● かわいい子猫に見えたのだ。 その尻尾を見なければ。 「みょー」 その小さいけれどふっくらとした尻からは九本の尻尾が生えていた。 「みょー」 ねこはとてちてと歩いてきて、小首をかしげる。 尻尾のちょっと覆いのくらいなんだというのだ。これは上玉だ。かえってオークションでは珍獣として高値で取引――。 「みょう!」 子猫はぶんと身を翻した。 ぶつんとなにかがはじける音がした。 炸裂音のあとに灼熱感。 なにか取り返しのつかないなにかが起こった予感。 なにか赤黒いものが少し離れたところに落ちている。 「鼻、鼻が、俺の鼻がぁ!」 ● 「アザーバイド。識別名『ナインキャタテイル』 鞭の名前」 これでぶたれるとすっごく痛いんだって。と、『擬音電波ローデント』小館・シモン・四門(nBNE000248)は、なんともいえない顔をしながらペッキをかじる。 これ。とモニターに映し出されたのは、小さな子猫。 尻尾がやたらと多いが。九本。 「まだD・ホール開いてる。ラッキー。今回のお仕事は送還です」 かわいい子猫を殺さずにすませられる。と、赤毛のフォーチュナは機嫌がよさそうだ。 「ただ、今、すっごく敵対的なんだよね。というのも、非合法アザーバイドハンターと人悶着あって、一発食らわせて逃げてきたとこだから」 子猫の一撃。さぞやかわいい猫パンチ。 「尻尾の一撃で、顔面なくなる」 はい!? 「すごく傷が深くて痛いんだよ。猫パンチも、猫キックも推して知るべし」 どうしたらいいの。 「相手が疲れてへばるまで、殴られ続けながらも追いすがるしかないんじゃないかな。子猫だから、反撃したらすぐ死ぬ」 だから、反撃属性が着いてる装備、スキルは外していくように。と、珍しく。四門は強い口調で言う。 「みんなの献身を期待してる」 四門は、よろしくお願いします。と、ぺこんと頭を下げ、これつまらないものですが。と、ありったけのペッキを差し出してきた。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年07月14日(日)23:02 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● お猫様は、すこぶる機嫌が悪かった。 「あらあらあら、ねこさんでございますか」 『天邪鬼』芝谷 佳乃(BNE004299)は、柔和な笑顔を浮かべた。 「いえ、私はどちらかと言いますと、「ねこ」より「たち」の方との方が相性が良いのですが、それはそれ、これはこれ」 ヤマトナデシコそのものの佳乃の言い回しに微妙な含み。 アザーバイド・識別名「ナインキャタテイル」を見る目がイカガワシイ。 「その、何でございましょう。上手に痛めつけ、傷つけてくださるのですよね」 期待と興奮が言葉尻にあふれてくる。 時折漏れる熱い吐息がイカガワシイ。 「命に危険があるという話は聞いておりません故、思う存分、この身を痛めつけていただきましょう」 清らかなおじさん――『癒し系ナイトクリーク』アーサー・レオンハート(BNE004077)は、気がついていない。 でなければ、ここまで魔法使いな人生を歩んできていない。 ウホッな人たちの餌食にもなってなかったのだ。なぜに過去形? 深く追求してくれるな。 「くっ……アザーバイドハンターも余計なことをしてくれる。もし、刺激していなければ普通にもふもふ出来たかもしれないというのに……」 この状況を拳を握り締めて嘆いている。 「撫でられて気持ちよさそうに目を細めたりとか、そういう可愛い仕草も見られたかもしれん」 今回なでられるのは、お疲れねんねしてからになりそうなのがハートエイクな50代純情派お肉の野菜巻き系殿方。その心は、肉食系と思ったら草食系。 「まぁ、痛い目には遭っていることを不憫に思わないわけではないがな」 お鼻ポーンである。 顔の真ん中で一番引っかかりやすいといったら、鼻。おそろしや、猫パンチ。 何の心構えもなく間合いに入った聖星・水姫(BNE004579)が、声もなく転がっている。だくだく広がる血だまり。 恩寵を使う暇も有らばこそ。ピクリとも動かない。かろうじて息はしているようだ。 ふしゅーと息を吐く金毛九尾の子猫を見て、リベリスタたちは息を呑んだ。 「はーい、毎度おなじみ、三高平の突撃レポーター・葉月、25歳でーっす」 固定カメラに営業用スマイル。『名状しがたい突撃レポーター』葉月・綾乃(BNE003850)、二十代最後の夏。 二十代最後の夏。大事なことなので、正確な情報を二度言ってみました。 綾乃の背後に、金毛九尾の子猫。 (こんな感じで、だいたい速攻でやられる被害者系。ほら、ホラー映画とかで現場に行くレポーターって死亡フラグですし?) 少しずつ諦めるのが上手になるアラウンド・サーティ。自分で死亡フラグと言ってることに気がついて、つかの間正気に戻る。 「今日はかわいい子猫ちゃんをリポートしに……ぎゃん!?」 背後のお猫様にズーム。 無謀な綾乃の背中に飛び掛るお猫様。 じっとりとぬれた感触。青ざめていく仲間の表情。フレームの外に転がる水姫。 「な、何か赤い血がボタボタ出てる気がしますが、気のせいです。きっと幻覚を見せちゃうアザーバイトなんでしょうね……! というわけで、再度撫でに……ぴゃう!?」 もうやめて。綾乃のHPはゼロ寸前よ。 「な、なんか飛んじゃった気がするんですが、気のせいですよね!?」 この一行の空白で、体のどんな箇所か察してください。 全力で拾いに行った方がいいと思う。そこ、回復詠唱で再生しない器官だし。 ふかー! その壮絶な威嚇音にも、小さな吐息にも、相好を崩す雪白 桐(BNE000185)は、お耳ダンボである。この比喩がどの世代にまで通用するのか、ちょっと心配。 閑話休題、耳をそばだてて威嚇音さえ堪能するモフリスタは、自分の血肉をはかりにかけても、もふるといったらもふるのだ。 「モフリスタは俯かない。痛みがあろうと、怪我をしようと、危険があろうと、そこにもふもふしたい相手がいるならば! 挫けず、止まらず、曲がらずに、前に進んでもふるのみなのです!」 うん、全力でだめだめなこと言ってる。ここまで来ると清々しい。 そんな桐君(19歳男子)に、サムズアップ! 「飼う猫の種類を選ぶ自由があったなら――」 『薄明』東雲 未明(BNE000340)は、ナインキャタテイルをまっすぐ見つめた。 「あたしは迷わずソマリを選ぶ」 たしかに、ソマリに酷似って言ってましたね。 「あのふっさふさの毛と、ボリュームたっぷりの尻尾が堪らないから。それが9本、9本だなんて」 うっとりと、空に向かって微笑んだ。 「神様ありがとう」 あたしにモフモフの機会をくれて。 いや、その神様、多分そんなに甘くない。 ● 『ソリッドガール』アンナ・クロストン(BNE001816)は、ワンターンモフリスタである。 「もふ依頼と言えば、前衛に先を取られてぐぬぬするのが私の常態であった」 敵性モフモフエリューションもしくはアザーバイドに、自分の身の危険も省みず突進しても振り倒す前衛の背中をどれほど悔しい思いで眺めてきたことか。 もふるのは、戦況がリベリスタ有利に傾いたときのほんのわずかな時間だけ。 しかもその頃にはいい感じに戦闘してるので、毛並みがぼさぼさだったり、血でかぴかぴになってたり、モツ漏れで生臭かったりするのだ。 「今回は立場が逆なのであった! 思う存分癒すから、張り切って殴られて来なさい。前衛陣! 今日は疲れ切った所で安全にもふもふするのよ!」 高らかに言い放ったアンナは、あれ? と首をひねった。なんか、デジャ・ヴュ。 「……ところで、なぜ二人ほど凄い嬉しそうにしてるのか」 アンナの素朴な質問に、すごく嬉しそうな二人が答える。 「ボッコボコに殴られ痛い目に合って、アークの為に働けるなんて、とっても素晴らしいのでございますわ!」 『泥被り』モニカ・グラスパー(BNE002769)も、本音駄々漏れ。 「しかも九尾の猫鞭とはまた素敵な拷問器具! 痛い目はわたくしめが負いますので! 皆様は存分に楽しんで下さいませ!」 うわ~、鼻息荒いよ。 「かばいます。皆様の痛みをわたくしめがかわりに頂戴いたしますわ。皆様もわたくしめも幸せになれる! 素晴らしい計画なのでございますわ!」 ウィンウィン。みんなが幸せ、魔法の言葉。ビジネス用語だけど、なんとなく笑っちゃう言葉、ウィンウィン。 「ええ、ええ、私、「まぞ」でございますから、積極的にかわいがらせていただきますね」 佳乃も満面の笑み。 モニカが受けるマゾなら、佳乃は、攻めるマゾ。 「大丈夫ですわよ、いわゆるお相撲さん等の言う「かわいがり」ではなく、世間一般の皆様がなさるように猫を愛でるだけでございます」 背中からおどろ線出てませんか。 ナインキャタテイルの背中が逆立つ。 それは、フィギュアスケートで言えばクアドラプル。体操ならば四回ひねり。 横回転により加速をつけた猫パンチが佳乃を襲う! 「嗚呼、嗚呼。この痛み、これですわ。これ。素敵です」 一見しただけでは分からないけど、佳乃も本物の人だぁ~。 「なんということでしょう、私の指が削げてしまいましたわ……?」 おっとりしてないで、急いで拾ってください。小首傾げてないで! 「人は痛みを以って生の喜びを知るのです。痛み失くして人生はありえませんの。そして、喪失も」 モニカは、何かを悟った者の目で、ナインキャタテイルににじり寄る。 華麗にお猫様は宙に踊りあがった。 「それでも「私」は……今この時、幸せでブヒィッ!?」 そのまま強烈に九本のお尻尾を顔面に叩きつけた所からのムーンサルト顔面騎乗的ヒップドロップ! 「――オス猫ちゃんでした。とかいってる場合ではありませんのよ。わたくしはドマゾですが、これでもアークに身を寄せるリベリスタでございますのよ?」 依頼達成>マゾ的行動なので、これはヤバい! と感じたら真面目になるのが、アークのリベリスタクオリティ。 モニカの詠唱により、天使がここフーフーしてくれるために降臨した。 ● 機会均等の自由。つうか、痛いのは覚悟の上だ。もふらせろ。よろしい、ならば、自己責任だ。 ぱぺちゃ。 割と軽い水音みたいな音がした。 未明の眼前が文字通り、自分の血と痛みで真っ赤に染まる。 押し寄せる灼熱感と嘔吐感。酸素が足りない。 「ほ、本当に一撃で、鼻が、鼻が」 ハイ駄目でした。 「鼻どっかいった超痛い」 どっかの飛び級教授、この戦闘記録映像見るの禁止! 拾って、未明ちゃん! 早くそっちにおっこってる血まみれのなにかを拾って、あるべき位置にあてがって! 治癒奇跡では、欠損した部分を再生することは出来ないのよ! めでぃーっく! 「ステがレッドベルセルクルートへ移行中で回避抑え目だったのが悪いの何これ痛い」 痛みのあまり抑揚のない声で、未明脳内駄々漏れ。 「痛覚倍化系BSでもついてんじゃないのマジ痛い」 虚ろな目をした未明が血まみれのなにかを血まみれのあるべき位置に乗っけて、応急処置と絆創膏で固定する。乱暴。 「――って、うわー……後ろから見てるだけでいったいわこれ……」 やや引き気味のアンナさんが、大盤振る舞い的に豪勢な治癒加護(BS解除つき)唱えっぱなし。 レッドゾーンから、鼻血吹きかけのHP乱高下だ。 パーツがあれば、問題なくくっつく。みんな吹っ飛んだ自分の部分はきちんと拾うように。 「ほら、怖くない」 と桐も手を差し出してみるが、左を制する者は世界を制す的ブーメランフックで掌の肉がこそげた。 子猫の爪は超痛い。 しかし、自己再生に高速再生、超再生を重ねたリジェネレーター。傷はぶくぶくと血泡の下から新しい皮膚を再生させる。 「まぁ……、血まみれで手を出されても恐怖ですよね?」 おしぼりで、こびりついた血をふきふき。 「ですが、寝てしまえば好きにもふれるときいても、やっぱり元気な時にもふりたいのがモフリストのサガ!」 リアクションないとかさびしいじゃないですかやだー。 「隙があれば抱きしめ、もふり、ほおずりし! そして放してまた疲れるまで追い詰めるのです!」 ふーはーはー! 「にゃぐにゃー!!」 桐の気迫にびびったか、ナインキャタテイルのハチワンスクラッチ! またの名をめちゃ引っ掻き! 「痛いけど、治りますから!」 イヤー!! と、ナインキャタテイルの攻撃に必死さが増す。 「そういえば武器辞典で見たことがあったっけ、キャットオブナインテイル。刺はついてないから肉を割くよな事はないけど、リベリスタでなきゃどうなってたことか」 いえ、リベリスタでも裂けております。 だから、吹っ飛んだものは拾いにいかないといけないので、前衛も出たり入ったり。 吹っ飛んだ方向とお猫様のご機嫌によって時として通せんぼをせねばならず、アンナさん、出番だぜ。 「……ってつまり私が痛いって事よねコレえええ!」 エグザクトリィ。 アンナさんの場合、みんなを見るための目と発声器官だけは死守ね。 それ以外は捨てる心持でがんばって欲しい昼下がり。 (大丈夫大丈夫! ゾンビにたかられたり大首領っぽいのに腕折られた時に比べれば――) 結構色々な目にあってます。リベリスタだもん。 そんなアンナさんのおでこめがけて、こーくしゅくりゅーな感じの猫がぶがぶ。 結果、おでこの肉が抉られる。 「やっぱりいたあああああい!?」 子猫の牙はとっても痛い、それが世界の法則である。 アンナさんはくすんくすんと泣きながら、神様に、ここフーフーして下さいとお願いした。 「……、よし復活完了。単純なあたしの脳みそに万歳!」 鼻が元の場所にちゃんとくっついた未明が再びナインキャタテイルに挑む。 「「さっきのあたしとは別と思いなさい、子猫覚悟。モツチラまでは許容範囲!」 血が乾いてかぴかぴになって、はがれかけた絆創膏が痛々しい。 君は行くのか、そんなにしてまで。 「希望者がいなければ俺がにゃんこの攻撃を受けるつもりだったが……今回はそういう意味での俺の出番は無いかもしれんな」 天使をこの場にご招待しながら、どこか遠い目をしたアーサーさんが言いました。 うん、おっちゃん、お心遣いありがとう。 マジエンジェルの称号を授けましょう。 ● 「え、いや、駄目ですよ、私。赤い液体とか沢山見ちゃったら意識が遠のいて……」 綾乃、そのままバタンと倒れる。気絶。したフリ。 (ほら、か弱い女性してれば、守りたいと思ったり、大切にしようと思ったり、そのままプロポーズして結婚してくれる人が居るかもしれないじゃないですか!) 汚いな、さすが余裕が無い系アラサー、汚い。 しかし、誰からのリアクションもない。 もしかして:リベリスタに流石にそんなの居ない。 (というわけで、頭を打たない程度に上手に崩れ落ちて……誰かに水ぶっかけられるのがオチですね! 残念!) 自嘲がうまくなる二十九歳。 「お前、大丈夫か。回復は必要か」 上半身着てない癒し系アーサーが綾乃をそっと抱き起こす。 (おっと、水じゃなくて、男きたぁ!) 綾乃さんも幸せになれるかもしれない。 「あの、ちょっとめまいが――」 「なんか、ねこちゃん眠そうー」 「なんだと!?」 ごちん。 アーサー、急に立ち上がる。ごちんとアーサーのたくましいひざに当たる綾乃の後頭部。 「おぉお!? す、すまない。めまいがするなら、このままここでゆっくり横になって。ナインキャタテイルは任せてくれ。今はゆっくり休むことを考えるんだ」 寝かせてくれながらも、アーサーはもじもじそわそわ。 おじさん、猫のとこにいきたいんだね、いいよ、うん。行っていいよ。 綾乃、29歳、最後の夏の始まり。猫のかわいさに負ける。ごろにゃん。 ナインキャタテイルがうゆうゆと丸くなっていた。 ふこーふこーと、小さな寝息。 「寝た?」 「寝たっぽい」 「まったくもって駄猫でございます。悔しかったら私を、もっと痛めつけてごらんなさいな。遠慮は無用ですわよ!?」 佳乃がそう叫んでも、ナインキャタテイルはスカスカと寝ている。 あまつさえ、コロンとひっくり返って、白いふかふかのおぽんぽ全開にして、おねむちゃんである。 どうしたらいいの、このかわいい子どうしたらいいの。 決まっている。 「いくら起きないとわかっていても優しくもふるのがモフリスタなのだ。なので、一斉にもふもふしようとはせずに順番にもふもふしたいところ。撫でたり、頬ずりしたり、抱き締めたり……」 アーサーさん、手がわきわきしている。本音と建前。 「怪我した人の血糊や子猫に着いた返り血を綺麗にふき取りましょう」 厳かにそう言った桐はあったかい濡れタオルでほよほよと毛並みを拭いてやる。 血染めの尻尾とおててとあんよは、より念入りに。 そこらへんの女の子より女子力高そうだ。 その様子を見て、未明はあわてて顔を拭き出した。特にお鼻の周りは念入りにするといいよ。 「ご褒美のもふもふタイム……!」 アンナの至福のときがやってきた。今日は心行くまでも触れるんだ。神様、今日はよき日です。 「ああでもぬこってやっぱり耳の裏とか顎の下よねーなでくりなでくり。あ、尻尾はやめておこう。ネコの尻尾をつかむのはよくない。常識的に考えて」 アンナの独り言に、 「え」 と、未明がきょとんとした顔をした。 「だって、あの無防備な尻尾をもてあそびたいじゃない」 お顔つるぴかにした未明は言いきった。 「というか、あのしっぽに、顔をうずめたい」 アンナさんの顔に縦線が入り、黒目が消失し、ベタバックに雷が落ちた。 未明、恐ろしい子! 有言実行。べふんと九本の尻尾に顔面だいぶさせる未明。 「極楽。このまま窒息してもいい」 微妙に顔を上下させながら、未明が呟いた。 1ターンごとにかわるがわるモフリスタが猫をもふる。 「復活して再度、痛めつけていただける……。革醒し、フェイトを得て本当に良かったと思う瞬間ですわね」 「すぐ倒れたら楽しめないではございませんの。ねえ?」 その脇でまぞい人たちは、余韻を楽しんでいる。 あたりを穏やかな空気が包んでいた。 「あぁもうにゃんこ可愛いなぁ!!」 この一行の空白で、場に巻き起こった衝撃をお察しください。 誰、今の裏返った声、誰なの。先生怒らないから手を上げなさい。ほら、アーサー君! ● かくして、散々もふって暗くなって猫のぽんぽんのひえが木になってきた頃、リベリスタ達はd・ホールの向こうにナインキャタテイルをそっと戻し、再訪を期待しつつブレイクゲートを果たしたのだった。 「もう猫はいいです、やっぱり子犬ですよね、犬みたいになつっこい男性とか素敵ですよね」 とある美人レポーター(自称25歳)がひざを抱えていたというが、本案件ではさほど重要ではないので詳細は割愛する。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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