●去り行く二月 「二月はとても大切な月なのだよ」 やぶからぼうにそう言った『戦略司令室長』時村 沙織 (nBNE000500) に、リベリスタ達は不思議そうな顔をした。節分、バレンタイン……二月は幾つかのイベントがあるが、特別目立つ月であったか。 「俺が一つ歳を取りました」 「ああ、そういえば」 沙織の短い言葉でリベリスタは合点した。彼が持って回った言い方をした時には案の定大した話ではない。御多聞に漏れず、今回もその例外にならなかっただけの話である。 「おめでとうって言って欲しいのか。幾つになった?」 リベリスタは少し意地悪く言った。男は歳を取ればその年輪で魅力が増すとも言うけれど、圧倒的に若い風で居たいような――彼の場合は大変だ。三十代後半にもなれば、色々難しい所は出てくるものだろうから。 「三十七」と短く答えた沙織は頷いた。 彼にしては珍しく、比較的屈託の無い様子であった。 「二月も、もうすぐ終わり。雪もなくなっちまう。 酷く忙しかったからな――何も出来ないのも勿体無いじゃないか。 だからよ、スキーにでも行こうかと思ってる訳。雪解けの時間を遡って、雪のある方向へと進む訳だな。何となくロマンを感じるだろう?」 「そういうものか?」と訝しんだリベリスタに彼は「そういうものだ」と頷いた。 「それによ」 「……?」 一段とトーンを落とした沙織の調子が少し変わっていた。 その声色に何処と無い真剣なものを感じ取ったリベリスタは彼の顔を見た。 「何か――『最後』な気がするんだよな」 「縁起でもねぇ」 「ああ、悪い」 沙織は言われてみれば――と苦笑した。 彼が抱いたそのイメージの正体は知れない。漠然とした不安がそうさせたのか、それとも別の理由があったのか。気の迷いだったのか―― だが、何れにしても。 「時間は無限じゃないし、過ぎた日は戻らない。 まぁ、今年の冬も同じでな。気が向いたら遊びに来てよ」 リベリスタの肩をポン、と叩いた沙織は何時も通りの軽い調子に戻っていた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI | ||||
■難易度:VERY EASY | ■ イベントシナリオ | |||
■参加人数制限: なし | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2015年03月18日(水)22:36 |
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■メイン参加者 24人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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