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おっぱいがいっぱい団の決戦

●おっぱいがいっぱい団の本気~おっぱい神像降誕~
 ぼいーん、ぽよん、ぺたーん。初っ端から効果音で御眼汚し真に失礼。
 ともあれ台上に降り立つは人類の至宝。即ちおっぱいである。
「遂に……遂に、完成した……!」
 そこはとあるクラブの地下2階。誰が呼んだかおっぱいがいっぱい神殿。
 テナントごと買い取ったと言う剛毅な事実も、組織の求心力があればこそ。
 カルトではないが、宗教や信仰と言うのは一定規模を超え出すと、寄付だ援助だとやたらと儲かる。
 勿論それによって害を被る人々も居る訳ではあるが、そんな神様と金、理想と現実のエトセトラは、
 とりあえずの所どうでも良い。問題はそこに佇むぼいーん、ぽよん、ぺたーんである。
「代表、遂に、我々の悲願が……!」
「いや、待ちたまえ。確かにここに全ての可能性は収束した。
 後はただ規模を拡大していくばかり。だが、しかし、だ――」
 そうしてゆっくりと、哀惜を乗せ瞳を伏せる大仰な中年。
 その衣装は変転に変転を重ね既に教祖と言うに相応しい豪奢な神官服にまで到っている。
 誰あろう。彼こそは秘密結社おっぱいがいっぱい団代表である。
「四天王は……残念でした」

 側近が声を落とす。彼の直属の部下でも有った武闘派四人はその全てが、
 アークなる反おっぱい組織に捕縛されてしまっていた。将来の団を背負って立つべき三人。
 そして何より、おっぱいがいっぱい団設立当初より最強の名を欲しいままにして来た、
 究極のおっぱいマエストロ。グラン・バロンの突然の脱落は、組織に大きな動揺を齎した。
「いや、彼らを甘く見ていた私が愚かだったのだ。顔を上げてくれサー・ブラック。
 私は一度彼の組織のおっぱいと相見えていた。それを過小評価したつもりは無かったが……
 これ以上は言うまい。敵もまた、相応のおっぱいを育んで居た……と言う事なのだろうな」
「しかしまさか、あのバロンまでもが敗れるとは……」
 ブラックと呼ばれた男が漢泣きに目元を覆う。その様を一瞥し、代表は虚空を仰ぐ。
「貴君の往年の親友であったな。個人として、友人として、哀悼を禁じ得ない。
 彼は素晴らしいおっぱい聖人であった。しかし、我らはその屍をも超え進まねばならん」
 見上げたのは全長3mもある像である。その体躯は三身一体を為しており、
 見方によっては阿修羅像の様にも見える。だが、そうではない。三方を見下ろすは女神。
 即ち、ぼいーん、ぽよん、ぺたーんである。これこそおっぱいがいっぱい神像。
 彼らの悲願にして最終兵器、通称、おっぱいゴッデスである。

 3体の女神はそれぞれ、指輪、首飾り、宝冠。と言う異なる装飾品を着けている。
 それらは破界器。この世に在ってこの世ならざる神秘。魔性の輝きは男女を問わず狂わせる。
 その間近に佇んで尚、正気を保っていられるのはおっぱいがいっぱい団広しと言えど、
 代表と、そしてその最たる側近。サー・ブラック位の物である。
「分かるな。我らは神像に生贄を捧げねばならん。それには異教徒の血こそが相応しい。
 彼らに邪魔される訳にはいかんのだ。おっぱいがいっぱい計画――我らが悲願達成の為にも」
「YES、マイロード。我らが悲願達成の為にも」
「決着を付けねば……なるまいな」
 万感の想いを込め、厳かに告げる。かつてはリベリスタであった事もあった男の瞳に、
 逡巡の色が過ぎっては、消える。大勢の団員達の願いが、彼を此処まで歩ませた。
 全てはおっぱいによって調和した世界の為に。既に後戻りは、出来ない。
「じーくおっぱい。勝利万歳。全てはおっぱいによる平和の為に」
「じーくおっぱい。真実こそがおっぱいなり」
 自らの胸に手を当て、頷き合う。一般団員は既に一時避難させている。
 彼と彼に連なる系譜。おっぱいがいっぱい団の主力は既に配置に着いた。
 ――決戦は、もう、直ぐ。

●イヴさんの本気~変態は撲滅されるべき~
「……以前捕まえた四天王の証言から、おっぱいがいっぱい団の本拠地が特定されたの」
 既にその名前を呼ぶのも慣れた物。ブリーフィングルームの空気は相変わらず冷たいけれど、
 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)さんの眼差しほどではない。
 それは端的に言って毛虫を見る鳥類の眼差しである。無機質で、何も映ってはいない。
 元より感情表現が表にでるタイプではないが、淡々とするのも過ぎれば恐怖を喚起する。
「潰して来て」
 北極風が通り抜け、損なって沈殿する。少女であるイヴにとっての正義は唯一つ。
 もうその組織名を呼びたくない。の一言に尽きる。よって要求たるや単純明快である。
「誰を倒すとか倒さないとか、後アーティファクトも関わってるみたいだけど、
 その回収とか。やって欲しい事は色々あるけど。とりあえずそれが今回の任務」
 おっぱいがいっぱい団を潰す事。大雑把過ぎて分かり易い様な、分かり難い様な。
「組織が再起できなければそれで良い。戦力が半減もすれば十分。
 代表と側近を倒したり神像や神殿その物を破壊したりでも良い。
 求心力が無くなれば、あんな組織どうせ自然分解するだろうから」

 つまりは、大勢に割に合わないと思わせれば勝ちである。
 その為には何らかの示威行為に出たり、あちらの構成員を改心させると言う手段もあるだろう。
 結局の所、求められるのは派手さである。武力であるか、説得力であるかは問わない。
「構成員は99%なんらかの変態だから遠慮はいらない」
 変態は撲滅されるべき。イヴの無色透明な眼差しがそう告げている。
 それ以外の異論を許さない。異様な空気がブリーフィングルームを支配していた。
 と言うか遠回しな羞恥プレイかの如き組織名にイヴさんお冠である。
「でも、向こうも準備万端構えてる。多分今までにない激戦になると思う。
 あれもこれもって全部やろうとするには手が足りないから気をつけて」
 締めだけはいつもの様に綺麗に纏め、はいおしまい。とばかりに背を向ける。
 既に馬鹿とも言わなくなった辺り、少女も少しずつ大人になるものである。

 尚、おっぱい発言は個人のデリカシーに悪影響を及ぼす可能性があります。
 用法用量を良く考え、正しくお使い下さい。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:弓月 蒼  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 2人 ■シナリオ終了日時
 2011年07月15日(金)22:38
 19度目まして。シリアス&ダーク系STを目指してます弓月 蒼です。
 おっぱいがいっぱいシリーズ、決戦編をお送りします。以下詳細となります。

●依頼成功条件
 組織損壊率50%以上の確保

●組織損壊率
 秘密結社おっぱいがいっぱい団そのものに与える影響力です。
 これが50%以上に到達すると、組織運営は立ち行かなくなります。
 以下の項目の()は全て、これを打破した場合の組織損壊率となります。

●おっぱいがいっぱい団代表(組織損壊率:50%)
 男。独身。変態教主。元リベリスタのフィクサード。デュランダル。
 年齢は33歳。生来の逃げ癖が抜けない中年。神官服を着込み二本の長剣を携えています。
 戦闘スタイルは連撃系デュランダルとでも言うべき変り種。経験豊富な強敵です。
 弱点はおっぱい。執着し過ぎ、語り過ぎる。だが偽乳、て め ー は 駄 目 だ。

 おっぱいがいっぱい団の経営を経て以下のスキルを追加習得しております。
・闇の世界:能力使用者の半径10メートルの空間を暗闇で覆います。
 暗闇の中では一定の不便が生じます。
・ジャミング:半径20メートル以内の【テレパス】系スキルを妨害し、
 【リーディング】系スキルをブロックします。
・おっぱい聖人:Pスキル。おっぱい道を極めた者の称号です。デュエリスト相当。
・EX乳気聖光:EXスキル。神全遠。神攻+(物攻/2)【追加効果】[必殺][不殺]
 おっぱいに対する信仰が聖なる光となって降り注ぎ対象全てを焼き払います。

●サー・ブラック(組織損壊率:30%)
 男。独身。変態貴族。代表の側近であり懐刀。クロスイージス。
 年齢は40歳。グラン・バロンの親友であり非常に優秀なフィクサード。
 共に最高のおっぱいマエストロを目指し切磋琢磨した仲であり、アークへの雪辱に燃える。
 弱点はおっぱい。アピールされるとそのターンはついそちらに向かってしまう。
 保有一般スキル:不沈艦、精神無効、逆境、自己再生、ESP 、幻想殺し
 保有戦闘スキル:ジャスティスキャノン、魔落の鉄槌、ハイディフェンサー

・クロスジハード:神味全付。味方全員に十字の加護を与え、
 戦いに赴くその意志力を極限にまで高めます。

●おっぱいがいっぱい団戦闘員(組織損壊率:2%×15)
 総勢15名からなるおっぱいがいっぱい団の戦闘員。
 Lv1~3リベリスタ相当の実力を持つフィクサード達。
 クラスはデュランダル3、クロスイージス3、ナイトクリーク3
 インヤンマスター3、ホーリーメイガス3。
 使用するスキルはそれぞれ、基本スキル2種のみ。
 弱点はおっぱい。アピールされるとそちらを優先的に攻撃する様になりますが
 各クラス1名ずつ、巨乳嗜好、標準嗜好、貧乳嗜好に分かれており、
 嗜好が合わない相手にアピールは通用しません。
 
●おっぱいゴッデス(組織損壊率10%×3、全壊で+20%)
 三身一体で構成されるおっぱい神像。ぼいーん、ぽよん、ぺたーんの三体。
 三体が揃っている限り、毎ターン開始時周囲20m範囲の全対象に
 【状態異常】[魅了][混乱][ショック]の効果を発揮します。
 ぼいーんが破壊されると[魅了]ぽよんが破壊されると[混乱]
 ぺたーんが破壊されると[ショック]の各状態異常効果が消滅します。

・テンプテーションジュエリー
 おっぱいゴッデスの装備しているアクセサリー型のアーティファクト。
 指輪には魅了、首飾りが混乱、宝冠がショックの効果を無差別に振り撒く効果持っており、
 女性か、女性の形状をした物が身に着ける事で真価を発揮します。
 遠距離からの部位攻撃で破壊が可能。この場合組織損壊率には影響しません。

●戦闘予定地点
 とあるクラブこと、おっぱい神殿。エレベーターはブレーカーレベルで止められています。
 階段を降りての地下1階にはホーリーメイガスを除いた12名の戦闘員が待ち構えています。
 広さは20m×20m程度。障害物としてカウンター有り。奥に地下2階への階段有。
 光源は電灯。スイッチはカウンター奥に有り、誰でも操作が可能です。
 地下2階にはホーリーメイガス3名とサー・ブラックが控えており、
 この地点はおっぱいゴッデスの状態異常の射程圏からギリギリ外れています。
 その奥の祭壇におっぱいがいっぱい団代表、及びおっぱいゴッデスが君臨しています。
 地下2階は5m×30mの長方形型。障害物は無く、光源は蝋燭。
 ブレーカーは祭壇の裏。床には全面赤いカーペットが敷いてあります。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
デュランダル
神楽坂・斬乃(BNE000072)
クロスイージス
ミルフィ・リア・ラヴィット(BNE000132)
デュランダル
星月 奈緒(BNE000147)
覇界闘士
ティセ・パルミエ(BNE000151)
ホーリーメイガス
アリステア・ショーゼット(BNE000313)
デュランダル
★MVP
源兵島 こじり(BNE000630)
ナイトクリーク
黒部 幸成(BNE002032)
デュランダル
小崎・岬(BNE002119)
■サポート参加者 2人■
ホーリーメイガス
大石・きなこ(BNE001812)
ホーリーメイガス
エリス・トワイニング(BNE002382)

●決戦、おっぱい神殿
 一見すればちょっとお洒落なクラブ。
 そう見えなくも無い都内某所の地下一階。広い部屋に彼らは面と向かい合っていた。
 片や男女混合のリベリスタ達、総計10名。
 片は職種混合のフィクサード達。総計12名。
 前者の彼らこそが、特務機関アークの誇るエージェントであり、
 後者の彼らこそが、秘密結社おっぱいがいっぱい団のおっぱい戦闘員である事は言うまでも無い。
 並べてみれば少しはマシな字面になるかと思い試みるも、これは駄目だ。早く何とかしないと。
「ま、これも因果とか、因縁とか、運命とか。そんな感じなんだろうさ」
 何だか良い声を響かせて、学生服のクール系少年が肩を竦める。
 『毒絶彼女』源兵島 こじり(BNE000630)17歳、男。
 因縁も何も、ついこの間まで称号通りの彼女だった筈の彼女は、数奇な運命に導かれ現在彼である。
 何を言っているのか分からないかもしれないが、男装とか双子とかそんなチャチな物では断じてない。
 本当に何の因果か彼である。毒舌彼女ならぬ、身も心も立派な毒舌彼氏である。何でこうなった。

「お主達のような輩が蔓延るばかりに、
 同じ男というだけで無関係の自分まで色々と疑われる……そんな冤罪の日々に終焉を」
 胸にひっそり焔を灯し、『咎人を裁く刃』黒部 幸成(BNE002032)がダガーを抜く。
 初期時点ではメンバー唯一の男性だったお陰で随分肩身の狭い思いをしたのだろう。
 その声には悲哀が宿る。特に前回公衆の面前で盛大な羞恥プレイをさせられた、
 『神斬りゼノサイド』神楽坂・斬乃(BNE000072)等はその顕著な例である、視線が冷たい。
「それほどの見事なおっぱいを引き連れて……何故反おっぱい主義等に堕ちた、異教徒共!」
 一方の戦闘員側、リーダーらしき大剣を提げた男が進み出て問う。
 いきなり戦闘に入らないのはお互いに準備があるからである。
 会話の間にも丁々発止と戦況はじわじわ動いている。
「だってキミ達変態じゃん」
 手に持つ禍々しいハルバードもかくやとざっくり斬り捨てたのは、
 『キーボードクラッシャー』小崎・岬(BNE002119)である。
 前回の事故を乗り越えパワーアップ、したかどうかはともかくとして舌鋒は健在。
 しれっと糾弾され、思わず戦闘員達が心理的に退く。
「うぇぇ…ヘンタイさんはお断りだよー」
 これに無自覚にも追撃を加える『おじさま好きな少女』アリステア・ショーゼット(BNE000313)
 例え趣味嗜好が若干標準とズレていても、やはり変態は嫌な物。
 2人の稚い眼差しが、戦闘員達の良心とか羞恥心とか言った物をずたずたに切り裂く。

 しかし、彼女らは知らなかった。
 獅子心中の蟲とは、致命の瞬間まで隠れ続けるからこそ、百獣の王をすら退けるのだと。
「待ちたまえ、諸君」
 進み出たのは毒舌彼氏こじりである。
 朗々と上げた声は自信に満ち、思わずおっぱい戦闘員達も言葉を待つ。
「君達はおっぱいを興じると言うが、実際にはむさ苦しい男ばかり。
 それで良いのか、満足か。見るがいいこの素晴らしい楽園を」
 手を向ける。『ヴォーパル・バニーメイド』ミルフィ・リア・ラヴィット(BNE000132)の、
 威圧的とすら言える魔乳を筆頭に、
 『おこたから出ると死んじゃう』ティセ・パルミエ(BNE000151)の掌サイズの膨らみ。
 先の未成熟少女2人に、勝るとも劣らないエリス・トワイニング(BNE002382)のささやかな胸まで。
 その場に揃った女性陣たるや多種多様。正しくおっぱいの楽園と言っても過言ではない。
 ごくり、と思わず。戦闘員達の喉が鳴る。
 それを見て、我が意を得たりとこじりが笑む。
「我々には諸君を受け入れる準備がある。もし我らが軍門に下るならば――」
 そして此処に、爆弾は落とされた。

「今ここに居る女子全員を僕が裸エプロンにしてやろう。無理矢理にでも」
「「「「「「なああああああああああにいいいいいいいいいいいい!!!!???」」」」」」
 爆ぜる。燃え上がる。迸る、猛き、情熱に、戦闘員達がちょっぴり前屈みになる。
 一方思わぬ裏切りにリベリスタ達に動揺が走る。いや。聞いてないし!
「どうだい?」
「「「「「「乗った!!!」」」」」」
 あれ、何かあっさり降ったよ?
「え、あの、冗談……ですよ、ね?」
 アピールの為にインナーすら着けて来なかった、
 『鉄壁の艶乙女』大石・きなこ(BNE001812)が素直に蒼褪める。
 彼女は今、この場の誰より裸エプロンに近い。
「勿論――」
 微笑むこじりの声に微妙に怪しい物が混じる。
 『いつも前向きに元気よく』星月 奈緒(BNE000147)が自分の胸を両手で守り後退る。
「――僕は、着エロを広めたいだけだからね」
「我らが君の御身を護るのだ!!!」
 12人からなるおっぱい戦闘員達が偉大なる革命家を守り抜けとばかりに殺到し、
 こじりとリベリスタ達の間へ立ち塞がる。
「わあああ、女の敵ー!?」
 奈緒の悲鳴も今は遠き良識の彼岸。
 着エロを推奨する毒絶彼氏と、各種おっぱい美少女+1の乱戦が今、幕を開ける。

●源平島こじりと円卓の戦闘員達
「頼む、お前が……裸エプロンを達成してくれ……」
「逝くな、斉藤! もう直ぐ俺達の理想郷に届くんじゃないか、しっかりしろ、斉藤ォォォ!!」
 がくり、と倒れ伏す戦闘員その1。チン、と刀を鞘へ戻し、うさ耳メイドが冷たく笑う。
「愚かな、『愛』のないおっぱいに何の意味がありましょう」
 けれど首尾良く敵を撃退した割に、その様子には余裕が無い。
 そう、最大の問題は戦闘員ではない。彼らの間を悠々と歩む、俺様風少年こそが――
「とりあえず着エロに下着は無粋だと思うんだよ」
「ひゃあー!? な、なにを、あっ」
 捕まった奈緒がじたばたと騒ぐ。流石に岬、アリステアの両名へは紳士であった物の、
 毒舌彼氏、容赦せん。ごそごそと身を弄る姿は一見百合にすら見えるが色々と危ない。
「こじり殿! そこまでで御座る! スタァァップ!!」
 そこに割込むは良識ある男子代表、幸成。戸惑いつつも正義の為、男子の復権の為。
 涙を呑んでかつての仲間へ黒いオーラを伸ばす。
「させぬわっ!」
 しかし敵もさる物。裸エプロンへの達成へと燃える戦闘員達の士気は高い。
 こじりを庇ったデュランダルがにやりと笑う。
「え、えーっと、皆さーん、こっちにもって、えええそんな一杯、や、んっ」
 たゆん、と胸元を揺らして囮を担ったきなこの元へ、3人の戦闘員が殺到する。
 伸ばされる手にもみくちゃにされ、痛い様な苦しい様なちょっと気持ち良い様な。

「制服は投げ捨てる物ー! どれだけ群れても嗜好の壁は越えられないしね!」
 上着をスパーン! と脱いで岬もまた自分のひんにうを盛大にPR。
 それに釣られたロリコン共を一網打尽だー! と思っていたらこじりに捕まる。
「珠の肌は傷付ける為にあるんじゃない。愛でる為にあるんだぜ? 覚えときな」
 ふぁさり、と着ていた学ランの上着をかけるこじり先輩。
 それが着エロの為で無ければ格好良かった。惜しい!
「え、えっと、攻撃しちゃっても、良いのかな。良いよね。いっくよー!」
 状況の変化に付いていけないアリステアが、
 とりあえず手当たり次第を対象に神気の光で敵を焼く。巻き込まれる変態達。
「くぅっ、やっぱり女の子は怒らせると恐いね」
 あ、こじりさん巻き込まれてる。
「この、いーかげんに、しろっ!!」
「よ、吉岡――!?」
 あっと言う間に遠慮が無くなった斬乃のギガクラッシュが戦闘員を叩きのめし、
「あ、わっ、変態反対だよ~!」
「馬鹿な、山崎までやられただとっ!」
 ティセの業炎撃が良い歳をしておっぱい愛に情熱を傾けすぎた男達を葬り去る。
「……治療、開始。今度こそ……リベンジ」
 まばらな反撃を無表情で淡々と、エリスの天使の歌が癒し続ければ――
「いー加減に……って、ど、どこねらってるんですかー!」
 奈緒が振り被ったバスタードソードが、おっぱいをの平和を守る火を噴いたりもする。
 おっぱい戦闘員達も、粘り強く戦った。
 彼らの士気は高く、良く攻め、良く守った。しかし――

「ここまでか……無念」
「無念とか言う以前に最初から大いに残念で御座るよ」
 断罪に同情は無用とばかりに言い切った幸成のブラックジャックが、最後の戦闘員を葬り去る。
 それでも、彼らは守るべき者を守り抜いた。その姿勢は見事だったと言わざるを得まい。
 癒し手の一人も居ない円卓の戦闘員達は、それでも。
 裸エプロンと言う名の夢を、最後の最後まで諦めなかったのだから。
「……さて、裏切り者は叩き潰しちゃって良いよね?」
 にこりと恐い微笑を浮かべた斬乃に、残されたこじりはそれでも冷静さを崩さない。
「待ってくれ、僕らは話合える筈だ」
「駄目だよ、あんまり皆を吃驚させたら」
 アリステアが声を上げ、一堂がうんうんと大きく頷く。幸成と斬乃は特に大きく頷く。
 それを見て苦笑いを浮かべたこじりが両手を挙げる。
 そんな仕草も何処かクールでありながら、
「分かったよ、僕が悪かった。ごめんなさい」
 源平島こじりと円卓の戦闘員達は、ここに壊滅したのだった。完。

●今度こそ決戦、おっぱい神殿
 階段を降り辿り着いた地下二階。一気に雰囲気を変えた赤い廊下が続く。
 その向こうに、影。3人の白い法服の信徒を従えた、漆黒の軍服の男が立っていた。
 踏み入った瞬間に分かる。その威圧感。その殺気。尋常の相手ではない事が。
「――上は、全滅か。……やってくれたな、アーク」
 しゃらりと、腰から抜くのは黒塗りの剣、そして背に背負った盾。
 騎士を彷彿とさせる様な佇まいに、構え。しかし其処に隙は欠片も――無い。
「変態さんに、容赦はしませんよー!」
「……ん、ここが年貢の……納め時」
 意気を捲く奈緒にエリス。それらを一瞥し、すっと滑る様に男が一歩踏み出す。
「さぁ、きょぬーで、うさ耳で、メイドなわたくしが、お相手を致しますわ。
 いらして下さいませ、御主人様♪」
 己の武器を最大限にアピールして進み出た、ミルフィが打刀を構え直す。
「良かろう。我が盟友バロンの仇、おっぱいがいっぱい団の怨敵アークよ。
 我こそはサー・ブラック。ここから先は、一歩たりとも進めぬと知れ――!」
 正義の名を冠する十字の光が、きょぬーうさみみメイドへ叩き込まれる。
「あんたのお友達のバロンもとんでもない変態だったけど、あんたも同類なんだね!」
 振り上げられた盾と、振り下ろされたチェーンソーが耳障りな異音を奏でる。
 間近で睨み合う斬乃とブラックの視線は真剣だ。
 どれほどおかしな組織であろうと、それを支える人間と言うのは冗談でやっている訳ではない。
 そしてサー・ブラックは、紛れも無く強敵であると。腕に響く振動で悟る。
「然り、我々は盟友であり、親友であり、兄弟ですらあった。
 だが訂正させて貰おう。私は奴ほど甘くは――無いッ!」
 押し切れない。押し返される。けれど彼女は一人ではない。
「女性の敵、退散ー!」「おぢさん、歳を考えようよ!」
 奈緒とティセが左右から畳み掛ける。どちらか片方は防ぎ切れない絶好打。
 しかし――

「温いッ!」
 皮手袋に包まれた手がティセの炎を纏った拳を受け、奈緒の大剣は軍刀に阻まれる。
 落ちる盾、突然自由になった斬乃のチェーンソーが、勢いを殺し損ね空を切る。
「この程度で――」
 くるりと、持ち換えられ軍刀が振り被られる姿が、斬乃には見えた。
「この私が、止められるかッ!!」
「がっ!」
 叩き付けられる魔落の鉄槌。意志を無視して跳ねた身体がカーペットで大きくバウンドする。
「止め――」
「おっと、それはご遠慮願うで御座るよ」
 だがリベリスタ達とてさる物。そうは問屋が降ろさない。
 幸成が放った死角からの気糸に、気付いたブラックが後ろへと下がる。
「……やるな、良い腕だ」
「お褒めに預かり光栄で御座る」
 跳ねる様に跳び出した、黒軍服と黒装束とが赤い絨毯の上で合間見える。
「え、っと、お、おっぱいですよー」
「とかって出て来ちゃう辺りが本能的に早死タイプ!」
 ゆるーいきなこの声に釣られてふらふらーっと踏み出したホーリーメイガスが、
 地下1階の戦い殆ど原型を留めなくなったさらしを巻いた岬に叩き伏せられる。
「ベッコベコに潰れちゃえー!」
「ああ、すまないね。僕はあくまで元、女だ。優しくして呉れたまえ」
 遠慮なく素肌を晒しながらアームキャノンによる零距離射撃を放ったこじりの後ろから、
 アリステアの神気閃光が降り注ぐ。これで更に一人、ホーリーメイガスが沈没する。
 状況はリベリスタ達の想定通りに運んでいた。

 そもそもが8対4。その上実戦力は3:1程の差が有る状況、そう容易く覆せる物ではない。
「やっ、え、なんでこっちを凝視してるのかなっ」
 その上、ブラックの攻撃は幾度も分散している。
 着けてないが故無自覚に、掌サイズの胸をアピールするティセを皮切りに、
「遂にこれをお見せする時が来たようですわね、ハイパーキャストオフっ!」
 メイド服を脱いで水着姿になった、メイド改めきょぬーうさみみ水着娘ミルフィ。
「直接的な露出だと逆に引かれちゃうかもしれないし……
 って、何張り合ってんのあたしは!?」
 何だかんだで水着にジャケットと言う割とアレな格好を、実演してしまっている斬乃の、
 身を張ったおっぱいアピールは、ブラックに自由な行動を許さない。
 嗚呼、哀しきかな漢の性。
 おっぱいに魂を惹かれた男達は、その重力の頚木から逃れる事は出来ないのである。
「これで、」「終わりだよっ」「で、御座る!」
 奈緒、アリステア、そして幸成の連携の前に、さしものブラックも肩膝を付く。
「すみません、代表、私は――……」
「あなたのおっぱい愛では、私の“お嬢様”への愛には適わない。そういう事です!」
 そしてミルフィの振るった止めのヘビースマッシュが、男の夢も、希望も、悲願も――
「じーく、おっぱい――ッ!」
 おっぱいがいっぱい団の最後の砦諸共に、『愛』で以って叩き伏せたのだった。

●エピローグ……?
「もう駄目限界、さっさと帰ろうー」
 円卓の戦闘員達との連戦で、疲れ果てた岬が声を上げると、
 これ以上は特に目的も無いリベリスタ達がぞろぞろと階上へと上がって行く。
 奈緒だけが何故か困った様な表情をして絨毯の向こうを見ていた物の、仕方無さそうに追随する。
 こうして、おっぱいがいっぱい団幹部、サー・ブラックとの激闘は幕を閉じた。
 しかし、何時また第二第三のおっぱいがいっぱい団が現れるかもしれないのだ。
 負けるなアーク。戦え、僕らのリベリス――

 ――……あれ? 何か忘れている様な。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
参加者の皆様はお疲れ様でした。STの弓月蒼です。
ノーマルシナリオ『おっぱいがいっぱい団の決戦』をお届け致します。
この様な結末に到りましたが、如何でしたでしょうか。

想定の斜め上を成層圏まで突き抜けるプレイング――潔し。
という事で、何か色々忘れている気がしますが気の所為です。
新生エプロンがおっぱい団代表候補、源平島こじり氏に敬意とMVPを贈らせて頂きます。

あれ、もしかしたら皆一度男になればこの無理解は解消されるのでは?
そんな未来を――――幻視――――――した――――――――――――

この度は御参加ありがとうございます、またの機会にお逢い致しましょう。