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<クリスマス2014>シネマ・イヴ

●群像劇
 今年も又、三高平市に聖夜がやって来る。
 黙っていても、十二月二十四日はやって来る。
 時間が続く限り、人が続く限り、運命がその先に繋がり続ける限り……
 今夜は聖夜だから、街を見回そう。
 そこには僕が居る。貴方が居る。
 センタービルの灯りを覗けば、賑やかなパーティが催されているだろう。
 雪の公園を見れば、雪遊びに興じる誰かが居る。
 寒空の下、震えるような埠頭では石油缶が煙を上げているかも知れない。
 街を見よう。今夜は聖夜だから。
 大いなる痛みも、困難も。世界を覆う暗闇も、一時だけは忘れて。
 貴方は――確かにこの街で生きているのだから。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI  
■難易度:VERY EASY ■ イベントシナリオ
■参加人数制限: なし ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2015年01月10日(土)22:28
 YAMIDEITEIっす。
 クリスマスシナリオ。
 所謂一つの群像劇。
 プレイングのルールが設定されていますので確認して下さいね。

●任務達成条件
・適当に緩くお楽しみ下さい。

●シナリオの備考
 十二月二十四日~二十五日の三高平の出来事を扱います。
 クリスマスに起きる出来事は様々です。

●プレイングの書式について
【市街(昼)】:昼間の市街地。市内色々。自宅等も含みます。
【市街(夜)】:夜の市街地。市内色々。自宅等も含みます。
【雪遊び(昼)】:三高平公園で雪遊びをします。桃子が雪合戦等を始めました。激しくどうですか。
【パーティ(夜)】:毎年恒例。沙織主催のセンタービルでカジュアルなクリスマスパーティに参加します。
【埠頭(夜)】:クラリスが何故かスルメを焼いて食べています。リア充爆発何とかかんとか。

 上記の五点からプレイング内容に近しいもの(【】部分)を選択し、プレイングの一行目にコピー&ペーストするようにして下さい。
 プレイングは下記の書式に従って記述をお願いします。
【】も含めて必須でお願いします(執筆上の都合です)

(書式)
一行目:ロケーション選択
二行目:絡みたいキャラクターの指定、グループタグ(プレイング内に【】でくくってグループを作成した場合、同様のタグのついたキャラクター同士は個別の記述を行わなくてOKです)の指定等
三行目以降:自由記入

(記入例)
【埠頭】
Aさん(BNEXXXXXX)※NPCの場合はIDは不要です。
焼き尽くせ!!!

●イベントシナリオのルール
・参加料金は50LPです。
・予約期間と参加者制限数はありません。参加ボタンを押した時点で参加が確定します。
・イベントシナリオでは全員のキャラクター描写が行なわれない可能性があります。←重要!
・獲得リソースは難易度Very Easy相当(Normalの獲得ベース経験値・GPの25%)です。
・内容は絞った方が描写が良くなると思います。

●参加NPC
・時村沙織
・時村貴樹
・桃子・エインズワース
・真白智親
・真白イヴ
・将門伸暁
・天原和泉
・クラリス・ラ・ファイエット
・エウリス・ファーレ


 その日に貴方は何を、シナリオ。適当に自由にどうぞ。
 以上、宜しければご参加下さいませませ。
参加NPC
時村 沙織 (nBNE000500)
 
参加NPC
桃子・エインズワース (nBNE000014)
参加NPC
時村 貴樹 (nBNE000502)
参加NPC
クラリス・ラ・ファイエット (nBNE000018)


■メイン参加者 33人■
アークエンジェインヤンマスター
朱鷺島・雷音(BNE000003)
ナイトバロン覇界闘士
御厨・夏栖斗(BNE000004)
ハーフムーンホーリーメイガス
悠木 そあら(BNE000020)
ノワールオルールホーリーメイガス
霧島 俊介(BNE000082)
ハイジーニアスデュランダル
結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210)
ハイジーニアスマグメイガス
高原 恵梨香(BNE000234)
ハーフムーンデュランダル
梶・リュクターン・五月(BNE000267)
フライダークホーリーメイガス
アリステア・ショーゼット(BNE000313)
サイバーアダムクロスイージス
新田・快(BNE000439)
ハイジーニアスソードミラージュ
須賀 義衛郎(BNE000465)
ハイジーニアスデュランダル
新城・拓真(BNE000644)
ハイジーニアススターサジタリー
リリ・シュヴァイヤー(BNE000742)
ギガントフレームダークナイト
富永・喜平(BNE000939)
アークエンジェインヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
ハイジーニアスナイトクリーク
神城・涼(BNE001343)
ハイジーニアスマグメイガス
風宮 悠月(BNE001450)
フライダークマグメイガス
シュスタイナ・ショーゼット(BNE001683)
ジーニアス覇界闘士
宮部乃宮 火車(BNE001845)
アウトサイドスターサジタリー
雑賀 木蓮(BNE002229)
ハイジーニアス覇界闘士
葛木 猛(BNE002455)
ハイジーニアスソードミラージュ
リセリア・フォルン(BNE002511)
ジーニアスデュランダル
羽柴 壱也(BNE002639)
アウトサイドスターサジタリー
雑賀 龍治(BNE002797)
ハイジーニアスプロアデプト
プレインフェザー・オッフェンバッハ・ベルジュラック(BNE003341)
ノワールオルールクリミナルスタア
遠野 結唯(BNE003604)
ハイジーニアスナイトクリーク
鳳 黎子(BNE003921)
ハイジーニアスホーリーメイガス
海依音・レヒニッツ・神裂(BNE004230)
アークエンジェスターサジタリー
鴻上 聖(BNE004512)
ビーストハーフクリミナルスタア
鮎川 小町(BNE004558)
ギガントフレーム覇界闘士
コヨーテ・バッドフェロー(BNE004561)
アウトサイドアークリベリオン
水守 せおり(BNE004984)
ジーニアスアークリベリオン
剣城 豊洋(BNE004985)
ジーニアスアークリベリオン
奥州 倫護(BNE005117)
   

●シネマ・イヴ
 日々を全力で駆け抜ける人間にも休息の時間は必要だ。
 一般社会に生きる人間でもそうなのだから、荒事を専門にし、修羅道を行く戦士達ならば言わずもがな。人種国籍の坩堝たる三高平市の場合、主義主張から信仰まで実に様々ではあるが――その重要な機会に『些か世俗に塗れた日本的なクリスマス』が適当になるのは言うまでもない事実であろう。
 さて、三高平のクリスマス・シーズンには印象的な出来事が多い。
 三年前のジャック・ザ・リッパー事件に始まり、黒い太陽の昇った日まで。今年も辛うじて聖夜の前に襲い掛かった面倒事を廃したアークは、先行きの不透明さはさて置いて。その一時だけは人心地を取り戻す事に成功していた。
 今回は、そんな『変哲もないクリスマス』の様子を少しだけ――眺めてみる事にしよう。

●三高平市I
 幸いに受け止めていい話かどうかは大いに議論の余地の残る所ではあるが、『慣れ』は怖いものである。
 混乱を収束した三高平市内は、敵の残した爪痕にも負けず、精一杯にクリスマスの雰囲気を取り戻していた。
 街を見回せばそこには季節柄何処となく浮ついた雰囲気が漂っている。クリスマスから年の瀬にかけては毎年の話ながら、全く忙しない所がある。追い立てられるというよりは次から次へとイベントがやって来るといった感もあり、どちらかと言えば楽しい雑然さであるのは有り難い話ではあるのだが。
「クリスマス限定フレーバーが出てるんだって」
 夏栖斗が、ふとした切っ掛けで同道したリリにそう言った。二人が訪れたのは、常に三十一種類ものフレーバーを用意し、歌いながら積み上げてくれるサービスが人気のアイスショップコールドワンである。
「僕、すごいこれが楽しみでさ。毎年色々な時期に来るんだよね」
 さして広くない店内は、時期柄距離感の何時もより近い若者達に溢れている。
 手を繋いでいたりする男女辺りはカップルか何かかも知れなかった。
「な、何だか凄い店ですね……!」
 丁度始まった店員の歌(オーダーによるものである)に一瞬戦いたリリが僅かばかり口元を引き攣らせていた。
 歌の方は兎も角、自分をここに誘った夏栖斗の意図の方はリリには良く分かっていた。
「お気遣い有難うございます。もう大体大丈夫の筈、です……なかなか強くなれなくて歯痒いのですが」
「そっか。でも、何か――ここ、美味しいし。歌も込みで元気でるっしょ?」
「……そうですね」
 生い立ちの複雑さも含めてリリの心労はかなりのものになっている。
 傍らに立つ気のいい少年が塞ぎがちな少女を元気付けようとしている事は余程鈍くない限りすぐ分かる事だ。
「では、いっそ全部盛りで――」
「――お腹壊すし、溶けるから! クリスマス限定のを三つ盛りで!」
 リリの潔良過ぎる選択を慌てた夏栖斗が訂正した。
 二人はクリスマスカラーのアイスを店内で突つきながら色々な話をした。
 告白して、付き合い始めた彼女の事。守らなければならない存在である事。
 未だ静けさを保つ黄泉ヶ辻京介の『ラスト・ステージ』の事……
「気をつけて下さいね。もう、貴方独りの身体ではないのですから」
「そんな事!」と噴き出した夏栖斗にリリは微笑んでいた。
「妊婦さんでなくても、いつも心配していますよ。何かあったらいつでも、このお姉さんに」
 彼の抱える事情も、彼女の想いも一時を過ごすだけで全てが解決するものでも無かったが。
 イヴの穏やかな時間は生傷を少なからず癒すだけの力を秘めていただろうか。

 年の瀬の市役所は忙しい。
 黒い太陽が余計な事をやらかせば仕事が溜まりに溜まっているのは当然で……
 三高平市民(リベリスタ)では珍しく地道な勤労を極めて忠実に勤め上げる義衛郎は沙織もそう頼む通り、極めて公務員的な素質を持つ人物であった。お年寄りの相談から話し相手、揉め事の仲裁まで。如何に世間が浮かれていても平日は平日であるという現実に大車輪の活躍を見せる彼の所に珍しい顔がやって来た。
「ヘイ、ミスタ須賀。俺のパトスはどうも形に出来そうかい?」
「どんなキャラ付けですか……お待たせしました、将門さん。申請通りましたので宜しくお願いします」
 伸暁が三高平市役所を訪れたのは『クリスマスライヴ実施の許可申請』の為である。忙しい時に忙しい事を要望する彼も彼だが、思い立ったが吉日とばかりに開催を決めたのは疲れたリベリスタ達に報いる為の彼なりのやり方なのかも知れなかった。かくて申請に既知のコネ――つまり義衛郎を頼った結果が今に到るという訳だ。
「公園でライヴ……寒いのに大変ですよね。
 というか、こういう書類ってボーカルがわざわざ持ってくるものなんですね」
「ドント・ウォーリーだぜ、ミスタ。俺のパッションが一面のSnow(ぎんせかい)だって溶かしちまう」
「……ライヴ、頑張って下さいね」
 何なら仕事終わりに寄ってみるか――そう考えた義衛郎が少し笑う。

 ライヴ前の静けさ(?)を保つその噂の公園にはリベリスタ幾人かの姿があった。
 夜半より降り積もった雪は、リベリスタ達への贈り物のようでもある。
 ガキ大将ばりに「雪で遊ぶのです!」と宣言した桃子が何やら雪を弄って遊んでいる。
 そんな彼女に応えた訳でも無いのだろうが幾人かのリベリスタは広い公園を舞台に白い雪と戯れている。
(冬なのでかまくらを作ろうの会。盛って盛って、盛るルーチン……)
 白い息を吐きながら、只管積もった雪を丸く固める喜平が騒がしく危ない辺りを避けて作業を始めたのは賢明である。
(しかし、雪弄りにはしゃいでいるフェザー可愛い。いや今だけじゃなくて何時も可愛いのよ。まじで。
 でも何だろうね。一生懸命な彼女を見ていると俺の中の何かが……)
 成る程、喜平の視線の先には彼以上の一生懸命さで『ルーチン』に励むプレインフェザーの姿があった。
 事の始まりはその彼女の「かまくら作りたい!」という一言から始まった。余り雪の積もる所に居た事が無いという彼女のリクエストは実に可愛らしいもので、喜平としては一も二も無くこれを承諾したものだ。「すっげー!」「たくさん!」等とはしゃいでいた彼女が咳払いをして居住まいを正した時等、当然のように彼の口角はにやけていた。
 閑話休題、可愛らしい彼女がそれだけ懸命ならば恋人に悪戯心も芽生えようというものだ。
「おーいフェザー、ちょっとお話が……そぉい!!!」
「わっ! ……おーい、やったなー?」
 ……済し崩し的に始まった戯れは奇しくも桃子がやろうとしていた雪合戦。
 恋人同士のくすぐったくなるじゃれ合いの一方で、
「赤い布! 準備いい~! これでコヨーテくんとお揃いのマフラーみたいにできるよ!」
「……いや、そォだ。どォせならマフラー巻くよりリボンみたいにして……」
「……え?」
「雪ツインテール付けて……じゃーんッ、いちやとおそろいッ!」
 息を切らせながら大きな雪玉を転がす壱也とコヨーテのやり取りが微笑ましい。
「で、どこ見てるのかな。何、どうしたの、それは……胸?」
「……いや、いちや、気にしてンのかなって思ったから」
「そうだ! 雪いちやはグラマー……よおし、いつか叶うように願望でグラマーにしとこ! でっかいのつけて!」
「よっしゃ、特大にすッかッ!」
 中々珍しい取り合わせではあるが、のんびりと雪遊びをする二人は楽しそうである。
 珍しい取り合わせとは違うが、中にはその場で意気投合しているような組み合わせもあった。
「こんにちは、一人なら一緒に遊ぼう?」
「メイメイ、おぼえたです! こまちはこまちなのですよっ」
 偶然に三高平公園の雪景色を眺めていた五月(めい)と小町は場の流れで仲良くなっていた。
「こまち雪だるまつくりたいですし、ゆきがっせんもしたいです!」
「うむ。雪遊びしたいし、雪合戦もしたいのだ」
「雪だるま合戦すればかいけつするです。こまちかしこいのです」
「それは名案だ」と応えた五月に小町が薄い胸を張った。
 雪だるま合戦と聞けば、現在進行形で桃子が作り続けている『最終兵器(雪玉)』もちらつくが……
 当然ながら可憐な少女達の考えているものはもう少し平和的で微笑ましいものであろう。
「ほあ! これ投げちゃだめですか!?」
 ……多分、きっと。
 小町の宣戦布告先があの桃子だったのは、うーん何ていうか今年の干支?
 きゃあきゃあと愛らしい声を上げて雪と遊ぶ少女達はとても絵になるものだ。
 一人黙々と復讐戦に勤しむ桃子の向こう側で、伸暁がステージ設営を手伝っている。

●パーティ
「急にアーク本部へ呼び出されてみれば……これは何だ、沙織」
「何だも何もパーティだよ、パーティ。何時もやってるヤツ」
「……確かにあの館にいても暇なだけだが、あそこから出来るなら離れたくないんだがな」
 結唯は微妙な顔をしたが、沙織は「楽しんでくれ」とポンと肩を叩くばかり。
 三高平センタービルで行われるクリスマス・パーティは毎年恒例のイベントだ。
 催しものを好む沙織は何はなくても集まって騒ぎたがる所がある。
 リベリスタの参加は任意だが、時間を潰す場所としてはそれなりに心地が良いものがある。
 煌びやかにツリーが飾られた会場ではクリスマスカラーに彩られた喧騒が悲喜こもごもに交錯するものだ。
「イヴたん! イヴたん! 誕生日おめでとう!
 誕生日プレゼントは何がいい? お兄ちゃんと一緒にいたいって?
 わかってる! 何も言わずともわかってるから!!!」
「ワーイ、オニイチャントイッショ。ウレシイナ」
 誕生日とクリスマスを一緒に纏められる子供の悲哀というものは言わずもがなの感である。
 聖夜にその生を受けたイヴが、相変わらず熱烈な竜一の愛情に何とも言えない顔をしていた。
「もう十八歳になるイヴたんだけど、たまにはお兄ちゃんに甘えたくなるものだよね!
 仕方ない! いつまでたってもイヴたんはイヴたんで、甘えん坊さんでいいんだよ!
 だって俺はイヴたんの大好きなお兄ちゃんだから!」
「ワーイ、オニイチャンヤサシイ」
 コホンと咳払いをしたイヴは続ける。
「ありがと、竜一」
「室長! アークリベリオンを運用した感触とかいかがでしょう!
 想定内ですか? それとも想定外でしょうか!」
「想定内で助かってるよ」
 着物を着たせおりに沙織が応えている。
「来年は高三だし、もうちょっと学校のこととか勉強する時間が取りたいですね。
 最初は安易にダイビングのインストラクターとか考えて勉強もしてなかったけど……
 大学は観光学科を目指そうかと考えてます!
 時村系列の旅行会社の添乗員になって、仕事で行った先で『あの人』にバッタリ会わないかな……とか!」
「その時は宜しく」と応えた沙織は「あの人って……『アレ』か」と内心で合点した。
 せおりの脳裏に描いた人物は毎年九月にやって来る遅刻気味の台風だ。
 金髪の野獣は、成る程。沙織の脳内でも肉食女子(せおり)が喜びそうなサムズアップを決めている。
「なーなー!」
 真剣な顔をしてそんな彼に訴えかけたのは俊介だった。
「なあなあ、沙織。一回ユーヌに踏まれてみたいとか思わん?
 きっと沙織ならこの気持ち、分かってくれると思うんだ!」
「……やぶからぼうにどうした、お前」
 俊介の突然の台詞に苦笑した沙織は手にしたシャンパンを飲み干した。
 決して動揺を悟られまいとしている訳ではない。きっと多分。
「……ってことで、こちらにユーヌを召喚致しました。なあ、ユーヌ。沙織が踏んでほしいってよ!」
「さて、用があるらしいから呼ばれた訳だが。おまえ達は一体何を言っているんだ?」
 済し崩し的に巻き込まれた感のある沙織を含め、ユーヌの男達を見る目は冷たい。
 確かに黒髪ロングで人形のように無機質無表情な毒舌少女に罵られるというのはそれはそれで……
「な。天の声はユーヌに踏まれるのはボーナスステージだっつってただろ?」
「俺を一緒にするな、一緒に」
「まぁ、踏むのは良いとして。すけしゅんは百均の脚立より丈夫だが……沙織は潰れそうで心配だけれど」
 微妙にその気になった風のユーヌに俊介が喜んでいる。
 さて、どうしたものかと視線を彷徨わせた沙織の救世主になったのは「さおりんを変な事に巻き込まないで下さいです!」と声を上げたドレス姿のそあらだった。
「……そういう事で、ユーヌはしっかりすけしゅんを踏んでやってくれな!」
 一瞬の間隙を見切った沙織はそあらの肩を抱いてその場をエスケープする。
「助かったよ」と言う彼にそあらは笑う。
「昨日までの事が嘘みたいに今日はきらびやかな夜なのです。
 それでもこうして毎年のように過ごせるようになったのも皆さんの頑張りのおかげですよね。
 ともかくお疲れ様で……メリークリスマスです」
「メリー・クリスマス」
 二つ取ったグラスの片方を手渡し、沙織はそあらと乾杯をする。
「今年で何回目のクリスマスかしら?
 らいよんちゃんすっかり特別な人が出来て恋話で盛り上がれるようになったのですよ?
 ……今夜は二人でデートするみたいですけど」
「意外な取り合わせだったよな」と言う沙織にそあらは「そうでもないですよ」と応じた。
「あたしも途中で抜け出して二人きりの夜……は難しそうですけど」
 言葉を濁したそあらに沙織は「大人になったじゃん」と応じてその頭を撫でてみせた。
 言葉とは裏腹のやり取りに少しだけ頬を膨らめた彼女に沙織は軽く囁いた。
「後で少しだけ屋上でも行く?」
 して貰いたかった事を逆に切り出されたそあらは、可能な限り涼やかに、可能な限り軽やかにこれに応えた。
「寒いですから、エスコートは忘れないで下さいです」

●三高平市II
 昼は過激な雪合戦、夜はNOBUのクリスマス・ライヴ。
 賑やかさの失せた夜の公園に倫護が一人佇んでいた。
 アーク本部で革醒者の、リベリスタの各レクチャーを受けてから長い時間は経っていない。
 だが、兄を喪った少年の心は空虚なままだった。上滑りする言葉を聞き流す心算も無く、聞き流し。
 少年の足は自然と兄が居なくなった最後の場所を向いていた。
 その『魔方陣』があったという場所の真ん中には机。
 苺のショートケーキには蝋燭を立てて、渡せなかった誕生日プレゼント(エロ本)を置く。
「一悟にいちゃんのバカ野郎……」
 呻くような慟哭は次第に堪え切れずに号泣へと変わっていた。
 何も、誕生日の一日前に居なくなる事は無いじゃないか……
「聞こえたから……あの時にいちゃんの声が聞こえたから。ボクも戦うよ……」
 静かな決意は少年の占う、確かな未来。

 寒風吹き抜ける埠頭は、物思いに耽るには一番の場所だ。
 クラリス・ラ・ファイエットは考えた。これまでの出来事を。
 クラリス・ラ・ファイエットは考えた。これからの出来事を。
 ずっと尊敬してきたあの執事はもういない。しかし、主人は以前よりも険が取れた顔をしている。欧州最大のビッグネームとも言われるウィルモフ・ペリーシュを破れた事等は、自分のリベリスタ人生において最大のハイライトと呼べたかも知れなかった。
「何だか、凄い」
 スルメを焼くクラリスはもぐもぐとそれをくわえて呟いた。
「すみません、そのスルメわけてもらって構わないでしょうか?」
 そう話を切り出した豊洋と共に焚き火に当たり、この夜に物思いに耽っている。
「あ、これパーティ会場から拝借してきたんですけど」
「助かりますわあ」
 思いの他、大人びたクラリスの様子はある意味で豊洋にとっては想定外だった。
 もっとこう激しく若さが迸るような展開を生温く見守っている心算だったのだが……
「ま、たまにはゆっくりしても……いいですね」
「……素敵な、街ですわあ」
 クラリスは紫煙を燻らせる豊洋に応える訳でもなくそう応えた。
 困難をブラックホールのように吸い込んで、奇跡をホワイトホールのように吐き出す――
 三高平をかつてそう称したのはあの逆凪黒覇である。
 起きた出来事が印象的だった分だけ、誰も感慨は多くなる……
「だから! 黒覇さんを! 出せ! って! 言ってるんです!」
「……」
「……………」
 しんみりした時間を壮絶に破壊した声は聞き慣れた海依音のものだった。携帯電話を耳に当て、迫力十分でまくし立てる彼女からは見るまでも無く、言うまでも無い女の情念と執念が感じ取れた。
 命短し、恋せよ乙女。任務で邪魔をするのは当然だが、恋愛感情はまた別の話とは当の海依音の言である。
 センスフラグ(必死)とイリーガルパイプ(笑)の活用方法が何とも言えない。
「あんまり分からないと、逆凪本社に特攻しますよ。まったく……
 海依音、散々言ってますけどガチで本気ですから!
 使えるものは時村君でもフィクサードでも使いますから。怖いとかいうな!」
 喧々囂々と秘書とやり合う海依音は信念と実行の人であった。
 放っておけば本気でやられかねないと感じたのか相手が根負けしたのはそれから暫しの出来事だった。
「……だから、私は……っ、え!? え、黒覇さん!」
「……」
「……………」
 豊洋とクラリスが耳をそばだてていた情勢に変化が起きている。
「あ、はい。はい! え、お電話だけでも……忙しいなら我慢できる、海依音いい子!」
「……」
「……………」
「はい! え、改めてディナー? 何時でも大丈夫です! 年明けですね! 任せて下さい!!!」
「……良かったですね」
「驚異的な粘り腰ですわあ」
 多少の気後れを隠せず言った豊洋にクラリスがしみじみと頷いていた。

(……これは、いくらなんでも安直に過ぎないか?)
 その頃、そあらが噂した親友は――快の家の呼び鈴を前にして葛藤と躊躇の時間を過ごしていた。
 苦悩する事、既に十分。寒さに震えた指が『うっかり』チャイムに触れてしまえば、聖夜のストーリィはまった無し。
「いらっしゃい。寒かったろ。コート預かるよ。ハンガーにかけておく」
「い、いやいやいや。こ、これはいいのだ!」
 愉快になる程激しくぶんぶんと首を振る雷音に快は不思議そうな顔をした。
 それもその筈、雷音のコートの下には……彼女のイメージには些か遠い中々大胆なサンタ・コス。
 その意図が「プレゼントにはボクをどうぞ」等とするならば、これは火が出る位に恥ずかしいという訳だ。
「め、めり、くりすます」
「……メリー・クリスマス」
「その、えっと、後ろを向いてくれ、絶対だぞ、いいっていうまで振り向くな」
 一方的にそう命じてごそごそとやり始めた雷音に快は小さな笑いを隠せない。
 彼女が何をしようとしているのか、確信は無くても想像はつく。
 実際、それはベタにベタを重ねたような――そんな話ではあるのだが。
「お約束だからこそ、嬉しいんだよ。でも、プレゼントなら、包みを開けても構わないんだろ?」
 そう言って少女に軽くキスをした快は、成る程。以前より随分と大人びて見えた。

「こうやって過ごすようになって、何年経ったかな?」
「う随分と長い時間一緒に居るような気がするな、なんて思うけれども」
 街の灯りを一望出来る高台に二人でのぼったアリステアは、半身で振り返って涼の顔を見た。
 天真爛漫を形にしたかのような――壊れものめいた少女が見た目よりずっと強い事を涼は知っている。
 軽い態度と余裕を崩したがらない『かっこつけ』の青年が、実際にはとても優しい事をアリステアは知っていた。
「あのね、涼。ちょっとしゃがんで欲しいの」
 やぶからぼうの『お願い事』に涼は少しだけ首を傾げた。
 しかし、彼女に問い返す事は無く「こう?」とその長身を幾らか屈めてみせた。
「メリークリスマスと、……大好き」
 手を繋ぐより、腕を組むより。抱きしめるよりもう少し気持ちを伝えたくて、傍に寄り添いたくて。
 彼女の薄い唇は柔らかな弾力感を涼のそれに押し付けた。
 今夜は何て言っても聖夜だから、恋人同士の『大概』は許されるもの。
「……こ、こういうの嫌だったらごめんなさいなのだけどっ」
 口早に言って視線を外し、再び夜景を見下ろす『フリ』をしたアリステアに涼が言った。
 背後から少女の震える肩を抱きしめて、
「スキな子にキスされてイヤなわけないだろ?」
 耳元で響いたそんな言葉にアリステアの顔は又、酷く赤くなっていた。

『こういう時』自宅でゆっくりと過ごすのは何時の頃からか二人の決め事のようになっていた。
「悠月も飲むか、少しだけなら身体も温まるだろう」
 慎ましやかなお猪口に注いだ日本酒を片手に雪の庭を眺める――拓真の呼びかけに、小首を少しだけ傾げた悠月は、あの月のような微笑を湛えたまま彼の傍へと寄り添っていた。
「……今年も色々な事があったな」
「そう……ですね」
 色々、という言葉では正直言い尽くせない程の色々。
 静けさを好む二人の間では必要以上の音が無い。唯、そこには万感だけが横たわっている。
「十五年前のあの時が過ぎてから、ある意味で一番危険に満ちていた一年でしょうね」
 喪ったものも、新たに得たものもある。
 身近に限るだけでもそうなのだから、総じればそれは言うまでも無い事だ。
「今年もこうして無事にクリスマスを迎えられた。よくも潜り抜けてこられたものだとは思います」
「そうだな」
 二人の苦笑は奇しくも同じような色合いを帯びていた。
 これまで、そしてこれから。想いを馳せればそこに平穏があるとは思えないけれど。
 二人は考えるのだ。今、少しばかりの間には。この雪の庭園には。
(得難い平穏があるのだと――)
 舞い散る雪を二人して眺める二人は、不思議な事に過酷な運命を憂いてはいなかった。

「せっかくのイヴにすみません」
「いいのよ。貴方に会いに来てるのだから」
 教会のミサの後片付けがある程度済んだ頃、詫びた聖に『私』は涼しい顔でそう言った。
 質問からして、つくづく困った朴念仁である。
(それが、いいのだけれど)
 そう言えば、恐らくはきっと私は馬鹿と言われるんだろうと――私は痘痕も笑窪、恋ははしかを実感している。
「……そうそう。ちょっとなぞなぞね」
「はい?」
 まともに聞き返す朴念仁に私は意を決して問い掛けた。
「ある日突然落ちるものって、何だかわかる?」
「え、ええと……林檎とか?」
 掃除の手を止めたトンチンカンが素面の答えを返してくる。
 ええ、そう来ると思ってたわ。そうでしょうとも。
 私はだから――胸に一杯の空気を溜めて、お腹に力を入れて言ってやるのだ。
「答えは『恋』だそうよ。それを、私が貴方に抱いていると言ったら……困る?」
「……」
「……………」
 心臓に悪い無音の時間が早鐘のようになった私の鼓動の音を嫌味な位に際立たせていた。
「困るなんて事は……実は、私も以前から気になってた事があるんです」
「え?」
「前々からおかしいとは思ってたんだ。
 以前ご一緒した依頼以降も、アーティファクトの影響が抜けないと思ってたんですよね」
「……」
「先に言わせて済みませんでした。私も恋をしてるんですよ……シュスカさんに」
 その言葉を肩を抱き寄せた温もりに、俯いた私はもう言葉も無い。
 何とか堪えて、言わなければならない一言だけを搾り出した。
「……ごめんなさい。今お顔見れない。きっと凄く変な顔してる」

「……ああそっか今日クリスマスか」
「もしかしてなくてもクリスマスですよう!」
「そーだな」
 縁遠い生活をしていれば、気にも留めなくなるイベント事である。
 河原で焚き火をしながらばりぼりと頭を掻いた火車は珍しく頬を膨らめて抗議めいた黎子に短い相槌を打ってみせた。
「W・Pは強敵でしたね! それはそうと、いいですか、宮部乃宮さん!」
「はあ」
「……こんなところにクリスマスを宮部乃宮さんと一緒に過ごしたい黎子さんがいますよ?」
 上目遣いでそう言った黎子に火車は「別にいいけどよ」と実に不器用な反応で言った。
 かくて二人して焚き火に当たる――何時もの時間は、特別な日を特別と思わせないような形で始まった。
「つくづくお前ってダチすらいねぇのな」
「結構傷付くんですけど。まあ、別に何をしたいという事も無いのです。
 遊ぶ相手が一人しかいないのはいつもの事ですが、なんだか今日は特に宮部乃宮さんとがいいなと思ったのです」
 黎子は「これじゃまるで口説いてるみたいですけどそうじゃなくて!」と内心で慌てたが……
「ま、いいけどよ。今更なんか……用事なけりゃどうのこうのって付き合いでもねぇし……」
「まあとにかく! ちょっと付き合ってくださいよ……クリスマスは家族と過ごす日ですしね」
 火車の反応に黎子は安心ような、複雑なようなそんな思いを禁じ得ない。
 思えば色々な事があった。アークにも、二人の間にも。
「付き合って下さいね」
「別にいいよ」
 やり取りは色気のあるものではなかったが、二人はそれなりに満足だった。
「うむ。それでよろしい。それじゃー行きましょう! また酔いつぶれるまで飲んでもらいますよー」

 激しい恋人同士のようでありながら、時には夫婦のような穏やかさを持っている。
 草臥木蓮と雑賀龍治の日常は、聖夜も変わらず――二人にとってとても居心地のいい時間であった。
 彼は寡黙ながらも賑やかな彼女を嫌に感じてはおらず、彼女は奔放ながらに年上の彼を良く理解している。
 気難しい旦那に、気楽な嫁。駄目な男と、駄目をもっと駄目にする魔性――
 二人の評価は様々だが、主に龍治は仏頂面をして、木蓮は嬉し気にしている傾向がある。
「……先程から、何をそわそわしているのだ」
「え? あ、その。そうじゃなくてな、……そんなにしてたか?」
「やれやれ」と溜息を吐いた龍治が、落ち着かない木蓮に話を切り出したのは食後の時間がたっぷり過ぎた後の事だった。
「あのな……こ、こないだ沙織に、結婚しないの? って訊かれたんだ」
「……」
 恐る恐る言った木蓮に龍治の顔色が変わる。
 露骨に衝撃を受けているのは事実だが、そう見せない努力をしているのも事実である。
「何度も死に掛ける度、何度も龍治と一緒になりたい、家族になりたいって思ってた……」
「うむ、それは……」
「俺様の人生は今しかなくて――それがいつ終わるかわからないのを知ってたからっ……」
 稚拙な木蓮の告白は、それが故に強い感情を覗かせていた。
 彼女の訴えを努めて冷静に受け止めた龍治は、ややあって一つ嘆息をした。
「家族、か。世間一般的な形態や意味合いは、知っているつもりだ。
 唯、生まれた時には父は無く、母も壊れていた。故に、実体験としてのそれを知らん」
「龍治ぅ……」
 泣きそうな顔をした木蓮に龍治は苦笑をした。
「だが、日々の中で、認識出来た事がある。知らぬ故に、踏み出せんのだと。
 何の情報も作戦も無いまま任務に赴くなど、無いと言って良い。
 お前の望みは、それを成せと言っているのであって……」
 龍治はそこまで言って何度も咳払いをした。噛まないように、声が、上ずらないように。
「実際は、そんなに思い悩む事でもないのかも知れん。
 それでも、恐ろしさすら感じるのだ……臆病と言われると、返す言葉もない。
 こんな俺でも構わんなら、……共になろう。
 ……あのいけ好かん野郎に唆された形になったのは、些か不本意ではあるが」
「龍治ぅ!」
 尻尾をちぎれんばかりに振るイメージ、押し倒された龍治の湯飲みが床に転がった――

 自宅での簡単なパーティでも、相手次第では一番の時間になる。
「この時期だけは不思議と落ち着いてくれるから、のんびり出来るな」
「本当に不思議です。……まぁ、どちらかというと、ぎりぎり落ち着いたという感じでしょうけど」
 猛の言葉に頷いたリセリアは「しかも、次の問題も見えている状態ですし」と続けた。
 しかし、まぁ。天の配剤も中々気が利いているものだとは言えるのかも知れない。
 無理矢理頑張っている何処かからの悲鳴は聞こえなくもないが――それは考えてなくても良い事だろう。
「黒い太陽が落ちて、聖杯が持ち去られた以上、ゆっくりとはしてられない……って気持ちもあるが。
 ま、なるようにしかならないよな。情報が無い今、俺達に出来る事は限られてるし」
「それでもこうしてゆっくりできる時間が取れたのは幸い。良かった」
「ああ、しっかり休むのも仕事の内だろ」
 後ろから自身を抱きかかえるようにした猛にリセリアはくすぐったそうな顔をした。
「好きだぜ、リセリア。愛してる、また来年も宜しくな」
 触れるばかりのキスは、実を言えばリセリアの一番好む時間の一つだ。
 家族と過ごすクリスマスも懐かしくはあったけれど、これはこれで……
「……はい」
 静かに首肯した彼女の白い肌に僅かな朱色が差していた。
「はい、私の方こそ。――愛してます、猛さん」

 ちらちらと雪の舞う、夜のホワイト・クリスマス。
 恋人同士なら、少なくとも特別な時間になる――そんな夜に恵梨香は望みの人と寄り添っていた。
 戦いへ赴く彼女にとっては、最後になるかもしれないクリスマスだ。
 今までがそうでなかったという事では無いが、この先に待つ戦いを思えば、その想いは尚更の事強かった。
「……ご迷惑だったでしょう?」
「別に」
 白い息が空気に弾む。
 恵梨香はこんな時にもそんな台詞しか出てこない自分に絶望したが、慣れている沙織は頓着していない。
「……」
「……………」
 並んで歩く時間は彼が彼女を送り届ける間の僅かな猶予だ。
 恵梨香は傍らの沙織に寄りかかってみた。
 ……先の戦いで負った傷が傷んだからだ。間違いなく。
 車で送るという言葉を断ったのだが、それはそれだ。
 言葉を返さない沙織は、よろめく恵梨香を黙って支えていた。
 饒舌な男ならば「お姫様抱っこでもしてやろうか」等と言いそうな所だが……静か。
「大丈夫?」
「ええ」
 街には必要以上の音は無く、恵梨香は暫し瞑目した。
(……しています……)
 短い時間が夢のよう。
(……しています……沙織さん……、沙織さん……)
 室長と呼ばない恵梨香は淡い夢の中に居た。
 誰にも優しいシネマのようなイヴがゆっくりと早足で過ぎていく。
 年が明ければ、アークは最後の戦いに赴く事になるだろう。
 だが、この日の時間は――きっと形すら無く、永遠のものになる。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 YAMIDEITEIっす。

 超砂シナリオ。
 三人称ベースの中、一パートだけ一人称記述をするという演出をしています。
 一人称で恋愛書くならやっぱ少女がいいっすなぁ。

 シナリオ、お疲れ様でした。