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嘔吐エンジン

●殺人鬼の作法
 人の死を悲しむべきだ。
 どこで読んだか、何時に聞いたのか。覚えてはいないけれどその通りだと思ったことを覚えている。至極当然の倫理に痛く感銘を受けたことを覚えている。
 そうだ、死は悲しむべきなのだ。見ず知らずの死を悼むべきなのだ。友の死を嘆くべきなのだ。身内の死に泣き叫ぶべきなのだ。たとえ私が殺人鬼であったとしても。
 絶命したクラスメイトの首から手を放す。くっきりと残った指の跡。窒息ではなく首の骨折で死に至っている。肉が引きちぎれる感触も骨が砕ける感触も覚えている。私が殺したのだ。私が殺したのだ。ほら、だって私は殺人鬼だもの。
 昼日中にノートを貸してくれた友人。だから殺したわけじゃないけれど。好きな人を言い合って笑いあった友人。だから殺したわけじゃないけれど。席が隣だった友人。だから殺したわけじゃないけれど。でも殺した。
 涙が溢れる。ぽたぽたと落ちる。悲しい、悲しい。そりゃそうだ。だってクラスメイトが死んだのだ。悲しくないわけがない。
 涙を流す、嗚咽を漏らす……と。掠れた音が聞こえた。
 顔を上げる。微かに呼吸音。まだ生きている。よかった。確かに瀕死だけれど。絶命させたと思ったけれど。
 涙を浮かべたまま、安堵の吐息。胸を撫で下ろして、クラスメイトの首を胴から力任せに引きちぎった。
 沈黙。念のため別れた胴の心音と、離れた首の呼吸音を確かめる。うん、今度こそ死んでいる。私は再び涙を流し始めると、声をあげて泣いた。
 友達が死んだ。悲しい。悲しい。悲しい。悲しい。
 いつまでそうしていたのだろう。涙も枯れた頃、私は立ち上がって転がる首を踏み砕いた。途端、風化して砂に消えていく元クラスメイト。
 明日は上級生の男子かな。そんなことを思いながら赤くなった目を擦り、鼻を啜って家路についた。

●預言者の技法
 連続高校生失踪事件。
 月初から七人の被害を出したその解決をと予知の少女に招集されたリベリスタ達は、それがフィクサードによるものであると聴かされる。彼らは等しく殺されて、不明とされたのはその身が消えてなくなったからだと。
「なんて、言うのかな……たぶん泣いてた」
 Cマイナスとネーミングされた今回の殺人鬼。彼女は殺したばかりの相手を悼み、嘆いたのだという。あまつさえ、息があることを確認し安堵の笑みを浮かべながらまだ殺したのだという。そうしてまた泣いたのだと。
「友達が死んだから悲しい。悲しいから泣いた。そんな感じだった」
 それは人間として当然の行為。人間として正しく、生命として正しい行為。そのピースだけを切り取ればの話だが。
「狂ってる、なんて殺人鬼には今更かな。きっと言葉は届かない。きっと気持ちはわからない。だから説得の必要はないよ、なんとしても打倒して」
 そして、できることなら捕まえて。と、うさぎの少女は言う。真意は分からないが、それも仕事ならと戦士は頷いた。


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:yakigote  
■難易度:NORMAL ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2011年07月13日(水)22:07
皆様如何お過ごしでしょう、yakigoteです。

七人の行方不明者を出している連続高校生失踪事件。その実態はフィクサードによる殺戮であると判明しました。
預言者の観測では殺人鬼に明確な目的はなく、このままでは被害数が増える一方だと思われます。
予知された現場に向かい、彼女を打倒してください。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
ナイトクリーク
星川・天乃(BNE000016)
ナイトクリーク
源 カイ(BNE000446)
デュランダル
新城・拓真(BNE000644)
デュランダル
歪崎 行方(BNE001422)
デュランダル
兎登 都斗(BNE001673)
覇界闘士
蜜花 天火(BNE002058)
ホーリーメイガス
ゼルマ・フォン・ハルトマン(BNE002425)
プロアデプト
レイチェル・ガーネット(BNE002439)

●処刑人の方法
 はいはい、予鈴聞こえてないの? 講義始めるよ。席についたついた。はい、テキスト出して。そこ、ゲームは休憩中にしようね。じゃあ今日は道徳的な内容をやるから。何、似合わない? 五月蝿いわね、わかってるわよ。私だって今更モラルの話なんてしたくないの。だから今日はホント基礎の基礎ってとこやるわよ。はい、静かに。

 感情の共有、意志の理解、同一性。同化とも思える精神の重ねあわせ。自分ではないという大前提に置いてすれば、非常に困難な作業とも言えよう。まして、根本・根源の異なる相手ともなれば。
 狂った殺人鬼。狂ってしまったのか、狂っていたのか。何を感じるのか、何を思うのか。死が悲しいのに、どうして殺すのか。行動と感情の無結合。『ゼログラヴィティ』星川・天乃(BNE000016)には興味があったが、それを尋ねている暇はなさそうだ。膂力、精神性共に驚異極まりない。遠慮呵責なくその奇行を止めさせてもらうとしよう。
「……以前、敗北を強いられた殺人鬼と通じる所がありますね、彼女は」
 源 カイ(BNE000446)は予備計画の名を冠された少女を思い出していた。彼女もまた常軌を逸した理論、理屈、理性によって殺人を犯すそれ。残念ながら彼女を止めることはできなかった。殺人を犯していた、殺人を犯している。おそらくは今もどこかで。
 理解の出来ないそれ。理解の許さないそれ。しかし共感性はなくとも『誰が為の力』新城・拓真(BNE000644)には構わない。相手が誰であろうと全力をつくすことに違いはない。何人何十人殺してきたかは知らないが、もう誰も殺させはしない。今日此処で全てを終わらせてやろう。
「人の死は、お前を満たす為に存在する物じゃない。どうしてもやるというなら……こちらも容赦はしない」
 行動矛盾、論理崩壊。日常の感情を持ちながら、非日常のそれを持って台無しにしている。ぶち壊している。どちらがそれでどちらがかれかは知らないが、妙な相手であることに変わりはない。Cマイナス。落第点の殺人鬼。
「日常に潜む狂気と非日常に潜む都市伝説。ぶつかり合うとどうなるデスカネ? アハ」
『飛常識』歪崎 行方(BNE001422)が笑う。それは正しく捻じ曲がり、綺麗に綺麗に歪んでいた。
 何を考えているのかよくわからない。『偽りの天使』兎登 都斗(BNE001673)の率直な感想はまさにそれだ。お魚が可哀想、でも食べる。鶏が可哀想、でも締める。そういうものと同じだろうか。何、完全な理解など出来るわけも無し。社会性アベレージとの幅が大きい、ただそれだけなのだろう。
 それにしても、いくらあの預言者の頼みとはいえ捕縛というのは面倒だ。意識の差。殺人と打倒の比較。不公平を感じてならない。まあ、公僕なんてそんなもの。アークが正しく公僕のそれかは別として。
 人の死を悲しむべきだという原理。殺人鬼の作法。それは自己解答ではなく誰かに植えつけられたものではなかろうか。『クレセントムーン』蜜花 天火(BNE002058)は疑問を抱えている。裏側に潜むそれ、影に隠れた哲学の集大成。落第者の捕縛はそれへの手掛かりとなるか、はたまた非存在への証明と相なるか。
 人が死んだので悲しいという常識。自分が殺した人が死んだので悲しいという狂気。混ぜあわせることによって増していくそれ、深淵に落ちてなお深みに嵌るそれ。なかなかに面白いと『シャドーストライカー』レイチェル・ガーネット(BNE002439)は思うものの、やっていることはそうも言っていられない。殺人は害悪で、殺人は脅威だ。悪意の削除になんら疑問はない。
 妙な力を使う。『鋼鉄魔女』ゼルマ・フォン・ハルトマン(BNE002425)が思うはその異常性よりも資料にある行為だ。死体を風化した奇術。それが屍骸にしか効力を及ぼさぬのであれば問題はないが、戦闘において能力とするのであれば厄介なものになりかねない。気にはなるが、考え込んでも始まらないだろう。まずは目的を果たすとしようか。
 さて。
 予定調和。残酷の瞬間。狂気の奥。慣れ親しんではならない飛躍したロジカル。この文脈を持って紙片は赤に染まり、正常性は重油の沼に沈む。つまるところ、殺人鬼の時間である。

●通行者の兵法
 そも、モラルの必要性とはなんなのか。それは協調への悲願である。倫理性を失った個人は正しく個人としてしか生きられないし、倫理性を崩壊した社会は容易く瓦解し消滅の一途を辿る。喜びを謳歌できない人間は異端であり、悲哀に涙できぬ集団は異常であるのだ。社会活動としてその中に紛れるためには一定水準以上のモラルが用意され、またそれを群れの個々が持ち合わせなければならない。例えそれが殺人鬼であったとしても。

 殺人鬼がどうして人を殺すのかについての考察。衝動。怨恨。快楽。性的欲求。信仰。滅亡思想。無気力。八つ当たり。役名としてのそれ。職業としてのそれ。少女。殺人鬼というカテゴリだけではその理由までを見当付けるには至らず、解答は保留とせざるを得ない。しかし当のそれからすれば被観察も被検討も考慮のうちに値せず、ともすればコミュニケーションの結論として死んでいるか死んでいないかに過ぎない。喉元過ぎれば惨殺体。一寸先は鬼籍。物語も題目も関係はなく。リベリスタが彼女を見つけたとき、落第者は女の首を締めていた。

●保健係の骨法
 さて、前置きはこれでおしまい。ここからはテキスト開いていくよ。はいはい、だらけないの。試験に出るんだから。それじゃあ252頁。今日のタイトルは――

 それを見るなり、カイと行方が動いた。
 首の骨を折ろうとするCマイナスへと体当たり。不意をつかれた殺人者は受身も取れずアスファルトを転がった。それを行方が追撃。意識のないまま咳き込む女。首に指の跡が残っている。天火がそれを担ぎ直前の舞台より離脱。その逆方向より取り囲むリベリスタ。張り巡らされる結界。殺人鬼が現状を理解するよりも先に被害者の安全は確保され、現場は戦場へと確立した。
 
「ハーイ、Cマイナス。そう言われてもアナタはわからないかもデスガ」
 仰向けの殺人鬼。その顔面に行方は容赦なく刃を振り下ろす。それを落第者は手のひらで受け止めた。砂地を斬りつけるような鈍い音。血は流れない。よく見れば皮膚ではなく砂利のようなもので刃先の侵攻を阻まれている。
 天火が走り去るのを確認すると、行方は心の天秤を傾けた。保護から殺人へ。救出から除去へ。身体は心に呼応し、一個のそれとして堕ちる。都市伝説へ。肉切り包丁へ。飛ぶ。前へ。振り下ろされる凶刃。きれいできれいなすてきの殺意。それは受けきれぬと判断したか、落第者は刀身の腹に手を添えて受け流す。前のめりになった行方の顔に掴みかかる殺人鬼。対の得物でそれを弾くと行方はCマイナスから距離をとった。
 違和感を覚え、視線は手元へ。刃先が欠けている。今の今だけで刃こぼれ。否、風化したか。させられたか。
「掴み、引き千切り、砂と砕くか。至極常識的に原型もなく丁寧に刻まれるか! 楽しみデスネ、アハハハハ!」
 塵は塵に。鋼も、肉も。一掴みの死。それを前にしても彼女は笑う。楽しそうに。楽しそうに。歪んで。歪んで。

 とぷりと、影から浮き上がる不吉。砂利、金属、肉、骨、怒号、音の入り乱れる中、無音を持ってその死神は殺人鬼の背後に浮かび上がる。振りあがる凶相。振り下ろす凶行。都斗の大鎌はCマイナスの背中を容赦なく引き裂いた。
 倒れこむのを抑え、振り向く落第者。その顔は苦痛を見せている。矛先がそちらに向かう。続けてと死神の撒いた麻痺糸はしかし功を成さない。眼前の殺人鬼。突き出されたてのひらを必死に避ける。肩を掠めたそれは肉を砂に変えながら抉り取り、間を置いて負傷に気づいた血管が血飛沫を上げた。
 熱い、熱い。傷口が熱を帯びている。
「痛い。痛いね。キミも痛い?」
 そんなこと、聴かずとも顔を見れば分かっている。それでも言う。話す。話しかけてみる。
「殺す殺されるとか、死ぬ死んだなんてどうでも良い事じゃない?」
 返答は期待していなかったけれど、意外にもそれには応えられた。気持ち悪い形で。
「……あなた、酷いこと言うのね。死ぬのはとても可哀想なことよ?」
 嗚呼、本当に何考えてるか分からない。

 説得のつもりなど全くなかった。糾弾の心づもりも、懐柔の腹積もりも欠片としてない。ただ心を揺さぶれるだろうかと、そう思っての言葉だった。
「友人が死んだのに、貴女は今何をやっているんですか?」
 殺人鬼は答えてくれる。一つ前のナンバリングとは違うところか。それだけ余裕があるとのことかもしれないが。それでも意識を散らせることは勝率を上げることにも繋がるだろう。
「殺人よ? そう見えなかった?」
 不思議そうに、不思議そうに。あれが殺人に見えなかったのなら何だというのかと問うている程に。
「貴女にとって死んだ友人は、その程度のモノだったんですか?」
「えっと、よくわかんない。友達が死んで悲しいから仕事が手につかないとか、そういうアレの話?」
 やっぱり狂ってる。分かってはいたけれど。完成した感情の強固さを知りつつ、レイチェルは再び気糸の一線へと役割を戻していった。

「何故、人を殺す! お前は、人を殺して一体何を得ようというんだ……!」
 問いかけ。何度目かの、何人目かの問いかけ。その間にも殺し合いは続いている。砂は砂に。刃は肉を切り、死線は骨を貫き、拳は血を抉り。血反吐を吐いて、流血を撒き合う。その中で行われる質疑応答が、狂っていると言えば一番狂っているようにも見えはするのだが。
「えっと……あー、ほら、昨日先輩にお弁当が美味しいって言われたのよ。だから、七月六日的な?」
 嫌な記念日だ。それに、このロジカルの異常は異邦人のそれに近い。太陽が眩しい。昨日寝苦しかった。気分転換に。少女。だから。
 僅かな可能性をと思いをぶつけた拓真も、理解を諦める。分かることを放棄する。話が噛み合わない。向こうが真面目に答えていることがわかるから、わかってしまうから噛み合っていると思いたくはない。
「悪いが、此処を通させる訳には行かない。どうしても、というなら──俺という存在を叩き落としてからにして貰おう」
 斬撃は続く。傷つき、傷つけられ、それでも確かに終わりへと走りながら。

 問1。どちらが厄介であるか答えよ。かたや補正魔法を打ち消し、全体攻撃と複数行動を繰り返す魔王。かたや3~5人で行動し、回復と補正魔法、アナライズと多角攻撃を繰り返す英雄一行。無論後者である。それ程までに強力であるのだ、後衛補佐というものは。
「ほう。なかなかやりおるな。だが妾らもそうやわではないぞ」
 傷ついた仲間をゼルマが癒し続ける。Cマイナスの単体としてのそれは確かに強力だ。リベリスタ個々を遙かに上回っているのだろう。しかし、傷ついても傷ついても立ち上がるリベリスタを前に、重ねては重ねては積み上げられていく損傷を前に、殺人鬼にも疲弊の色が見え始めていた。
 殺人鬼が抉る。掴む。引き千切る。その度にゼルマが癒し、治し、複している。
「小娘。殺人鬼の末路を知っておるか?」
 折れた骨が繋がり、風化した肉が再生する。削れても、削れても、削れても。
「正義のヒーローに倒されるのじゃよ」

「……逃さない」
 落第者の背へと天乃が麻痺糸を通す。振り向いた殺人鬼がそれを振り払うも、掠めた皮膚から毒は静かに彼女を犯していった。
 天乃が舞う。神経の阻害に上手く動けぬ殺意へと刃を滑らせた。切る、切る、切り刻んている。裂かれる皮膚、流れる血流。それは当然ながら自分達と同じ色をしていて、それがどうにも不可解で理不尽なことのように思えた。
 急所に向けて光軌を放つ。しかし必殺のそれは受け流され、逆に腹へと拳を叩き込まれた。枝を踏み砕いたような嫌音が耳に響く。咳き込むよりも吐き出したい衝動が駆け巡った。ひりつく喉に不快を覚えながらも立ち上がる。
「想像以上、にやる……でもそれが、いい」
 眼前に風化の掌。さて、これはどうしたものか。

 繰り出される腕に横合いからカイが蹴りを入れた。無理矢理に軌道を変えられた腕に引かれ、Cマイナスが体勢を崩す。好機と見た致命狙いは避けられたものの、殺人鬼の姿勢はまだ整わない。次も急所狙い、と見せかけ胸に気の固まりを忍ばせ炸裂させる。
 火薬の弾ける音。衝撃に仰け反った彼女の右目に、容赦なく短刀が突き刺さった。
 悲鳴、悲鳴。絶叫が夜闇に響く。怒っているのか、泣いているのか。読み取れない感情が押し寄せる。突き出される風化、眼前に死の腕。五指がカイの顔を掴む刹那。襲来した風に殺人鬼の左足が切り裂かれ、アスファルトと肉が異音を立てた。
 
 立ち上がることができない。足の痛みもあるが、それ以上に披露が酷い。体中が痛い。右目が見えない。指先の感覚が無い。残った左目に誰かの足が写る。見上げる気力もない。きっと自分の足を裂いたのは彼女だろう。
「あなたはまるで台本に従うように悲しむのですね。それは本当にあなたの本心?」
 問いかけに答えはしない。答えられない。知らない。分からない。哲学もなく、信仰もなく、ただ当たり前のように常人である風に殺人鬼であった少女は、当たり前のように答えられない解答を後回しにして。そのまま意識を失った。

●殺人鬼の作法
 人の死を悲しむべきではない。

「同じ人間なのに、お互いの気持ちが通わないなんて……最後のコミュニケーションの手段が命の奪い合いというのは悲しい事です」
 収容されていく殺人鬼。思考回路が人のそれとは似て非なる彼女。楽しみでもなく憎しみでもなく使命でもなく強迫観念でもなく人を殺していた少女。
 理解出来ない。理解されない。そもそもそれを望んでいない。誰もがそうしようとも思えない。ただ、殺して殺して殺して殺した悪人は、今は正しく白日の裏にて叩き伏せられた。
 収容室の重い扉が閉まっていく。この向こうは監獄だ。これからは殺人鬼もあるべき場所にあるべくして居るのだろう。白い拘束服。潰れた少女の右目が泣いているようにも見えた。
 さようなら、泣き虫さん。
 了。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
講義中に寝てたから内容間違えた。