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【寓話】Dancin' with ”Finale”

●血の夢を見よ
「ッ、様ァ……!」
「足りぬ。貴様一人では『奴ら』ひとり分にも及ばぬ……下らぬ顛末だったよ」
 満身創痍で立ち尽くすリベリスタを前に、略奪者を冠されたアザーバイドはつまらなげに言葉を紡ぐ。その全身から溢れる気力は、以前アークのそれが対峙した時とは比べるべくもないほどに高まっていた。或いは、目の前の彼から奪ったものか。
 リベリスタの四方を囲む牙の私兵――スパルトイは、彼女のフィンガースナップひとつを以て、そのリベリスタを物言わぬ肉塊に仕立て上げる。悪夢の夜は未だ、日常に介在して明けることはなく。
「――より多くの死を。それが私の糧になる」
 肉塊に口付けるその姿は、彼女が意図する外において、ぞっとするほど美しく、狂気に満ちていた。

●夢の末路・血戦
「アザーバイド『略奪者アテナ』。既存のアザーバイドとしては高い能力と特殊な能力を持つ存在として、過去の報告書にも存在が確認されています。その時は、あと一歩まで追い詰め、彼女の能力はかなり落ちたと思われていましたが――」
 ばさり、と新たな資料を広げ、『運命オペレーター』天原和泉(nBNE000024)はリベリスタ達を見据えた。その表情は、常よりもずっと硬い。
「それは甘い考えだったようです。カレイド・システムによる過去視において、既に単独行動を主とするフリーのリベリスタが数名、一般人がその数倍ほど、彼女とその私兵、『スパルトイ』により殺害されています。恐らく、以前とは違う特性を発現している可能性が高いです。それでも」
「倒さなければならない、そうだろ?」
 力強く宣言する相手へ向け、鋭い視線を突きつけ、和泉は語る。
「そのとおりです。だからこそ、十全の対策を要求します。彼女自身、自らの秘匿を度外視して行動していることから、こちらが赴く事を可能性の一つとして捉えています。以前ほどの油断はない以上、激戦が予測されます」
 お気をつけて。そう告げる彼女の瞳の揺れを見て、誰が否を唱えようか。
 世界の敵となったアザーバイドは、リベリスタ達による死の鎌を待ち焦がれている。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:風見鶏  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 4人 ■シナリオ終了日時
 2011年07月31日(日)22:58
 リベンジシナリオはっじまっるよー☆
 ……失礼しました。ガチ期間はこの辺で終わりにしましょう。一旦終わりなのでえらいことになってますが。

●アザーバイド『略奪者アテナ』
 基本的な性能は拙作「【寓話】Kissing to Missing」とほぼ変わりません。スキル詳細はそちらを参照にどうぞ。
前回の戦闘から完全回復している上に油断もない為、隙は少なくなっていますが。
スキルは
・蠱惑の毒香
・略奪の接吻
・サモン・スパルトイ(初期ストック:15)
・EX カドモスの牙(自付)-ネームド外の残スパルトイ3体以上の場合、発動の可能性あり
             └EX 竜殺しの舞い(遠範 追:[連]・前提『カドモスの牙』付与)
 EX以外は前回と同様の性能ですが、「略奪の接吻」のみ威力がやや低下しています。

●スパルトイ「エキオン」「クトニオス」
 私兵・スパルトイのネームド版です。
 初期配置はこの2体で、以後増えた場合は「サモン・スパルトイ」の効果に準拠します。
 彼らの攻撃は通常攻撃のみですが、通常召喚よりタフネスと命中率がやや上がっています。

●戦場
 深夜帯、拓けた場所が戦場になります。要は灯りさえあればこまけえこたぁいいんだよ、なフィールド。
 今回、アテナは逃走しません。

 つまり、そういうシナリオです。
 前回を踏まえて対策を練らないと、厳しい戦いになるでしょう。
 でも、私は皆さんを信じています。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
スターサジタリー
エナーシア・ガトリング(BNE000422)
プロアデプト
天城・櫻霞(BNE000469)
インヤンマスター
ユーヌ・結城・プロメース(BNE001086)
クロスイージス
ツァイン・ウォーレス(BNE001520)
プロアデプト
ウルザ・イース(BNE002218)
ホーリーメイガス
月杜・とら(BNE002285)
プロアデプト
七星 卯月(BNE002313)
ナイトクリーク
ダグラス・スタンフォード(BNE002520)
■サポート参加者 4人■
デュランダル
新城・拓真(BNE000644)
ソードミラージュ
仁科 孝平(BNE000933)
インヤンマスター
焦燥院 ”Buddha” フツ(BNE001054)
プロアデプト
ヴァルテッラ・ドニ・ヴォルテール(BNE001139)

●覚悟と対価を求める闘い
「その案件は不可能ですね。少なくとも、私の権限では」
 かつて回収されたアーティファクト、『悪毒の林檎』の借用を願い出た『アンサング・ヒーロー』七星 卯月(BNE002313)に対し、天原和泉はきっぱりと切って捨てた。
「だが、略奪者アテナは偽の破界器を看破した、あれは『林檎』を知っている証拠に」
「残念ながら、証拠としては不十分と言わざるを得ません。アザーバイドは上位存在であり、世界とは位相が異なるものです。アーティファクトの様な、同じく世界と位相を異にする存在には敏感ですので……偽物を持ち出せば、本物を知らなくてもそう応えるでしょう」
「だが、しかし……!」
「それに、貴方は存じ上げている筈です。『悪毒の林檎』の正体は兎も角、それがどんな特性であったか」
 食い下がる卯月に、和泉はダメ押しの言葉を放つ。特性。そう、特性と呼ぶには余りに歪なそれ。死を蒐集する特性が、果たして幻想纏いでシャットアウトできるのか。彼らを待ち受けるのは、偽りであれ死の蔓延する戦場。
「ですが――全く知らないまま、報告書の様なことを述べると考えるのは難しいです。交渉の基本を抑えた上で、情報の収集を行うことは推奨します」
 そう告げて踵を返す和泉を前に、卯月は再び思考を巡らせた。交渉の基礎。常識が通用しない相手は、上下を確立させなければ交渉のテーブルにすらつかせて貰えないというその事実。それが最大の焦点であり、弁えぬ限り何一つ知れぬまま敗北するということだ。

「いやだね、リベリスタって」
 卯月と同じ経験を経ている『鷹の眼光』ウルザ・イース(BNE002218)にとって、待ち受けるアザーバイドに感じるところがあったのは当然である。経験上の因縁などという小難しいものではない。ただ、美しい相手と繰り返し遭遇する奇跡と、それらを討たねばならない運命とを共存させるリベリスタとしての自分との葛藤を強く感じていたのだ。
「敵だっていうなら、仕方ねえよなあ。気持ちは分かるぜ」
 強結界を張りつつ前進する『てるてる坊主』焦燥院 フツ(ID:BNE001054)は短くも同意を告げ、周囲に視線を巡らせた。
「……問題ないな、世界の害毒には須らく退場して貰うさ」
 敵の能力を事前に知っているからこそ、強敵であるという認識はある。勝てるか、という自問自答や逡巡を一瞬の内に呑み下し、『深闇に舞う白翼』天城・櫻霞(ID:BNE000469) は決意を固めた。
「敗残兵の女王か。潔く命を経っていれば楽だったものを」
『普通の少女』ユーヌ・プロメース(ID:BNE001086)にとって、『略奪者アテナ』が元の世界でどうあったか、は至極どうでもいい話題の一つであることは間違いない。何故なら、それと自分達が彼女を討つことに何ら関係が無いからだ。 ただシンパシーを感じるとするなら、異世界を跋扈するその生き汚さだろうか――構うものか。普通を死守するなら相手がなんであれ関係無い。
「ビキニだよ、喜んでいいよ?」
 意思を固く定めようとしている面々にアピールするように水着姿ではしゃぐのは『箱庭のクローバー』月杜・とら(ID:BNE002285)。元々フライエンジェであるが故に、外見的には見目麗しいものではあるのだが……それもこれも、これからの戦いにおける策の一つ。決して冗談半分ではない。
 そんな様子に一瞬リズムを崩されたツァイン・ウォーレス(ID:BNE001520)ではあったものの、その程度で緩み切る彼の意思ではないことも確か。扱い慣れないショートボウを軽く取り回し、感触を確かめていた。

「それでは皆々様、奪い返しに行くと致しましょう」
 居並ぶリベリスタに軽く視線を向け、『BlessOfFireArms』エナーシア・ガトリング(ID:BNE000422)は朗々と宣言する。仲間が以前奪われたもの――誇りの一端と覚悟を奪い返しに行くために、彼女たちは戦いに挑む。

●血戦
「血湧く闘いを君に約束しよう。一曲お付き合い願えるかな、お嬢さん」
「その程度の魅了、受けるに値しない……ッ!」
「わたし達と一曲踊ってパーティは終わりにしよう」
「……フン、前ほどあっさりとは騙されぬか。面白い、来やれ」
 『鉄血』ヴァルテッラ・ドニ・ヴォルテール(ID:BNE001139)、『誰が為の力』新城・拓真(ID:BNE000644)、『夜色紳士』ダグラス・スタンフォード(ID:BNE002520)の三名の意思の発露を前に、アテナは僅かに驚き、眉を上げた。以前なら真っ先に一人を捉え、糧とできたものだったが……ある種の奇跡が作用したとは言え、男性全員が偏に魅了を抜けてきたというのは驚くに値した。
「フッフーン♪こわくとか、わろすっ」
 後衛に控え、行動のタイミングを図っていたとらの口からは、自然と挑発の言葉が漏れ出るが、アテナは既に驚きから立ち直り、それどころか喜んですら居るように見えた。
「数を揃えたとて、木偶を揃えただけでは意味が無い……失望させてくれるなよ?」
「悪ぃな、アンタ好みじゃねぇんだよ……!」
 アテナが新たな尖兵を創りだそうとする刹那、ツァインの矢は狙い違わず彼女の侍らすエキオンへと一直線に伸び上がる。硬い感触を以てエキオンをよろめかせたのも束の間、幾分か装備が簡素なスパルトイが地に降り立ち、刃を構えてリベリスタ達へと突き進む。
「この世界の敵として排除するのみ」、と短く告げた『宵闇に紛れる狩人』仁科 孝平(ID:BNE000933)が現れたばかりのスパルトイを請け負い、拓真はエキオンと、ダグラスはクトニオスとそれぞれ対峙する。 孝平と拓真はそれぞれ、尖兵たちの攻撃を鮮やかにかわし、ダグラスは襲いかかる一撃をなんとかかすり傷程度で済ませることに成功する。だが、その傷から類推すれば、クリーンヒットの破壊力は想像するに難くない。
(ダグラス君と拓真君は、そのままネームドの相手を続けてくれたまえ。フツ君はダグラス君の加勢、ヴァルテッラ卿は孝平君のカバーを。集中してかかれば相手自体は難しくないはずだ。先ずは尖兵から打ち崩そう)
 それらの行動をサポートしているのは、卯月の冷静な戦闘指揮と、その翼の加護による回避力の底上げに他ならない。
「では、殲滅戦を始めましょう」
 そう宣言したエナーシアの腕を覆う大型火気が弾丸を吐き散らす。スパルトイたちは言うに及ばず、アテナすらもその火力に晒され、苦鳴を上げる。弾幕の影から伸びる神秘の氷弾の群れは、鋭くその破壊を上書きし、傷を押し広げて抜けていく。
「ポーンは薙ぎ払われるのが仕事だろう? 黙って、吹き飛ばされておけ」
 冷静に、そして冷徹にユーヌは宣言して憚らない。証拠のように、クトニオスはその動きを制限されるように、足元から冷気が伸び上がり絡め取られている。
「じゃあ、ダメ押しと行こうかな!」
「八幡神のご加護を! 一匹残らずぶち抜きます!」
 次いで、ウルザの右手から放たれた閃光が敵陣に更なる混乱を及ぼし、行動を制限する。とらの魔力の矢は、敬愛する人物の拝する神の加護を受けて尚強力に作用、エキオンに鋭く突き刺さる。

 圧倒的な制圧力と、数の暴力。前回に増した戦力を要求し、事実それに応じたアークの総合力は高かった。だが――少なくとも、リベリスタ達は理解している。これはまだ序盤に過ぎず、奇跡は何度も起こらない。ここから呼び起こすのは、各々の力による事実の積み重ねであることを。

●血戦・急
 エナーシアが幻想纏いにアームキャノンを放るが早いか、毒香が戦場を蹂躙する。その一手に意思を犯されたのは、誰あろう、とらであった。ふらりと動き出す彼女に対し、後衛に位置する全員が必死にその前進を止めに行く。彼女は何しろ、戦闘の要石である。その彼女に何かあれば、戦線瓦解は眼に見えている。
「アレ相手に口吸いなんて最悪じゃない……」
「気をしっかり持て! あんな奴の好きにさせんな!」
 ツァインが、とらを受け止めるのと同時に浄化の光を撃ち放つ。なんとか正気を取り戻したとらであったが、ブロックに入るほどの暇、そして彼らの意図を理解せずに棒立ちで居るアテナではなかった。
「少しは学んできたということか。だが、来なければこちらが出るまで……違うか?」
 アテナが前進する。略奪は、魅了で近づく受動ではなく、奪い取るという能動行動。回避行動が一瞬遅れたヴァルテッラは、アテナの略奪を受けてしまう形となった。……そこに艶かしさは欠片もない。生存欲求を満たす略奪行動で在ることがありありと理解できる。
 その慮外の膂力に放り出され、立ち上がる際ですらよろめいたヴァルテッラにスパルトイが襲い掛かろうとするが、その直前に動きを止め、一瞬の内に塵と化す。すんでの差で、ユーヌの氷雨の副次効果が食らいついた形だろう。
「奪われたのはコンセントレーションだから問題ないのだよ、しかし、この威力は軽々しく受けていい代物では……!」
「今治す、待っててくれ!」
 ヴァルテッラに癒しの符を張り付けるフツだったが、直感的に感じるのはそのダメージ量の多さ。絶望的とは言わないが、一度で回復しきれるほどやわな代物ではないというのは分かる。ヴァルテッラですらこれだ。他のメンバーなら尚の事。

「しかし……こいつら、なかなかに硬い……!」
「あと少しにも感じますが、攻撃が通りにくいですね」
 拓真と孝平が、相次いで苦鳴を漏らす。攻撃の手を緩めているつもりはないし、後方からの攻め手もある。しかし、それでもこの頑強さは生半可なものではない。名を拝した尖兵に与えられたリソースは、思いの外大きかったとも言えるだろう。

「逃しはしない」
「そこで止まってくれると嬉しいかな……!」
 だが、敵がスパルトイだけではなく、アテナだけでもないことはリベリスタたちも承知の上。スパルトイを相手にしている面々を横目に、櫻霞はアテナへとピンポイントを放つ。踏み込まんとしたアテナへは、追撃としてウルザの気糸が錯綜して絡めとる。行動の殆どを止められたアテナを前にして、仮に毒香が作用したとしても略奪の不安は高くはない。
 増援を産めない状況下であるならば――リベリスタ達の制圧力が上。エキオン、及びクトニオスは二十秒ほどを更に要した上で、リベリスタ達に葬り去られた。尤も、そこに至るまででのリスクも、安いものではなかったが……。

「ハ、やるようになったな下層の! ここまでいいようにされるとは予想外だったよ……ああ、楽しいな! もっと楽しませてくれるのだろう!?」
「言ってくれるぜ……こっちもジリ貧だってのによ!」
 ユーヌに吊り上げられた状態のまま、ツァインは憎々しげに返す。毒香をまともに浴び、足を向けそうになったのを強引に止められる形ではあったが、これはこれで悪くない策であったと言えるだろう。そこに何の感情が介在してるかは、置いておくとして。

「アテナには負けない、少なくとも……露出度では勝ってるッ!」
 とらは、浄化の光と癒しの光を併せて維持し、勢いに乗る。言ってることは間違っちゃいないどころか、その露出度に勝てる人間は本戦場には居ない……のだが、そこは伏せておこう。

「自分の力を補うために、人の血を飲むわたしはあなたと何が違うんだろうね……」
 自嘲気味に、ダグラスが呟く。その違いが何か、を明確に言葉にできる人間は居ないだろう。しかし、それでも世界の理合と天秤にかけ、誤っているのはアテナであり、度を超えたのもまたあちらである。その一点を考えれば、正しいか否かは自ずと理解できようものだ。

 戦場は激化する。戦場が広いと言え、絶対安全な位置を確保することは事実上不可能だ。後衛に陣取った卯月とてその例外にはなく、苛烈な戦列において多くの傷を負ったことは事実である。だが、それでも倒れない。多くの攻め手をコントロールし、戦況を把握し続ける。その活躍あってこその優位であることは疑いようがない。

「大分弱ってくれたようで何よりだわ。そろそろ、終わりにしましょう」
「まだ……甘い……!」
 アームキャノンを構えたエナーシアを前にして、アテナは尚も略奪を試みる。が、その一歩手前で縛り付けたのはユーヌの呪印による行動抑止。略奪の抑止により、その瞬間がら空きになった胴へ、次々と攻撃が叩きこまれていく。
「癖の悪いお姫様だったな、場末のアバズレと間違えかけたぞ?」
 挑発を乗せたユーヌの声が響くか否か――略奪者は、リベリスタの総攻撃をしてその勝機を根こそぎ奪われたのだった。

●交渉の心得
 交渉とは、対等か上に立つもののみが行使できる試行である。互いの利害を天秤に掛けるためには、自らの利を多く保つ工夫を先手に打たねばならない。不確定な勝敗を持ちだして交渉の卓に挑んだものを愚とは責めまい。その犠牲あってこそ、その勝利はあったのだ。故に、卯月は交渉の卓に就いた。それだけのこと。

「まだ死んでくれるなよ、『略奪者アテナ』。私は君に聞きたいことが残っている」
「無……駄なことを言う。貴様らのことなど知るはずがあるものか……!」
「『悪毒の林檎』――林檎細工のアーティファクトについてもかい? それは無いだろう」
「……聞いたところで使いこなせぬだろう。命に敏感な貴様らでは、なおさら」
「使う使わないの問題ではないのだよ。どういったものか、だけを聞いているのだ」
「……死と命の器だ。あれを持つ者の器の限界が来て、実が紅く染まれば、願いに応じて死も生も撒き散らそうよ」
 語り終えたと言わんばかりに、その言葉を以てアテナは長く息を吐く。命を搾り出した吐息は夜気に紛れ、二度と戻ることはない。

「この世界は、ドレスのお姫様が生きるには、世知辛すぎらぁね」
 とらが小さく呟く。夢物語で生きる者達には、現実の苛烈さは似合わない。現実を知る人間に、夢物語は毒にすぎる。これからも起こるであろう事件を喩えるには、これ以上無い事実であるのだ。

「女が恐ぇーってのがよく分かった……」
 と、ツァインが誰にも聞こえないように口中で呟いた訳だが、幸いにして女性陣は集音装置を持っていなかったため、事無きを得たとか、なんとか。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 いや、アテナさん強敵でした……よ?
 ただ、何というか前進してきても麻痺ったりが多くて手数自体が減らされたのと、スパルトイがごりごり潰されていくもんだからEXも全然条件が整わない。こりやヤベエえかな、と……。
 あと、個人的には後衛が怒り付与したら陣形の崩壊が起こりうるので、その辺りを視野に入れた腹案も欲しかったかな、とは感じました。
 
 相応の結果ではあると思います。
 参加、ありがとうございました。