●誰にでも出来る簡単なお仕事です。 「仕事としては、すごく簡単。だけど、多分すごくつらい」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、しばらく目を閉じていた。 これからリベリスタが受ける苦しみを、わずかでもわが身に受けようと天に祈るかのように。 これからリベリスタを過酷な現場に送り出す自分に罰を請うように。 やがて、ゆっくり目を開けると、ぺこりと頭を下げた。 「お願い。あなた達にしか頼めない」 苦しそうに訴える高校生、マジエンジェル。 だが、断る。なんて、言えるわけがなかった。 ●お仕事内容は土木建築です。 「アフターフォロー、大事」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)は、モニターに射撃系リベリスタには知られた戦闘区域の写真を出した。 「天狗の鼻岩。E・ビースト『流れる海産物』現時点で唯一の狙撃可能ポイント」 放置すれば、集落・壇示に降り注ぎ、十人全員帰らぬ人になるだけではなく、現在壇示で小康を保っている地下に眠る神秘存在へ悪影響極大と推測される。 実際、壇示で急速な変化があったのは、『海産物』の一匹が墜落した後だったのだから。 写真は二枚。 「『海産物』到来前」 うん。天狗の鼻っぽいね。 「現在」 激戦区、つわものどもが夢のあと。 天狗の鼻岩陣地。 岩壁にはワイヤーをかける為のフック。あと岩壁には一人か二人分の緊急避難用の穴。 金具を、断崖絶壁に打ち込んで階段にする。これで大岩への行き来が楽に。 敵の攻撃から身を隠せるよう、岩の縁に盾状の防壁にはガドリングタコの吸盤が埋まり、蜂の巣のようにひびが入っている。 滑らないように、表面はざらざらに仕上げ、照準がつけやすいように三角法の目盛りが記入され、射撃に特化した仕様になっている。 天狗の鼻には、ここで戦ってきたのべ数十人のリベリスタの血と汗と涙とフェイトがしみこんでいる。 ちなみに、とあるデュランダルの寝姿が念写されているのは、とあるスターサジタリーの執念の産物だ。 「神秘は秘匿すべき。よって、ここで何があったか隠蔽する必要がある」 いかにも物々しい陣地は、確かに不穏なにおいがする。 「そう言う訳で、絶つ鳥跡を濁さず。みんなには、ここを海産物が飛来する前の状態になるよう復元作業に従事してもらう」 切り替わるモニター。 作業工程表が現れた。 「具体的には、防壁の類を取り去った後、細くなった岩を補強する形で特殊保護材を盛り上げて、元の太さまで復元する」 取り扱いは簡単だから、粘土遊びのような感じでとイヴは言う。 「戦闘にはならない。ばかばかしいと思うのもわかる。ストレスがたまると思う。でも大事な仕事」 イヴは、もう一度頭を下げた。 「お願い」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2013年06月25日(火)23:20 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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■サポート参加者 4人■ | |||||
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● 「アークびふぉーあふたー。ただしアフターをビフォーにする、のまき。と、いうことで、我々は陣地撤去のためやって来たのだった――!」 アメリア・アルカディア(BNE004168)によって高らかに開始。 「いいかー、サボるやつはリベリスタだ、逃げるやつはよくよく訓練されたリベリスタだ。本当に簡単なお仕事は地獄だぜー」 また一人、訓練されたリベリスタが増えていく。 (よしもうダメダ諦めよう) 開始一秒で『アークの鴉天狗』風歌院 文音(BNE000683)の心が折れた。 (いやー天狗って単語だけで参加したけどコレは無理ですねーいやはやは私は肉体労働むいてないですからねー) 「サボる人、変な事をする人は足場抜きの刑に処す――!!」 『狂気的な妹』結城・ハマリエル・虎美(BNE002216)が、吊り下げられるためのバンドの間にタオルを巻きながら叫んでいる。 「え、仕事しろ? いやーしてるじゃないですかー。皆さんの大変で過酷な仕事っぷりを記録する大事なお仕事ですからね――それは別働班のお仕事です?」 文音は、さあ! と差し出されたハーネスに反射で首を横に振る。 「えー最悪にげますよー落下しちゃっても私フライエンジェなので、安全圏で飛べばいいだけですし」 今までもそんなことを言ったフライエンジェが乱気流にもまれて、きりもみしながらこの断崖絶壁に叩きつけられてきたんだぜ。 「ところで先日の最終決戦の影響だろうか……上昇気流すごくない?外を飛んだらきっと飛ばされちゃうよね。あたしは飛べないけど」 アメリアが下をのぞきこむ。 フライエンジェが逃げる気――いや、機をなくす。 『さぽーたーみならい』テテロ ミミミルノ(BNE004222)は、声もなく、千尋の谷の前で崩れ落ちた。 しっかりしろ、仔獅子(三割)。ねーちゃんたちを追い越すんじゃなかったのか。 それはともかく、資材が山と置かれて、崖上は足の踏み場がない。ヘリ降りるスペースも確保しなくてはならないので、ぎちぎちなのですね、分かります。 「今回はそんなことする場所ないって、事前に説明されてるでしょう。レーション配ります」 結果、『ジェネシスノート』如月・達哉(BNE001662)の本日のお料理計画は初手で木っ端微塵と化した。 「引火しやすいんです。火とか却下です」 今日の別働班、新人さんで融通利かない。 「今回は場所と具材と調理的な問題でフルコースは無理だ。すまんな」 (初っ端から仲間の心をぶち折る。僕はなんて酷い奴なんだ) 達哉に、皆、あ、はい。と、軽く答えた。 「お腹がすいた人にはお弁当分けてあげるのです。量は作ってきたですからね。女子の手作りはありがたいものらしいですから、貰った男は光栄に思うですよ!」 『ピンクの変獣』シィン・アーパーウィル(BNE004479)、今日はちょっと強気キャラで推してみようと思う。 作ってないから。こういうキャラだから。 「おにぎりもってきたよー」 とらまでも。今日の女子は、女子力高い。 「如月さん、何しに来てるんですか? 実働の皆さんには、実働の皆さんにしか出来ないことをお願いします」 すなわち。 「ここの、環境復元です」 ● 「簡単なお仕事」 『銀の月』アーデルハイト・フォン・シュピーゲル(BNE000497)は、ディアンドルという作業服というか、チーズ乗っけたパン食ってわらのベッドで寝る幼女とおんなじ格好をしている。いや、日本の浴衣みたいな感じで最近色々アレンジデザインもあるんだって。 「アークに所属するリベリスタから一般職員にいたるまで任じられる養成訓練プログラム。忍耐力と連帯感と個性的な人材をもってバロックナイツすら恐れさせるアークのしぶとさを象徴する任務と言えるでしょう」 奥方様。 「鍬を振る農作業が剣術の稽古に通ずるように」 そんな深いお考えでかぼちゃヌガーをかみ締められておられたのですね。吸血鬼はあごが命です。 「簡単な仕事か。…色々な意味で鍛錬には最適なんだが、なぁ」 『立ち塞がる学徒』白崎・晃(BNE003937)も、簡単な仕事についてちょっとは語れる。 (内容が単純でも一筋縄でいかないのも十分知ってる。往復100キロの土壌改良剤を散布する強行軍なんて経験すればな) 毒ガス吸って、巨大ロボットの幻見たのはいい思い出です。そうだと言ってください。 ここは、アークの射撃や遠距離魔術のエキスパートが死力を尽くしたところだ。 晃自身は射撃が得意ではなかったので、参加を名乗り出ることはなかったが、それでも多くのリベリスタが長期に渡って関わったこの仕事には興味があった。 「ここで何人ものリベリスタが激しい闘いを繰り広げたのかと思うと感慨深いな」 『癒し系ナイトクリーク』アーサー・レオンハート(BNE004077)は、この寒い、尖ってる、高いの最悪環境でも、腹筋をしまわないナイスガイだ。 崖の上から下を覗き込むと、呆然とするほど細い岩に穴ぼこだらけの外壁と、かすれた血の跡と照準線が交錯するタイルが見て取れる。 歴戦の戦士が戦い続けた戦場そのものだった。 「でも俺、全然この件に関わってないんだが……気にしちゃいけない」 謙虚な五十代に、あはは、と、十代の晃は笑った。 「それでも後始末とはいえ、この一件に首を突っ込めるのは幸いだな」 (それを感じられるなら後始末だって喜んで引き受けるさ) 自分の戦い方を模索中の晃にとって、何よりの教材だった。 「――飯食ったら20分仮眠。午睡超大事!アーデルハイトのティータイムと同じくらい超大事!」 達哉が持論をぶちまけている。 「アーデルハイトさんは、ティータイムは全てが終わった後でっておっしゃってました。そういうぬるいこと言うの、よそでやってください。働かない子は簡単な仕事にはいりませんよ」 そして、崖から吊るされる。足場が勿体ないんだよ。 「確かに空飛ぶ海産物の戦場は壇示だけどさ。海産物食べに行くなら、海の方だよね? いやー、どうりでおかしいと思ったんだよな。そりゃ、あの時のイカ焼きの匂いは今でも想い出すし、寧ろ新鮮なイカを内臓ごと丸焼きにする「鉄砲焼き」が食べたいなあとか考えてましたよ。ちょっと募集要項流し読みでしたよ」 『デイアフタートゥモロー』新田・快(BNE000439)は、ちょっと内蔵が痛んではいるが食い意地は張っている。 「けどね、拉致だよこれは!?」 え、何? ごく普通に依頼に参加したリベリスタをヘリに突っ込んで現地直送しただけだよ? 「絶対17時で帰るからな! プロのアルバイターになるからな!」 ははは。プロアルバイターさんはお仕事を掛け持ちしているから、あの時間に帰れるんだよ。デスクワーカーの新田さんの場合、これとこれが組み合わされるから――。 「え、最大延長22時まで?……マジで?」 うん、最後までがんばってね! あ、傷んだ金属繊維にスパークが走った。 「最高なんだがなぁ――!!」 アークの守護神の背中に、晃は、万感の思いをこめて繰り返した。 ● 「足場が組めれば楽なんだけどなぁ」 この絶壁じゃ無理かぁ。と笑う、『箱庭のクローバー』月杜・とら(BNE002285)は、砕けたタイルの破片をワイヤーで上に運ぶ。 (ちなみにスカートじゃないよっ、ホットパンツだよ!喜んでも無駄だよっ?) いや、太ももとホットパンツの間に出来る隙間もなかなか――。 「しっかし、フックとか頑丈な岩にがっつり打ち込まれてるから、使う時は良かったろうけど、外すのは大変そうだねっ!」 外す人って誰? 訓練されたリベリスタだよっ! 「まあでも、イカタコの上にも2年。解決したんだもんな。報告書オンリーだったけど、ホント関わった人にはご苦労様だなぁ。何ていうか、結局倒すしかないってのが、アレだったけども」 倒した人は、遠い眼をしていた。 「不肖の倅の後始末……本当に世話のやける奴だ」 (こうしてぺたぺた泥を塗っていると、思い出が走馬燈のよう――) そんな感じで、半年以上が過ぎて、ついに、彼は叫んだ。 「やってられるかー!」 三番、エコー。 「もうあいつの尻拭いなどご免だ源泉掛け流しと山の幸と地酒を楽しんでやるふははっ口惜しいだろ死ぬ奴が悪いのだ」 脳内記憶と会話しております。病気じゃないから温かく見守ってください。 (ふう温泉も酒も一人では侘びしいものだな皆の作業が終わるまで土産でも見繕うか小木に嫌な思い出も酒で洗い流せるように旨い酒でも持って行ってやろう四門にはペッキ喜んでいたしな) 伊吹の現実逃避的妄想はとどまることを知らないが、それもこれも作業が終了してからだ。終わらないと引き上げてもらえないし。 思い出の中の子離れおめでとう。と言っていいのか、審議中。 ● 「さぁ、まずは手っ取り早く壊すか」 晃が真白く発光する自らの拳でベキバキ防壁を叩いて壊す。 「私の血がかかったり練り込まれたこの場所ともお別れだと思うと感慨深いものがあるね、お兄ちゃん…皆勤だったしさ」 『狂気的な妹』結城・ハマリエル・虎美(BNE002216)の血を最も吸っているといってもいい。回数的に。そして消えない何かを残しているのも虎美だ。 「おにいちゃん」 タイルに刻まれた兄の姿を指でそっとなでる。 その姿に向けて、アーデルハイトは十字を切った。 「先に同行した依頼では、参加者全員に縞模様の下着を贈り、堂々とスカートめくり宣言をしたという大胆不敵ぶり。いかなる戦場においても己を貫く様は賞賛に値いたします」 「うちのお兄ちゃん、最高だから」 「――そうですね」 虎美とアーデルハイトはしんみりと会話しているが、別に死んでない。ここに転写されているだけだ。 「まずは、超かっこいいお兄ちゃん寝姿の修復からっ」 高らかに宣言した虎美に、全員が振り返った。え、なんで。これからその転写されたタイルぶち割ってパテで埋めるんだよ? 実際、シィンは、フィアキィ(名称不詳)に頼み込んで、瞬間冷凍からの破砕! に、勤しんでいるし、アメリアもどっかんどっかん銃を振るって、タイルを粉砕している。 「とんでもないよ! 傷ついたお兄ちゃんを癒すのも私の役目!」 否定した途端に、蜂の巣にされそうな気がするのはなぜだろうなぜかしら。 とらなどは、出来るだけ視界にもいれない徹底っぷりだ。それが、訓練されたリベリスタ。 触らぬヤンデレブラコン妹に祟りなし。 兄の写真を元に、丁寧に、念写がないから包帯を書き足す虎美の横顔には愛が満ち溢れている。 「お兄ちゃん、とってもかっこいいよ。素敵だよ、包帯似合うね、もちろん右手の包帯が一番最高だよ虎美はおにいちゃんといちゃいちゃしながらする作業が大好きそこにお兄ちゃんがいるからだよお兄ちゃんぺろぺろ」 そしてほんとにそこだけ残されて、タイルは全部はがされた。 「大丈夫だよお兄ちゃん虎美はお兄ちゃんを破壊したりしないよお兄ちゃんはこれから虎美が埋めてあげるからねこの天狗の鼻岩で虎美とおにいちゃんはずっとずっと一緒だよあははうふふ」 虎美は、まだ削られる前の天狗の鼻岩の写真を凝視して、一つ大きくうなずくとおもむろに兄の胸の上に自分の写真を置き、どどどっっとパテを盛った。 「お兄ちゃん、ずっと抱きしめて離さないでね」 威嚇されるまでもなかった。落っこちないぎりぎりのラインまでそばに近寄りたくなんかなかった。 (長く、辛い作業だった……さあ、先任軍曹、最後に寝姿を埋めて作業の〆を。そしたら、後は写真どおりに粘土をまぶしつけるだけ――) そう脳内で祈念したアメリアの銃弾がファンぶった。 跳ねる弾と書いて跳弾。 ずびし。まだ粘土塗ってなかった寝姿の兄の尊厳部分がはじけて飛んだ。 この空白で、場の気まずさをお察し下さい。 「て、てへぺろ」 アメリアが後ずさる。虎美が二丁拳銃に手をかけた。 どちらか選ばせてやる。落ちて死ぬか、撃たれて死ぬかだ。 「かくなる上はバンジーで離脱! あいきゃんふらい!」 命綱びよーん。吹き上げる上昇気流。 「あー、フェイドアウトもできなーいっ!!」 それがきりもみしながら断崖絶壁に激突する直前のアメリア最後の言葉になった。 ● そこに粘土があったら、人型知的生命体が粘土遊びを始めるのは半ば本能である。 シィンは体にロープをくくりつけ、それはまじめに仕事をする気だったのだ。 だが、気がつくと、イカとかタコとか作っていた。あるぇー? (……こういうのを捏ねてるとプラモみたいにロボを造形したくなるが、我慢だ我慢)) 晃は、粘土ブロックを捏ね上げて柔らかくする担当。 中高生はこういうの好きだよねーと去年慰められたのが、逆に胸に来たのだ。 (仕事中に余計なことする訳にはいかないだろ。どうせ天狗岩を戻すためには山ほど捏ねなきゃいけないんだからな) もう、高校三年生だから、ロボとか言ってらんないんだよ。もうすぐさよなら、チャイルドフッド。 (――金属の腕じゃなかったら腕が壊れてただろうな) ええ、そのためのリベリスタ動員です。 アーデルハイトは、岩盤を馴らしてから補修していた。 「こう、ごつごつとした岩肌に触れていると胸が高鳴ります……」 奥方様、いささかフェティッシュです。 残る激戦の跡。報告書の文面からも読み取れた鉄火場の空気は、現場において更に濃く。 岩に染み込んだ血の臭いが、ヴァンパイアのハートをガッチリキャッチ。 ちなみに、血臭で鳥や怨霊が群れるなんてことがないように、消臭剤や魔よけの香草も練り込んであります。対神秘と対物理に定評のある、安定のアーク品質です。 (加えて逞しい殿方が同行しているのは僥倖で眼福――ごほん) 奥方様、半裸系マッチョ、お好きだから。 「こうしてるとまるで粘土遊びしているみたいで、童心に帰った気分になるな」 視線の先。アーサーが遠い目をする。 (いやまぁ、俺、子供の頃から組織で殺しの技術仕込まれてたけど……) こねてたのは、火薬とか、プラスチック爆弾です。 (きっと気にしちゃいけない、雰囲気というのは大事なのだ) さあ、今こそ童心に帰ろう! 人間らしい、失われた時を取り戻すんだ。 (シリウスたんとか作ったら駄目かなぁ、駄目だよなぁ……) シリウスたんとは、アーサーが溺愛しているわんこたんである。 天狗の鼻岩の上にわんこ像がちょこんと乗ってたら、誰がやった!? ってネット配信。まずい。 (でも、最後に壊して元に戻せば……いや駄目だ!! いくら作り物でも俺にシリウスたんを壊すなんて事出来るわけが……!? ) うん、無理。 (いいんだ、俺にはもふもふで可愛い本物のシリウスたんがいてくれれば!) 握り締めた粘土が、指の間から、ぶじゅるっとしてご臨終した。 奥方様もご存知でしょう。アーサーさん、中身はとってもメルヒェンな方なんですよ? あ、観賞用なら、中身はどうでもいいのか。 ● 「あ、岩にぱんちとか、どうなるかいっぺんやってみたかったんだ。試してみていい?」 「今の僕はあのドイツ女に対する怒りが渦巻いている」 「いいんだ、俺にはもふもふで可愛い本物のシリウスたんがいてくれれば!」 「ロボとかそんなの考えちゃだめだ」 「眼下に広がる山と森、湖と川。遠くに見える街並み」 「この下におにいちゃんとあたしの永遠のパラダイスが。お兄ちゃんすきすきぺろぺろ」 「こういうの楽し……」 「のわー、あたしのぬこ塗り込めちゃだめー!?」 「断崖からでてくる巨大ロボとか」 「ここ、お城を建てるには絶好の土地ですね」 「誰かめり込んでるぞー!!」 「しゅごしーん!?」 「本物はもっと切れが違うぜ!」 「やめろ、なんだかよく分からない植物の種を埋めるのは!?」 「俺、この仕事が終わったら、家で思う存分シリウスたんをもふもふするんだ……」 「シュゴシンッ!?」 「本物だ!?」 「フェイトー☆」 「いっぱーっつ!」 「因みにあれはやった後に飲んでるので、飲んだからってあんな事が出来るようになるわけじゃないんだぞ」 「そして、鞭を携えたヴァンパイアハンターと謁見の間で死闘を演じるのです」 「そんなことばっかり考えてたら、だめだろ!? もう子供じゃないんだから!」 「最後にこっそり自分の名前彫ったら終わりです」 ● 虎美はお供えした。 大山童にイカタコのおすしパック。 (ま、そっちと関わりはなかったんだけど、なんとなく?) 大山童がイカタコ食べられなかったのは虎美のせいだと考えれば、まあ供える意義はあるような気がする。 「なお覚悟の決まったリベリスタが完遂するので終わらないことはありません」 この台詞を言わずして、死ぬことは出来ない。アメリア的に。 「なんということでしょう、アークのリベリスタによって戦闘用陣地に変わっていた天狗の鼻が、リベリスタの手によって再び元の人がこないただの出っ張りに戻ったではありませんか」 うん、そう言う訳で、集落・壇示の天狗の鼻岩復元工事は終わった。 ところで。うっかり名前なんか彫っちゃったのが別動班に最終チェックで発見されたせいで、誰かさんが居残りさせられたりするのだが、まあ、それほどたいしたことではない。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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