパーだ! 楽しいぜェ。今度のイベントは最高さ。殺してやる。殺してやる。子供も殺す。女も殺す。男なんて言うまでもねぇ! 怯えるな、雑魚共! 殺したくても殺せねェ雑魚共! テメェ等の本能を剥き出しにしろ! テメェ等に最高のショーを見せてやる。俺の伝説を見せてやる。参加させてやる! こそこそ隠れてる馬鹿共、暴れろよ! 殻も破れねえヒヨコ共、俺が新しいやり方を教えてやる! リベリスタ何ぞにビビる必要はねぇ! 三流組織の雑魚共なんざ、この俺が全て片付けてやる! 俺がジャック・ザ・リッパーだ! バロックナイツのジャック様だ! つまらねぇルールを踏み躙れ、本能に覚醒してみせやがれ! さあ――さあ、パーティの始まりだぜ!」

 パーティの始まりだ。
 パーティの始まりだ。

 何着て行こうか いこうか みんなでいこう ジャックと一緒に

 壊れた機械が積まれた山の上、光るブラウン管に囲まれて。
 僕は笑うのです。DEATH。

 今日から毎日パーティあっはははははははははははは

●停止申請
「――件のジャック・ザ・リッパー事件はご存知ですな?」
 モニターに映った狂気を眺めたまま『歪曲芸師』名古屋・T・メルクリィ(nBNE000209)が静かな声でリベリスタ達に話しかけた。
「サイコキラーにしてフィクサード『デス谷さん』。彼の討伐が皆々様の任務です」
 言いながら事務椅子を回してリベリスタ達に向き直る。その表情は真剣そのものであった。
 メルクリィの背後モニターに映っているのは山間の草原――ガラクタ同然の機械が堆く積まれている。不法投棄場だろうか?
 廃車、冷蔵庫、パソコン、電子レンジ、電光看板、ラジカセetc――その中でも特に、いや異様にテレビが多い。
 そして、それに映っているのは『あの朝』の惨劇。ジャックのシーンばかりが再生され、巻き戻され、そしてまた再生されている。エンドエス。エンドレス。エンドレス。
 夜の黒の中、四角く映し出された永遠の惨劇。
 良く見ればガラクタの中には人間も在った。
 どれもハラワタが無い。代わりに、バラバラ機械やコード。
 じゃあハラワタは?
 ……あった。
 目を逸らしたくなった。
 狂人がミキサーに入れて、混ぜて――飲んでいる。
 それはガラクタ山に散りばめられたネオンサインやミラーボールでポップに照らされていて。
 ジャックの哄笑とラジカセの砂嵐をBGMに、異様にカラフルで、毒々しい色に煌めいていて。

  そこに 『マトモ』 なんて 無い 。

「目を」
 メルクリィがはっきりと言い放つ。
「目を、逸らしてはいけません。これは事実で、これは皆々様の敵です。
 ――説明に入りますが、宜しいですな?」
 一同を見渡す機械の目玉にリベリスタ達が頷くと、メルクリィは卓上に置いた資料に指先を置きつつ口を開いた。
「彼はメタルフレーム×クロスイージスのフィクサード。おそらく戦闘になれば、クロスイージスのスキルを使用してくる事でしょうな。『無限機関』も相まって持久戦を非常に得意としますぞ。
 彼は所持アーティファクト『親友』によって『自分の周囲の機械を操る能力』を持ちます。その範囲は彼を中心に半径20m。
 『親友』はアンテナのアーティファクトで、デス谷さんの体から生えているアンテナの内どれか一本です。他のアンテナはダミー……メタルフレームである彼の体の一部ですぞ。
 これはサイコキネシスに良く似た能力で、触らずして車を走らせたり、テレビを稼働させたり、その他あまり重くない機械を宙に浮かべて操る事も出来る様ですぞ。覚醒した機械は操れない様なので、メタルフレームの方はご安心を。
 彼は同時に幾つもの機械を操る事が出来、操られている最中の機械はその強度を増します。
 ――そして、このアーティファクトによる能力こそが彼の最大の武器なのです」
 もう分かりましたか?メルクリィがじっとリベリスタ達を見据える。
 ……あぁ、分かった。そういう事か。

 つまり、この機械だらけな『戦場』自体が自分達の敵であり、こいつの武器なのだ!

「独壇場……ってレベルじゃないですね、本当」
 メルクリィの表情に自嘲めいたものが浮かぶ。
「廃車を突っ込ませる。高熱のアイロンを飛ばす。チェーンソーを振り回す。ミキサーで手足を壊す。基盤をカッターの様に飛ばす。コードで縛り上げる。ラジカセやパソコンを叩き付ける、又は楯にするetc……
 ――実に多彩で多次元な攻め手を展開してくるでしょうな。
 どんな機械があるかは渡した資料にも載せましたので、しっかり御覧下さい。
 デス谷さんは更にアーティファクトをもう二つ所持しています。
 1つは巨大な基盤の楯。電気を纏っているので触るだけで痺れてしましますぞ。感電、麻痺が伴う場合がありますんでお気を付け下さい。
 もう1つはサインポール……床屋さんの表でくるくるしているあのカラフルな看板型のドリルスピアです。
 それと、デス谷さんは『物質透過、暗視』の非戦スキルを所持しています」
 そこまで説明すると、メルクリィは一旦息を吐き……間を開けてから、説明に戻った。
「ハッキリ言っておきますが、デス谷さんに話は一切通じないでしょうな。
 情けを掛ける暇があったら技を掛けて下さい。そうでもしないとどうしようもない相手です。
 絶対に油断してはいけません。仲間と協力して、策を練って、全力で立ち向かって下さい」
 ブリーフィングルーム内に響く声に覚悟を決めたリベリスタ達はしかと頷いた。
 やるかやられるか。
 デッドオアアライヴ。
 しかし、往かねばならないのだ。
「次に場所についての説明ですぞ。
 戦場はこの、山間にある不法投棄場――御覧の通り、捨てられた機械やデス谷さんが集めた機械が山の様に積まれてあります。
 時間帯は夜ですが……大量のテレビや電光看板、ネオンサインで気味の悪い明るさがあります。光源ついては問題ないでしょうな。
 一般人は来ません。広さも十分なので、思いっ切り戦えますぞ」
 以上で説明はお終いです、と告げたメルクリィであったが、何か言いたそうにリベリスタ達を見渡す――心配なのだ。自分は安全地帯で指示しか出来ないからこそ。
 フォーチュナはややあって漸く言葉を発した。――いつもと変わらぬ声音で。
「私は戦う事は出来ませんが、皆々様を心の底から応援しておりますぞ。
 皆々様は一人ではありません。
 どうかお気を付けて。
 ――どうかご無事で。」



■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:ガンマ  
■難易度:HARD ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年10月03日(月)22:57
●目標
フィクサード『デス谷さん』の討伐

●登場
フィクサード『デス谷さん』
 メタルフレーム×クロスイージスのフィクサードでサイコキラー
 二十代後半の男性。ずんぐりむっくりで猫背撫肩
 全身包帯でぐるぐる巻き。包帯を突き破って全身から大量のアンテナが生えている
 このうち一つがアーティファクト『親友』らしい。
 『親友』の能力によって『自分の周囲の機械を操る能力』を持つ(覚醒している物は除外/メタルフレームが操られたりしない)
 機械大好き。殺した人間の中に機械を埋め込むのはもっと大好き
主な戦法:
 クロスイージスの初期スキル
 『親友』によって不法投棄された(あるいはデス谷さんが集めた)機械を操って攻撃する
 例:廃車を突っ込ませる、高熱のアイロンを飛ばす、チェーンソーを振り回す、ミキサーで手足を壊す、基盤をカッターの様に飛ばす、コードで縛り上げる。ラジカセやパソコンを叩き付けたり楯にしたり等
 ※重たい物を宙に浮かす事は出来ないようだ(車、冷蔵庫、でっかいブラウン管etc)
 ※範囲はデス谷さんを中心に半径20m
 ※同時に幾つもの機械を操る事が出来る(自称、自分のアンテナの数だけ)
 ※操られている最中の機械は強度が増す
非戦スキル:
 物質透過、暗視

アーティファクト『親友』
 デス谷さんの体から生えているアンテナの内どれか一本(他はメタルフレームであるデス谷さんの体の一部)
 所持者に『機械を操る能力』を与える

アーティファクト『基盤シールド』
 デス谷さんの武器A。
 電気を纏っており、触るとビリビリ痺れる基盤の楯
 触れるだけで感電、麻痺を伴う場合あり

アーティファクト『サインポールスピア』
 デス谷さんの武器B。
 サインポール(床屋のくるくる回るカラフルな看板)型のドリルスピア
 ぐるぐる回っている

●場所
 山間の草原にある不法投棄場。
 捨てられた機械やデス谷さんが集めた機械が山の様に積まれている。
 機械:廃車、テレビ、ミキサー、ラジカセ、扇風機、電光看板、洗濯機、アイロン、ミシン、電動鉛筆削り、チェーンソー、パソコン、冷蔵庫、バラバラの基盤、太いコード、その他一般家庭に在りそうな機械
 ガラクタ山には異様にテレビが多く、ネオンやミラーボールで異様にカラフルに煌めいている
 あちこちにあるラジカセからは砂嵐
 テレビには例のジャックのシーンがエンドレス
 ガラクタには新旧様々な死体が散りばめられている。度の死体も腹を裂かれ中身を取られ、ガラクタ機械やコードが詰め込まれている
 時間帯は深夜
 一般人は来ない

●その他
 デス谷さんは既にガラクタ山の天辺にいます

●STより
 こんにちは、ガンマです。
 とびっきりの血みどろでお送りいたします。
 宜しくお願い致します。

参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
インヤンマスター
朱鷺島・雷音(BNE000003)
ホーリーメイガス
七布施・三千(BNE000346)
スターサジタリー
エナーシア・ガトリング(BNE000422)
デュランダル
源兵島 こじり(BNE000630)
デュランダル
兎登 都斗(BNE001673)
ナイトクリーク
クリス・ハーシェル(BNE001882)
スターサジタリー
結城・ハマリエル・虎美(BNE002216)
プロアデプト
レイチェル・ガーネット(BNE002439)

●マッドナイトフィーバー
 キャ― ―! だ、 か 員、いや 察を……! ひ、  いい  ? よお  い朝 な。黄 い猿 ! ああ、 える。見 『ザーーー』 も  囀 が。怖 か? 怖ぇ  ろうな。『ピーーガガ』? 心 しろよ、俺  から至  冷  狂 てる! 良く け  共! 俺   ザ・リッ ー『ザァア』いぜ  今『ガガガ』高  る。子 『ザザザ』。 も殺    言  でもね ! 怯え な、雑   ! 殺した  も殺せ ね  雑魚  メ 等の本 を    に ろ! 『ピガガガ』等 の せてやる。俺の伝  見せてやる。参   暴れ ! 殻も  ねえ ヨコ  が新しい  を タ何  ビビ 必要 ねぇ! 三流  魚共 ん  て片 けてやる! 俺がジ『ザーー』ック  の    様だ! つまら ぇルー 『ガーー』 に覚 してみせ 『ザザ』 さあ、パーティ 『ザザザ』 り ぜ! !ぜだ『ザーーーーーーーー』さ !れが やせ  し醒覚に能本、れ  のツ   バ !だーパ        ジが俺 !るや  片付て全 俺のこ、ざんな  織  三 ぇね 要必 ビビ 何タ ベリ 『ガガガ』教  を方 や  新   が 共  ヒえね 破も殻 !よろ  共鹿馬るて こそこ !るや せさ 参。る 『ザザァーー』 を ョ の高   !共 雑  殺も く  殺 !共魚  るえ怯 !ぇねもで まう 『ピーーーーー』す殺 共 。るや 殺。るやてし殺。   の度今 ェぜ し楽 !       ク  、は俺 !共猿 静   ろ  『ザーー』 し心 ?かるえ  っ狂 俺。なうろだぇ怖 『ガーー』 るが てっ囀ク ーピも  こも ど あ  色    いい  よ ?!―  い !…  い、 備  『ガガ』 ! ― ―ャキ


 惨劇 リピート 血みどろ 巻き戻し 再生 血飛沫
 ネオンサイン 煌びやか きらきら ミラーボール 電光
 笑う 操作 ガラクタ 砂嵐 ノイズ 割れたラジカセ
 死体 テレビ 蝿 蛆 ミキサー 再生 エンドレス


 ――頭が痛くなるほどのあの惨劇の繰り返し。気分が悪い。
 狂気に駆られ、狂気を呼び起こしたジャック。
「機械人形遊びは楽しいかな?」
 どろどろ死体に鼻白む。助けれなくてすまない――だがこれ以上の犠牲は止めてみせる。『百の獣』朱鷺島・雷音(BNE000003)はガラクタ山の麓、天辺を見上げた。
 戦うのは嫌いだけれど、戦う力がある自分は戦わなくてはいけない。少女の足は震えている。怖い。戦場に何度も踏み入れていても恐ろしい。
 それでも養父との繋がりである携帯電話をぎゅっと握り締めて雷音は克己する。 任務後に養父へメールを送る事までが彼女の仕事なのだから。
「まあ、これが『かわいい子犬にたじたじ』のジャックさん! テレビなんてブルジョワな物はないので初めて見たわ」
 冷め切った優しい笑顔で『BlessOfFireArms』エナーシア・ガトリング(BNE000422)はノイズを撒き散らす罅入りテレビを見下した。
「何処へ行こうとしてたかは知れないけど、残念――貴方のパーティは此処で始まって終わるわ」
 エナーシアが口にした『パーティ』と画面のジャックが言い放った『パーティ』のタイミングが重なったのは何の偶然か。
「他人の趣味嗜好なんて理解するのは難しいけど、コレは別次元イっちゃってるね。
 意思の疎通も無理そうだし……全力で潰しちゃうしかないよね」
 死体に機械詰め込むのが好きなのか機械が詰め込まれてる死体が好きなのか――まぁ理解する気なんてないし、したくもないけれど。『偽りの天使』兎登 都斗(BNE001673)は緩い微笑と共に禍々しいデスサイズを構えた。
「まったく、イイご趣味をお持ちのようで。ガラクタ山の主、それに相応しい鉄クズにしてさしあげますよ」
 Chat noir。今夜みたいなどんより空より黒く暗いアーチェリーを携えて『シャドーストライカー』レイチェル・ガーネット(BNE002439)は指で眼鏡を押し上げた。油断はしない。確実に死亡を確認するまで。
「狂人が力を得ると、ロクな事にならないな。
 精神異常者の犯罪は法律で言えば無罪かもしれないが……私はそんな甘い事を言うつもりは無い。殺人を犯した罪、ここで償ってもらうぞ」
 『影使い』クリス・ハーシェル(BNE001882)は黎明を齎す霊刀『東雲』を抜き放ちつつ影の従者を召還する。うねる影の中、赤の瞳は獲物を睨み据えた。
「また厄介そうな相手が動き出しちゃったね」
 相棒銃AlcatrazzとRising Forceを両手でくるくる回す『猟奇的な妹』結城・ハマリエル・虎美(BNE002216)は口元を好戦的に笑ませる。イーグルアイと透視で一通り奇妙な山を見渡した。シューターとしてはやりがいのありそうな相手……腕が鳴る。
「きっちり始末をつけてやるんだから!」
 明るく言い放って空中キャッチした相棒達、それを壊れかけのブラウン管に向け、発射。
 乾いた銃声、砂嵐。
 デス谷さんがゆっくりと振り返った。
「ハロー、浮き足立ったマーダーこと、デブ谷くん。包帯だらけとか、アレ? 『私には、他に何も無いもの』とか言っちゃう人気キャラクターのパクり? 萌えないわよ、全然」
 ま、今から此処は燃えるのだけれど。愛love御厨砲を構えた『毒絶彼女』源兵島 こじり(BNE000630)は猛毒零度の言葉を放った。

「あはァ、アッはハ」

 笑った。首をグラグラ、細い月を背景に。
 カタカタ。ガラクタも震えて笑う。肉色のどろどろが入ったミキサーが倒れて、ナカミをブチマケた。

 念の為として光源類を持ってきたリベリスタ達が辺りを照らす。彼らの背には小さな翼――七布施・三千(BNE000346)の翼の加護だ。
「……頑張りましょうね」
 三千の言葉に頷いたリベリスタ達は低空飛行し、敵を見据え、自己強化を施して、手筈通りに二手に分かれて動き出す。

 カタカタカタ。

「パーティを始めよう」

 ケラケラケラ。

 狂人が笑った刹那、『戦場』が動き出した――

●惨劇ミッドナイト
 ミラーボールに武器が煌めく。
 ネオンサインに戦場が輝く。
 ノイズ、哄笑、砂嵐。
 飛び回る機械達。

 きらきら。

「まるで天女ね、フッ」
 浮き上がった機械達の間を縫う様に、あるいは躱してこじりが突撃してゆく。足場の心配は零。直後に虎美も銃を構えた。
「大きいのいくよっ」
 ハニーコムガトリング。それはレイチェルが放った神気閃光と共に機械達を圧し、デス谷さんへ襲いかかった。ハイディフェンサーによって身を固めた狂人は基盤の巨大楯による強固な防御でそれを凌ぐ。
「正義の味方と言うほど、私は甘く無いのよ」
 盾がなんだ麻痺がなんだ。

「諸共ぶっ飛ばす」

 電撃一閃、こじりのギガクラッシュがデス谷さんを基盤シールドごと押し遣った。
「わぁ」
 重い一撃に彼が尻餅を突く。追撃、したいが体が動かない。楯に触れた瞬間に駆け廻った電撃に痺れて動けない。狂人は笑ったまま何もしない。起き上がりも、攻撃も。
 ただ、後方へ展開しかけているチームをチラリと見遣った。
 こじりはすぐさま挑発する。三千のブレイクフィアーで立ち直ったこじりが心を撃ち抜く散弾銃を構え、ギガクラッシュを振りかぶりながら。
「世界を変えられるなんて思っている夢見心地童貞くんには現実を突き付けるべきね。突き付け、突き立てるべきなのよ。
 世界なんて多少の善悪で変わる物じゃない。正しい道でも、悪しき道でも。
 努力すれば何でも出来るなんて、天使かペテン師の吐いた言葉が霞んでしまうくらい、揺ぎ無い。
 それを腐れニート如きが、だなんて失笑物だわ」
 電撃が肌を焼くのも厭わず、再度ギガクラッシュ。狂人が吹っ飛ぶ。機械の山から転がり落ちながらもアイロンや細かい基盤で攻撃する。見えていないので狙いは滅茶苦茶だがその分、数が多い。

「來來! 氷雨、彼の友達を見つけ出せ」

 刹那に機械達へ降り注いだのは雷音の呪術雨。更にそこへ虎美が蜂の襲撃のような連続射撃を仕掛けて浮かぶ機械を撃墜し、翼をはためかせてエナーシアが到着する。飛び上がってやや上の位置、構えるのはリボルバー。放つのはバウンティショット。
「うわあー」
 デス谷さんは集めた機械屑の上に着地すると、ヘラヘラしながら暢気に起き上がりクリスのライアークラウンとレイチェルのピンポイントを楯で防いだ。威力に圧されよろめきながらも『親友』を使い、麓の廃車をスピンさせながら後衛陣に突っ込ませる。
「!」
 それは正面から向かっていったチームの後衛陣、三千と虎美、レイチェルを荒々しく薙ぎ倒した。

「機械大好きの割には攻撃方法が機械に優しくないよね」

 一方の班、襲い来る機械片を躱した都斗が切れた頬から伝う血を舐め上げて詠唱を開始した。クリスもほぼ同時に清らかなる存在へと呼びかける。祈りの願いは遥かな空へと。

「――聖なる奇跡を!」

 そして戦場に満ちる至上の福音。二重奏。それは吹き飛ばされ立ち上がっていた三人を、行動を阻む機械達に苦闘する前衛達を平等に癒していった。力を取り戻したリベリスタ達は攻撃を再開する。
(『親友』は……)
 レイチェルはエネミースキャンで、虎美は1$シュートを一発ずつ打ち込んで、クリスは様子を窺いつつ熱感知で、エナーシアはエネミースキャンと超直観で恐るべきアーティファクトの位置を探る。ひっきりなしに飛び掛かってきたり地面から突き出てくる機械達に悪戦苦闘しながらも気を、神経を研ぎ澄ませる。
 幸い回復手が多い為に今だ倒れた者は無い。余裕のある内に見付けだしたいところだが……デス谷さんは何の素振も見せず相変わらずケラケラケタケタ、こじり、クリス、エナーシアと激しい戦闘を繰り広げている。部位破壊など考えずにひたすら攻撃した方が効率が良いのかもしれない。
「全く、何処なのさっ!?」
 デス谷さんの最大の弱点ともいえるその場所は未だ見つけられず。苛立ちに歯噛みしながらも虎美の二丁拳銃は狙い鋭く二つの軌跡を描く。
「落ち着いて下さい、虱潰しにいけば、――っと」
 ガラクタ山の上から転がり落ちてきた冷蔵庫を翼による飛行で飛びあがって躱し、レイチェルは闇色のアーチェリーを引き絞る。その傍らで三千は麻痺状態のこじりへブレイクフィアーを放っていた。回復したこじりは目配せで彼に礼を送ると愛銃を握り直す。電撃を纏う。
「ほらほら、どんどんきりきざむよ」
 愉快気にころころ笑いつつ都斗は隙を見てデスサイズを思い切り振るって真空刃を飛ばし、雷音も陰陽・氷雨で飛び回る機械の抑えに入る。
(怖くないのだ……!)
 雷音は術力を練りつつ回転して飛んで来たホットプレートを躱した。掠めた腕に痛みが走るが恐れている暇は無い、それに彼女には仲間がいる。怖くない。クリスへ飛び寄り応援の言葉と共に傷癒術を施した。
 体の痛みが消えたクリスは山頂にて血みどろの戦いを繰り広げる彼らを見遣る。霊刀の切っ先を向け、凛然と言い放った。

「――影よ、切り刻め!」

 直接あの楯に触れればただでは済まない。だが、影ならば。
 主の命令に従い、影の下僕は唸りを上げてデス谷さんに襲い掛かった。
「!?」
 何だこりゃ、とデス谷さんが咄嗟にノイズを撒き散らすラジカセをシャドウサーヴァントに投げ付けた。
「スプラッターな貴方に贈るわ、運命に見初められた者達からの『死』を」
 その隙を突いて自らの体を焼きつつこじりがギガクラッシュを放った。楯で防ごうとしたものの電撃に穿たれる。こじりは基盤シールドによって麻痺してしまう。厄介だ、と歯噛みする。ほぼ攻撃の度に麻痺してしまうのは効率が悪い……が、構うものか。
 こじりが回復を待つ間にクリスが前に出る。エナーシアの弾丸を浮遊した機械に防がせ、更に攻撃しているデス谷さんへ破滅を予告する道化のカードを掌に作り出し、
「破滅するがいい!」
 投げつける。
 足に当たってよろめく。

「もうパーティは終わり……朽ち果てなさい」

 そこへレイチェルのピンポイント。
 頬アンテナを頬肉ごと削り取る。血。削げた肉と皮膚と包帯の間から歯を剥き出しに、それでもデス谷さんは楽しそうだ――咥内にも生えたアンテナを見せ付ける様に大口で笑う。
「うっわ、あんなトコにも生えてるとか……!」
 不気味な光景に虎美が口元を引き攣らせた。三千もヒィと悲鳴を上げる。
 それでも潰すだけでしょ、と言わんばかりに都斗がデスサイズを振るって襲い来る機械達を細切れにした。

 少しずつ追い詰めている。が、追い詰められてもいる。
 こちらの精神力とて無限ではない。徐々に疲弊してきてる。回復の頻度が増えてきた。

 麻痺したこじりへデス谷さんが魔落の鉄槌を叩き付けた。
「くふっ、ふはは」
 血みどろの体をオートキュアーで修復しながら狂人が振り返る。飛ばしたラジカセでクリスの頭を殴りつけつつ傷だらけで気を弾ませるエナーシアへ十字の光を放った。
 しかしそれは彼女の早撃ちに相殺される。
 エナーシアの銃口は――そのまま、真っ直ぐデス谷さんへ。

「BlessYou! 残念ね、煉獄には電波、届かないわ」

 鋭い早撃ち。手に当たって武器が落ちた。
「あ」
 デス谷さんが転がり落ちてゆくそれを目で追った瞬間。

「当たりはここかなっと」

 虎美の1$シュート、更にレイチェルのピンポイントが的確に狂人を射抜いた。くぐもった悲鳴を上げたデス谷さんへ都斗が疾風居合い斬りで追撃する。
「うぅぅ」
 狂人がよろめく。その間に三千、雷音、クリスは仲間達の回復を試みた。

「うう、ぅ……うひヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」

 不気味な引き笑い。デス谷さんの足が機械の山に沈む。物質透過だ、咄嗟に前衛三人は彼の体を掴んだ、が。
「あはぁ、良いよおいでおいでおいで俺の世界と友達になろう」
 逆に掴まれた。そのまま重力に任せて引っ張られ、引きずり込まれる――無数の機械の中へ。

 狂人の世界へ。

 すぐに虎美はイーグルアイと透視で、三千は感情探査で彼等を探した。
 そして分かってしまう。
「……ッ!」
 狂人の世界に引きずり込まれた仲間達の変わり果てた姿を。狂気狂喜嬉々揚々、三人を機械の山に閉じ込めたまま笑うデス谷さんを。
「その辺りからくるよっ。気をつけて!」
 虎美が言い放った瞬間。待ち構える皆がいる地点の機械がいきなり吹っ飛んだ――大小様々な機械礫が容赦なく皆を襲い、突き刺さり――チェーンソーが刺さった虎美は力尽きてしまった。
 周りの機械を退けて吹っ飛ばして、無理矢理通路を作ってデス谷さんが飛び出してきたのだ。錆びた廃車内、『親友』を使い運転している。
「ぶーん」
 笑っている。裂けた口で。
 そして、ガラクタ山が揺らいだ。当たり前だ――トンネルを大きくしすぎた砂山が崩れる様に、『真ん中』がぶち抜けた山は、崩れる。
 リベリスタもフィクサードも、何もかも巻き込んで。
 雪崩の様に。

●デス
 滅茶苦茶だった。崩壊したガラクタは平野状態。ネオンもテレビもラジカセも壊れて、シンと静まり返っていた。
「まだ……パーティは、終わらないわよ」
 360度を機械に切り刻まれたエナーシアは運命を消費して機械の中から立ち上がった。口元の血を拭いつつ辺りを見渡すと、三千とレイチェル、こじりもフェイトによって立ち上がっている。
(……半分、ですか)
 割れた眼鏡を拾い上げ掛け直しつつレイチェルは眉根を寄せた。フェイトを使用したのはこの四人だけだったらしい。
「! 来ます……!」
 感情探査でデス谷さんを発見した三千が構える。他の二人も構えた――たった四人だけというこの絶望的な状況に舌打ちしたい気持ちを抑えて。
 デス谷さんはぺしゃんこに潰れた廃車から出てきた。血だらけの血みどろ。こちらを一瞥し、
「あはっ あはっ あははっあはぁはははっ。」
 笑う。『親友』で引き寄せるのは別の廃車、軽トラックだ。
 四人は目を合わせる。
「……。」
 俯き首を振ったのはこじりと三千。もう精神力が尽きたのだ。
「唯一のヒーラーもEP切れ、ですか」
 呟いたレイチェルがデス谷さんを見遣った。車に乗っている。血を吐きニヤツキながら。逃げるつもりなのだろう。
 彼女は次いでエナーシアを見遣る。エナーシアは奥歯を噛みあわせ――苦渋の決断を下した。
「……撤退よ。怪我した皆を、早く」
 チーム数の半減、回復手段無し。相手も逃げに入った。……これ以上の戦闘は不可。
 勇気と無謀は別物なのだ。
 ガラクタの中に倒れる仲間達を担いでリベリスタは撤退を。
 廃車を使い、フィクサードも撤退を。

 悪と正義、二つの視線がかち合った。

 覚えているがいい。
 この次は、必ず。

 互いに互いを目に焼き付けて。


 ――そして静寂が、黎明と共に訪れた。



『了』

■シナリオ結果■
失敗
■あとがき■
メルクリィ:
「皆々様、……ご無事で何よりですぞ。皆々様のご生還を何より嬉しく思います。
 ゆっくり休んで、傷と疲れを癒して下さいね!」

だそうです。如何だったでしょうか。
結果判定に関しましてはリプレイに込めてあります

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