● 両開きの扉を抜けると、何とも言えない空間だった。 食堂だ。それは確かに食堂なのだ。 机にぴしっと敷かれた白い布の上には、ピカピカに磨き上げられた銀の食器が整然と並べられている。 そして、中央に配置された、様々な食材を利用して、思いもよらぬ調理法で作られた料理の数々。 ――その多くが、異世界の料理だということは、わかっていた。 しかし、このもてなしの主人と賓客の味覚は似たものだと、以前の報告書が証明している。 ほとんど大丈夫だろう――おそらくは。 ビュッフェ形式での動線まで考えてあるのだろう、あまりにも素晴らしいホール。 カッと音がして、スポットライトが部屋の一角を照らし出す。 リベリスタたちの間に、にわかに緊張が走る。 そのスポットの中央――フロアの先には、大きな、そして荘厳な玉座があった。 玉座には、黄金に輝く冠を頭に抱いた王が座し、静かに時を待っている。 その空気を破るように『深謀浅慮』梅子・エインズワース(nBNE000013)が高らかに宣言した。 「さあ、食べるわよ!!」 ● さかのぼること丸数日。 「ぶたバイド、リターン」 そう言ってリベリスタたちを見回した『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)の一言。 言い出すことが唐突なのはもう、いつものことなので誰も突っ込んだりしない。 「ええっと……今、福利厚生の方にも人員割かれてるんだけど?」 なかなかメタな事を言ったリベリスタの顔を見て、イヴはひとさし指を口の前に立てる。 「気にしないで。今後こういうの、増えると思う」 さ、さようですか。 「とにかく、以前この世界に来たアザーバイド、識別名ぶたバイド。 彼らは非常に満足して帰っていったわ。――そして今回、その御礼をしに来たみたい」 「お礼?」 呆然とした声をあげたリベリスタに、こくりと頷くイヴ。 「……正直、カレイドシステムで調べるまで、これは何の挑戦状だろうかと思った」 ぼそり、とイヴが呟くのも、無理はなかった。 彼女の合図でモニターに映しだされたのは、どこかの広い野原にミステリーサークルで描かれた先割れスプーン、その上に乗ってる、なんだか見覚えのあるモルモットの図。 えぇっと、その。ぶっちゃけこれからモルが食べられるように見えるんですけど。 イヴは静かに首を振る。 「彼らに攻撃的な意志はなかった。これが、彼ら流の歓待を表す図、みたい。 ……行ってきて。御飯食べてきて。 中には異世界の料理もいろいろあるみたいだけど……大丈夫。 リベリスタの胃袋なら、たぶん。大丈夫なんじゃないかな。ま、ちょっとは覚悟しといて」 えらく関白なことを言ってくださる。 「わかってるのは、彼らはみんなのために料理を準備してて、みんなをリンク・チャンネルの向こう側に集めるということ。 満足するまで食べてもらえれば、また去っていくと思う。もしくは――みんなが倒れるか」 そこまで言ってイヴはリベリスタたちを見回した。 「リンク・チャンネルが開く場所まではアークが送り届ける。頑張って」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:ももんが | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年09月06日(火)23:21 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 0人■ |
■サポート参加者 31人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|