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【機獣進撃】巨神雷砲(きょしんらいほう)トールハンマー

●閃光の来訪者
 それは、一筋の閃光であった。
 その閃光は、前触れ無く街を襲い、人を焼いた。
 閃光の正体は遠く離れた街から放たれた雷の砲撃。その街は少し前に、機械のアザーバイドによって破壊された地であった。
 そういうことだから、無慈悲な閃光の主は、やはり機械のアザーバイドである。
 形状は亀に酷似しているが、その見上げるほどの大きさを持つ。備え付けられた長い砲身から放たれる雷撃砲の射程は前述の通り。アークはこれをトールハンマーと名付けた。
 簡単に記述すれば、そんな相手がどこかのD・ホールからやって来たのである。
 その雷撃砲は遠くの人を焼き、次の目標をゆっくりと定め、電力をチャージする。これが放たれれば、遠くに新たなる被害が誕生することだろう。巨大な機械の亀であるこのアザーバイドはそういう兵器であった。
 ただ、この映像は未来のものである。だから、リベリスタにとっては救うことができるかもしれない未来だ。

 雷撃砲が放たれる少し前に遡ろう。前回の襲撃で破壊された街には、復興の為にもアークの部隊が駐留していた。D・ホールは未だ見つからず、危険な状態ではあったが、人々が生きてきた証である街を放っておく訳にはいかなかったからだ。
 しかし、それがその部隊の不幸となってしまった。再び、その街に機械のアザーバイドが現れたからである。
 それは空から降ってきたコンテナのような物に乗って来たと、逃げ延びたアークの人間は言っている。となれば、D・ホールの位置も非常に特殊なところにあるのだろうと推測された。
 とはいえ、当面の問題はこの街に現れたアザーバイドである。まず、街を制圧したのは小型の亀型アザーバイド。これは、トールハンマー・ジュニアと名付けられた個体で、背中に小型の砲を持っていた。
 そして、その後に現れたのが重量級のトールハンマーだ。これは見た目以上に俊敏で、アーク部隊の抵抗を踏みつぶすという単純な方法で蹴散らしてしまった。
 これに敵わないと判断した部隊は撤退。後は本部のリベリスタたちに任せる。という筋書きである。
 そして、フォーチュナーが見た未来は、先に述べた通りだ。侵略の意志があると見て間違いないだろう。

●敵砲台を砕け!
 その巨体を解析しているモニターを見上げながら、リベリスタたちは憤りを感じていた。相手は本気でこの世界を破壊しようとしている、と分かるからだ。
 その様子を赤と緑の瞳で見つめながら、『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は敵の特徴を淡々とした口調で述べていく。
「相手は白銀の装甲に包まれた機械のアザーバイド。このタイプのアザーバイドが出現するのは二回目。関連性はあると思われるね」
 どこかにD・ホールが開いてしまっているのだと、真白イヴは補足する。前回、リベリスタたちの奮闘によって倒された機械のアザーバイドだが、それも尖兵であったのだろうか。
「前回、リベリスタのみんなが持ち帰った残骸をラボで解析したら、この世界のものではない未知の合金が使われているんだって分かったよ」
 仮にジークフリート鋼と名付けられた白銀の合金は、不可思議に対して耐性を持ち、かなりの強度を持つという。しかも、この世界のものではない故に加工が非常に難しいとか。
「今回の敵は自走砲台型、みたい。亀の形をしているけど、そこそこ速いみたいだよ」
 亀の見た目に騙されないでね、とリベリスタを見上げて真白イヴは注意する。
「今回の目的は、巨大な自走砲台であるトールハンマーの破壊だよ。でも、護衛に小型のトールハンマー・ジュニア……って名前のアザーバイドが4体存在するみたいだから、こちらも対応しないとだめだよ」
 リベリスタたちは真白イヴの説明に頷きながら、厄介な相手であることを予感していた。聞けば、前回戦った相手も特殊な力を持っていたとか。ならば、今回の戦いも……それに注意しなければならないだろう。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:nozoki  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 2人 ■シナリオ終了日時
 2011年09月02日(金)21:16
 さて、個人企画の第二弾です。今度は機械の砲台で、亀ですね。亀。
 亀と砲台という組み合わせは鉄板だと思います。はい。

●勝利条件
 トールハンマーの破壊。

●舞台
 アザーバイドによって破壊され、占領された街が舞台です。ほとんど人目はありませんが、瓦礫の山や残されたビルがあるため、移動や視界が若干阻害されます。

●トールハンマー
 大型のアザーバイドです。体内で発電し、溜め込んだ電力を砲身から一気に放つという能力を持っています。この一撃は、遠く離れた街に被害を与えるほどの射程を持っています。ただし、この能力を使うためにはかなりのエネルギーを必要とするため、作戦中は常にエネルギーチャージを行っています(つまり、この依頼中はこの能力を使うことはありません)。
 見た目は機械の亀に砲台を乗っけた感じです。鈍重そうにも見えますが、そこそこ速いです。
 攻撃方法は副砲である小型の雷砲を腕から出し、発射します。また、体当たりも仕掛けてきます。

●トールハンマー・ジュニア
 1mほどのトールハンマーです。小回りが利き、占領された街を見まわるように動き回っています。
 攻撃方法は背に載せた小型の雷砲です。トールハンマーと同じく、電撃の砲です。
 数は4です。

●アザーバイド共通の能力
 今回のトールハンマーとトールハンマー・ジュニアには共通の能力があります。それは、以下の通りです。
・白銀の装甲
 あらゆるバッドステータスを無効にし、効果を受け付けません。
・コンビネーションプログラム
 機械のような正確さでお互いの状態を監視し合い、かばう・同時攻撃を仕掛けるなどの行動を取ります。状況によっては、味方を切り捨てることも。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
★MVP
ホーリーメイガス
メアリ・ラングストン(BNE000075)
デュランダル
雪白 桐(BNE000185)
デュランダル
源兵島 こじり(BNE000630)
ソードミラージュ
富永・喜平(BNE000939)
デュランダル
蘭・羽音(BNE001477)
スターサジタリー
坂東・仁太(BNE002354)
プロアデプト
柚木 キリエ(BNE002649)
インヤンマスター
九頭龍 神楽(BNE002703)
■サポート参加者 2人■
ソードミラージュ
戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)
ソードミラージュ
仁科 孝平(BNE000933)

●破壊された街で
 破壊された街の中にひっそりと入り込みながら、リベリスタたちはこの街をパトロールするように巡回しているアザーバイドを探していた。
 索敵し、離れているところを各個撃破していこうという作戦である。
 そんな状況の中で、それにしても、と話を始めたのは『ゆるリスト』九頭龍 神楽(BNE002703)だ。
「なんやえらい大きい機械がのっしのっし町徘徊しとったら。安心して昼寝もできひんわ」
 あくびのジェスチャーをしながら、神楽はきょろきょろと都市部を見渡していてく。顔を振る度に長細い三つ編みが顔前で揺れて、少しむっとする神楽だった。
「伸ばしすぎたかー?」
 指でくるりと三つ編みを背に回しながら、神楽は警戒の目を緩めない。
「物騒な粗大ゴミをよくもまぁ……。受け取る方の身にもなって欲しいよ」
 無骨なショットガンを肩に担ぎつつ、それでもその重量を物ともせずに動いているのは『終極粉砕機構』富永・喜平(BNE000939)だ。喜平はその大きさも隠しつつ、眼帯を付けていない方の目でしっかりと破壊された街を見ている。
「……さて、お仕事がんばりますか」
 一般的なサラリーマンがするように、ネクタイを締め直す喜平。その瞳には、燃えたぎる意志が宿っていた。
 今この場面で仕事ができることは、幸せなことだ。自分の力で悲劇を止めることができるのだから。
「トールハンマー……、超遠距離から街を一気に破壊させる砲かぁ……」
 敵ながら見事な兵器だと感心するのは、『へたれ』坂東・仁太(BNE002354)である。鼻をひくひくとさせながら、給料アップの為にもなんとかその残骸や機構を持って帰れないものかと考えている。豪胆でポジティブな彼らしい発想だ。
「それにしても名前長いぜよ、とおる君って呼ぶわ」
 命名、とおる君。ということで、仁太の中ではトールハンマーはとおる君と呼ばれることになった。なんとも愛嬌がある呼び名である。
「雷撃砲がもし撃たれでもしたら余りに被害が大きすぎます。絶対に止めないとですね」
 街の地図を見つつ、戦いに適した場所を細い指で教えてから、雪白 桐(BNE000185)は指を咥えて考える。薄い唇が艶やかで、どこか危うい魅力がそこにはあった。
 とはいえ、ここは戦場だ。すぐに凛としている表情に変わって、愛用の大剣まんぼう君を構える。
「こちらも手加減なんてしませんし?」
 半ズボンを直して、よいしょっとまんぼう君を担いで動き出す。その背には凛々しさがあった。
「まるでアニメみたいな話ね。コクピットとかあれば、もっと燃えるのだけれど。ま、どうでも良いわ」
 ボソリ、と呟く『毒絶彼女』源兵島 こじり(BNE000630)。コクピットがあればそれこそアニメなのだが、残念ながら自律して動いているタイプらしいので、深くため息をつくこじりだった。
「さて……不条理な相手ね。……世の中なんてこんなもんだわ」
 ともかく、普通のシャイでクールな中学生かのようなセリフを吐きながら、こじりは両手を天に向けて体を伸ばした。
 伸ばしながら、こじりは横目を隣に居る『スターチスの鉤爪』蘭・羽音(BNE001477)に向けるのだが、羽音はそれに気付かず崩壊した街を力強く見ていた。
「こんなに早く、次の敵が来るなんて……。しかも……街をこんな風にして……。許せない。絶対に、その甲羅……叩き斬ってやるんだから」
 力いっぱい手にした大剣を握って、振り上げる。当たりそうになったこじりが「わっ」と声を上げて飛び退いた。
「……あ。……ごめん……ね」
 ぺこぺこ、と頭を下げる羽音であった。
「アークのメンバーとしてアザーバイドの侵略を許すわけにいかぬ!」
 そう張り切りながら、瓦礫の山に隠れるようにして集音装置を使っているメアリ・ラングストン(BNE000075)は、この破壊された街全体に響くような音を感知した。この大きな音は恐らく、親玉のもの。
 双眼鏡を手にして、その振動の元を目で探る。すると、亀のような巨体が見えてきた。これを相手にするのは骨が折れるだろう。
「……ふむむむ」
 となれば、まずは小型の巡回機を撃破しなければ。メアリは再び集音装置を使った。
 集音装置を使っているメアリを横目にしながら、透視を使って街を見渡しているのは『不機嫌な振り子時計』柚木 キリエ(BNE002649)である。
「あまりのんびりはしていられないけどね」
 エネルギーチャージが完了してしまったら……と、焦る相手ではあるが、今はまだ大丈夫。あくまでも冷静沈着に事に構えるキリエは、心配を心の中に隠しつつ帽子を深く被って、呼吸を整えた。
(見せてくれるんだろう? ハッピーエンドってやつを、さ)
 趣味の人間観察を兼ねて、キリエは仲間のリベリスタたち見守る。彼らの必死さを見れば、きっとハッピーエンドも来るだろうと思えた。

●戦いの始まり
 走らせたラジコンを足で潰されたのを見て、リベリスタたちは一斉に飛び出して戦闘を開始した。相手は巡回中だったトールハンマー・ジュニアの内一体である。
「人目あらへんゆうても、念には念をやな」
 まず神楽が結界を張り、一般人からの目を隠す。アザーバイドにより崩壊した街とはいえ、これは必要だろう。
「まずは……ちっこいの!」
 仁太の1$シュートが機械の亀ともいえるトールハンマー・ジュニアの体を撃つ。これによってトールハンマー・ジュニアはリベリスタたちに気付いたが、それよりも早く追撃が行く。
「逃しはしないよ」
 キリエが放ったのは足狙いのピンポイント。これによって、トールハンマー・ジュニアの逃走を防ぐという目的だ。
 ピンポイントをまともに受けたトールハンマー・ジュニアは足を取られ、バランスを崩す。
「立ち塞がる者あれば、これを斬れ。……行きます!」
 そこに、『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)のソニックエッジが放たれ、トールハンマー・ジュニアは転ぶ。更に舞姫はそこから剣を甲羅に突き立てて、甲羅ごと本体を破壊した。
 つまりは、首尾よくトールハンマー・ジュニアは破壊することができたのだ。
 しかし、桐の集音装置はこちらに向かって近付いてくる複数の振動音をキャッチ。ハンドサインで味方に伝えた。
「ということは……」
 戦闘音に気付かれてしまったのか、それとも先に倒したトールハンマー・ジュニアがメアリのジャミングに影響されない何らかの電波を発信したのか、それは不明であるが、ともかくここからは複数の敵との戦いになることは確かであった。
「連携が厄介な敵ですね。でもそれ以上に私たちの連携が上に行くようにすれば」
 眼鏡を指で押し上げながら、『宵闇に紛れる狩人』仁科 孝平(BNE000933)の言葉が仲間のリベリスタたちにかけられる。
 がんばりましょう、と言いながら剣を抜いた孝平の糸目には、鋭い光が宿っていた……ようにも見えた。

●神の雷を
 トールハンマーと残りのトールハンマー・ジュニアは示し合わせたように連携を組み、リベリスタたちの元へと向かってきていた。背負った砲に光を溜めながらの行軍であったので、派手なパレードのようにも見える。
 さて、それに立ち向かうのはリベリスタたちだ。彼らはそれぞれの武器を手に持って、物陰から一斉に動くという手段をとった。
 ある者は自身を強化し、ある者は技を使ってトールハンマー・ジュニアに攻撃を仕掛ける。またある者はトールハンマーの足止めを担当した。
「先手を取らせて頂きます」
 最初に、孝平が残影剣によってトールハンマー・ジュニアたちの装甲を削る。
「一刀のもと……断ちます!」
 舞姫のソニックエッジが飛び、その内の一体を更に傷めつけ、
「集中攻撃、ですし」
 砲を向けてくる前に、傷付いたトールハンマー・ジュニアへ桐のギガクラッシュを放たれる。フルスイングで振り回されたまんぼう君はトールハンマー・ジュニアの体を吹き飛ばし、ビルの壁に叩きつけて破壊した。
 しかしここでトールハンマーと、壊されなかった二体のトールハンマー・ジュニアが動く。それを感知した羽音は大剣を右前足に向けて振り下ろし、メガクラッシュによって止めようとした。
「ここは、通さない。止まってもらうよ……」
 しかし、それは止まらない。装甲に包まれた、巨大な右前足にダメージを与えることには成功したが、吹き飛んだのは羽音の方であった。
「かっ……たーい……」
 そしてトールハンマーたちは素早く旋回してから、雷撃砲を一斉に放ったのだ。
「あだだだ! 守護結界抜けよった!」
 それは後方の神楽を焼いて、瀕死にまで追い込む。更に、ジュニアの砲撃が神楽を狙い、止めを刺そうとしてきた。これが彼らなりのコンビネーションなのだろう。
「……ッ!」
 しかし、リベリスタにもコンビネーションはある。その攻撃をキリエが庇い、何とか神楽が倒れることは阻止できた。
「ふう……。なんとか、まだまだ」
「友愛の力でナオス!」
 黒焦げになりながらも、息を整えてメアリの天使の歌を受けるキリエと神楽。体力は回復していき、何とか体勢を立て直す事に成功した。
「硬そうね」
 爆砕戦気を終えながら、眼前の敵を、立ち塞がる装甲をこじりは見つめる。白銀に輝く未知なる金属は、とても高い壁のようにも思える。だけれども、やれそうな気はした。
 メガクラッシュをトールハンマー・ジュニアにぶちかまし、吹き飛ばす。
「やれた。……ま、当然ね」
 吹き飛ばせたのに驚いてから、後ろを言葉を付け足してフフンと笑い、自身の黒髪を撫でるこじり。
「ええポジションや!」
 吹き飛んだジュニアとトールハンマーの巨体に向けて仁太がスターライトシュートを撃ち、その装甲に傷をつけて行く。特に吹き飛んだトールハンマー・ジュニアの装甲は表面が剥がれ落ちており、その最後が容易に想像できた。
 だが、敵もそこで終わらない。トールハンマー・ジュニアたちは瀕死の体を抑えながら、雷撃砲を撃ったのだ。
 放たれた雷の矢は前に出ていた羽音を狙い、更に今度は庇う暇も与えないほど精密なコンビネーションで、トールハンマーの砲撃も羽音を狙った。
「……っ。……あうっ」
 羽音の体は雷撃によって焼き焦がれたが、フェイトの力を使って羽音は立ち上がる。グググッ、と鳥の足に力を込めて、普段眠そうだった眼をはっきりと開けてトールハンマーたちを強い眼差しで睨んだ。
「バッキバキに……バラしてあげる……」
「まだ、がんばれるかい?」
 その傷ついた体にキリエの天使の息が飛んで行き、羽音はキリエの言葉に頷く。
「とりあえず、こちらはなんとかしますよ」
 その間に桐が勢いを付けて走り、ギガクラッシュを吹き飛んだ方のトールハンマー・ジュニアに仕掛ける。突き出されたまんぼう君は、その機械の体を見事にぶち抜いた。これで、トールハンマー・ジュニアは残り一体。
「こっちも、任せなさい」
 こじりがメガクラッシュで残ったトールハンマー・ジュニアを吹き飛ばし、亀のような体をひっくり返す。
「あら、滑稽にして……絶景ね」
 くすくす、とこじりは笑う。その笑う時に手を口元で開くというスタイルは、結構似合っていた。
「安心せぇ! その相手なら、恐らく、きっと、命中するで!」
 そこに仁太が追撃する。ゆっくりと狙いを付けたアームキャノンから放たれた弾丸は、1$シュートとなってひっくり返った亀の腹を貫き、見事爆散させることに成功した。
「ほら、外れ……てない!」
 にひひっ、と笑う仁太。これで残りはトールハンマーの巨体のみ。
 その威圧的な、白く輝く巨体はこれでもかとばかりに存在感をリベリスタたちに与えていた。すなわち、目障りということだ。

●決戦、トールハンマー
 まず、狙ったのは砲台であった。
「余所見しとったら怪我すんでぇ! 怪我じゃ済まさんけどなぁ!」
 神楽の式符・鴉が砲台まで飛んでいき、ダメージを与えていく。しかし、それだけでは破壊されなかった。
「でしたら、私が」
 次にトールハンマーの上に飛び乗って、ハイバランサーを駆使して砲台に向かう舞姫。ソニックエッジによるダメージを与えるものの、機能破壊までには至らず、突進攻撃を仕掛けようとしたトールハンマーによって振り落とされた。
「その展開を待っていましたよ」
 突進攻撃を足元で待ち構えていたのは、ショットガンを水平に構えた喜平である。そのショットガンにドリルのような影が纏い、そのドリルで右前足を削りに行くように喜平は突撃した。幻影剣である。
 その攻撃で何とかバランスを崩せないかと考えていたのだが、それだけでは体勢は崩されず、逆に喜平はトールハンマーの質量をまともに受ける形で突進攻撃を受けてしまった。
「うぐっ!?」
「……だけど……これでっ」
 そこで、羽音のギガクラッシュが右足へと放たれる。その威力は先に自身が与えたダメージと、喜平が与えたダメージと組み合わさり、右前足を破壊し、ふらつかせることに成功した。
「かめ……さん。ゆらゆら」
 羽音が言ったのは見た目そのままであるが、ふらついた亀となったトールハンマーは隙だらけである。
「亀ならお腹、弱いんじゃないのかしら?」
 そこに、下に潜り込んだこじりがギガクラッシュを腹に撃つ。
 すると、トールハンマーの体がはじけ飛ぶようにしてバラバラになっていった。ギガクラッシュは蓄積していたものも合わせて大きなダメージとなり、破裂するきっかけとなったのだろう。
 機械の雨を浴びながら、リベリスタたちは勝利を実感した。
「ヒャッハ-! 治りたい奴はいるかー」
「大事にならなくてよかった……かな」
 間髪入れず、メアリとキリエが戦いで傷ついた仲間たちを回復していく。その回復を受けながら、羽音は壊れた街の風景を心に刻んでいた。
「こんな街……もう、見たくないよ。早く、D・ホール……見つからないかな……」
「何事も急がば回れやで、とりあえず昼寝しょーか」
 帰ったらな、と付け足してから、神楽はゆるゆるとした笑顔を浮かべる。
 まずは、街を救ったのだ。それを誇りつつ、リベリスタたちはアークへの報告を行った。
 巨神雷砲トールハンマー……撃破。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 激戦となりました。
 しかし、それでもリベリスタの皆さんの工夫が戦況を有利に運び、勝利をもたらしました。消音装置を使うというのはお見事でした。

 それにしても、自分は小二病マインドなんじゃないかと時々思います。今回のカメとか。
 お送りしたのは、そんな不安を胸に抱くnozokiでした。
 皆様お疲れ様でした。