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ホシイノハ、ジャストフィットネコミミバンドデース!


「フォールド」
 男は獲物のチェックに余念がなかった。
「これもフォールド」
 無駄に巻き舌だった。
「皆折れ耳さんです。これではフォールドでなく、フォールトです。ダブルフォールトですよぉ!? 日本はネコミミ発祥の地ではなかったのですかぁ!?」
 しらねえよ。
「ですがぁ、ステイツのぉ、片側に頭すっぽり入ってしまいそうなのはゲンメツデェス。デカすぎでぇす。ワタシは頭のジャストポジションでぴんと立つ理想のネコミミバンドさんにお会いしたいのでぇす! でかすぎもいけませんがぁ、ささやかなのもあきあきでぇす! ヤマトナデシコのジャストねこみぃみバンド、ゲットなのでぇす!」
 
「ばっかじゃねええの、こいつぅぅぅぅっ!?」


「最初に謝ります。ごめんなさい。だけど、これは俺の意志とは何の関係もないというか、見たくて見たんじゃねえって言うか……そこだけ分かってくれると、とっても嬉しい」
 ぶつぶついいながら資料を配る『擬音電波ローデント』小館・シモン・四門(nBNE000248)は、怒っているというか、照れているというか、無理矢理テンション上げないとやってられないというか、微妙な顔つきをしている。
「え~、ぶっちゃけます。海外から痴漢フィクサードが入ってきたので、殴って送り返します。以上」
 わ~、わかりやすい。
「最初は下着ドロだったんだけど、こいつがほしい下着ってなかなか条件厳しくて、日本に来たらあるかもと思ったら、今度は別の方向で厳しくて、結局ぶら下がってるのじゃなくてジャストサイズっぽい人から直接奪おうと痴漢にランクアップしたところで万華鏡に引っかかりましたマル」
 非常に嫌そうにぼっきらぼっきらスナック菓子を噛み砕いている。
 で、その条件が厳しい下着って何。
「え……」
 口ごもる四門。さあ、早く言え。恥ずかしがらずに口にするのだ。
「ブ……」
 何、仕事なんだから気にするな。顔が赤いぞ、わざわざ意識するな。
「ブラジャー……――」
 この言わされた感がたまりません。涙目ごちです。
 ブツっと何かが切れた。四門の堪忍袋の緒が切れた。
「――それを、ネコミミにするのが目的だとさ」
 はい?
「『頭に載せてホックをつけてジャストフィット、更にカップがネコのお耳のごとくぴんと立ち、でかすぎて本来の耳のとこまでカップがずり落ちてくるようなのは論外』 だとさ! なんなの? これ、なにが楽しいの!? 俺は全然わかんない!」
 うわああぁんと泣き出す四門。
 イロモノ引き当てることに才能があるようだ。カワイソウネ。
「――という訳で、抵抗できない一般人のヤマトナデシコを守るため、囮作戦にご協力下さい。もういっそ、俺的には細身の野郎に詰め物して歩かせてもいいような気がする。こいつ、女の生身に興味ないし。あくまで目的は下着だし。つうか、店で買えよ。行けない恥ずかしがりやさんなら通販で取り寄せろよ。そうすりゃ、俺、こんなの見ないで済んだのに」
 四門が机に突っ伏してべそべそ泣き始めた隙に、この部屋から出て行こうと思っても、リベリスタ悪くない。
 ガキン。開かない。電子ロック。
「――この手の依頼はリベリスタが逃げようとするから、事前に鍵かけろってイヴちゃんが言ってた」
 グスグス鼻をすするな、大学一年生。
 後輩にきちんと傾向と対策を伝授するとは。やるな。新高校二年マジエンジェル。
「という訳で、これが条件に合うサイズのブラジャーだって。サイズ合わなければ、詰め物するなりなんなり好きにして。おとりを野郎にするなら、こっちにそれ用の準備してあるし」
 えぐえぐとしゃくりあげる四門。
「あ、忘れてた。提供は、三高平市商工会議所」


■シナリオの詳細■
■ストーリーテラー:田奈アガサ  
■難易度:EASY ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ
■参加人数制限: 8人 ■サポーター参加人数制限: 0人 ■シナリオ終了日時
 2013年04月15日(月)23:26
 田奈です。
 パンツばっかじゃバランス悪いよね。
 という訳で、程よいアンダー、程よいトップ。
 リベリスタさんの中に、我こそはという美乳の方はおられませんか!?
「田奈・ネタ・イージー」ですので、ネタに走らねばモブと化します。
 この依頼が元で今後のリベリスタ人生に以上をきたしても、田奈は一切責任をもちません。
 そこらへん、お含み置きの上、よろしくご参加下さい。

*フィクサード『ノースダコタから来ました』スティーブ
 *あれだ。こじらせた人だ。ジーニアス×プロアデプトとレイザータクトのごった煮。
  アッパーユアハート持ってる。 
 *ブラジャーネコミミをこよなく愛して海を渡ってきた人。
 *下着ドロはやってるので殴っていいと思う。後で海の向こうのリベリスタ組織に引渡しから、殺すなよ。
 *タフガイ。モヤシみたいだけど、無駄に根性はある。
 *EX:プロパガンダ 神遠全 ろくでもない主張を垂れ流し、相手に戦闘意欲をそぐ。「無力」「崩壊」「虚脱」 溜2T
 *道行くお姉さんのジャストサイズネコミミバンド頂く気満々でーす。シンシなので、下されば指一本触れタリシマセーン。通販は邪道デース。それは違う気がしマース。
 *別につけてるのは女装お兄さんでもいいよ。中身には興味ない。

*場所:住宅街・路上
 *人目もない深夜ですが、真っ暗なので明かりを忘れないように。
参加NPC
 


■メイン参加者 8人■
スターサジタリー
モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)
ホーリーメイガス
大石・きなこ(BNE001812)
ナイトクリーク
マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)
インヤンマスター
九曜 計都(BNE003026)
スターサジタリー
街野・イド(BNE003880)
ミステラン
ファルティナ・エルトーラ(BNE004398)
ミステラン
ヴィオランティア・イクシィアーツォ・クォルシュテェン(BNE004467)
ミステラン
シィン・アーパーウィル(BNE004479)


「社会的、常識的フェイト? 何ですかそれ、食べれるんですか?」
『自爆娘』シィン・アーパーウィル(BNE004479)は、故郷の記憶と一緒に大事なものも投げ捨ててしまった。
「出発前に色々勉強してきました!」
 ファルティナ・エルトーラ(BNE004398)が高らかに言う。
「ブラジャーはお胸に着ける下着でー」
 合ってる。
「本来は男の人にみだりに見せるものじゃなくてー」
 合ってる。
「ましてや頭にかぶるものでもないっ!」
 合ってるぞ、完璧だ。ファルティナ!
「手を拱いて待っている時間が惜しいですわ」
 秘書系フュリエ、『飽くなき探究心』ヴィオランティア・イクシィアーツォ・クォルシュテェン(BNE004467)は、タイトスーツの胸もとのボタンを横隔膜辺りまではずしてしまう。
(わたくしさまのカップはE、F程度。常識的な巨乳の範囲ではないでしょうか)
 つまり、「ノースダコタから来ました」スティーブのハートをキャッチする可能性が高い。
(ブラジャーの色は赤、わたくしさまの好きな色ですわ)
 これなら勝てる。
「変態の思考など理解したくないと仰られる方も多いですが、わたくしさまはそうは思いません、どのような知識であれ知識は知識。未知を知ることでより高みを目指すことができるのですわ!」
 飽くなき探究心は、とにかく好奇心を満たしたいのだ。玉石混交。
「このブラを猫の耳に見立てるという行為からだって、何かしら学べることがあるかもしれませんわ!」
 それが有益かどうかは別問題だ。


「……にしても何がジャストフィットなんだろう」
 新中学校一年生『薔薇の吸血姫』マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)、資料3ページをご覧下さい。

『――スティーヴがネコミミバンドとして使用した際、ゆるくもきつくもなく、お耳がぴんと立ってネコミミにふさわしい造詣をもたらす状態を指す』

(なぜか依頼で変態に巡り合う率が高い気がするボク)
 マーガレットは虚空を見上げる。
(でも、いろんな変態みてきたけど、これはない)
 ひょっとすると、この先更なる変態を見るかもしれないが、とにかく今この状況は耐え難い。
「猫耳ほしかったら、猫耳カチューシャ付けようよ?! 何でわざわざブラジャーなのさ?!」
 変態さんには変態さんであるが故の変質的こだわりがあるのだ。
「……はぁ」
 さあ。顔をあげて前をお向き、かわいい人。
 今年13歳になるマーガレット。
 分水嶺を越える君のこの先には更なる苦難が待ち受けているかもしれないんだから。
 
 さて、推定ジャストサイズに自分の骨格筋肉脂肪のつき具合までぐにぐに動かしちゃった『レッツゴー!インヤンマスター』九曜 計都(BNE003026)は、身につけた俗に言う巫女衣装の襟元をぐいいっと大きく広げて、ローブ・デコルテ状態にしてしまった。
 えっと、肩ひもも一緒でいいんですか? 


 まず、あからさまなおとりを出し、それに引っかかればよし。
『いや、そんなわかりやすいのありえねーから』 と回避したら、その眼前に普通のおとりを出す。
 変態相手にもおたつくことなく冷静に対処できる女性リベリスタ。安定のアーク品質です。
 
 スティーブを射程に入れた計都の肉体は更なる変化を巻き起こす! ダイナマイツバディに変身。
「気合い一発!」
 極限まで高めたオッパイ力――「盛り」と大胸筋のみなぎりに他ならない!
「ブラを内側から弾き飛ばす!  破ぁ!!」
 それどこの前世紀末救世主。
「ブラフェチなど、あさましき偶像崇拝! 神聖なるオッパイを愚弄するとは、その罪万死に値する」
 汝、衣に惑わされることなかれ。
「そう……、あたしは乳神の巫女。英語で言うとオッパイゴッデス!」
 オッパイは、英語と違う。
「この戦いは聖戦、ジ・ハード。淫祠邪教の徒に、偉大なるオッパイの威信を遍く知らしめるのだ!」
 人は拳を握り締め、その熱い狂信の元に叫ぶのだ。
 オッパイオッパイと!
 その言葉には、オキュパイド、つまり魂を占領される呪文が埋め込まれていたんだ抗いがたい魅力はすでに呼び名から始まっていたんだよなんだってー。

「しかし、I、私には理解できません」
 イドは前向きだった。
 否定ではなく肯定を以って。拒否ではなく受容を以って。
 一切の先入観にとらわれることなく、目の前の存在の論理思考を解析しようとする。
「どうして猫耳に拘っているのに、ブラジャーなのでしょうか。この普通の猫耳ではいけないのですか」
 きちんとイメージの齟齬がないように、一般的なネコミミカチューシャも用意済みである。
 その辺は、マーガレットも聞きたいところだった。
「それは何故ですか。私は説明を要求します。猫耳とは本来女性が付ける事で魅力を増す装飾品の筈です。何故、そのような行動を取るのですか。貴方の思考を開示して下さい。私は新たな概念を理解する用意があります」
 晒すのではなく、理解する為にその旨を語れというイドに、全米を代表してスティーヴが泣いた。
「貴方の行動の意味を、思考の方向性を、女性の下着に拘る理由を教えて下さい。貴方に必要なのは、知る事、理解する事。元来紳士である筈の貴方がこのような罪を重ねるのは非合理的ではないでしょうか?」
 科学は突き詰めれば、宗教に発展する。
 その一点に、イドは到達しようとしている。ブラジャーネコミミ依頼で。
 
 芳しい肉に魂を揺すぶられない存在。
 スティーブは布――とりわけレースやチュールやつるつるした布地――サテンやシルクにうっとりする性質の人間だった。 
 彼は服飾デザイナーとなった。
 日本発のネコミミの存在を知ったスティーブは、これをレースやチュールや柔らかな布で作ったら新しいヘッドドレスになるのではないかと考えた。
 否、それは啓示だった。彼は恩寵がもたらされたのだから。
 アレルヤ、ホザナ、グローリア。
 彼は試行錯誤を繰り返し、それなりの日数を費やし、ついに理想のネコミミバンドを作った。
 高らかに掲げられた完成品一号を見た彼の姉は言った。
「スティーブ。これ、ご機嫌なブラジャーね。いつから部署移動になったの?」 
 ――神よ。我をどこに逝かせたもう。
 スティーブの中で何かが壊れた。

 ブラジャーをネコミミバンドに転用したのではない。
 ネコミミバンドを斬新な方向に転換していったら、ブラジャーという先駆者に酷似してしまっただけだ。
 笑ってくれ。世紀の大発見、新たな萌え機軸を発明したと思っていたのに、とっくの昔に俺の作ったものは全世界の女の子の頭ではなくお胸を覆っていたのさ、HAHAHAHAHA。

 俺は乳はどうでもいいんだ!
 どうして誰もわかってくれないんだ!

 ここまでプロパガンダ。ええ、もう戦闘入ってますよ~。
 怒れる巫女さん・計都の鴉についばまれながらの大演説ですよ。

「……どーゆーこと?」
 ファルティナは、わかったフリをしない誠実な人柄である。
 よくわからないので隣のヒトにきいてみた。
「――これって完全なる風評被害ですよね」
『デストロイド・メイド』モニカ・アウステルハム・大御堂(BNE001150)さんは無表情。外見年齢は12歳だ。
「見て下さいよこの身体……背は140で上から65、50、72ですよ? どうあがいてもブラなんか必要無いですしそもそも付けられません。付けても自然落下でずり落ちます」
 はい。トップがアンダー最低値です。あなた様のお胸にそんな補整具は不要です。
 ファルティナはこれから出て行くのだ。真のおとりとして、あのもうどうにでもな~れと笑うスティーブの前に。
「長い耳は目立ちそうだけど……大丈夫かな? 相手、胸しか見てない気もするけど!」
(流石に詰め寄られたりしたらこわい。こわいよ)
 スティーブは今あからさま囮の抑圧から解き放たら、ファルティナのトップ81、アンダー65Cカップが大変なことに! 
(くれって言われても、なんか、渡したくないよ!? 無理矢理取ろうとしたら涙目で悲鳴上げるよ!?)
 うら若き乙女の悲鳴、とある業界にはごほうびです。 

 高笑いを続けるスティーブにイドは答えた。
「私は経験し記録し記憶する“物”であり機械。ヒトの思考、全てが学習の対象であり、有用です」
 無表情の口元からこぼれる優しい言葉。
 スティーブは、イドの無機質な瞳の奥にデウスエクスマキナをみた。


 スティーブが無理解な社会の被害者っぽい感じがしてきたプロパンダ直後。
 それまで知識を吸収するべく情報を吟味していたヴィオランティアが口を開く。
「貴方様基準では、私のブラはどうなのでしょうか」
 一定基準における評価がほしい。変態目線だが、それも一視座としては有効だ。
「正直に答えてくださって結構ですよ? 具体的に詳しく、わたくしさまのブラに対しての評価を聞かせてくださいまし」
 推定EからFの素敵おっぱいを包む赤いブラジャーが白いシャツからこぼれております。
 とある業界では、垂涎のごほうびです。 
「それと、このブラはわたくし様が被った方が良いのでは? いえ、もちろん貴方様が被ることに意味があるのでしたら止めませんが。わたくしさまのような女性が被る方が映えると思うのですが」
 ヴィオレンティアの言葉に深く頷いたのは、今回のためのコスチュームを整えていたきなこだ。
「そもそもなんでブラミミを男性がしちゃうんですか? そんなの変態紳士じゃなくて、単なる変態です!」
 着用者という観点が抜け落ちていた。
 レースもチュールもサテンシルクも、愛らしい少女の姿か、せめてその魂を継承する者のものですよ?
「その点私の姿を見てみてください」
 ブラネコミミ&下着姿。ブライチパンイチ。辺りにお巡りさんがいたら捕まる潔さ、イエスだね!
「本来の使用用途であるおっぱいをやさしく包み込む第1のブラジャー!」
 ばいーんとしたお胸をがっしりホールド。柔らかお肉を立体的に黄金バランス絶妙な量のあえて上方向へのはみ肉が爽やかなお色気アピール!
「さらにあざとさを演出する為に、頭にジャストフィットする第2のブラジャー!」
 その筋の人がカメラ持ってはせ参じるお姿だ!
 とある業界では、地面にひれ伏すごほうびです。
「ネコミミガールなだけでも破壊力があると言うのに、そのネコミミがブラジャーなんですよ? しかも身に着けている下着とお揃いの! どれだけ威力があるのかって話なのですよ!」
 ブラとぱんつがおそろいである場合、下着力は+ではなくて×である。
「そう、これは男性なんかではとても真似できるものではないのです!」
 ブラネコミミは、女子のための女子の武器ですよ!?
「はっはっは! 自分、参上!」
 シィン、送迎車のライトを浴びつつ登場。
 きゃしゃな胸板にすいかが突き出している。
 カードスリットのように手の指まっすぐ突っ込んだらどんな感触するんだろう!
 とある業界では、言い値で買おうなごほうびです。
「見よ、自分の頭上に在りしネコミミを! この慎ましき美しさこそ、大和魂によって生み出されしものなのです!」
 いや、異世界人に言われても。
 アメリカ革醒者はフュリエの存在を知らないけど、シィンが日本人じゃないのだけはわかりますよ?
 しかし、シィンはお構いなしだ。
 記憶ないのだ。あるのは、日本のことだけなのだ。ならば、それが全てなのだ。今、魂は大和撫子100%!
「ねえねえ、どんな気持ちです? 自分の理想を目の前で見せ付けられて、今どんな気持ちです?」

「正直ボクはそれにはついていけない」
 マーガレットは、きなことシィンのブラネコミミをみていた。
 ほんとにやるとは思わなかった。
「自分でブラ被りたいとか正気なの?! ――と言いたい、うん」
 逆に考えてごらん。正気だったらかえっていやだよ? きっと。

 スティーブは僅かに沈黙し、口を開いた。
「悲しい気持ちでぇす」
 左手が心臓の辺りを押さえている。
 乳巫女一号・計都の説教。
「ジャストサイズなどという邪心を捨てよ!」
 おまけで鴉がついて来る。
「貴様がッ! 改宗するまでッ!  殴るのをやめない! 口でクソたれる前と後に『オッパイ』と言え! オッパイパーイ!!」 
 さらに、乳巫女二号・きなこの説教。
「さぁ! 見て、触れて、そして堪能して悔い改めるのです!」
 踊りこさんに触ってはいけない。様式美的な意味で!
「『汝、悔い改めよ』 『おっぱいとブラジャーは引き離すこと無かれ』 中身に興味が無いなんて罪深いことは許しません! ブラジャーはおっぱいにこそふさわしい!」
 きなこの頭から引き千切られるブラネコミミ。
「わかってくれたのであれば私のブラをセットで差し上げましょう」
 巨乳が説教しながら自分の周りをぐるぐる回るのだ。
 とある業界では、天国級のご褒美です。
 スティーブはぺそぺそ泣き出した。
「いぃえぇ。あなた方のブラジャーカップ深すぎて、うさぎみみでぇす。ろっぷいやあでぇす。造形的にながみみでぇす」
 巨乳であるがゆえに、お耳に該当する部分が大きいのである。
「私、ステイツでスイカ胸には飽き飽きしまぁした!」
 ええい、スイカの名産地から来たぜいたく者め!
「しいて言うならばぁ、サイズ的にはそちらのせくれたりぃな方のはなかなかいい感じのお耳になりそうですがぁ、赤ネコいけませぇん。わたし、ジダイゲキで学びましたぁ」
 ぴきん。
「私的には、あちらのお嬢さんの素敵でぇす」
 今まで釣れたらやだなぁと思っていたマーガレットのお胸にロックオン。
 対岸の火事が河を渡ってきましたよ?
「とりあえず、どんな変態的な口上でボクのブラをほしがるのかは聞いてあげよう。聞くだけね」
 強気な台詞と裏腹に引きつる頬。
「魅惑のクロネコミミバンド! レェスも縫製も完璧でぇす!!」
 乳じゃねえのかよ、ブラの出来かよ!!
「……誰が渡すもんか、オーダーメイドだから高いんだよ……いやそうじゃなく!!」
「余計魅惑的でぇす!!」
 墓穴掘った。
 12歳少女の黒レェスオーダーメイドブラですよ?
 とある業界では、女房を質に入れるごほうびです。
 全力移動してくるスティーブ。
「――って、痴漢行為はやめ?! ブラ剥ぎ取ろうとするなー?!」
 この世界の全ての存在は、13歳未満には非常に紳士ですよ?
「下さぁい!」
 前宙からの土下座!!
「だが、断る!!!」
 交渉決裂!


「それにしても……」
 それまで待機していたモニカがゆらりと立ち上がった。
「なんか腹立つので私の物も敵の頭に被せてやりますかね」
 ちっちぇえと耳にならねえだの、でかいと垂れるだの。色がネコっぽくないだの。
 グダグダと自説を垂れまくる変態に柔らかな制裁を。
「かぐわしい少女匂のもにもにドロワをくらえー」
 すぽん。
 かぶせた。命中力と制圧力を体の芯までしみこませた女が、自分のドロワことドロワーズ――ぶっちゃけ、見えても恥ずかしくないもん的かぼちゃぱんつを男の頭にすっぽりかぶせた。
 とある業界では、至高のごほうびです。ファンディスクでは一枚絵グラフィックを所望します。
 かぶせた後、もにもには全力移動でクールに去るぜ。
「ぎゃあああああああつ!! ほしいのはネコミミでぇす! これでは垂れ耳系の犬耳でエス! でかいでぇす! 垂れてまぁす! ありえないでぇす!」
 背後で絶叫が響き渡る。
 変態の言うことなどにいちいち耳をかしてはいられない。
「風評被害は許し難いですね」
 なんか色々傷つけられたリベリスタ達が立ち上がる。
「あとは、必殺の魔弾をねじ込み続けるだけの簡単な任務です」
 不吉な装填音。   
「ノースダコタの人にまず第一に謝りなさい」
(ただでさえアメリカの中部地方なんて空気扱いなんですから、変態だらけの州なんて先入観持たれたらたまりませんよね)
 モニモニの認識も微妙な気がするが、幸い大御堂重工の武装メイドの心のひだをお見通ししようなんていう剛毅なリーディング使いはいなかった。
 そしてやってくるフルボッコタイム。
「オッパイ星人として悔い改めることなく、邪教徒として脳髄を撒き散らすか。それがあなたの貴方の道をですね?」
 心が共感しきれなかったせいで、技の習得が出来なかった空飛ぶ乳巫女様一号・計都がひときわ大きな鴉を作る。
「さて、あらかた聞けることは聞いてしまいましたわ。それでは深い眠りへと誘って差し上げますわ。安心してください、ギリギリ命は奪わないつもりですわ」
 ヴィオランティアは、ほほえんだ。そうか、赤はこのタイプにはいかんのか。学んだ。
「とりあえず殺さなければいいんだよね? スキル使わないでワイヤー振るって少しずつ切り刻んであげよう……」
 マーガレットの目が座っている。

 カエサルのものはカエサルへ。アメリカの変態はアメリカへ。

「「「死ぬよりヒドい目に遭わせてやるううううう!!」」」
 ちゅっど~ん!!
 ぼろ雑巾のようになった男の頭に、シィンは自分のブラネコミミをそっと装着してやった。
 うん、たしかにちょっと耳部分長いかもしれない。
「一回だけですよ」
 これがアークの慈悲。全米が泣いた。


「……はじめてのふつーのにんむがこんなのとか、あたし、よそーがいです。せかいじゅさま、しぇるんさま。みたかだいらは、こわいところです」
 ファルティナさん、シェルン様に告げ口はやめてね?
 叱られても、とある業界にはごほうびになるかもだけど。

■シナリオ結果■
成功
■あとがき■
 リベリスタの皆さん、お疲れ様でした。
 乳神様、大人気。
 局部愛VS物品愛。
 がっさーは、魅惑のごほうびを沢山みせてもらえてホクホクです。

 これで、スティーブもブラネコミミから足を洗うでしょう。
 ゆっくり休んで、次のお仕事がんばってくださいね。