●君達の目の前には何かキモい触手の束が居る! 『腐敗の王』羽柴 壱也(BNE002639)「何!? アレは! 倒さないと!!!」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI | ||||
■難易度:NORMAL | ■ リクエストシナリオ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年02月12日(水)21:39 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●いっちっちとか出した時点でどうせ悲惨なプレイング来ると思ってたらやっぱ来た。 1、切実な『覇界闘士<アンブレイカブル>』御厨・夏栖斗(BNE000004) 「気軽に荷物持ちをOKしたのがそもそも間違いだったんだ…… 平和な休日! 戦いのない昼下がり! 平和な僕! 楽しいお買い物! なんで、目の前に触手があるんだろう? なんでツインテールで女の子っぽい触手なのに胸が平たすぎるんだろう?」 ――男子が決め付けて酷い事言ってまーす。 「証拠もなにも完全に状況証拠だよ! 羽柴壱也! あいつが諸悪の元凶に決まってる! 間違いない! そもそもあいつ全くか弱くないし! それでも僕はリベリスタだ! 同人誌即売会に来ている一般人の女の子を守る為に戦わないといけない―― いいか! 僕は守るんだ! 運命を!!! フェイト使用してでもお尻は守る! DT捨てる前に処女捨ててなるもんか!!!」 2、児童相談所案件『家族想いの破壊者』鬼蔭 虎鐵(BNE000034) 「拙者知ってるでござるよ? ああいう触手系は絶対にやばいって事…… だって今までの拙者の経験から……ああいう触手は絶対にエロい事とか何か変な事とかを絶対にしてくるのでござる。とても雷音には見せられない世界なのでござる……! いいでござるか。とりあえずあのいっちっちなるものの攻撃は全部避ける勢いで頑張るでござるよ。 ……ってかここにはカズトがいるでござるから!! 特にEXとか一番危険な香りしかしないでござるから!! カップリングなんて……許せないでござるから!!!」 ――娘となら? 「可でござる!!!」 3、更正不可能な 『一人焼肉マスター』結城 ”Dragon” 竜一(BNE000210) 「……くっ! なるほど、いっちっち。 えっちっちに赴いてきた女子たちは、こんな気分だったのか…… いや、でも、みんな楽しそうにしてたし…… 男同士とか非生産的だし……なので反省はしてないよ。 そもそも俺はやられるのが好きなんじゃねえ! やるのが好きなんだよォ! 女の子とか好きなんだよ! 女の子が! 女子が! 少女が! 幼女が! 二十一歳の戦闘力(むね)を持ってないくせにィー! ……コホン、まあ、あれだ。他の二人は彼氏いるので悪いとして。 首魁は今、フリーっぽいからいいよな。くくくっ!いいだろう! 触手でまさぐるならまさぐるがいい! だが! 俺の脳内では、いっちーがあんなことやこんなことになったり、そもそもいっちっちをいっちーにみたてることで……いっちーが俺に対してまさぐったりしたりしているのだと……いいね!」 ――竜一、怖い…… 4、故障した『折れぬ剣』楠神 風斗(BNE001434) 「オレはノーマル! オレはノーマル! 男に欲情なんてしない! オッパイダイスキー。 ……って何だ!? おい、この明らかに悪意に満ち満ちた突然の部分抜粋は!」 ――いえいえ、それ程でも? 「ええい、違う! そうじゃない! そうだ、いっちっち……なんという恐ろしくもおぞましいオーラをまとっているんだ…… こいつは存在させてはいけない、オレの本能が特大の警告を放っている! みんな、全力でこいつを殲滅するぞ!!! さて、やることはいつも通りだ。 前に出て、斬る。どんな敵が相手だろうと、オレにはこれしかない。 さあ前へ……前 へ…… ば、馬鹿な、足が前に出ない! 恐れているというのか! バロックナイツを前にしても怯まなかったこのオレが――!?」 5、全てを諦めた『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439) 「どうしてこんなことになってしまったんだ! ――どうしてこんなになるまで放っておいたんだッ!」 沈痛な顔で苦渋を噛み殺す快は戦場を包む空気にそれ以上の言葉も無い。 清らかな乙女の夢の詰まった宝石箱――同人誌即売場。大規模なイベントにもなれば、綿密な購入計画が必要なそれに付き合った五人の男子達は、目を覆わんばかりの光景に戦慄していた。 彼等の目の前で暴れる触手の束は――可愛い心算か何処かで見たようなツーテールを決めている。 クネクネと妙に女子らしい動きを見せるそれがアークのリベリスタ達にとっては看過出来ない『敵』である事は誰の目にも明らかであった。 エリューションは情念を糧に生じる事もあるという。なれば多くの人が集まり、美しい空想を紙上に遊ばせたこの場所が――そういった『何か』を産み落とした事は不思議では無かったのかも知れない。 しかし。 「何処が……『美しい空想』なんだ……! なぁ、ヤミー! 何故なんだ!? お前はさっきまでシリアスな決戦を書いてた筈だ! モノは言いようだけど、だけど……っ……」 ぼくかんけいないし。 顔を覆わんばかりの快の慟哭は、彼が思わず取り落とした大量の紙袋から覗く冊子の正体を見ればすぐに理解出来た。妙に肌色のスペースの多い乙女のバイブルはこの場に一同を誘った残る三人―― 『腐敗の王』羽柴 壱也(BNE002639)、『雪風と共に舞う花』ルア・ホワイト(BNE001372)、『みにくいあひるのこ』翡翠 あひる(BNE002166)、つまり花も恥らう三人の乙女達であった。 彼女等の切なる願いを「任せとけ」と二つ返事でイケメンした五人は、安請け合いがどれだけの代償を求める事態を生じさせるのか――今、この瞬間まで少しも思い当たってはいなかったのである。 人は神では無い。神ならぬ人には―― 「――そういうのいいから! 早く!! 始めよう!!!」 ――ナレーションに被るかのように壱也が羽柴ギガントをぶんぶかしている。 「ほら、女の子達を守らないと! 早くしないと危険がピンチだよ!」 「何であの子達はスケッチブックを片手に避難しようとしないのでござるか!」 「早く!!!」 虎鐵の正論が何ら通用していない。 最高のダイヤモンドのようにその瞳をキラキラと輝かせた壱也は始まる前から最高潮である。 そしてそれは壱也だけでは無い。 「出会いたくないやつと、とうとう遭遇しちゃった……! だけどなんだか安全な気がする、なぜだろう! それに……なんだかね、あひる、胸がきゅーんってするの!」 「私も! 何ておいしいシュチュエーションなの! 私、つい先日十八歳になったのよね。どういうことか分かる? そう、これはプレゼントなのよ! いい子にしてた私に神様からのプレゼント! このタイミングで出てきてくれるなんて……もう、狙ってるとしか思えないっ! こうなる運命だったの!」 死んだ魚の目で妙に文末三点リーダの多そうな男子五人に比べて、女子三人のそれはもうウキウキ極まりないそれである。彼氏が居ようと居まいと、これは別腹。普段友達付き合いしている連中だからこそ、微妙な背徳感と共にご飯も進むというものである。 「なんでこっち睨んでるの? なんで武器こっちに向けてるの? ねぇ、何で? 私、壱也だよ? 羽柴壱也。リベリスタ! 皆と同じリベリスタ! ほら、いっちっちが動き始めたよ? 早くやっつけないと! 皆、頼りにしてるから!!!」 「……名前が既に物語ってるじゃないかああああああああッ!」 「快×夏栖斗は王道中の王道よね。 アークのCPと言えば!! ってぐらい有名なんだから知ってた? 俺の不沈艦ってセリフも流行ったしもう相棒では他を寄せ付けない絆の強さたまらないよね。 もう相棒ってか愛棒ってか……きゃー!! でもそこで頬っておかないのが悪友風斗。 ライバルでありコンビであり一夜を全裸で共にした仲な二人だよね。 風斗×夏栖斗押しかなーどっちも受けなんだけど! 自分から攻めてしまって引くに引けなくなったけど性格的になかったことにできずどうしようっておもってる風斗がいいよねー。 最近息子の様子がおかしいと気にしてしすぎてしまう父親虎鐵…… 愛情が行き過ぎてしまうのは一線を超えてしまったあとだった……なんてよくある話よね! 息子に対してそんなことになってしまって責任感じて悩んでる父親ってかわいい。 ナンパを気取っていろんな子ぺろぺろしてるように見えるけど実は竜一くん硬派よね。 それをわかってるのは周りの男子ってとこかな? 最近流行りの竜一総受け。ほら今丁度5人男子がいるし五行想ってそこからきてるのかも? らぶペンタゴンじゃないですかー!! あ、それ以外でもドシドシアイデア募集中だから壱也まで!!!」 ……現代司法は『疑わしきは罰せず』とする。 「おい! 犯人!!!」 夏栖斗にはそんな民主主義のYAMIのようなものに絶叫して貰いつつ、そろそろ本題に行こうと思います。まる。 ●十八時までマジで決戦書いてたんだけどさあ。 「虎鐵……悪い。でも、でもさ……僕……」 視線をつ、と逸らして消え入るような声で呟く夏栖斗。 「その、お前とは家族なんだ。僕とお前は、家族で―― こんな風になったら、雷音が悲しむだけだ。それに――」 言い訳めいた早口でまくし立てるように言った少年の褐色の肌は微かに赤らんでいた。 良く見なければ分からない。極近い距離で無ければ――気付かなかっただろう。 熱病めいた少年の眩暈のような――一瞬のこの揺らぎは。 「大丈夫でござるよ」 目を合わせる事が出来ない少年に義父(ちちおや)は優しく微笑む。 痛みも、苦しみも、すいも甘いも。それなりに長い人生の中で多くの経験を重ねてきた虎鐵は、弱冠十八歳の夏栖斗よりは随分と大人だった。大人として、少年を受け止めるだけの『大きさ』を持っていた。 「……虎鐵……?」 気が付けば、虎鐵のごつごつとした指が夏栖斗の頤をそっと持ち上げていた。 無骨な彼からすれば驚く程優しい手付き。悪戯をした自分に拳骨をくれたその手が――今日ばかりは義妹にそうする時のように優しく、儚い。 「大丈夫でござる」 夏栖斗の瞳に虎鐵が映る。虎鐵の瞳に夏栖斗が映り込んでいた。 吸い込まれそうなその時間に自然と夏栖斗は目を閉じた。 「大丈夫、雷音も夏栖斗も両方幸せにするでござるよ!」 「ほうほうそれでそれで!」 「続きが気になる!!」 「読みたい場合はクリックで――」 壱也、ルア、あひるの見事な三連撃に絶叫が被せられた。 「やめろおおおおおおおおおおおッ――!?」 どたんばたんのた打ち回る夏栖斗の向こうで仰向けになった虎鐵が最早ピクリとも動かない。 今この瞬間、一つの攻防を見るだけでリベリスタ達が如何なる死闘を繰り広げたのかは明白だ。 きゃいきゃいvと感想戦に興じる乙女達に十三階段を登る男子共はモノを言う元気も無い。 ※尚、上記は妄想を多分に含有しており、触手がぐねぐねでヒョーな感じもアレでソレです。 「俺、知ってるんだよ……」 何かを諦めたような曖昧な半笑い。 努めて軽く――こんなシーンさえ、軽くだ。 「楠神さんはさ、いつも皆に囲まれてさ。分かってるんだ。 楠神さんは、誰も選ばない。誰も傷付けたくないからだろ? だけど、だけどな――」 快の言葉を黙って聞く風斗には、彼の努力が痛い程に見えた。 だから。 「――俺だってお前の周りにいる人達の、一人なんだぜ?」 本当は、聞いてはいけなかった――その一言に頭の芯を殴られたような、そんな気がしていた。 「新田、先輩……お、オレは……その……」 こんな時、風斗は何を言っていいのか分からなかった。 確かにハーレムとからかわれる事もある。女心の分からない朴念仁だと。 アーク本部からは悪ふざけでハーレム勲章とか送り付けられた事もある。名声1000舐めてんのか。 だが、風斗は意図して誰かの気持ちを弄んでいた訳では無い。唯、怖かっただけだった。 「新田先輩――オレは――」 諦めたように笑う目の前の彼が傷付く、事が。『彼を傷付けてしまう事それそのものが』。 手を伸ばしても決して叶う事は無いと思っていた想い。 空気に触れれば消えてしまいそうな、ホワイト・アルバム。 拗ねたような顔で「馬鹿野郎、言わせやがって……」と呟いた快を前に風斗の手の震えが止まっていた。 「新田先輩……」 「楠神さん……」 「オレは――オッパイダイスキースキスキスー」 「……うーん、惜しい。最後中途半端に混線したね!」 「芸術点高かったのに!」 「ね、やり直そうよ! 壱也!」 「うん! じゃあ次は竜一も入れて三角関係、いやさ! 景気良くラヴ・ペンタゴンまで――」 「辞めろおおおおおおああああああああああああッ――!」 どういうウルトラCを決めたのか、有名な古名家で起きる連続猟奇殺人を思わせるスタイルで垂直に床に突き刺さって沈黙している快(非童貞)の一方で、思案顔をした壱也(リーダー)の肩を風斗ががっくんがっくんと揺さぶっている。 げに恐ろしきはいっちっち。 激しい戦闘はそろそろ佳境を迎えつつあった―― 「俺だけ一人許されるわけもないだろうな……」 竜一は呟いた。 「歴戦の俺はわかっている。何をしても面白おかしくされるだけだ…… どうせ隣の男子が性的に見えてくるに決まってる。俺はこんなに少女が好きなのに! イヴたん!」 座して死ぬ位ならば男には決断せねばならぬ時がある。戦わぬ事が薔薇の庭園(ローズ・ガーデン)のWishならば――男には刃を持ちて、これを乗り越えねばならぬ時もあったのだろう。 「……是非も無し!」 残された彼は決断した。決断して吠えた。 「ならば! 取り返しのつかない事になる前に! 前も後ろも死守する為に! ここは、もう、お前の力を借りるしかない、か……」 自嘲気味のその声は苦渋の決断を思わせる。 竜一はまさにこの時、天に願った。天に届けと竜の如く咆哮した! 「思えば、お前が俺のMVP(はじめて)だった…… そのせいかはわからんが、いまこうして此処にいる。 思えば遠くに来たものだ……お前は越えるべき敵であり……そう……強敵(とも)……! 来い! 俺を倒すのは、あのいっちっちではなく……えっちっち! お前の役目のはずだ!」 毒を以って毒を制す。 いっちっちを阻むにはえっちっち。 いっちっちが情念の塊だとするならば、壱――女子の想いの丈であると言うならば。 竜一の願いを天が叶える可能性はゼロではない! 「えっやだえっちっちとかおいやめろ!」 「ちーちゃんの邪魔はさせないわ! そんな事、認められない!!!」 「ちょっと……壱也に何をする気なの!? そりゃ、壱也は強くて、多少なら我慢できる子だけど…… でも女の子なんだよ!? そんな仕打ち酷すぎる! それにこの限りなく壱也の特徴を模してる上にホモ好きでいっちっちだし怪しいけど…… 無関係な可能性だって、あるんだよ……っ! ひどい……ルア、壱也を守るよっ!」 安全な彼岸に居た女子三人が騒ぎ出す。 社会的フェイトの喪失は免れない――竜一の手にそっと掌を重ねた者が居た。 「……夏栖斗!」 「一人でいい格好するなんてずるいだろ?」 「快!」 「オープニングには『・やみはノーマルです』って書いてある。 ヤミーだって男よりも女の子vsえっちっちを書きたい筈だろ? なら、俺達の想いを力に変えて、起死回生のそれを成す!」 「虎鐵!」 「これで世界が救われるのなら! 拙者は……もう、迷わないでござる!」 「風斗!!!」 「おい、待て! 俺は何もしてない! 合わせてない! 巻き込むな!!!」←楠神先輩流石汚い ――奇しくも少女達が望んだ麗しき男子の友情はえっちっちで結ばれた。 VHSがえっちびでおで、ウィンドウズがエロゲで広まったように――それは運命の選択だった。 唱和するのは男共のWish。SAN値駄々漏れ、やみ、もうなんもこわくねー。 ――EX! 猥褻運命黙示録!!! 「さあ、来い! えっちっち!」 「壱也を倒せ!」 「いっちっち、負けないで!!! 負けないでわたし!」 「そうよ! 私はまだラブペンタゴンや必死にもがく苦悩の表情を見たいの!!! いっちっちだってそうでしょう!? この気持ちが分かるでしょう! そう、私たちの想いも受け取ってもっと強力になってもいいの! そのためならフェイトを使っても構わない!!!」 「風斗も竜一も女の子好きだけどでも濡れたお前も可愛く見える…… そういえばシスター服着てた風斗、可愛かったなとか思い出して破れたスカートから見えた太腿色っぽくて、もっと近付きたい恐る恐る触れてみて愛が育ったり! 虎鐵しっぽモフしたら可愛い反応返ってきていつもなら気にしないのに妙に胸がドキドキしてもっと反応を見たくなり皆で触り始めて俺の父親に手を出すな!いや俺だって前から見てたんだでくんずほぐれつラブペンタゴン!!!」 「訳が分からないよ!」 切なる呼びかけに応えたえっちっちが同人即売会に降臨した。 迎え撃つのは――乙女達の夢を乗せた羽柴壱也じゃないいっちっち! 最早リベリスタがどうとか崩界がどうとかそーゆー次元なのかどうか、これはさあ! かくて、二大怪獣決戦は阿鼻叫喚に同人誌即売会場を叩き込む―― ――ような夢だったのさ(という事にしておこうネ)。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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