歩きながらスマホをいじりつつ、駄弁る女子高生三人組。 「ちょ、ミカの奴、先に帰ったと思ったら彼氏とパフェ食ってんじゃん! ちょーありえねくね?」 と送られてきたラブラブ写真を、チャット型SNSに転載しながら、怒るJK1号。 「もーなにそれ。激おこプンプン丸だよー」 「マジ、カム着火インフェルノォォォオオオウだわー」 一緒に歩いているJK2号と3号も、同じSNSの画面を共有しているため、写真を見るなり、激怒スタンプを送信する。 「だしょ、だしょ? 確実にげきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム! だよねー」 他のコミュニティの面々には意味不明な言葉を言い合い、しかしJK達はスマホから目を離さない。 『現代の若者の病理!』と題されて昼の奥様ニュースの映像にされそうな情景に、ありえないものが映りこんだ。 女子高生達の前に立ちはだかった男。彼は、頭にパンティをかぶり、ブーメランパンツにトレンチコート、ナイロン靴下に革靴姿でキメた爽やかに笑うイケメンである。 そう、二十代前半のイケメンである。大事なことなので二回記述しました。 女子高生達はスマホに夢中で目の前のありえない人物に気づいていない。 「やぁ、君たち」 「はぁ? ……え?」 ようやく女子高生は顔をゆがめながら前を向き、そしてどう反応して良いのか戸惑って、真顔に戻った。 相手は、アイドル俳優と言われても不思議ではないイケメンだ。何をしていても許されるはずなのに、パンツかぶってブーメランパンツ姿という由緒正しい変態姿……どう評価すればよいのか。女子高生の脳が一瞬停止する。 すると、間髪いれず。 「ぱんつくれないかな?」 めちゃくちゃイケメンボイスで、めちゃくちゃ人としてダメな言葉を、朗らかに言い放つイケメン。 「え?」 「あ、もしかして穿いてない? ちょうどよかった! 僕のコレクションなんだけど、これ、新品だから、今穿いて、JK中古にしてくれない?」 言って懐からレースのTバックを取り出した彼の背後には、鳥か? 飛行機か? ……いや、パンツだ! 紐パンツ、綿パンツ、子供用パンツ、ボクサーパンツ、六尺褌……パンツの大群が乱れ飛んでいる。 「キャー!」 「ねえ、ぱんつちょうだい!」 いたいけな女子高生へと襲い掛かるイケメンと、パンツの群れ……! 以上の顛末を淡々と棒読みで語りきった『黄昏を識る咎人』瀬良 闇璃(nBNE000242)の表情は、一周回ってむしろ無表情であった。 「というわけで、ノーフェイスとE・ゴーレムの群れが被害をもたらす。僕としてはどうでもいいが、お前たちがどうするかは自由だ」 以上。と踵を返しそうになるフォーチュナをリベリスタは押し止める。 まだ詳細について何も聞いていない。 「ノーフェイスに会う方法は、未来の被害者である女子高生を尾行するのが手っ取り早いだろうな。この場合、女子高生は下手な尾行でも気づかんだろうが、彼女達を守ってもらわんと困る」 他にもあるかもしれないので、考えてみてくれと闇璃は投げた。 「考えろってどうやって」 「ぱんつ大好き変態人間の気持ちになって、どうすれば矢も盾もたまらず出てくるか考えれば良いだろ! 僕は分からん!!」 吐き捨てる闇璃の目はいつも以上に死んでいる。投げっぱなしジャーマンにも程がある態度だ。 ノーフェイスはとりあえず、パンツを脱がすか、ノーパンの者にはパンツを穿かせようとする。卓越した職人技といってもいいその妙技は、一度に複数人のパンツを一瞬にして着脱可能だ。 防御に失敗すれば当然、脱がされるし、穿かされる。 「どんな下着を穿かされるかはそのときの奴の気分次第だろうな」 とはいえ、パンツの有無くらいで動けなくなることはないから、戦闘に支障はない。 ノーフェイスがパンツどころではなくなるか、思う存分パンツ着脱を堪能した後は、逃亡を図るか戦闘態勢をとるだろう。 なお、パンツゴーレム共はおびただしい量いるが、どれも所詮は布なので、弱い。 しかしパンツゴーレムは、人海戦術ならぬ布海戦術で、一人一人の顔や呼吸器を塞ごうと群がってくるのでうっとおしい。 「……ま、こんなことで怪我するとつまらんだろうから、倒すんなら命は大事にな……」 闇璃は遠い目で一同に言うと、ふらふら部屋を出て行った。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:あき缶 | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2013年04月16日(火)23:20 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●JKぱんつを守る スマートフォンの上に指を滑らせ、隣にいるのにネット上で会話する女子高生たち。 現世に生きていながらも、現実を見ていない彼女たちに、声をかける金髪青目の女。 「ぱんつ被った変態さんが襲ってくるよ~」 彼女に行く手を阻まれて、ようやく自分たちに発話されていると気づいた女子高生は、一斉に顔を不快そうに歪めた。 「……は?」 「はぁ? なにゆっちゃってんのコイツ」 「ちょ、なに。なんですか? パンツ? は? はー?」 いちいち腹の立つ女子高生共だ。 パンツ脱がされてパンツの海に沈めばいい、とは思わず、けなげに『おこたから出ると死んじゃう』ティセ・パルミエ(BNE000151)は説得を続けた。 「もうげきオコスティックファイナリアリティぷんぷんドリームより更に上な感じで、もう意味不だけどとにかくマジ逃げて!」 「え? は? ちょ、なにコイツ、頭おかしいんじゃないのいやマジで、マジマジで」 『むう! せっかくこっちが守ろうとしてるのに、ひどいよ!』 いつでも変態ノーフェイスの襲撃から女子高生を守れるように、少し離れた場所から見守っていた『囀ることり』喜多川・旭(BNE004015)は、バカにした態度をとり続ける女子高生へ憤った。 このままだと、へんたいさんをぐーぱんちで撲滅する前にJKを鉄拳制裁してしまいかねない。 だが、そのとき、一同のアクセスファンタズムが着信、ノーフェイスがうまくリベリスタが用意した囮にかかったと連絡があった。 「はぁ。よかった。よし、おんなのこの敵にこのモヤモヤをぶつけるの!」 旭とティセは、猛スピードで去っていった。 「え、なんだったの、いまの」 女子高生は呆然としている。 あくうんのつよいやつだ。 ●女の子の汗ってごほうびです 「また今日も変態退治か」 ぽそりとつぶやきながら、『薔薇の吸血姫』マーガレット・カミラ・ウェルズ(BNE002553)は町を歩いていた。 十二歳ではあるが、今の格好は女子高生の制服姿。めがねも相まって知的クールな女子高生にしか見えない。 まじめそうなのに、スカート丈は非常に短く、かがむと危なーい! という感じである。ギャップすばらしい。 マーガレットはおもむろに携帯電話をとりだすと、通話もしていないのにしゃべりだした。 「あーおつかれー。いや、部活でかなり汗かいちゃったよ。朝練もあるし、替えの下着一枚じゃ足りないかも……」 しばらく、間。 相手がしゃべっていると想定される、この間が大事である。 「……だねー。明日からは二枚持ってくよ」 「ぐっしょり!? ぐっしょりなの? 女の子の汗でぐっしょりぱんつを着用中なのかい!!」 なんか来た。 パンツを頭に被った変態イケメンがイケボ(イケメンボイス)シャウトをうわずらせながら、疾走してきた。 「わぁ釣れた」 ちょろい、と内心つぶやき、マーガレットは手袋にひそませた鋼線をいつでも引き出せるように構える。 「格好いい男だけに残念さが一周してもうすごいノーフェイスだな、コイツ!!」 やけをおこしたかのようなテンションで、どこからか乱入してきた赤毛の『あえて穿いてない』女こと『ウィクトーリア』老神・綾香(BNE000022)は、マーガレットの前に出た。 「イケメンなら何しても許される訳ではないことを教えてやろう! さあ俳句を詠むのだ介錯してやる」 辞世の句を詠めということらしい。 「そうじゃそうじゃ、人間は顔ではないのじゃ! 私が惚れたのはあの子の心意気……って何を言わすんじゃ何を」 勝手にあなたが言ったんじゃないですかー。やだー。 『雪暮れ兎』卜部 冬路(BNE000992)は、げほんと咳を一つして、 「とっとにかく変態は許すまじなのじゃ。うむ!」 と、おっきな胸がつまった軍服をムンと張って冬路は叫んだ。 冬路はもうすぐ傘寿に手が届きそうなのにロリな体を持つ。それなのに胸だけは巨乳なのだ。ギャップすばらしい。 ちなみに今回、旭以外の女性リベリスタは全員すばらしい巨乳で……。 「ぱんつは遊びじゃねぇんだよ! 真剣にやれよ!」 怒られた。 確かに『覇界闘士<アンブレイカブル>』御厨・夏栖斗(BNE000004)の言うことも尤もだ。残念ながら今回はぱんつ依頼。おっぱいフューチャーはまた別の機会に。 そんなことを言っている間にも、身を隠していたリベリスタは、続々と集まってきている。 『女好き』李 腕鍛(BNE002775)に『幼い心に大きなおっぱい』ティオ・ココナ(BNE002829)、ティセに旭。ちなみにティオは、今まで着用の機会がなかったセーラー服に身を包んでご機嫌だ。 これで今回の変態とぱんつ攻防を繰り広げる予定の、いかれた……違った、素敵なメンバーは全員揃った。 ●お待ちかねぱんつ祭り 変態は素早く動いた。 「えっ……」 一同が呆然としている間に、黒いレースのセクシーランジェリーと、お尻に穴が開いているビーストハーフ用とわかる純白パンツが、ノーフェイスの手に渡っている。 「くんかくんか」 「ぎゃーーー!!」 キジも鳴かねば撃たれまい。 軍服のズボンで脱いでいるのかいないのかわからないはずの冬路だが、変態が下着のにおいをかぐのを見て絶叫してしまい、どっちかのパンツが彼女のだと全員に知れた。 「うー。しっぽ穴があるから脱がせにくいと思ったのになー。でも大丈夫。超幻視でぱんつ穿いてるみたいに見せてるから!」 とティセが平然と言うので、消去法で黒ランジェリーが冬路のものだと判明する。 「きききさまあーーーー!!」 冬路は泣きながら電気を軍刀にまとわせ、捨て身の放電攻撃。 「老人のぱんつなど、うれしくなかろう!」 刀を叩きつけながら叫ぶと、 「なにをいうんだ、ぱんつに貴賤なし。僕はどんなぱんつでも愛せるよ!」 キリッという音すら聞こえてきそうなイケメン顔で、ノーフェイスは感電しつつも言ってのける。 「ええ声で、ええことっぽい変態発言をするなぁー!」 「あー、でも、いいんじゃないかな。あいつ喜ぶと思うよー」 夏栖斗はのんびり言うのであった。 「すごいなぁ。どうやってるんだろう。ボクも使えるようになりたいなぁ。一人にならできるかも……」 どこで活用する気だティオ・ココナ。覚えたとしても頼むから、シリアスな依頼で使わないでほしい。 「あ、そうだ。じゃあスカートを脱いでパンツ丸出しにしたら、集中できなくなるんじゃないかな? みんなでやってみようよ!」 ティオは、冴えたやり方を提案するものの 「ぱんつはチラリと見える瞬間がもっとも輝くんだよ!」 と夏栖斗に一喝され、女性陣の無言のいやいやによって却下された。 ●ぱんつ、いんふぇるの 「……む、来たでござるな」 腕鍛が上空を見つめ、呟く。 ワーグナーの『ワルキューレの騎行』が脳内BGMとして流れそうな雰囲気で、さまざまなパンツの群がこちらに飛来してきている。 「しかし拙者、パンツ群に用はない。貴様! ぱんつとはなんぞや!」 腕鍛はビシイとノーフェイスに人差し指を突きつけた。 ちなみに、ノーフェイスは、ティオのピンクのスキャンティを右手に握り締めている。 なお、スキャンティとは『スキャンダルなパンティー』というのが語源であり、その語源に相応しくかなりきわどい履きこみを誇るぱんつである。 「貴様の手にくしゃくしゃの状態で握られたものがぱんつと言うか! あえて言おう! 否! 断じて否! ぱんつとは女性のヒップを包むモノ! つまり、そんな頭のラインが無様にでた状態や、手にくしゃくしゃに握られた状態はぱんつとは言わん! 下着でござる!」 とはいえ、スキャンティはヒップを全て包めないのが特徴の下着なので、腕鍛の持論から言うと、ぱんつではないことになるのだが。 ものすごい力説に、ノーフェイスも毅然と反論する。 「確かに。だけど、下着が穿かれた瞬間にぱんつになり、脱がした瞬間下着に戻りつつも、人肌と香り、そして汗で、その下着は、ぱんつの思い出を残しているんだよ? これこそが『ぱんつのロマン』の真髄だと思うけど」 「ぬぐぐ、まさか言い返されるとは……」 まさかのパンツ問答。禅宗の高僧か。 ちなみに、襲来してきた大量のパンツは、ほかの面々によって順調に燃やされている。 旭の燃える腕が唸り、パンツを灰へと変える。 「カム着火いんふぇるの!」 いんふぇらない、いんふぇります、いんふぇる、いんふぇるとき、いんふぇれば、いんふぇれ。五段活用。 「僕に! パンツを! 焼かせるなぁあ!」 燃える拳でパンツを滅却する夏栖斗の表情は苦しげだ。 「こんな苦しい戦いなんてそうそうないぜ……っ!」 夏栖斗の苦鳴に、ノーフェイスは朗々とまるでポエムを語るかのように言った。 「ただの小さな布なのに、なぜこんなに苦しいのだろう、それはパンツだから。人の下半身を包むという用途を拝命した時点で、ただの布がロマンの塊になるなんて、不思議で奥深いよね」 「ええいうるさい! 変態には私の下着を決めさせない!」 ドヤァと書き文字が背景に出そうな表情で、綾香が叫び、叫びながら魔杖刀を突き出した。 しかしノーフェイスは、彼女の精度の高い予測を上回る速度で攻撃を避け、代わりに綾香へと襲いかかる。 しかし綾香は余裕の表情を崩さない。 「ふん、何を隠そう私は穿いていないのだ! しかも日頃の鉄壁ガードにより、仮に生半可なパンツを穿かされようとも見えはし……!!?」 自信に満ちあふれていた綾香だったが、足下の違和感にぎょっとして口をつぐんだ。 だら~ん。 鋼鉄スカートから足首まで垂れ落ちる白い布。 これはもしかして、もしかしなくても越中褌という奴ではなかろうか。かっこよく言うとクラシックパンツという代物である。 「!!! ま、まさか褌とは……。くっ、こんな変態に面妖なモノを穿かされるなんて悔しい!」 なんのダメージももらっていないはずなのに、精神的に非常に消耗を感じる綾香、思わず地面に崩れ落ち、嘆き悲しむ。 「ヒットエンド!」 Boomb! パンツゴーレムを握りつぶし、灰の山に化したティセへ、ノーフェイスは声をかける。 「君にはしっぽとか関係ない、ほぼ紐のティーバックをあげたよ」 「でも、超幻視で普段のパンツと変わらないようにしてるもん!」 それがどうしたとティセは平然と返すものの、 「ふふ、周りからは見えていなくても、今、君はただの紐をおまたに通しているんだよ? いくら幻で周囲にはふつうのパンツに見えていても、君だけは、ティーバック特有の頼りないのに食い込む感覚を感じている……。恥ずかしいねえ!」 なんという言葉責め。ティセは思わずモジモジと腿を擦りあわせた。 「こっ、この外道ー!」 戦時中の厳格な貞操教育を受けている冬路は、真っ赤な顔で耳をふさぐ。ちなみにウサミミなので折り曲げるようにふさいでいる。 「そして、ゲットさせてもらったよ、君の汗ぐっしょり黒レースおぱんつ! と、君のハートのトランクス。なかなか可愛い柄をお召しだね」 「くっ、ちょっと癖になりそな解放感……!」 ハートのトランクスの着用者、夏栖斗は少し恍惚としつつも、パンツゴーレムを焼く。 「にゃーっ!? さ、さわられた感覚なかったのに……スゴい。っていうか、今超ミニスカなのに!」 マーガレットが歯噛みする。テラーオブシャドウで呼び出した影が、うまく彼女の下半身を隠してくれる。これも立派な『術者の戦闘援護』である。 「おお、それがマーガレット殿のオーダーメイド黒レースぱんつでござるか! 大人とも子供ともとれるマーガレット殿でござるが、ぱんつは大人でござる! しかし拙者、そこに可愛く青いリボンのワンポイントを所望!」 腕鍛は一人でテンションを爆上げしている。 「しらないよ!! ボクのぱんつについて語らないでよ! まとめて討伐するよ!」 マーガレットは、怒りと羞恥で顔を真っ赤にして叫んだ。 「いやー、綿のぱんつのほうが僕はいいと思うな。汗もよく吸うし……ぐっしょり感がレースとは違うんだよなぁ」 「聞いてない!! キミのパンツアドバイスとかいらない!」 ノーフェイスにもマーガレットはかみつく。 「むっ、貴様と拙者、スタート地点は同じであったかもしれんが、辿り着いた先は断じて違うのでござろう」 意見の相違に腕鍛は、眉を寄せた。 「よかろう、では問おう! あそこでズボン生地の感覚になれなくてもじもじしている卜部殿!」 「えっ、私!!?」 ずびしいぃっと指さされ、驚愕する冬路に構わず、腕鍛は続ける。 「彼女は尾てい骨辺りにうさ尻尾があり悩んでいる! それを加味して穿かせるべきぱんつとは! そう! ローライズでござるな」 「余計なことを言うでないわ! ちょ、ま」 慌てる冬路そっちのけに、ノーフェイスは肩をすくめて、これ見よがしにため息をついた。 「いやぁ確実に、こどもぱんつでしょ。お尻に可愛いうさぎさんがプリントされてる白いやつ。お尻の上まですっぽり包むと、しっぽがもっこり。恥ずかしさに悶える女の子って素敵だよ」 「あ。うーん、ありかもしれぬ」 「腕鍛殿!? そ、想像するなー!」 冬路の大騒ぎもなんのその、再びノーフェイスは動いた。 「ふふふ、ノーパンの解放感から一気に窮屈だね。女の子のおパンティを穿く気分はどうだい、少年」 夏栖斗はその言葉に驚いて、ズボンのウエストを引っ張ると着用しているものを確認した。ピンクのサテン生地のまさしくパンティである。 「う、あ、は、はみでちゃうぜ……」 なんというものを穿かせてくるのか。恐ろしい。ノーダメージだが恐ろしい。 恐ろしがる夏栖斗の顔に被さる、介護パンツゴーレム。 「なんか一気に萎えた! ある意味ありがとう介護パンツ!」 言いつつ、夏栖斗は、布をひっぺがして燃やし尽くす。 そしてノーフェイスはくるくると二枚のパンツを指で回していた。 「あー!! わたしのぱんつ!!」 旭が叫ぶ。青ざめるものの、彼女は懸命に平静を装った。 「う、で、でも、へーきだもん! ハーフパンツはいてるから! イモいけど……。そっそれに、そのぱんつも見せパンだもん! だから恥ずかしくないもん! はずかしく、な……な、ないも……ん、ぐすっ」 装い切れてなかった。 もう一枚は白いブリーフである。腕鍛のだ。 「ふふ、ぱんつについて熱く語る君、この見せパンはまだ温かい。次はこのほかほかぱんつを、君に穿かせてあげよう!」 「ぬなっ、旭殿の使用済みぱんつを!!?」 旭が笑顔のまま固まった。 そして、素敵な笑顔のまま 「……越えちゃ行けないライン考えてね」 と愛らしく言うなり、腕に轟々と燃え盛る炎を宿してノーフェイスに突進、思い切りぶん殴った。 ボグシャー! いい音が鳴って、ノーフェイスがアスファルトと熱烈にキスする。 ぽやぽや健全いい子な喜多川旭。特徴は、『時に暴走』である。 「ひぃ、こ、これにてさらばっ」 とノーフェイスはソードミラージュの素早さで逃げようとするも、 「ボクも速さには自信があるから、絶対に逃がさないよ!」 というティオの声が聞こえた瞬間、神秘の閃光弾が炸裂する。 「ひっ、う、うごけな……」 麻痺し、焦るノーフェイス。もはや彼をとりまくパンツゴーレムもさっきまでのパンツ攻防線の間に全滅した。 「覚悟、できてるよね。九割くらい殺してもいいよね。っていうかノーフェイスだし殺すね」 マーガレットがローズワイヤーをビンと張って近寄る。 おろおろするノーフェイスを取り囲むリベリスタ。 笑顔で、変態をフルボッコタイムの始まりだ。 断末魔が町に響いたが、町人皆、これは奇妙な夢だと自己完結したので、ニュースにはならなかった。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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