● そいつは満月の夜にやって来る。 満月ごとに、獣臭を漂わせ、荒い息を吐き、私を食べにやって来る。 狼! 狼! 狼! 狼が私を食べにやって来る! そいつが来ると私は不思議な場所に居る。誰も居ない其の場所を私は1人で逃げ続ける。 逃げて逃げて逃げ延びて、隠れて隠れてやり過ごして、夜が明けたら私は何時もベッドの中。 「ねえお母さん、狼が私を食べに来るよ!」 真由、馬鹿な子ね。狼なんていやしないわよ。 「ねえお父さん、狼が私を食べに来るよ!」 真由、狼少年の真似事かい? 遊びでも嘘は関心しないぞ。 お母さんもお父さんも信じない。誰も誰も信じてくれない。 でもたった一人だけ。幼稚園も一緒で、小学校でも同じクラスの啓介くんは私の言葉を信じてくれた。 「ねえ啓介くん、狼が私を食べに来るよ! 誰も信じてくれないの。私、狼に食べられちゃうよ」 泣きじゃくる私の手を、啓介くんは握ってこう言った『真由、俺が助けてやるよ!』って。 次の満月、狼は私を食べに来なかった。 でも、でも、でもでもでもでも、其の次の日から啓介くんは行方不明になった。 きっと狼に食べられた。私が助けを求めたせいで。私なんかを信じたせいで。 もういいの。私はうそつき狼少女。 もういいの。次の満月、狼は私を食べに来る。 もういいの。私は逃げない。狼さん狼さん、私を私を、おあがりなさい。 ● 「諸君、一人の少女を救って欲しい」 集まったリベリスタ達を前に、『老兵』陽立・逆貫(nBNE000208)が口を開く。 単刀直入に、願いを言葉に。 「ある小学生の少女が、一体のアザーバイドに付けねらわれている」 其のアザーバイドは、少女の世界に自らの固有空間を作り、其の中で少女を追い掛け回していたのだと言う。 その気になれば簡単に捕まえれる筈の少女を、延々と。 「そのアザーバイド、呼称を『狼』とするが、そいつは少女が不可思議な体験に周囲に訴えて助けを乞うては無理解に拒絶される様を楽しんでいた」 其れは狼にとって料理に等しい行為であった。瑞々しい肉に、絶望のスパイスを塗す作業。 「しかし唯一人少女を信じた者が居た。少女を救わんと願う者が居た。けれど其の者は其の願い故に狼の餌食となった」 唯一人少女を助けようとした少年は狼に食われ、少女は完全に絶望へと堕ちた。 自分は嘘吐きで良いと。自分はもう喰われても良いと。 ……他の誰かが犠牲になる位なら。 「完全に仕上がった少女を、今晩現れた狼は喰らうだろう」 余りに救いの無い、狡猾で残酷な、上位世界からの来訪者の食餌。 眉間に深い皺を寄せた逆貫は、リベリスタ達にもう一度願いを口にする。 「諸君、一人の少女を救って欲しい」 資料 アザーバイド:狼 残酷で狡猾なアザーバイド。姿は二足歩行をする、頭部が3つの狼。高さは4mほど。 左の頭は吐く息で建造物をも吹き飛ばす。右の頭は炎を吐いて周辺を火炎地獄と化す。真ん中の頭の全てを貫き染み入る言葉を聞けば、怒りに我を忘れて狼に挑んでしまう。 左右の前足の爪は真空の刃をも生み出すし、強靭な後ろ足は其の巨体を尋常ならざる速度で運び、ジャンプは遮る者を飛び越える。そして或いは着地地点を踏み潰す。 一般人には侵入出来ない位相の異なる固有空間を作り出す。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:らると | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 6人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年06月09日(日)22:32 |
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■メイン参加者 6人■ | |||||
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● 狼が来たぞー。 物語の少年は叫んだ。 大人達を騙して楽しむ為に。 狼が来たぞー。 物語の少年は叫んだ。 大人達は幾度かは騙され、それを見た少年は笑い転げる。 でも、でもでもでも、やがて本当に狼はやって来た。 狼が来たぞー! 物語の少年は必死に叫ぶ。 けれどももう誰も少年を信じない。そうして彼は狼の胃袋に収まった。 自業自得故に悲劇と呼べず、あまりの結末に喜劇とも呼べない。 嘘を戒める訓話である。 だが今、少女は、物語の狼よりもずっとずっと凶悪なアザーバイドに狙われる真由は、一度も嘘を吐いて等居ない。 狼が私を食べに来ると、少女は訴え、一笑に付された。 それどころか唯一人信じてくれた幼馴染は、真由を信じたが為に行方不明となってしまったのだ。 漸く食材の味付けが終わった事に、狼は歓喜の咆哮をあげる。 狼の声に身体を細かく震わせ……、それでももう逃げようとしない真由は今、諦めと覚悟と絶望に包まれた居た。 少女の瑞々しい肉と心は、狡猾な狼によって彼好みに染められた。 嗚呼、此れは訓話などでは決して無い。 罪なき少女を襲う、悲劇。圧倒的な悲劇であった。 しかし問おう。この世に、悲劇は何の為にあるのか。 哀しみと絶望に共感し、自らの心を慰める為か? 同情し、或いはああなりたくないと上から見下ろし、今の自分に満足する為か? 違う。そうである者も居るかも知れないが、それでも敢えて違うと言おう。 悲劇とは、己にそれが降りかかるならば打ち砕いて見せると誓う為に。 己が回りの大事な誰かにそれが降りかかるならば、やはり圧倒的に砕き散らして見せる為に。 そう、悲劇とは打ち砕く為に存在するのだ。 「お前に彼女を殺させたりしない!」 涎を垂らした狼と、諦め震える少女しか居ない世界に、響いた声は『愛を求める少女』アンジェリカ・ミスティオラ(BNE000759)の誓い。 食餌を前にした興奮で新たな侵入者に気付けなかった狼に、地を駆けた『戦姫』戦場ヶ原・ブリュンヒルデ・舞姫(BNE000932)が刃を振るい、翼をはためかせて宙舞う『箱庭のクローバー』月杜・とらの糸が絡む。 驚きに開いた狼の口腔内に、『無銘』熾竜 伊吹(BNE004197)が放った硬い腕輪、噛み砕けぬ其れが突き刺さる。 そして狼以上に驚き、状況を理解出来ぬ真由の前に、頼もしい大きな背中が、『ディフェンシブハーフ』エルヴィン・ガーネット(BNE002792)が彼女を庇う様に、護る様に立ちはだかった。 「君を助けに来たよ、もう大丈夫だ」 優しい口調で語りかけるエルヴィンの、リベリスタ達の想いは唯一つ。 少年の想いを無駄にしない為にも、絶望を打ち砕いて、少女の笑顔と希望を取りもどす! 「絶対に護り抜く! 何処からでもかかって来やがれ!!」 好き勝手に少女を嬲って来た狼に、リベリスタがあげた怒声は反撃の狼煙。 ● 敵対者からの強襲に身を捻った狼が後方に飛ぶ。 餌に目を奪われていようとも、身に迫った危険への判断は流石に早い。狡猾で抜け目無い野生。 巨体に見合わぬ素早さに、けれども宙を裂いて後を追うは気糸、『白雪姫』ロッテ・バックハウス(BNE002454)が放つピンポイント・スペシャリティだ。 「真由様! 狩人さんが駆けつけたのですぅ!」 童話でもゲームでも、何時だって狩人は狼の天敵でアンチユニット。敢えて其れを名乗ったロッテの精密な攻撃は確かに其れを彷彿とさせる。 白雪姫にも狩人は登場するのだ。御妃様に白雪姫を殺して肺と肝を持ち帰れと命じられ、それでも彼女を見逃した慈悲深い狩人が。 しかし例えロッテが狩人を名乗ろうとも即席の其れに容易く狩られる程に此の狼は……、否、例え其処に居るのが本物の熟練の狩人だったとしても、三つ頭の狼は、上位世界からやって来た悪意は甘くない。 天に月、地には絶望。迫る気糸を吐息で吹き散らし、敵対者達の実力を把握した狼は冴え冴えとした満月に一声吼える。 右にアンジェリカ、左にそらが回り込んで狼に対する圧力を強めていく。 舞うカード、ライアークラウンに伸びる気糸、デッドリーギャロップ。 だが2人を速度で上回る狼は彼女達に思い通りの位置取りを許さず、吐息で吹き飛ばし、炎で焼き払う。 目にも止まらぬ速度で振るわれた伊吹の腕から再び撃ち出された乾坤圏は、しかし狼の腕から放たれた真空刃とぶつかり主の腕へと返る。 此の場に集った者達は何れも幾度の修羅場を潜り抜けた兵達で、放たれる技の一つ一つは砥がれた刃の鋭さを持つ。彼等は世界を守るリベリスタ。 けれどそれを凌ぎ切る狼の、異世界からの来訪者の実力もまた尋常の物では無い。 迫るリベリスタ達を置き去りに、月夜の空に狼は其の巨体を躍らせる。 例え邪魔が入れど狼の狙いは絶望に染まった真由の肉。邪魔者達には腹を満たした後で其の行いの報いを受けさせれば良い。 先ずは食餌だ。 だが狙われた真由を守るは彼女に張り付く舞姫と、2人を其の背中に庇って盾を翳したエルヴィンだった。 月光を遮る狼の巨体がエルヴィン目掛けて降って来る。其の勢いと質量が生み出す破壊力は、ホーリーメイガスとしては異様な、それこそクロスイージスに近しいタフネスを持つエルヴィンとて致命傷を受けかねない威力だ。 なのにエルヴィンは……、逃げる素振りを欠片も見せず、寧ろ脚を踏ん張り盾を翳して己を一枚の壁と化す。避ければ狼の爪は後ろに届く。 まだ舞姫が後ろに控えているとは言え、それをエルヴィンの心意気は、ディフェンシブハーフとしての、壁としてだけでは無く回復支援まで含めた守備の要としてのプライドは許しはしない。 後ろに守るべき者が居るのなら、其の身を賭して守り抜く。 大ジャンプからの踏み付けを、巨体と跳躍能力を活かした破壊的な其の一撃を、エルヴィンの盾が受け止めた。勢いと質量は衝撃と化し、盾を持つ彼の腕を、地を踏ん張った彼の脚を、そして彼を支える体幹を、無残に砕いて行く。 けれど狼はエルヴィンを突破する事叶わない。腕折れ、足折れ、満身創痍となったエルヴィンは、それでも運命を対価に倒れる事を拒絶したのだ。 踏み止まった障害に、想定外に驚いた狼の動きが一瞬止まる。そして其の隙を逃さず巨体を絡め取ったは追い付いたとらが放つ拘束の気糸。 ● 「君は死んでもいいと思ってるみたいだけど、啓介君が望んでたのは君が生きる事のはずだよ! もし君が彼の事を思うなら、彼の願いを、彼の勇気を無駄にしないで!」 アンジェリカが、 「真由ちゃんがここで諦めたら、啓介君の勇気も嘘になって、なかったことになっちゃうよ?」 とらが、 「わたし達が真由様を、必ず守るのです!!」 ロッテが、 「我々はそなたを信じてここに来た。だからそなたも我々を信じて欲しい。『必ず守る』と」 伊吹が、難敵と戦い続けるリベリスタ達が、それでも必死に真由へと呼び掛ける。 驚異的な力を眼前で発する狼よりも、根深く厄介な真由の心に巣食った絶望を祓う為に。 其の闇を拭わずして、真に彼女を救う事等できないのだから。 けれど、そんなリベリスタ達の必死の呼び掛けも真由の耳には届かない。 無論音は聞こえている。だが脳に、心に、言葉として染み入らないのだ。 啓介を失った事を自らのせいだと思い込んだ、後悔と諦めと自責の念が、救いの言葉を遮断する。 目を伏せる事も出来ない真由の瞳は、傷付くリベリスタ達の姿に涙を流すのみ。 彼等が誰で、何故此処にいるのか等判らない。それでも幼い少女は彼等が傷付くのも自分のせいだと思いこんだ。 しかし、そんな真由の身体を舞姫の腕が強く優しく包み込む。此れまで耐え忍んだ彼女を労う様に。 耳元で囁く。傷付いた彼女を労わる様に。 直ぐ傍からかけられる優しい声は、漸く真由の耳に言葉として届く。 ――ごめんね、遅くなって 『どうして謝るの? 悪いのは私なのに』 ――真由ちゃん、よくがんばったね 『違うよ。私のせいで……』 舞姫は真由の頭を己の胸に抱え込む。 真由の心に根付いて縛る狼の囁きを遮り、彼女を縛る鎖を断ち切らんと。 狼を知っていると、真由を助けに来たと。 ――そうだよ、真由ちゃんは嘘つきなんかじゃない。だから、もう少しだけ、がんばろう? そう、真由は決して嘘吐きなんかじゃないと。 幼い少女の瞳が、驚きに見開かれた。肯定の言葉と揺ぎ無い温もりに、真由の世界に色が戻る。 アンジェリカの、とらの、ロッテの、伊吹の、言葉が意味を成して彼女へ届く。 「…………でもっ!」 漸く絞り出た少女の声は、それでもリベリスタ達が聞きたい物では無い。 けれど彼女の心の、絶望の壁に穴は開いた。 「でもじゃない! 俺達は、きっと彼の想いに導かれてここにいるんだ」 血に染まりながらも狼を遮り続けるエルヴィンが叫ぶ。 啓介の、勇敢だった彼女の幼馴染の想いを無にせぬ為にも。 「だから、君が望むなら、必ず君を助ける。もう一度だけで良い、勇気を振り絞って」 君の本当の気持ちを教えてくれと。 「真由ちゃん、おねえちゃんは真由ちゃんを信じるよ。だから、真由ちゃんも、おねえちゃんたちを信じて!」 もういいなんて言葉が聞きたいんじゃない。彼らの聞きたい言葉は唯一つ。 自分を押し殺した言葉なんかじゃなく、心の底から助けを欲する唯一言。 「狼が、狼が私を食べに来るよ。皆、助けて!!!」 さあ、それじゃあ悲劇を打ち砕きに行こう。 ● 狼から濃密な殺気が発せられる。 アザーバイドのリベリスタ達に対する認識が、邪魔臭い障害からはっきりと排除すべき敵に変わったのだ。 真由に混じった希望と言う名の雑味を取り除くには、この煩わしい敵を皆殺しにする必要が生まれてしまった。 だが戦意の上昇はリベリスタ達とて同じ事。 はっきりとした助けを求める声に、彼等の戦意は其の身より溢れ、可視化した闘気となって立ち上る。 先んじて動いた狼が、真っ先に狙うは後一押しで倒し切れるエルヴィンだ。 突き出された切っ先鋭い其の爪を、けれどエルヴィンは自信を持って己の身体で受け止める。 耐え切る自信があった訳では無い。彼の身体は既に限界の一歩手前だ。運命を対価にする事も短時間の間に二度は行なえない。 しかし、エルヴィンには例え自分が倒れようとも狼の動きをもう一度止めれば、今度は仲間達が決めてくれる事を確信していた。 鋭い爪に腹を貫かれながら、エルヴィンの瞳はアンジェリカが狼の背に張り付くのを見届ける。 異能の力で狼の巨体を足場にして張り付くアンジェリカ。ともすれば無謀ですらある彼女の行動は、それでも狼に大きな衝撃を与えた。 虫であれ蛭であれ、例えそれが普段は愛らしい猫であれ、他の生き物が敵意を持って身体に張り付いてくれば誰しも言い知れぬ気持ち悪さを感じる。 振り払おうと暴れる巨体の背中で、けれどもアンジェリカの足はまるで吸い付く様に其の足場を離さない。 無論異能の力を使おうと、そんな無茶が長続きする筈はないだろう。しかしこの時、狼の注意は完全にアンジェリカのみに注がれていた。 腕を伸ばして捕まえたアンジェリカに狼が齧り付く。 防御力を備えた異能者の身体は硬く、狼の好みからは大きく外れる。牙を立てれば自ら爆ぜる程に無力で瑞々しい一般人の子供こそが真に狼の望む食餌であるけれど、其れでも三つの頭は次々にアンジェリカの身体に牙を突き立てた。 食餌ではなく攻撃として、貪り、喰らう。他に注意を払う事を忘れてしまった隙だらけの姿で。 其の隙を逃さず狼の身体を貫き通したのはロッテの全身から伸びた気糸、 「プリンセス☆ピンポイント☆スペシャリティ~!」 そう、ピンポイント・スペシャリティ。糸の齎す重圧が敵の動きを鈍らせる。 更にロッテの糸に束ねるように、重ねるように放たれるとらのデッドリー・ギャロップ。 「くたばるのは、嘘つき狼、貴様の方だ! 分厚いツラの皮剥いで、ブリーフィングルームの絨毯にしてくれるっ!!」 多重の気糸は狼の身体を捉え、そして強く縛り付けた。 でも頭が3つもある狼の毛皮なんて気持ち悪い絨毯はきっとどのフォーチュナも望まない。 そして最後を飾ったは、サングラスのズレを指で直した伊吹。 彼が想いを馳せるは、誰よりも真由を、幼馴染の少女を守りたかったであろう勇敢な一人の少年へ。 神秘の存在など知らぬのに、誰もが信じぬ真由の言葉を、其れでも敢えて信じて踏み込んだ勇気に。 「仇は討ってやろう」 伊吹の腕に力が宿る。そして弾丸の様に打ち出された腕輪、乾坤圏は、狙い違わず狼の3つの頭の一番右、隻眼の其れの残された片目に抉り込んだ。 深手を負った狼の絶叫に固有空間が割れる。 ● 強引に糸を振り切り空間の裂け目へと逃げ込むアザーバイド。そして主を失い崩れ行く固有空間。 衝撃に気を失った真由を抱えたリベリスタ達が帰還したのは、行きを急いだ彼等が強引に突破した為大騒ぎになっていた真由の家の彼女の部屋へ。 別れを惜しむ間も無い此の状況に、思わず浮かぶ苦笑い。 アークへの報告が通れば、彼等の所属する組織は何らかのフォローを入れてくれるかも知れないが、今この場で彼等自身が状況を打開するのは難しいだろう。 真由をベットに寝かせ、傷付いた仲間を抱え上げ、リベリスタ達は窓から脱出を計る。 遠くから近付いて来るサイレンの音も、彼等が真由を無事に連れ戻った証明ではあるのだけれど。 だが努々忘れる無かれ。もう満月が微笑む夜に彼等は安息を得れない。 リベリスタ達の実力を知った狼は、それでも彼等が気を抜くまでじっと潜んで様子を伺うだろう。 1つの目を失えど、狼の鼻は世界の壁を越えて彼等の匂いを求めてひくつく。 打ち砕かれた悲劇は、狡猾に、執拗に、再び舞台の幕が開く其の日を、唯待ち続けている。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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