●狐のように哀れに 「革命も恋も、実はこの世で最もよくて、おいしい事で、あまりいい事だから、おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと嘘ついて教えていたに違いないと思うようになったのだ。 私は確信したい。人間は恋と革命のために生まれてきたのだ。」 ――太宰治『斜陽』より 六道という組織のスタンスは、その首魁がそうであるように、原則として他者の道には深く干渉することはない。道を塞がれるのであれば推し通るに足る戦力と条件付けを伴って現れ、全力を尽くそうとするのが常道でもある。 だから、そういう意味では彼らの戦力水準は高く、一部はある意味『尖った』勢力になるのは至極当然である、という結論がでなくもない。 出なくもない、ってだけで。出たら出たで尖り過ぎていたら組織として問題があるので頭打ちになるのはよくある話……なの、だが……。 ファサァ、とか効果音が入りそうな艶髪を後ろへ撫で付け、軽く腰を捻って四十五度。性別が男なら掛け算ができるな、と『物理では殴らない』セリカ・アレイン(BNE004962)の目がすぼまる。 目元を覆うサングラスはどうやら字幕を流すタイプのそれで、『耳長とても好き』と電光掲示板よろしく流れている。逆の髪を撫で付けついでにサングラスのスイッチ(何処だ)を押し、『確保に我慢ならない』と逆流れで文字を流す。なにそのサングラスゲームしやすそう、とは『ゲーマー』ソニア・ライルズ(BNE005079)の言である。 どこかの故人スタアもびっくりな肩と連動した小首の傾げ方。あれで女だったらそれはそれでウザいな、と『龍の巫女』フィティ・フローリー(BNE004826)がややうんざりした表情を見せたことも追記しておこう。兎に角、目の前に現れた存在は濃すぎた。なんかもう濃すぎた。 「悪ィ悪ィ、ウチの姐さんその、コレでコレでコレがソレなもんでな?」 戸惑うリベリスタ一同に、小指、親指、人差し指を軽く振り、彼女らを指さし、を繰り返し指示語でしか話さない男が前に出た。下男といった風を装ってはいるが、それなりに整った顔と只者ではない雰囲気を纏った人物なので、油断は出来ないだろう。 油断はできないのだろうが、彼らの動きはなんというか間の抜けた感が強い。どうやら、主張としては彼女らを狙って動いたようではあるのだが。 「つまり耳が長ければ何でも良かったのです?」 「とんでもねえそりゃ間違いだ。俺たちゃこうじゃねえ、こうなんだよ。こうがいいんだよ」 相手の言葉を端的に理解し、じゃあビーストハーフでいいんじゃねって混ぜっ返した雪白 桐(BNE000185)に対し、男は頭部で人差し指を動かし、次いで耳元で動かした。つまりケモミミじゃなくてエルフ耳(俗称)がいいと。こう言っちゃなんだけどいちいち要約が面倒ですねこいつ。 「つまり、私達を外見で判断していると。そう言いたいのですか」 「普通に失礼なことだと思うんだけど、倒しちゃってもいい相手だよね?」 「一応フィクサードのようですし、いいと思いますが」 外見で一括りにされるのは戦士としての立場を愚弄するのと同じことだろう。『フュリエの騎士見習い』ヴェネッサ・マーキュリー(BNE004933)の怒りというか苛立ちというか、それは尤もだろう。個人としての誇りを総体としての『萌え』で糊塗されるのは決して健全な思考ではない。 よって、『ツンデレフュリエ』セレスティア・ナウシズ(BNE004651)の明確な苛立ちが混じった言葉を桐は否定しなかった。『倒しちゃっても』、と明言する程度には、依頼をひとつ片付けたばかりとはいえ彼女らは意気軒昂であったのだ。 「まあ、まあ。俺たちだけしゃしゃってちゃぁ確かに余裕ぶられても仕方ないやな。まぁ姐さんは別格だが俺『ら』だってそれなりのモンさ、甘く見てもらっちゃ困るのさ」 『長耳命賭ける』の字幕を映したサングラスに手をやり、逆方向に首を傾げた『姐さん』と付き人の男の言葉を合図に、フィクサードが隊列を整え、集まる。 冗談のような主義主張でありながら、彼らの存在感は確かにアークのリベリスタと比肩して遜色ない程度には強固そうに見える。 戦力だけで言えば、間違いなくトップクラスの者等を揃えて比肩するレベル。半端な戦力の他種族を巻き込むよりは、高位(ハイ)フュリエの面々が対峙したのは幸運というべきなのだが。 強いて、彼女ら(フュリエ)が不幸であったのは『六道でも特にフェチに尖ったクッソ頭の悪い連中』が尖って拗らせた挙句やたら強かったことで。 彼ら(六道)が不幸であったのは、その。 「実力というものを弁えてもらって、それから倒そう」 「いや、いっそ惨たらしく一人残らず倒してしまおう。できるだけ、惨たらしくだ」 フュリエとしての多様性とかそういうものでくくるには些か攻撃的なリリウム・フェレンディア(BNE004970)とリューン・フィレール(BNE005101)をメンバーとして擁したフュリエ集団(+女装させられた系男子)が相手であったということぐらいである。兎に角、酷いことになるけど敵は強いのだ。 頑張れフュリエ負けるなアーク。変態って別に性癖だけのことじゃないんだぞ。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:風見鶏 | ||||
■難易度:HARD | ■ リクエストシナリオ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2015年03月27日(金)22:03 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 戦場となった幹線道路は、常ならば交通量が多かったことだろう。 だが、それが影も形も見えない時点で、リベリスタ達は理解するべきだった。否、理解していたとして口に出す愚があるものか。 周囲をずらりと囲んだフィクサード集団が、ここ暫く目立った活動を進めていない『六道』の手勢であることはある種、彼女らにとって驚きに近いものがある。 ……さりとて、熟練のリベリスタたる面々が何か懸念を想起することなどほぼ、無いのだろうが。 「えーと、名前、本願寺さんであってますか!?」 『一切のミステイクがない』と字幕サングラス(仮称)に浮き出た子京の回答に、セリカは心中で安堵すると共に、快哉のガッツポーズを構えていた。 そして淀みない動きでスマートフォンを向け、瞬時に撮影。何故か既に乗算記号が乗っているようにみえるのはその人柄のせいだろう。呆気に取られたフィクサード連中は何も言わないが、とんでもないって事実は理解できているはずだ。っていうかここまで囲まれといてなんでこんな余裕なんこの子。 「本願寺さん×雪白さん、これで夏は万全です」 「お前、そりゃあ姐さんがソレでアレでこうだろうが……やめろよそういうの」 「本当に困ったものです」 身振り手振りで目上の人間の不興を恐れるふうな事実を示す白比和の態度は、どうやら子京の実力と本気の気性を示しているようでもある。そんな態度に応じて耳を垂らすように動かした桐は、明らかに狙ってやっている感満載である。彼らとてプロの耳フェチ連中である故、フェイクである事実くらいは理解しているがそれを口に出すのがさて、是非を問われると「どうでもいい」のである。彼の外見特徴を知っていれば、万人がそう頷く……かもしれない目の前の情景は、きっとセリカと他の六道フィクサードとでは大きくその意味を異にするのだが詳しく語ると面倒なので避ける。 「報告書を読む限り、最近あまり活動していたように見えないけど」 それにしては数を揃えてきたものだ、と。ヴァネッサは軽く首を傾げ周囲を見渡す。リベリスタをぐるりと囲んだフィクサード陣が全員、六道に身をおく面子とはなかなかに壮観だがそれにしたって、唐突な登場だったものである。 七派の幾つかが自滅的な(或いは計画的な)全軍突撃じみたことを行ったことを鑑みれば、確かに恐山と六道は特に静かな組織である。利益主義の恐山と違い、六道は大きく個人主義に偏った組織……だからこそ、規則性を読み解けないことがままあるのだが、それにしてもこれは予想外過ぎた。 (原因を意図的に作ってるわけじゃないんだろうけど……それでも、その、なんていうか) ちらりと桐を見、素早くその視線を切ったフィティは、『一つ前の依頼』の為に異性装とフュリエめいた長耳を装着した彼に対し若干ながら思うところあったようである。具体的にはちょっとした厄災の発信源的なものを見る目だったことは忘れてはならない。あんまりといえばあんまりな扱いだが、本人にバレなければそれは嫌疑ではないので問題はない。恐らく。 そんな中、深く深くため息をついたリューンに対するアーク各位の表情は本当にあからさまであった。気遣うようでもあり、怯えるようでもあり、驚くようでもあり、まあ兎に角ろくな反応じゃない。フュリエ同士であっても、そうでない桐であっても、彼女の精神状態がいかばかりか、なんて今更考えるまでもない。 「今日も、今日とて……」 熱の篭った息と共に吐出された愚痴の破壊力は、その場のフィクサードすらたじろいで当たり前ってレベルである。ぞくりとしたものが背筋を駆け上った者は一人二人ではあるまい。 通話時間三十分の悪意に満ち満ちた応対の是々非々をつらつらと積み重ねるように述べる彼女の精神状態たるや常識的には考えられないレベルで悪化しているのがよく分かる。コールセンターはたかが三十分、されど三十分なわけで悪意を向けられ続け、それが一日続こうものならマトモな人間は滅入って当然なのである。 彼女がまだ一線を超えずに留まって居られるのは、恐らく生来の責任感から来るものなのだろうが……果たしてそれが手放しで賞賛されるものなのかどうかは、個々人の判断によるだろう。なにせ彼女の濁り切った現状の目なんてもう見てられない。 当然、その理由の一端は目の前の敵なんだが、彼らは本当に空気というものが読めなかったんだな。 「あちゃー、こっちの嬢ちゃんがコレだったかー」 『情緒の水際が危険域』とグラスに表示した子京を止めることもせず、呆れたように身振りを繰り返す辺り何というかこの面々は肝が太い。 居並ぶ一般枠のフィクサードが身動ぎもせずめいめいに武器を構えている様は異様の一言だが、彼らの内心が興奮液ジャバジャバ(意味深)なのは言うまでもあるまい。 「ところで」 そんな、暴発寸前のフラストレーションを抱えるリューンに対し、何事も無かったかのようにソニアが首を傾げながら問いかける。何処と無く怪しいオーラを纏った笑顔が眩しい、いや怖い。 「あたし達、平和を愛するフュリエなので、派手に戦闘した記録とか残しちゃいけない」 つまり、と二の句を続けさせぬ雰囲気で彼女は先を促した。あかんこの娘ガチや。 「やっぱり物量でごり押しするしかないのかなーって」 何かから目を逸らすように、セレスティアが仲間の行動を暗に促す。言葉にしなくともフュリエ同士は十分通じ合うのだが、一応は桐が居るのである程度の指針は口にすべきと思ったのだ。 といっても。彼女らの多くと桐との間柄を鑑みれば、然程多くの言葉が必要とは思えない。桐の扱いが色々と常々酷い(調査報告書感)ことを考えるに、そう気を使っているというわけではないようだが、それなりには作戦成功の為に色々練っている、ということだろうか。 (仲間のフェイト乱用は……避けたいけど、無理かな) ほぼ副次目的の達成に絶望を覚えているリリウムだが、気にしてはいけない。よくよく考えれば分かる確固たる事実がある。先ほどソニアが言いかけた発言はきっちりとフュリエ間で共有されているのだ。 『見た者を抹消すれば社会的フェイトは削れない』。報告書がどうあれ、アーク内部の問題で片付くのであれば割とその辺りはどうにでもなるのだ。アークだってその功績の象徴が社会不安を助長してフラストレーションのままに捕虜に暴行を施す何か危ない連中だなんて思われたくはないはずだ。 ……無理だな。 ● 子京の外見は冗談そのものといった風情であるが、その実力がどの程度のものか、はリベリスタたちも理解していた。有り体に言えば、強い。 それ一人を倒しておしまい、と行く程弱くはなく、脇を十分な手勢で固め、それでも正面に立つ自信からは明らかな実力者としての風格が漂っている。 他方、アーク側は『そうと意識して』自らの力を一点特化に近い形で偏らせたメンバーが殆どだ。矛の破壊力が極端に高い者、盾(といっても、役割上の名称は様々だろうが)として特化した者。癒しを恐ろしい次元に引き上げた者。 当然すぎるほどに当然の話だが、『極めた能力ほど脅威』であることは今まで実証され続けてきた事実である。 その分他の能力を犠牲にする部分はあろうが、そんなものが些末事であることは、彼女らの淀みない動きが証明していると言えよう。 「作戦・丙二号!」 一切の油断無く桐の後ろに隠れた(というよりは桐が庇った)ソニアが意気揚々と声を上げる。何の意味があったかはさっぱり分からないが、間違いなく彼女と桐との間に上下関係めいたものが横たわっていることだけは理解できるだろう。どんだけ立場がくっきりしてるんだよってのは無しの方向で。 同じようにリリウムがセレスティアを、ヴァネッサがリューンを、フィティがセリカを守る態勢を整えたメンバーの動きは、唐突に襲われたにしては余りにも油断がなかった。隙がなかった。フィクサード陣営は知る由もないが、彼女らは(一名を除いて)お互いの思念を言葉を用いずやりとりし、互いの感覚を共有することが可能である。種族として高次の域に達したこともあってか、その能力に磨きがかかったが為によりスムーズに状況判断が可能なのだ。 さしもの敵勢も多少なり動揺を見せたものの、それで戦いをやめるほど彼らも弱々しい勢力ではない。一斉に攻撃し、或いは陣営の強化を行うその状況は、確かに数の暴力としては余りにも凶暴すぎたと言えるだろう。 当然、主導者である2名も無遠慮に全力を出してくる為、少なからずリベリスタ達は手傷を負った格好となる。 ……だが、主要な回復要員はその憂いからは遥か遠いところに居た。彼女らが動き出したのは、六道の面々が動き出すよりも遥か先を行っていたのだ。 「………………」 ぶつぶつぶつぶつ、と呪文か何かのように延々と流れてくるリューンの声は恐らくキャストレスによる圧倒的詠唱なのだろう。そういうことにしておこう。そうでもしないと恐ろしいことになる。そう思った。 多分に他のフュリエも彼女の感情は理解しているのだろうが、果たしてそれを敢えて言葉にする必要があったか、どうか。 「取り敢えず桐さんに倒れられても困るから回復、回復」 「この格好だったのは、前の依頼に感謝すべきなんでしょうか……」 ぺたり、と耳を垂らした(ギミックのせい)桐を、他のフュリエの回復に加えてソニアのそれが覆う。これといってダメージを残すことなく立っている状況は、確かに驚異的と言って差し支えない状況だ。普通なら、その状況をして最悪だと嘆く者、それでも馬鹿正直な特攻を繰り返す者、などで混乱の様相を呈してもおかしくはあるまい。だが、彼らはその程度を意に介さない士気がある。『捕まえてあれやこれやする』のが目的ではなく、『長い耳のアンチクショウとあれやこれやしてあわよくば捕まえる』のが目的なのだ。 圧倒的な回復量と攻撃力、それに伴う恐ろしいまでの魔力消費の下支えに回るのがセレスティアの放つ癒しの波長である。 数の暴力とはいえ、庇い合いの状況に持ち込まれてしまっては全体攻撃も範囲攻撃も効果は格段に落ちる事は自明だ。彼らとてその状況で膠着状態に持ち込まれれば敗北しかないことは理解している。 理解は、しているのだろうが……次手に回ろうとした一人が、がつっと重い音を立てて放たれた一撃を受けて大きくのけぞった。あろうことか、そのままおどろおどろしい色に染まり微動だにしない。セリカの放った一撃だが、一発ノックアウトにならずとも悪魔的な性能であることは否定出来ない。いや、一撃でその威力はマジどうすんだこれ。 「おい、アイツ……」 「ああ許せねえな、一人だけド特権じゃねえか、おい!」 「そうだな許せねえ、すぐ癒してやるから倒れるとか羨ましい真似させねぇぞコラァ!」 (う、うわぁ) フュリエ一同プラス1、史上最高値のドン引き。数で勝って勢いで負けているのに一切それっぽい感じがしない。彼らも少なからぬ被害を被っているというのに一切、気力が衰える気配がない。なんだこいつら。ほんとなんだこれ。 『勝利するためにここに来た』とサングラスに字幕を浮き上がらせ、一切動揺するところを見せない子京の呪力も、衰えが無い。戦いも始まって間がないとはいえ、目の前の状況を斟酌しないその態度は不気味にすら思えてならない。 「やっべえな怖ぇ怖ぇ、こんな連中ひっかけちまうなんて今どき洒落にもならねえ不幸ぶりだ、ブルっちまう」 冗談めかして肩を抱く仕草を見せた七兵は、しかし一歩として退くつもりはないようである。得物を構え直した姿から、油断も挑発に乗せられる軽さも感じられはしなかった。寧ろ、その実力を見て覚悟を強くしたようにも見える。 「もう少し大人しいフェリエを相手に選んでいたら容易に確保出来たかもですけどね?」 「とんでもねぇ、アークの耳長連中で大人しくて弱い、なんて連中が隊伍を組んで歩くわきゃねえじゃねえの。大人しくても化け物じみて強いんじゃ同じよな?」 桐の態度に、冗談めかして口にした七兵はしかし、その言葉を発した瞬間に言葉を失った。攻撃を受けたわけではなく、浴びせかけられた単一感情によるものだ。 「……………………う」 喉の奥から絞り出したかのような憎悪。この世全てを押し包むのでは? というレベルの悪意。 兎角、圧倒的不利な状況は一切覆っていないのにこの破壊力。間違いなく、憎悪。 「私達に喧嘩を売った以上、相応の反撃は覚悟して貰いたいかな。反撃というよりは」 最早虐殺のたぐいになるだろう、とまではリリウムも口にしなかった。そんなこと、語る前に気付けよと言いたくなるのもよく分かる。 ● 斯くして、リューンの放つマレウスの威力がどうだったか……語るまでもないだろう。元よりとんでも無い火力なのに今更? 感が凄いのだから。 だが、味方との連携でちぎっては投げを繰り返す彼女らの猛追をして一切の油断なく命を拾い、或いは被害を抑えんと動く2人のフィクサードの態度は見上げたもので。 圧倒的な魔力の打ち合いめいた戦闘は、だがその実、圧倒的な一方的優勢で進んでいたのだ。 さすがに、恐怖とかの人間的感情よりもずっと強い感情が常に燻っていれば、着火する瞬間もわからないのだから当然だろう。 というか、ここまでやっておいて害意が無いは通用しないのである。相手も、自分も。 なので、多分彼ら半ば全力で倒しちゃってもいいさとか思っていたことは容易である。しかしいかに自分たちが強かろうと、相手にそれを上回られては意味が無い。 今現在この場のフュリエの実力を鑑みれば、強いとか弱いとかそういう次元を超えていた。 リスクも計算せず飛び込んでくる辺りは流石の六道らしさを感じられたが、相手が些か以上に悪すぎたのである。 (機械化部分は目元のサングラスと全身少しずつか……綺麗に剥がせれば分析ぐらいはできるな……) こんなこと考えだすタイプのフュリエを捕縛しようとか、彼らって本当に無謀だったのだなあ、と思われる。 そんなことを考えさせぬように戦闘後の食事について意識下で語らおうとする努力も見られたのだが、何故かあさっての方向に話が進んで行ったり仲間の飯テロでストレスがマッハだったりするのだから手に負えない。 え? うん、え? ネームド? 何か色々考えててそれなりに善戦したっぽいんだけど一から十まで極端にアレでソレな戦闘スタイルの前ではEXとかクッソ無意味なものでしてですね。 行数に換算するまでもなくセレスティアの言葉通り『物量で圧殺』ということに相成ったのである。 ……残念でもなく当然の後日談として。 彼らを回収に来た別働隊も、そのあんまりといえばあんまりなフィクサードの有り様に言葉を失ったとかそうでないとかで、うん兎に角ひどかったってことですよね。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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