● 「スカーレットなジューシーフルーツがレテを乗り越え、現世にカミングバックだ」 『駆ける黒猫』将門 伸暁(nBNE000006)は、今日も絶好調だ。 「それがメニメニメニ。おまえらにはシュガーアンドミルクアンドハニーでプレスアンドプレス、オア、シマーアンドシマーのソウルピュリティファイ・イニシエーションに勤しんでもらう」 うん、何言われてんのかわかんない。 しかし、アークのリベリスタたる者、NOBUとのコミュニケーションとれずして、どうしてアザーバイドと相対せようか。 諦めちゃいけない。 やつはとりあえず同じ人類発祥のはずだ。 古来より死体がアンデッドとなるのを防ぐため、死体の口に塩や金貨を置くしきたりがある。 生ける屍が日光を苦手とするのは万国共通。 つまりあれだな。そういうことをすればいいんだな。 ブリーフィングルームには、巨大な鍋。先が割れてでこぼこした専用スプーン。白砂糖1キロ袋多数。 「カナンの祝福を与えるんだ。おっと、プレッシングは慎重にな。潰しすぎたら元も子もないぜ」 なんだろう、この違和感。 「――おい。具体的にどうすればいいか言ってくれないか」 「まずムーブしまくるをストロベリをホールドし――」 「動き回るイチゴをふん捕まえて――」 「まずはピュアウォーターでパブテスト。オペキュラムをカットオフ」 「きれいな水で洗って、ヘタを切り取り――」 「ミルクアンドハニーでコンフィラメイション」 「牛乳と蜂蜜に漬けて――」 「プレスプレスアンドプレス、ゴールデンミルクにピュアレッドをマーブリング」 「潰して潰して潰して、よく攪拌だな」 「その後、リベリスタの腹にリアルバリーだ」 「食って、始末をつけろと」 無言で頷いてんじゃねえ。 「もちろん、ラクトースイントレランスのお前らのことも俺は考えてるぜ」 乳糖不耐症ですね、分かります。 「シュガーでコーティングし、スリーアワー・プリザーブ――」 「砂糖をまぶして、三時間漬け込み――」 「シマーアンドシマーアンドシマー。おっと、インピュアなスカムをスキムオフするのを忘れちゃいけない」 「ことことことこと煮込んで煮込んで、あく取りを繰り返せってんだな」 「そして、クールダウン。その後、リベリスタの腹にリアルバリーだ」 「冷まして、食って始末つけろと」 サムズアップ。 「おまえら、完璧だ」 よぉし。フォーチュナ控え室に差し入れしてやる。 食えよ。おまえも、イチゴミルクとイチゴジャムをエンジョイしろよ!? 安心しろ。かばんが必要ないように、タッパーは風呂敷包みにしてくれる! |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2013年07月03日(水)22:26 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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● 職員食堂は、フルーティーな香りに包まれていた。 「はーい、初めてのちゃんとした任務だけどがんば……え、なに? これ料理教室?」 『落とし子』我妻 湊(BNE004567)。違うけど、手はきれいに洗ってきてね。 「食い物が革醒? うん今時珍しくもねー案件だな。まさかそれがオレに回ってくるとは思わなかったけど!」 『ティンダロス』ルヴィア・マグノリア・リーリフローラ(BNE002446)は、イチゴの汁より生き血にまみれた人生を歩んできた。 「まあとどのつまり摘まれた直後のただのイチゴなんだろう。大人しくさせるまでが面倒だが、まあ何とかなると思いたいな」 『アウィスラパクス』天城・櫻霞(BNE000469)は、イチゴのジャムよりバラのジャムの方が似合いそうだ。耽美系吸血鬼的意味で。 「嫌ってほどのイチゴか。ちょっとアレだな。シュールな図だな。あまり甘いものばかり食べる、て言うのも……」 『パニッシュメント』神城・涼(BNE001343)は、遠い眼をしている。 「いや、言っていてもしかたがないか。いっちょやってやんぜ」 黒ロングコート系が二人でイチゴと対峙している。足りない、この二人にはなにかが足りない。 そう、イチゴに指をかまれるなんて忍びない、かわいい女の子が足りない。 いれば、ナイトとして,もう少し違和感が緩和されたのに。 でも、これから、砂糖にまみれたイチゴはくほど食わなきゃいけないのに、砂糖はかされるのもキッツイからね。 若干、君ら視覚の暴力だけど、コートの裾翻してがんばってください。 エプロンと三角巾とかも用意されてるけど使いますか? (はい/いいえ) 「あ、これ、こないだのドーナツみたいな簡単なおしご……え、違う?」 門倉・鳴未(BNE004188) は、食えばいいってもんじゃない仕事に足を踏み入れたことを今知った。 「沢山食べるのは変わらないけど、イチゴが噛み付く? なにそれこわい」 よし、自分の指で確かめてみようか。マジックアロー、撃てなくなるやもしれんが。大丈夫。先っちょだけだから。 「確認しても良いかしら。これ、本当に食べられるの……? なんだかお腹を壊しそうなお顔なのだけれど」 改めて、顔? と、首をひねる仕草も愛らしい。 イチゴと戯れるのに申し分のない『blanche』浅雛・淑子(BNE004204)、守ることに長けているのは自分のおなかも範囲に含まれるのはいうまでもない。 確かに、シャーっっとか果肉の裂け目から威嚇音を出すイチゴは、腹に悪そうだ。 「いえ、でも前例もあるようだし……きっと大丈夫、なのよね」 前例ではお漬物にされたり、揚げられたりしてます。 「ただの美味しい苺にして差し上げましょ」 高位防御の加護を張り巡らせてにっこり微笑んだ。 「不肖、リンディル・ルイネール、こちらの世界に来てから数ヶ月、食事の勉強に励んで参りました!」 食い鉄的な食べ歩きというか、列車の旅ですね、分かります。三高平駅の駅員さんに顔を覚えられてますね。 「今こそ、その力を解放するとき……! 鋼鉄の意志をもって任務を完遂します!」 その力と書いて、ゴッドタンと読む。食欲は、世界をたまに救ったりするから侮れない。 「仕事だけど、コンディションを維持する事こそが大事な案件だしね。今回はリラックスして行こう」 『ラプソディダンサー』出田 与作(BNE001111)の場合、「なつやすみ、お父さんと一緒に簡単クッキング」的気配がする。いや、実年齢からすると、お孫ちゃんでもおかしくはない。 リベリスタの皆さん、準備はいいですか。 『月奏』ルナ・グランツ(BNE004339)さんが、皆さんの擦り傷きり傷かまれ傷の面倒を見てくれますので、ご安心を。 治されすぎて鼻血を吹く可能性があるのでご了承下さい。イチゴの上に垂らさないように。 ● ステップ1。共通作業。ヘタを切り取る。 与作は、ソードミラージュだけが認識している自分の中のギアを上げた。 「逃がさない様に素早く掴痛っ!?」 がぷう。 「手ぇ噛まれないように気をつけるんスよーって言ったそばから噛み付いてきたイテェ!?」 鳴未、ここまでノーブレス。 (実はこの作業が一番危険なんじゃないかと。弱ってないし) うん、良く気がついた。ちょっと遅いけど。 入れ歯の隙間にイチゴの種が入った状態で思い切りかみ締めた系の痛みが走る。与作はもちろん入れ歯ではないが人間は類推できる。 更にわかりやすく言えば、爪と肉の間にイチゴの種が以下略だ。 おっさんと兄ちゃんは顔を見合わせた。 「お、思った以上に厳しいねこれ……」 「そうっすね。ミルクがイチゴじゃなくて血で染まりそうッス。アカン」 生痛がゆいし、出血が。ルナさんがあらら、と治してくれています。 ミルクを血で赤くしないようにきちんと手を洗浄して、ワンスモア。 「よし、ヘタの所を掴む様にしよう。で、水ともう一方の手の指先で噛まれない様に素早く汚れを落とす」 与作、作業メソッド考案中。鳴未もマジで手元を見ている。 「それから……口は縦だから、尖った先端をそっと掴んでヘタをクルっと捻って千切って…トレイに乗せて牛乳の班に渡そう」 「完璧っすよ、それでいけます」 鳴未、ガッツポーズ。作業再開。 口で言うと簡単だけど……勿論現実は甘くない。掴み損ね洗い損ね噛まれる噛まれる。 「……結構キツいなあ、これ!?」 与作、驚愕。場所が手だから、怪我するとファンブル率が上がるのよ。イチゴだから、力こめると潰れちゃうのよ。どうしたらいいのこれ。 がちんっ! 騒ぐおっちゃんとあんちゃんを尻目に一人黙々と作業していた淑子は片手にスプーンを、片手にナイフを持っていた。 挑発的に振り回されるスプーンにイチゴが食いつく。がちんっ! 淑子、あわてず騒がず、そのまま水につけてじゃぶじゃぶ、返す刀でヘタをすぱっ。 「フォークやナイフでは果肉を傷つけてしまうでしょうから。のんびりしていたら此方も怪我をするだけだもの。 それに、食品に血が触れるのはよくないわ」 にっこりと微笑む淑子様。 「よかった。ヘタを切り取ったら悲鳴を上げたりするかと思っていたのだけれど――」 がちん、じゃぶじゃぶ、すぱっ! がちん、じゃぶじゃぶ、すぱっ! 「そんなことはないみたい」 下ごしらえのお約束、ためらわない、立ち止まらない、容赦しない。 淑子さんは、きっといいお嫁さんになれます。 ● ステップ2 ミルク、あるいは砂糖をまぶす。 ルヴィア、ヘタを切られてもまだまだ元気なイチゴが籠から逃走を図るのを捕獲する係。 「アンデッッドって呼称されてる割に鮮度は良さそうだよなー」 もぎたてほやほやだからね。 つやっつやの天然ルビーは、果汁たっぷり。甘酸っぱくておいしいのが見た目でわかる。 「このまま喰っちゃえば楽……」 この手の依頼に必ずいるチャレンジャー。 きゅうりかじった奴は、Eストマックがなければ腹痛に襲われ、腹から噛みかけのきゅうりがこんにちは。豆腐を奴で食おうとした奴は舌をかまれて、緊急処置として口の中に魔よけの塩をねじ込まれ、傷口に塩という憂き目を見た。 「わーお、ガチンガチン歯ぁ鳴らしてるし。生意気だなぁこいつ等」 食うのを思いとどまる理性があった。 ただし、高々と振りかぶって、砂糖orミルクor蜂蜜の中に投げこまんとする辺り、別方面の理性はなかった。 ナイスシュートしたら辺りにいろいろ飛び散ること必須。つうか、それ、テロだから。狙い外れたら、誰かが床におっこちたイチゴ食べなきゃいけなくなるぞ、って言うか、君が食うんだぞ。 「手噛まれても止めなーい、大暴投して誰か齧られたらごめんよーってねー」 なげやりになるな。一体なにが君をそんな行動に駆り立ててるんだ。君のお母さんは泣いているぞー。 ごんっ! 全力で壁にぶち当たるイチゴ。しかし、潰れない。エリューションは丈夫だなぁ。 「あっれぇ? あっは、ごめんごめん!」 その子洗ってらっしゃい。自分の手の血も洗い流してね。 水でジャブジャブされたイチゴの行き先は、ミルクか砂糖敷き詰められたお鍋の中なのだ。二択。 砂糖たっぷりの鍋持って、リンディルが待ち構えている。 じゅるじゅると零れ落ちんばかりのよだれであるが、フュリエの名誉のためにこぼすことは許されない。 砂糖にまぶされたイチゴは水分一気に砂糖に吸われたせいで、弱り始めた。 「あっ、血とジャムが混ざった気が……色同じだし、いいわよね?」 ルナねー様、お宅の年かさの妹さん、見なかったことにする系ですか? 鉄臭いジャム作る気でいますよ! 「白いワンピースが赤く染まるのは、仕様です……洗濯大変だなぁ」 くいしんぼに猟奇ついでに家庭的キャラが積まれてますよ。新しいけど、過積載の気配がします!? というか、エプロンしようよ。三角巾と割烹着もあるよ! ミルク係は、どうしてか、ロングコートの二人だった。 とことん、場違い。 櫻霞はイチゴを砂糖の中にダイブさせると弱々しく開いた口にこれでもかと砂糖を詰め込んだ。 カリブのゾンビーの口には塩と金貨が詰められるが、あの要領だ。 「おい、噛むな。俺は植物に絡まれる趣味はねぇんだよ、このヤロウッ!」 涼は噛まれてにじんだ血液の三倍返しで砂糖に叩き込む。 ひたすらまぶして弱ったイチゴをミルクに放り込む。 「これはこれで中々面白いな」 「え、マジで? 俺、げんなりなんだけど」 緊張感が単純作業を退屈にしないスパイス――噛まれても気にしないでそのままいこうと思っていたが、鉄の臭いがイチゴの匂いと混ざると気色悪いことこの上ない。 「油断してると血が混ざりそうで困る」 「噛まれるのは、もう仕方ないだろ。気にしない」 いや、鉄臭いイチゴミルクとかいやだけどね? 二人そろって痛いの痛いのとんでけされている図は情けないが。 「イチゴごときにやられたら、こう、アレ。男がすたるやん?」 「そうだな」 「せやろ?」 関西弁の涼と標準語の櫻霞。 「粗方ブチ込んだら力仕事、NOBU的に言えばプレスプレスアンドプレス!」 でっかいボウルに移された砂糖まみれイチゴのミルクびたしの前に、マッシャー持った鳴未が覚悟完了していた。 「命懸けで潰せ!」 上へ振上げ、叩き潰す。 「ここまで来たらあとは量が多いだけの普通の調理!」 あの音、あんまりビシャビシャやるとね。 「頑張れ、俺!」 辺りに飛び散って、とっても猟奇な感じになるから、程ほどにね。 割烹着とか来て帰るといいよ。赤いスプラッタな服着てると三高平のおまわりさんでも職務質問せざるをえないから。 ● 三時間砂糖に漬けとくジャム用イチゴが逃げないように見張りつつも、やってきましたイチゴミルクタイム。 裂き割れスプーンの在庫は十分か。押さえてとどめ用に一人複数本は用意した方がいいよ。 「えへへ、何処を見ても甘いもの、イチゴ尽くし! お姉ちゃん、今……とっても幸せです!」 かいがいしく回復していたルナがひょいぱくひょいぱくとイチゴを食べている。 魔力は一番使っているからいいんだが、すごい勢いでペース配分も考えずにひょいぱくひょいぱく。 「いえ、ミルクは結構です。私には、これがあります!」 『天の魔女』銀咲 嶺(BNE002104)さん、取り出だしましたるデザートワイン。勤務中ですよ、オペレーター。 「即席カクテルです。きゃー、潰しイチゴいれるとおいしー! 仕事中にお酒が呑めるとか役得ですねっ!」 さっきまで、「もぞもぞこっち寄って来るのは何なんでしょうか、これ本当にイチゴですか?」 とか言ってた人はだぁれ? 嶺さんだよ! 酔いつぶれて、けっつまずいて、砂糖まみれだけどまだ若干元気なイチゴのボールに顔から突っ込んで、したたか顔中噛まれたあげく始末書の憂き目に会う12分45秒前。 ● ステップ3・潰して、煮る。(ジャム) もう当分牛乳は見たくないというほど、イチゴミルクを腹に流し込んだところで、砂糖まみれのイチゴを煮るときが来た。 「ちまちまつくるのは面倒なんで、給食用の釜用意してもらえるかな? 一気に作っちゃうから。あ、加熱中混ぜるのとか灰汁取りとかたいへんだからここからはかかりっきりでーす」 料理も出来る将来有望な湊君、なべ用のへらとあんまり身長変わらんのだぜ。鍋に落ちるのだけはやめてくれよな。 「あ、持ち帰りようの瓶いっぱいもってきました」 張り切る湊君に、別働班のお姉さんはそっと目線を合わせて、「この場で完食!」と極太ゴシック字で書かれた「作戦のしおり」の1ページ目を開いて見せた。 人数がほどほどなのは、万一脳みそとかにやばいものが回った時、あんまり人数が多いと対処するのが大変だから。 壜に詰めちゃいけないのは、うっかりつまみ食いした一般人に危害が及ぶといけないから。 いつだって、リベリスタの腹任せの依頼では、『その場でお残しなしの完食』 が、究極の安全管理なのだ。 「七緒さんにおすそ分けしようと思ってたのに……。よっちゃんにも……」 NOBUとフォーチュナには、浄化儀式の慣例として例外を認められています。 とりあえず前途ある青少年、悪いことは言わないから、あの生活破綻者はやめておけ。人生棒に振るぞ。 あの頭黄色いおにいちゃんをごらん。二年前の夏、アザーバイドの女の子を見送りながら「かわいい女の子を自分好みに育てる計画」を見事に成功させつつあるんだよ!? イチゴ煮るときの甘い匂いが漂い出すと、ひゃっほーっ! と、『箱庭のクローバー』月杜・とら(BNE002285)と『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)が、コッペパン片手に鍋にスプーン突っ込んだ。 「イチゴジャムがすっごくいい香り。ジャムといったら、コッペパンですよね」 異論は認めない。 「こっぺぱん~ こっぺぱん~♪ ジャムとマーガリンでスペシャルスイーツ♪」 すでにマーガリンは塗ってきてるんだぜ。 「ジャムとマーガリンが、とらと舞ちゃんみたく相性バッチリだね♪」 きゃっきゃうふふの訓練されたリベリスタの暴走を誰が止められようか(反語) 「とらちゃん、あーんで食べさせてー」 「はい舞ちゃん。あーん☆」 「いっただきまー……」 「鍋から直で行ったら熱いッスよ!?」 鳴未の突っ込み間に合わなかった。だって舞姫ソミラだから。 「くぁwせdrftgyふじこ」 煮えたぎったジャムon舞ちゃんの舌☆ じゅおおおって音がしたぞ。スイート根性焼き☆ ルナねー様はイチゴミルク食べ過ぎて気持ち悪くなってダウンしている。 舞姫は犠牲になったのだ。 ● そして、ぞっとするほど大量のジャムが煮上がった。 「調理しちまえば唯の食い物か、珍妙なエリューションもあったもんだねぇ」 「苺ジャムはそれだけじゃ辛い。クラッカーやクロワッサンなんかの付け合わせを」 「……おいおい、砂糖漬けのイチゴに練乳。糖尿病になるんじゃないか?」 「食パンをトースト、コッペパン」 「珍材料ジャムうまー」 「ホットケーキにワッフル、無糖ヨーグルトとロシアンティー、クッキーとかスコーン」 「見事に糖分尽くしだな、病気にでもなりそうだ」 「口直しの苦い緑茶、珈琲、紅茶。そして梅干、塩昆布、ピクルスだ」 「白パンやクロワッサン、クレープにマフィン」 「俺自身は緑茶と梅と昆布かな」 「わたし、あまり食べる方ではないのよね」 「あぁ、材料費の領収書は無論NOBU名義でとった」 「ま、美味しければイイか。この後運動はしよう」 「動いた分のエネルギーはちゃんと補充しとかないとなー」 「男の子だからな、意地があるんだよ!特に、こう、アレ」 「ハッ! かっこつけて穿いてきたレザーのパンツが!」 「女子が作ってくれた料理とかはマジでめっちゃ食べるで。たとえそれがどんなものでも!」 「サンドイッチ用の薄いパンにイチゴジャムを挟んだのを油で揚げてサクッと!」 「高カロリー!」 「お菓子は櫻霞さんのお手製です。イチゴミルクは鳴未さん。ジャムは湊君のお手製です」 「アイスクリームに添えて……は他の人もやるかな?」 「ゆるめのベリーソースに出来るなら、バニラアイスに混ぜたり、パンナコッタのソースとしても」 「諦めず頑張って処理し続けるッス。此処で折れたら男が廃る! 見せろ男気!」 「小麦粉系ばかりではきっとすぐおなかいっぱいになってしまうから」 「ヨーグルトとイチゴジャムを混ぜて冷凍庫で凍らせ、少し解凍して柔らかくしてからミキサーで砕いてシャーベットに!」 「……なんかこう、付属品が多いと、食べなきゃいけない量が増えて墓穴掘った気もしますが」 「……男にはやらなきゃいけない時が……あるんだっ!」 「……もう暫く苺は見たくないわ」 なんだかんだで、イチゴにまつわるエトセトラの完食、おめでとう! 摂取総カロリー、聞いとく? ● 程なく。 風呂敷片手にフォーチュナ控え室へ、たぽたぽになった腹と若干ふとましくなったボディをひきずりつつリベリスタは直進した。 「たーのもー!! なんつって」 「さあイチゴミルクとイチゴジャムをエンジョイしろ」 「恨むならこんな仕事を回してきたNOBUを恨めー!」 「今回の領収書だ! 精々計算に頭痛めろ。補給用の糖分はたんとくれてやる!」 後に「血のジャム差し入れ事件」と呼ばれる事件が勃発したが、当案件には影響はないので詳細は割愛する。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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