●ねえ、聴かせてよ。 シンデレラの夢を。 ●もう顔を見せないで。 変われないこの私に。 ●ブリーフィング 「シンデレラに逃げられた王子様、というアザーバイド」 「なんで王子様。どこからシンデレラ。如何様にアザーバイド」 「ボトムの私たちには良く分からないわ」 いつも言ってるでしょ、と『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は溜め息をつきながら答えるが、それは無責任というものである。『運命』の加護を受けているとはいえ、リベリスタ達は常に死と隣合わせで任務にあたっているのだから。 「それはそうだけれど、こんなファンタジー中のファンタジーみたいなアザーバイドが、危険なわけないでしょう」 「話に依るよ。Dホールに放り込めとか殲滅するとか」 「どちらかといえば前者でしょうね」 「ほう」 「お姫様をその気にさせて欲しい」 「そういうの、野暮っていうんじゃ……」 「ええ、お姫様の気持ちはそもそもどうなの、って話よ」 リベリスタの脱力したツッコミに、珍しくイヴもこくこくと首肯した。 「とりあえず、王子様とお姫様を逢せること。そうすれば勝手に消えるらしいから」 なるほど、了解した。そう答えたリベリスタは、ふと大事な事を聞き忘れていることを思い出した。 「そのお姫様と王子様は何処に居るんだ?」 はあ? とイヴは顔を顰めながら振り返った。 「お城に決まってるでしょ。シンデレラなんだから」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:いかるが | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年10月28日(月)23:20 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● この世界で何千何万回と読み聞かされてきたシンデレラ。 それが別物だとしても目の前に現れたのなら、 ハッピーエンドにしない訳にはいかないでしょ。 女の子として、ね。 「それにしてもこうして別物とは言え、 王子様とシンデレラに巡り合うなんて何だか不思議な気分だわ」 言い終わるより速く、『炎髪灼眼』片霧 焔(BNE004174)の長く紅い髪がふわりと揺れた。空気が振動した。 姫を守る護衛の騎士。全身を鉄鎧に包まれた豪傑の騎士。その澄んだ剣筋。 焔の眼前を瞬間の内に過ぎるその太刀筋。 臆さず視線を返す、凛然とした焔の立ち姿。いっそ対比的な王子の姿が、その横で震えた。 「こ、これはだめだ……、アレ、強いわぁ……」 肩まで届くか届かないかくらいの金髪が、汗のせいで彼の頬に張り付いた。 碧眼に映るのは、二体の騎士。 「……」 そして、その奥で俯くみすぼらしい姿の姫。異世界のシンデレラのその姿を、王子は認めた。 「逃げたい?」 焔の声に、王子はぶんぶんと頭を横に振った。 「よ、余がここで背が向けるわけには、いかぬ。それは余にも分かる……。そなたの助力、感謝する」 「良く言えました」 ふふ、と焔の笑みが零れる。身形よりはマシな覚悟を持っている。やることがシンプルになって、分かりやすくて良い。自然と拳に力が入った。 「任せなさい、王子様の露払い位はしてあげるから!」 ―――だから、王子様。貴方の声を聞かせてあげて? 焔の姿が躍り出た。舞踏を想起させるかのような軽やかな体捌きが、この空間と見事に調和していた。 一つ。その動きに少し遅れて騎士から振るわれる大剣を、膝を折り、腰を折り低い体勢で避ける。 二つ。連携するかのように別の騎士から横一線に振るわれた大剣を、一瞬の内に真上へ跳躍して過ごす。 三つ。今度は焔のターン。 「人の恋路を、乙女の夢を阻むものは私が許さないわよ。―――覚悟はいいわね?」 轟、と響いた。燃え盛るのは彼女の右腕。その名を体現する豪炎の拳。 瞳が煌めいた。右腕のみならず、体が燃え、瞳が燃えた。振りかぶらない。それは隙の多い素人の拳。 左足が止まった。軸になって、腰が回る。肩は水平のまま。前に突き出すだけの腕が、回転し、その軌跡には炎が舞って、モーメントが最大値を取る。 その殴打が鎧を打った瞬間、凄まじい音が響いた。そして次に瞬きした時には、一体の騎士が宙を舞っていた。 待っていれば王子様が迎えに来てくれる。 それが夢物語なのだとしても、 今目の前にあるこの光景を嘘にしたくはないの。 嘗て物語を聞いて、シンデレラ達の幸せを願った女の子の一人として、ね。 ● 「やっほー、素敵なお城だね」 そう言って手を振りながら歩いてくる『ココロモトメテ』御経塚 しのぎ(BNE004600)の姿に、シンデレラは少し驚いたような表情をした。 「私のお城ではないけれどね」 困ったようにそれだけ言って、あなたは?と続ける。 「しのぎさんだよ」 しのぎは目付きが良い方では無い。むしろ悪い方だ。しかし、そんな彼女の眼光に、シンデレラはネガティブな印象を殆ど抱かなかった。 しのぎ。唇をそう動かすシンデレラは、寂しく微笑んだ。 「それで、しのぎさん、どのようなご用事かしら」 「自分に自信がなくて、王子様とは釣り合わないって思っちゃうんだ?」 脈絡が無かった。文脈も不明だった。だけれどシンデレラも聡い女性であった。だから、しのぎのその言葉は彼女に紛れも無く全てを伝えた。 長く伸びる色素の薄いプラチナブロンドの髪がシンデレラの服の上を滑る。 「なんだか知らないけれど、お見通しのようね」 何かを諦めた声がしのぎに届いた。そう、この声は『諦めた者』にしか出せない声色。 「クッキー、つくろっか」 噛み合っていない。第三者が聞けば整合性の無い会話。それは連続性の問題。 その稠密性が文字に依存するのであればそれは真実だ。しかし、そうではない。 白い階段に腰かけたシンデレラは顔をしのぎの方へと向ける。 「私、料理は苦手よ」 そして微笑んだ。 「変われない事って、いけない事なのかな」 シンデレラはその言葉に口を噤んだ。 「そんなに堅苦しいことじゃないと思うよ」 「堅苦しい?」 香ばしい良い匂いが漂ってきた。ここは異世界の函。シンデレラを匿う狂気の棺。 例えば目の前に、理由はどうあれ死にそうな人が居るとして 「私自身が良しとするなら、どんなに汚い手を使ってでも助けるし」 「逆に私自身が良しとしなければ、どんなに助けを求められても殺すよ」 「でも、これは変えられない」 変えたら、私が『私』でなくなるから。 「貴女もそれで、イイんじゃないかな?」 だって、これだけ拒絶されても貴女の王子様は貴女の声を、思いを聞きたがっているんだよ? ● 「ずばり聞くワよ。アンタ王子様の事好きなの? 嫌いなの?」 「それは……」 「ああもうっ。まどろっこしいワネェ」 『二丁目の女王』マダム・フォンティーヌ(BNE004755)の思いのほか鋭い眼光がシンデレラを見透かした。少なくとも彼女は、見透かされたと思った。 「どんな悩みも劣等感も、卑屈さだってネェ。そんな物が一体どれほど大事なのよォ」 フォンティーヌの言う事は真実だろう。 しかし、それはフォンティーヌだから言える事であって、そして認められることであって、多くの人々は劣等感も卑屈さも捨てきれずに生きている。 異世界のシンデレラもそんな括りの中に居る。 彼女のフォンティーヌを見る眼の奥が心細そうに揺れた。 「私は結局『灰被り』。どこまでいっても『灰被り』。どんな世界でも『灰被り』。この世界でも『灰被り』」 シンデレラとして産み落とされたことに起因する宿命。 それは魔女の放った罰の呪文。 「良いの、コンプレックス塗れの『灰被り』のまんまでサ」 「だけれどそれは、変えようの無い事実」 「でも逃げたらずっと今のまンまヨ?」 「あんなに素敵な王子様に迷惑をかけるくらいなら、それでいいわ」 「つまりアンタ、王子様への気持ちより自分が可愛いだけなんでショ?」 苦い。シンデレラの口の中に苦味が拡散した。 さっき食べた出来損ないのクッキーのせいだ。 私が焦がしてしまったからだ。 でもあの人はそんなクッキーを「美味しい」と言った。 「好きな男の為に勇気を振り絞れない自分を一体誰がどうして誇れるのヨ」 かつて『天使の声』を謳ったフォンティーヌのその声。 「いつまで足踏みしてンのヨ。 ガラスの靴を待つだけのオンナ何て、今時流行らないわよォ」 そんなのはネ、こっちの世界の『シンデレラ』だけでもうお腹一杯。 ● 「ぬあああ!」 びゅんと音を立てて、王子のすぐ横を大剣が過ぎ去った。 彼の腰が、ぽすん、と地面に落ちた。直ぐに騎士の次の斬撃が振りかぶられる。 本来彼が居るべき位置。姫を守るナイト。本来なら彼が守るはずだったシンデレラ。 無言の鉄騎士は、しかし、その大剣を振りおろすことは出来なかった。激しい衝突音と熱風が当たりを満たして、騎士は弾かれた。 「ほらほら。目立つのは王子様。私はあくまでも援護射撃ですよー」 『ミックス』ユウ・バスタード(BNE003137)に駆り立てられるように、王子は立ち上がった。 自分を情けない、と思う。その自覚はある。勇気も無い、武力も無い、聡明さも無い。 今だって、助けられている。何時だって、助けられている。 祭り上げられた『自分』の自覚がある。だからここで退くわけにはいかなかった。 「ま、参る!」 洗練された動きとは言い難かった。ユウから見てもそれは分かった。よっぽど護衛アザーバイドの方が達者であろう。 (お姫様はどんな気持ちで見てるのかね) 最奥部で顔を伏せたままの姫を見遣る。耳を塞いでいるようにも見える。 無益な戦いだ。だけれど、そこには確かに意味はあった。二人の決着における意味があった。 「ぬあっ!」 ぎん、と王子が弾かれた。 整った顔立ちの王子だった。黙って座っていればそれなりに絵になる。だがその本質はヘタレだ。 ユウの感想はそんな所だった。でも、憎めない。 何よりその必死さが良い。自分が王子であることなど気にもかけないその態度が良い。 「自分でガラスの靴を片手にかけずり回る王子様がいたっていいじゃないですか」 「……当初より、その、心づもりである」 剣を杖代わりに、息を上げながらも王子は再度立ち上がった。 『灰被り』が嫌だと彼女が言うのなら。それが不釣合いだと言うのなら。 自分は泥を被っていい。『泥塗れ』の余はきっとそなたにお似合いであろう? 「あはは、合格だよ、王子様」 そのメンタリティ。私は嫌いじゃない。 「自分の脚で、自分の気持ちをぶっつける!」 黒子に徹するのも楽じゃないね。 ● 魔法をかけてあげる。彼女はそう言った。 ルクレツィア・クリベリ(BNE004744)はシンデレラも一瞬目を奪われてしまうほどの美貌を有していた。だから、彼女はその言葉にこくこくとただ首肯するしかなかった。 ルクレツィアは椅子に座らされたシンデレラを周回し眺める。 「……異界のシンデレラは12時を告げる鐘の音が無くても逃げ出してしまうのね」 くすくすとルクレツィアの口から笑いが零れた。その言葉にシンデレラは心臓を掴まれたように驚いた。 「もし気を悪くされたなら、ごめんなさいね。悪気は無いのだけれど」 「……事実ですから」 「あら、殊勝ね」 思った通りだわ。ルクレツィアはそう言いながら、シンデレラの髪を触り始めた。 「思慮深さと優しさ、王子様への愛を感じるわ」 「え?」 「王子様を拒絶して逃げ出す辺りはちょっと強情だけれど、芯の強さと大胆さを感じるわね」 白銀の美しい糸が、純白の美しい指の上を滑った。 「こういう事は得意なの」 悪い魔女にかけられた呪いはここで終わり。 『本物の魔法』を見せてあげる。 「鏡をごらんなさい? 貴女は美しいわ」 彼女の服装が大きく変わったわけではない。彼女の作り出すこの空間。何時まで経っても貧相な衣服。 自らを縛り付ける鎖。 しかし、彼女は見違える程美しくなった。それは『魔法』。ここに至るまでの四名のリベリスタが仕掛け、ルクレツィアが顕現させたボトム原始の魔法。 その術式はここに完成した。残るはあと少し。 「ねえ、プリンセス。笑って頂戴?」 ルクレツィアがそう言うと、シンデレラはぎこちなく微笑んだ。彼女は久しぶりに笑った。 「笑い方を忘れるところでした」 「微笑みは女の武器よ」 その返答を聞いたシンデレラの笑みはより自然になっていた。 「私、あまり励ますのって得意じゃないの」 細く長い足が、流麗に一歩下がった。 「でもね、女だって戦わなければならない時があるの。欲しいものがあるのなら、諦める前に戦いなさい?」 剣を交わらせるだけが『戦い』じゃない。 お姫様と王子様は末永く幸せになりました。 恋する2人の物語はこう終わらければいけないと決まっているのよ? ● 鮮やかに『ビタースイート ビースト』五十嵐 真独楽(BNE000967)がその間合いを詰めた。 真独楽のクローが刻印する。それは紛れもない破滅への刻印。 「今だよ!」 「う、うむ!」 王子は声を上げた。形容し難い波動は彼の裂帛を正しく響かせた。 彼の剣が垂直に騎士の胸を突いた。きん、と金属音が伝わって、作用反作用の法則が両者に等しく圧力を加えた。 束の間の均衡。 そしてその平衡が崩れた時、王子の剣が騎士を貫いた。 声も無く崩れ落ちた騎士は、音も無く消え去った。 「あっと一体~」 真独楽の視線が残る一体の騎士を収め、王子の視線が姫の姿を認めた。 (……少し羨ましいなぁ) 両思いも良いところだ。これで上手くいっていないなんて、何かの冗談に違いない。 真独楽の胸の奥が疼いた。否が応にも自分の境遇を重ねてしまう。幕が上がることすらないそのドラマを想ってしまう。 王子は前に出ることを望んだ。一体一の戦いでは決して勝つことの無いであろう相手に挑むその姿は、果敢というべきか、無謀と言うべきか。 どちらでもいい。そう選択したのなら、真独楽はそれを信じるだけだった。 「完璧な人なんていない。だから完璧な恋もない」 王子は見っとも無い声を上げて弾き飛ばされた。 だが、きっとそれを無様と罵る者は居ないだろう。 お姫様、聞こえる? 見える? 確かに今は不安だらけかもしれない。 でも、二人で同じ方を向いて初めて見えてくるモノもあるよ。 「二人肩を合わせて歩かないと見えないモノが」 少し大きなその背中がフラッシュバックして。 ● きっと後悔する。 『愛を求める少女』アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)の言葉は重かった。 そんな当たり前のこと言わないで、とは言えなかった。アンジェリカの声はそれだけ哀しかった。 「君の王子様はそんな事を気にするような人なの? もしそうならそんな人は止めといた方がいいって勧めちゃうけど、そうじゃないんでしょ? だから好きになったんでしょ?」 この人達は常に正しい事を言っていた。彼等自身が自身に言い聞かせるようなその 言葉は何時だって真実味を帯びて、迫ってきた。懺悔するかのように、この異世界人たちは、願うかのように。 「ボクもね、好きな人がいるんだ。人形でしかなかったボクを助けてくれた人。でもその人への愛を伝えられない内に、その人は居なくなっちゃった。その人に好きだと言えなかった事」 ボクはすごく後悔してるんだ。アンジェリカの言葉にシンデレラは胸を締め付けられた。 それは史上最悪の魔法。ボトム最後の魔法。 「今ボクはその人を探してる。今度こそ、その人に愛を伝える為に」 もう二度と後悔しない為に。 「でも君は今王子様に愛を伝えられる。伝えられるんだ。だから迷わないで。君の思いを王子様に伝えて」 ボクのように後になって後悔しない為に。 あと一欠け。最後の魔法を打ち砕く、原始の魔法がその始まりを待っている。 その始動を引き換えに失われるシンデレラの代償。その一欠け。 「王子様を信じてあげて」 お姫様は頷いた。 それは原始の魔法の開始合図。 ● 「王子様なのにこんな危険な、騎士との戦いに護衛も無しに来たのは、どうしてです?」 繰り返される悪夢。争いの追体験。再現されるエムプーサ。 その止めを刺す最後の戦いだった。王子の右腕はもう剣を振るう力も残っていない。 「……泥を被るため」 倒れる訳に行かなかった。彼女が視ている。 ただ王の息子として生を受けただけで王子の地位を得た、中身の無い自分を視ている。 「彼女、貴方や貴方の立場に釣り合う自分に変われないと嘆いている様に見えるんですが。そもそも貴方、それを望んでるんですか? 彼女に『変わってほしい』と?」 『夜翔け鳩』犬束・うさぎ(BNE000189)の指摘は痛いところを突いた。 だが、もう既に解は得られている。 「……彼女が変わる必要などは無い」 そのままで美しい。 そのままだから美しい。 「そもそも貴方、どういう彼女に惚れたんですか? 『先々自分や姫と言う立場に相応しくなる彼女』にですか?」 「私は『灰被り』だから」と切なく笑った彼女だから美しいと思った。 だから、欲しいと思った。 自分の為に逃げてしまうような優しい彼女だから、焦がれた。 二体の騎士が同時に大剣を振るうその轟音が王子の眼前を掠めた。もう悲鳴を上げる余力も無い。 王子はそう思った。だがそれは嘘であろう。それよりも彼の心を支配する何かがあった。 だから体は動く。動けないわけがない。 突き動かす動力炉がその回転を始めていた。 それはボトム究極の魔法。 三名のリベリスタが王子に仕掛けた術式。 そして今顕現したその術式。 「思ってるだけじゃ伝わらないんですよ。口に出しなさい! 相手に届かせろ!」 姫が視ていた。紡いでいた口を開けて、塞いでいた耳を傾けて。 うさぎの両腕が振るわれた。それは神速の剣技。 彼女の持つ不可思議な形態の武具と相乗する不可避の剣戟。朱に沈むことを義務付ける斬撃。 甲高い摩擦音が響いて炎が散った。二体の騎士は対称形を維持して双方後退する。 舞台が整った。 八名のリベリスタ達がせっせと黒子を務めたこの舞台。 白紙の台本だけが与えられたこの舞台。 最初から登場人物はたった二名。 「根性決めろや男の子! 『女の子』が待ってんだぞ!!」 凡そ童話とは言い得ないこの寸劇。 「―――死んででも、欲しいと思ったっ!」 嘘じゃなかった。 ●一般的には『愛』と呼ばれるモノのはなし 想うことが根源であるなら、別離はきっと終末であった。 それは紛うことなき現代に残された唯一の『魔法』。 『お姫様』がその不可思議な格好で『王子様』に見えたとき、だけれど両者は満足そうに頷いて微笑んだ。 深夜零時の鐘が突如お城から響いて、リベリスタ達の目の前から忽然と姿を消したファンタジー。 「お幸せに」 そう呟いた夜霧の森。 これは、一般的には『愛』と呼ばれるモノのおはなし。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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