●素敵な表情の君が見たいから 「出来た!」 支社ビルの地下にある研究室。深夜だというのに、喜びのあまり叫んでしまった。なに、問題はない。どうせ私しかいないのだ。誰に迷惑がかかるというわけではない。 完成した。ついに完成したのだ。これはきっと人類の大きな進歩となるだろう。いや、済まない。ついつい興奮してしまった。発表者としては、これが読み手にも分かるよう解説しなければならない立場であるというのに。 ひとまず、これを理解してもらうには大きな理念から話さねばならないだろう。なぁに、小難しい話にはならない。だから重い瞼を擦って聞いてほしい。 つまりは、欲だ。追い求めるものだ。誰もが願ってやまない欲望のひとつを叶えるものなのだ。嗚呼、これもまた概念的だな。そう、有り体に言うと、 エロい顔が見たい。 これに尽きるだろう、欲望ってやつは。実際、「エロい顔を見れるもの作りたいから予算くれ」と委員会に要望を出したらふたつ返事で通ったものだ。理解力のある上司ほど有難いものはない。 さて、こうしてはいられない。これから、忙しくなるのだから。またしばらく、眠る時間も取れないことだろう。 時計を見る。出社してからおよそ70時間が経過していた。我ながら働き者である。 それでは諸君、私はしばし横になる。朝になったらまた会おう。大丈夫、夢はもうそこまで来ている。 二重の意味で。 ●強制エンカウント式不幸イベント 「というわけだから冥時牛乳のラーメン試食会行ってこいよ」 割と投げやりな調子で、クリップボードで自分を扇ぎながら猫はそう言った。 いや、どういうわけだよ。 「え? あーそっか、暑すぎて説明したつもりになってたよあちし。ごめんにゃごめんにゃ」 テヘペロって実際に口に出されると結構うざいということを知ったリベリスタ達は、改めて今回の仕事内容を説明される。 巨大複合企業、冥時牛乳。表では幅広い活動と商品クオリティの高さで有名だが、裏、つまり神秘に関わる側からするともう少し別のイメージがある。 時々、極めてくだらないアーティファクトを作る厄介なとこ。そんな感じである。 そこが今回完成させたのが、アーティファクトラーメン『らめぇん』なのだそうで。 アーティファクトラーメンってなんだよ。という意見は置いておいて。このラーメン、食べると顔が熱っぽくなり、吐息がやや乱れ、呂律が回らなくなるのだそうだ。 つまり、エロくなるのである。 例によって人体に及ぼす影響がうんたらかんたらなので手伝って欲しいとかなんとか。 体の良い人体実験でしかない気がするが。 「というわけだから冥時牛乳のラーメン試食会行ってこいよ」 大事なことだから時間差で二回言った。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:yakigote | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年07月02日(火)23:35 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●フラグを立てる前からわかっている惨劇 文明は煩悩と戦争が引き上げるって誰かが言ってた。 某市恵観区の一角にある冥時牛乳支社ビル。そのフロントロビーにて。 『歓迎、リベリスタ様御一行』。 まるで神秘性を隠すつもりのない看板ではあるが、ここは無関係者の立ち入りを許可されていない。内部のみであるのならば、問題はないということなのだろう。 「また冥時が変なものを開発したって? 冥時マイスターたるワタシには聞き捨てならぬな」 意気込む女子高生、『ミサイルガール』白石 明奈(BNE000717)。そんな達人資格があったのか。きっとギルティライチとか箱買いだな。 「試食会、参加せねばなるまい。牛乳の夢よもう一度! おっぱい!」 残念ながら、今回はおっぱいを大きくするのではなく晒す方である。年齢指定限界のラインまで。限度いっぱいまで倍プッシュ。 「見事に女の人ばかり集まったね……これは何かの罠なの? もうこの企業滅ぼしたほうがいいんじゃないかな、碌な事がないの……!」 『なのなのお嬢様なの』ルーメリア・ブラン・リュミエール(BNE001611)は捲し立てる。そんな、世界平和を考える善良企業だというのに。 「煩悩は運動すれば発散されるの! その為に、バット持ってきました! 素振りすれば……あ、スペースあるよね……? なるべく端っこでやるから、ゆるちて」 「なぜ冥時牛乳がラーメンを」 製造物の住み分けがうんたらかんたらと『ソリッドガール』アンナ・クロストン(BNE001816)。大丈夫、扇風機とかも作るからここ。その後も競争状態がうんたらという現実逃避の後、逃げられない現実が返ってくる。ラーメンを食べるだけ。簡単な仕事だ。実にイージー。社会性に禍根を残す以外は。 「どうしてアークはレポートを全体公開などするのだ後々の参考のためですねわかります……!」 「まあ聞く限りなら深刻な害はなさそうだし、楽な仕事、と言えるのかもしれないけれど。あぁ、でも暑くなってきたこの時期にラーメンはちょっと大変かもしれないわね」 『月光花』イルゼ・ユングフラウ(BNE002261)は物思う。空梅雨はどこへやら。雨音激しい昨今ではあるが、それでも暑いことに変わりはない。屋内であるため冷房はあるのだろうが――― 「……以上、ばかばかしさを紛らわせるための思索終わり、っと」 「意図的に狙った効果のアーティファクト作れるって、真面目にやったらすごく役に立つかすごく厄介そうなんだけど、やってることがこれって……いえ、やってる本人たちは大真面目なんでしょうね、きっと」 『エーデルワイス』エルフリーデ・ヴォルフ(BNE002334)が呆れている。バストアップ牛乳。北海道属性扇風機などなど。ここの開発はいつも突飛なものである。 「それでも言わせてもらうわ……なんて、馬鹿馬鹿しい……」 「ラーメンの試食会……変な依頼であるな」 『硝子色の幻想』アイリ・クレンス(BNE003000)の思いももっともだが、割とこんな依頼を出してくるのが冥時牛乳である。牛乳飲むだけ、とか。頭にぱんつ被って奪い合え、とか。黒歴史作りに来い、とか。 「人体への影響を懸念される、アーティファクトラーメン。購買部やコーポショップで売られている食品とは、まったく別次元のものと思っておこうか」 普通に売ってても、困る。 「ラーメンですか……給食とパン以外のものを食べるのは数ヶ月ぶりです! きっとアークの人が美味しいものをご馳走してくれたんですね!」 なんかすっげえ悲しい現実をぶっちゃけたキンバレイ・ハルゼー(BNE004455)。この娘、以前にも同企業の開発物に手を出しているはずなのだが。忘れているのだろうか。しかし、小学生ですね。なんだろう、この犯罪臭。なんだろう、この犯罪臭。大事なことなので自分に二回言い聞かせよう! 「ラーメン好きよ! 最近ハマってるのは室蘭のカレーラーメンとか、静岡や山形の冷やしラーメンとかかしら。でも、普通のラーメンも好きよ。麺固めで食べる博多ラーメンとか、横浜の家系ラーメンも重量感あっていい感じなの。千葉にあるあのお店で、日本の醤油ラーメンの歴史を感じるのも一興よね―――」 すまない、『興味本位系アウトドア派フュリエ』リンディル・ルイネール(BNE004531)。そういうのとちょっと違う。 エレベータを何階で降りたのだったろう。彼らは案内係に従い、無機質な廊下を行く。ひとつ部屋の前で足を止め、一同中へ。 扉に貼り付けられたプレートの文字が、一際不気味さを演出していた。 『人体実験室』。 ●目の前に並べられる地雷 熱い麺を口にするだけで声が漏れる。 冷水と、割り箸と。それから各々が注文した通りの器が運ばれてくる。昇る湯気。充満する芳しい匂い。色合い。それらが美味さの想像力を掻き立て、口の中で唾を貯める。 「それでは、どうぞご実食を」 そう言って運んできた係員が部屋を出て行く。 おずおずと、わくわくと。 誰ともなしに、木製の箸をふたつに割いた。 ぱきり。 ●食して人間性を捧げよ 蕩けた顔でスープを啜れ。 「それじゃあ、頂きますなの!」 目の前の器に向けて、ルーメリアは手を合わせた。 箸でつまんで口の前に、少しだけ息を吹きかけて。中に運ぶ。ずるずるずる。 「うん、ラーメンとしては、普通に美味しいの、かな? でもラーメンって食べてると暑くなってくるよね。ほら、もう汗がたらたらと……いや、これはちょっと出すぎなような……ハッ、これ、らめぇんの効果だ!?」 白い粉を舐めてみた少年探偵みたいな顔をする。 「なんか、今なら……服全部脱いで涼めるような、気がする……い、いや、ダメダメ! 気をしっかり持ってルメ! あ、素振りします!」 ちっ。 「逆に暑くなってきた……そ、そりゃそうだよね。運動したらもっと暑くなるに決まってるよね! うぅ、汗でべたべただよ……シャツが、下着が透けちゃうの。す、少しくらいならいいよね。ボタン外そ。ギリギリの位置くらいまで……下着も、透けて見えるくらいなら、いっそつけなければ、いいよね」 もっとだ、もっと解放しれ。 「はやくたべおわれぇばぁ。あぇ、なんか、ふあふあしてきたぁ。でも、たべきあないと……んっ、ちゅる……もうだめ、きもちよくて……なにもかんがえられない。たべられない、もう、らめぇ……!」 イルゼの危惧に反して、試食にと通された部屋に彼女ら以外の参加者はいなかった。流石に、痴態になるとわかっているようなものを不特定多数に見せるような真似はしないということなのだろう。 変態とは何時の世も紳士なのである。え、この報告書は不特定多数に公開される? ははは。 それでは覚悟を決めるとしよう。なに、食品加工業界でも常に一定の成績を納めているのがこの企業である。理由と目的が明後日に斜め上だったとして、そこに味を欠けさせるような真似はすまい。寧ろ、曲がりなりにも麺類の体裁を取ったならそこも追求してくるはずだ。 意を決して。 「ん……あつぅい……火照ってくるわね、これ……まあリベリスタは女性ばっかりなんだし、作った目的が目的だから、ちょっと涼むくらいなら大丈夫、よね?」 そう言って襟元を緩める彼女。そこから除く夢のふたつを微に入り細を穿ち懇切丁寧に表現したいのだが、この報告書に年齢制限がかかるので泣く泣く割愛させていただこう。 「はむ、んぅ……じゅる……」 あ、麺を啜ってる音です! 本当です! だからこっち来ないでください倫理規定さん! 「らめぇ、変な効果あるって、わかっれるのにぃ、おいひくて止められないのぉ……」 「ラーメンで、らめぇん……ネーミングも馬鹿馬鹿しいというか、こんなあからさまに怪しいの売れないんじゃ?」 エルフリーデの考えも最もだが、そこはそこでやりようはあるものなのだ。例えば、食事に紛れ込ませるとか。あ、ラーメンの話な。 かと言って、売れないなら売れないで世界は平和である。エルフリーデとて好んで手にしたいものではない。そのあたりは、指摘しないでそっとしておくとしよう。 さあ、仕事を放棄するわけにもいくまい。そろそろ食に取り掛からねば。社名に牛乳とまで入れている会社が作る麺製品。どのような味であることやら。いや、別に乳製品企業でもないのだけれど。 「はむ、ん、あつっ……でも、そんなに簡単に乱れる、訳には。あ、汁が跳ねて……ふ、服を汚すのは高貴な振る舞いじゃない、わよね、うんそう、それだけで、火照ってるなんてわけじゃ……」 言い訳を並べてエルフリーデは服をはだけさせていく。色素の薄い肌が顕になる。一筋の汗が流れて、その白い表面をなぞった。 「はぁ、もう、芯から熱くて、すご、ひっ……じゃなくて、凄い、わね。やらぁ、気品を無くひちゃ、らめ、なのにぃ……はやく、静まって、わらしのからだ……はやくぅ……」 頼んだネギラーメンを、アイリがじっと見つめている。 「見た目は普通、なのだが……」 あつあつのラーメン。ネギをどっさりと乗せて、注文どおりの様相を呈している。 「なんであろうか、この不安になる感じは。まぁ、うむ。いただきます」 恐る恐る、麺を掴み、口へと運ぶ。 「別に食通というわけでもないので、味も普通に感じると思うが……なんだ、こう、顔が熱い。風邪を引いたときのような、どこか違うような……はぁ……はぁ……っ」 呼吸が乱れていく。熱くて、暑くて。思考が歪んでいく。 「わらひたひは、なれこの暑い中、ラーメンをすすっているのだろうか。なれラーメンを作ってしまったのら、冥り牛乳は」 手で扇ぐ程度では収まらない。もう、まともに声が出ていないことも気づかない。 「ふぅ……少ひふらい、いや、少ひろころか多めにボらンを外ひれも平気れはないらろうか」 スカートも、膝丈では長すぎたろうか。どうせ邪な視線はないはずだ。大きく捲り上げたって誰も咎めはしない。だって暑い。本当に、熱い。 それでも食を止めたりはしない。惚けた脳の中、仕事の義務感だけが動いている。器を持ち上げ、口にした。流れこむスープ。飲みきれなくて、口の端から零れていった。 「ほっかいどーの味噌ラーメン食べてみたかったんですよー!」 キンバレイは喜びの声をあげる。可哀想だが北海道産ではない。 はもはも。ずるずる。幼い少女には大きすぎる器に取っ付き、一生懸命食べるキンバレイ。 「みそらーめんおいしいのれすぅ……♪」 ラーメンが効いてきたのだろう。次第に目がうつろになり、声色も怪しくなっていく。漂う犯罪臭。 「はぁ……はふ……♪ らーめんたべたのれぇ……からだはあつくなったのれすぅ……♪」 Tシャツを脱いでしまおうとする少女。やめろ10歳。私にはまだ書いていかねばならない報告書が、あ、胸につっかえた。セーフ。小学生でそれが起きるのもどうかと思うけどまだ半裸なのでセーフ。 「さーみんらできねんさつえーなのれす!」 開放的な気分がそうさせるのか、おもむろに写真を撮ろうとする。他意はないのだろうが、余所に漏れると非常にまずいものばかりである。 「みそらーめんはおいしいのれすーほっかいどーりょこーなきぶんなのれすよぉ」 しっかりとスープまで飲み干していく。惚けた顔で涎を垂らす半裸の少女は、まあ男には見せられないものであった。 あ、撮影データは回収されました。ほら、まだ企業の未発表商品だし。 「見せて貰おうか、冥時牛乳のラーメンの味とやらを!」 意気込むリンディル。日本文化のえらいニッチなところで毒されているようだ。 皆と同じく、目前に並べられた器。ここでその見た目を垂涎させるほど書き込めればよいのだが、そこまで麺類に思い入れがないので割愛である。コンセプトは食べた後だし。 「えっ……これは……!?」 ひとくち食べて、驚愕の顔。そして誰が聴くわけでもないのに隠し味の秘密を解こうと語るのだが。以上の理由により省略。 「ああんっ……この味……イイ、すごくイイの……感じちゃうっ……」 あ、まだ効果出てないです。これが素らしいです。やっぱり毒されすぎだ。悪い男に騙されませんように。 「なんだかぁ、体が火照ってきましたぁ」 そう言って、ボタンを外していくリンディル。フリルが付いた薄水色のそれと、その奥の丘がふたつ、顔を見せた。肌色に、流れる汗粒。荒くなった呼吸と共に上下する。 「脂こってりだよぉ、駄目だよぉ、太っちゃうのぉ……」 しかし、服装も表情も申し分ない筈なのに、どうしていまいち艶を感じないのだろう。言動のせいですね、わかります。 「ラーメンだとぉ、ビールも欲しいですねぇ……」 わかります。 もし、食品製造のラインに乗ったとすれば。これが販売される形はスーパーやコンビニなどでの市販品であろう。つまり、これで毒された誰それを見て楽しめるのは家族ないし恋人に限定される。 明奈は思うのだ。それでいいのか、否と。 できることなら大衆の食事処で口にできる機会を作るべきなのである。そうなると、『エロい顔になる』じゃあ女性の心を掴むことはできまい。 よって、 「血行を良くし! ストレス解消に効果あり! 顔の緊張を解す!」 熱っぽくなり……気持ちが開放的になり………呂律が回らなくなる。 「こうだ! 健康・美容に効果がある食品として、売り出すのだ!」 しかしまあ妙に積極的ではある。女性としては、嫌がる方向性かと思っていたが。 「犠牲者が増えた方が面白いからに決まってる」 だそうで。 さて、そろそろ食そうか。目前の味噌バターコーンラーメン。 「流石冥時、味はいい、な……お、効いてきたきいれひら。ん、ふ……あつ……」 上着を脱いで、制服のリボンを外し。胸のボタンも開けていく。くっ、牛乳も用意すればよかった。 「はっ。あ、あたひはあいおる……これいひょうはいへはい!」 ぎりぎりで自制心が働いたのだろう。へそが顔を出す前に、脱ぐ手が止まる。 「れも、この○めぇんおいひいよーうあー」 伏字の意味は。 そんなザマを見ながら、アンナは思うのだ。 事前情報を元に対策を練らないからこうなるのだ、と。 熱っぽくなり、気持ちが開放的になり、呂律が回らなくなる。 それならば、自分の気持を抑えつついっそ喋らなければ良い。普通に食べきってしまえば何の問題もないのだと。大丈夫だって書こうとしてこれも大概ブーム過ぎたな。 「この戦い私の勝利だ! スタンダードに醤油ラーメンお願いします!」 ↓実食↓ 「はふ……あっつひ……ていうかきこんでらぁめんなんてなひわよねへ……」 即落ちは基本。第二ボタンまで開けて、汗に蒸れた胸元を手で扇ぐ。 「あふ……のこひひゃだめぇ……おひごとはひ……」 それでも食べることをやめないのは、流石というべきか。 「うひひひ、あんなぁー。もっとくえよーうへへべたべたしようぜー」 その横から、すっかり出来上がった明奈が抱きついた。むちむち。べたべた。 「あ、こら、明菜ぁ……ほんなにくっついたらぁ……」 「がまんすんなよおーほらほらー……」 「あ、でもこっちのもおいひほふ……♪ ふひゃあ……あっつひ。おみず……」 さて、そろそろこのパートも終了ですし、みなさんご一緒に。 …………ふう。 ●仕舞いこめ思い出の一頁 パッケージデザイン公募中。 「あかんわ、これ。世に出してはいかん」 完食後、しばらしくして。 皆、無事に正気へと、 「戻りたくなかった……! あ、後片付け! こら本部カメラ回してなかったでしょうね!?」 大丈夫。文章化程度だから。たまに写真が載る程度のレポートだから。 「ねぇ、これわざわざ試食会じゃなくて、こっそり入手して人目につかないところで確認するんじゃだめだったの……?」 だって、見たくて作られたものだし。 「しかし、人体実験というならキャドラもいたほうが良かったと思うのだが……道連れ―――じゃなくて、人数は多い方がよかろう?」 あの猫は嬉々として食べた後周りももっと巻き込むと思う。 「ラーメンって身体がぽかぽかするんですね!」 ある意味正しい。 「知り合いのおねーさんから預かってきました!」 牛乳希望、だそうで。そいやあれ、いつ発売されるんだろう。 帰りのロビー。そこで待機していた女性に声をかけられた。白衣姿、髪はぼさぼさ。ただ、両目だけがらんらんと輝いている。 誰だろうと、思った直後に答えが来た。 「お味はどうでした!?」 「売るなこんなもの!」 了。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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