●十二月某日 「はぁ……」 部屋の中に零れる溜息は幾度目のものか知れなかった。 「……………はぁ」 眉根を寄せるクリエイターの深刻な表情はまさに『冴えない』。それは多くを期待され、期待に応えて何かを創り出す――『形の無い』商売特有の難しさを示しているようである。 室内の温度は自分好みに快適だ。丁度いい具合に入れたコーヒーは香ばしい匂いを鼻腔に届けている。睡眠は十分に取ったし、まさにこれから『追い込む』人間としては可能な限りの環境を整えていると言えた。 「うーん……」 しかし、準備は準備に過ぎない。この手の業務は往々にして理屈ではないのである。ペンタブを指の間で遊ばせたクリエイターは、煮詰まった作業に視線を宙に泳がせて幾度目か分からない煩悶の声を上げた。 クリエイターがちらりと視線を向けた卓上のカレンダーでは小麦色の肌が眩しい筋肉質のイケメンがやたら滅多に爽やかな笑顔で佇んでいる。 一年も最後の月に差し掛かればめくった月日は十一枚に及ぶ。十一人のイケメンを過去に置き去りにしてきたこのアイテムはクリエイターが知人から頂戴した実に心をくすぐるアイテムであった。 「……ああ……」 クリエイターは独白する。 「……男、描きてぇ……」 切実な独白だった。 「男描きてぇ。イケメン、いやイケメンじゃなくてもいい。おっさんでも、チンピラでも何でもいい。男描きてぇ。思う存分、男描きてぇ! 自由に! 青空にサムズアップするような! 男描きてぇ、半裸の男!」 口にする程強くなるその想いは煮詰まった仕事のガス抜きに過ぎなかった。されど、時に強い情念はこの世界の奇跡と余りに容易に結びつく。 「さて!」と気を取り直したクリエイターは当然そんな事を知らなかった。 ●折角なので画像は友情出演の『駆ける黒猫』将門 伸暁 (nBNE000006)さんで 『塔の魔女』アシュレイ・ヘーゼル・ブラックモア (nBNE001000) は言った。 「とある煮詰まったクリエイターの情念が此の世の神秘と結合して何だか筆舌尽くし難く面白……めんどくさいおかしなエリューションが出現したので何とかして下さい。尚、このエリューション・フォースは真冬でもそんなの関係ねぇとばかりにクッソ寒いビーチに出現したんですが、男性が水着を着用の上対処しないと全然ダメージが与えられません! ちなみにこのエリューションはスタイリッシュなポーズをキメつつNOBU様みたいな発言を並べ立てながら攻撃すると黒歴史を暴かれたような気分になってより大きなダメージを受けるようなので可能な限りおかし……もといカッコいい感じで己が肉体を晒してくるといいんじゃないですかね!」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:YAMIDEITEI | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 10人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2014年01月18日(土)22:44 |
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■メイン参加者 10人■ | |||||
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■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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