彼は迷いながら、選択肢を選ぶ。 彼の愛するヒロインを、彼がエンディングを迎えたいパートナーを選ぶ。 モニターの向こうで恥ずかしげに、そして嬉しそうはにかむヒロイン。 2次元と3次元、斉藤正27歳フリーターと、彼のヒロインの間には越えられない壁があるけれど、それでも確かに其処に愛はあった。 流れ始めたエンディングに、正は喜びと少しの寂しさを感じる。このゲームにも終わりが来てしまったのだ。 だが、不意に浸っていた正の背中に鋭く痛みが走る。 ずぶりと何か鋭い、そうまるで刃物が背を抉った様な感触。 痛みに仰け反った正の目に映った姿、耳に聞こえてきた声は、覚えのある物だった。 「ねぇ、何でアタシを選んでくれなかったの?」 血で赤く染まった刃物を握り締め、目に涙を浮かべる彼女は、ついさっきまでどちらを選ぶか最後まで迷っていたヒロイン候補のキャラクター。 そして、またずぶりと別方向から何かが正の体を傷付ける。 「まだ貴女は良い方よ。私なんか一番最初に落とされたんだから」 恨めしげに唇を尖らせるのは、そう、確かに正の好みでなかった為に真っ先にヒロイン候補から外したキャラクターだ。 そしてまた一人、更にもう一人、失血と恐怖と混乱で彼女達が何を言ったのかは聞き取れなかったが、現れた二人も振るいにかけたヒロイン達。 ――ねえ、なんで?―― ずきり、と正の心が謎の罪悪感で痛む。 彼女達の唇が全く同じ言葉の形に動き、次々に彼女達の武器が突き出される。 ずぶり、ずぶり、ずぶり、ざくり、ざく、ざくざくざくざくざくざく……ぐしゃっ。 やがて、真っ赤に染まった部屋の中、真っ赤に染まったモニターの向こうで、正の選んだヒロインだけが嬉しそうに微笑んでいた。 ●れっつぎゃるげぇ 「ぎゃ、ぎゃるげー?」 場違いすぎる単語に思わず聞き返したリベリスタに、資料を手渡す『リンク・カレイド』真白イヴ(ID:nBNE000001)はグッと親指を立てた。 事件に関しての資料 1最近謎の殺人事件が起きており、被害者は揃ってインターネットからダウンロード可能なとあるフリーの恋愛ゲームのプレイをしている最中に殺害されている。 2そのフリーゲームの製作者は便宜上『クリエイター』と呼ばれている謎のフィクサードであると推測される。ダウンロードされたゲームはある種のアーティファクトであり、ゲーム中に特定の条件を満たした場合、その能力(擬似的なエリューションの出現)が発揮されてしまう様子。 3擬似エリューション出現の特定条件とは、インターネットに接続されたパソコンでゲームをプレイし、尚且つそのヒロインにorヒロイン達に恋愛感情を抱いてゲームをクリアする事。 4ゲームクリアに必要な時間は1~2時間。最終的なヒロイン選択(ヒロイン一人に対しての告白)後のエンディングにて、選ばれなかったヒロイン候補達を模した擬似エリューションが出現してプレイヤーに対して襲い掛かってくる。 5擬似エリューションを倒せば、このゲームは全て、それ以後ただの無害なゲームとなる。 ひろいんず 1綾瀬ななみ。 栗色ショートカットの主人公の幼馴染。容姿は可愛らしいが、空手部のエースなので言い寄る男は少ないらしい。 幼い頃に虐めから助けてくれた主人公の強さに憧れて空手を始めたと言うエピソードを持つ。あと劇中では岩を拳で割っていた。 ☆敵としての能力は覇界闘士。武器はこの世の物とは思えない破壊力の拳。 2笠置真由美(デフォルト名。主人公の苗字を変更すると苗字が変ります) ポニーテールな主人公の妹。所謂健気な妹。料理と包丁裁きの達人。 主人公の衣食住を握っており、独占欲が強い。主人公を起こす時は馬乗りと言う基本に忠実な子。 ☆敵としての能力はソードミラージュ。武器は2丁包丁。 3庄治エリカ。 ハーフの帰国子女だが、西洋系では無い為、黒髪と褐色の肌。 常に笑顔を絶やさず、怒っている時も笑顔のまま怒る。奥義アルカイックスマイルまじ切れ。 また本が好きらしく図書館で良く見かける。 ☆敵としての能力はナイトクリークとインヤンマスター。武器はクナイっぽい何か。 4羽束師弓枝(はづかしゆみえ) 主人公のクラス担任24歳。担当科目は英語。メガネクール美女。 綺麗なお姉さんは好きですか? ちょっとエッチなお姉さんは好きですか? ☆敵としての能力はスターサジタリーとプロアデプト。武器は弓。 5神海林みるく。 ピンクツインテールの巨乳少女。主人公の同級生だが、隠しキャラの為に普通にプレイしていては出て来ない。 性格は天然で、季節毎に一度トラブルを起こし主人公を巻き込む。劇中ではお色気シーンが比較的多いキャラ。 ☆敵としての能力はデュランダル。武器は釘バット。 注意点として、神海林みるくはゲーム中で登場させるか、させないかで襲って来る時の能力が大きく変動します。(彼女に関して何も書いてない場合は出さなかった扱いにします) |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:らると | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年04月17日(日)02:21 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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● 「も~、ヘル君ってばえっち☆ミ」 温泉卓球ですっころび、派手に肌蹴てしまった浴衣を大慌てで直し、唇を尖らせる神海林みるく。其の口調は軽くうざい。 「でもね? ちゃんと責任とってくれるなら、許してあげるよ」 ぴこーん。主人公、『息をする記憶』ことヘルマン・バルシュミーデ(BNE000166)に死亡フラグが立ちました。 でも下着を着けてなかった事に関しては自己責任だと思うんだ。あれ、もしかして寧ろ罠? ……それはさて置き、擬似エリューションを喚び出すアーティファクトとなっているぎゃるげー攻略の為に集ったリベリスタ達。その代表としてプレイをするヘルマンがゲームを開始して1時間あまり。最初は攻略サイトを使おうとしていたヘルマンだったが、『八咫烏』長谷川 又一(BNE001799)のそれだとゲームを本気では楽しめないだろうとの言葉に自力プレイでゲームを進めている。 メッセージスキップ機能等を使わずにプレイしている為にまだ全体の半分もゲームは進んでいなかったが、だが既にプレイヤーのヘルマンも、そしてそれを周囲で見守るリベリスタ達もゲームの世界に引き込まれ始めていた。 興味がない風を装っていた『シルバーストーム』楠神 風斗(BNE001434)もチラチラとモニターに視線を走らせる回数が増えている。其の様は風斗が自称する硬派と言うよりは、寧ろ照れ屋のシャイな少年の様に見える。 そして『流れ星のコヨーテ』星影・丈(BNE001305)は古いぎゃるげーには付き物だった主人公の悪友ポジション風にヘルマンの攻略をサポート……もしかすればヘルマン自身よりも丈の方がゲームを愉しんでいるのかも知れないが、まあサポートはちゃんとしてるので特に問題は生じない。 他にも、『ウィンドウィーバー』玖珂・駆(BNE002126)はゲームの理不尽展開への突っ込みに忙しいし、『悪人』風原 玲(BNE002211)と神音・武雷(BNE002221)はお色気シーンの度に身を乗り出してかぶりつくので非常に邪魔である。でも男の子だから仕方ないよね。ちなみに玲は笠置真由美が気になるご様子。 最後に『正義のジャーナリスト(自称)』リスキー・ブラウン(BNE000746)はそんな仲間達の様子をデジカメで撮影している。さり気に彼が一番酷い。 そんな風に思い思いにゲームを、もしくはゲームプレイの観察を愉しむリベリスタ達。作戦の参加メンバーが男性ばかりと言うのは、若干むさくはあるがギャルゲーを愉しむという条件にとってはうってつけだったのではなかろうか。 又一はぎゃるげーを男が8人で取り囲む異様な状況を、まるで呪いのゲームの呪いのせいだと評したが、楽しめてしまう呪いならばそれも悪くはない筈だ。 綾瀬ななみとの河原での決闘(何故か此処だけ格ゲーだった)や、至って普通のカレーを本場の味と言い張る帰国子女、庄治エリカとの料理対決(負けてあげないと拗ねます)、そして実は恥ずかしがり屋の先生、羽束師弓枝先生との補習個人授業に、弓枝先生の車でのドライブデートに、更にお願いしまくって実現した温泉への日帰り旅行。主人公にねだられると困った風な顔をするけど断れない先生可愛い! 同じ家に住む利点を最大限に活かしてくる妹、真由美の猛撃(寝起きを襲われました)を回避し、みるくのお色気イベントを回収する。 あるフラグは圧し折って、またあるフラグは拾ったり、と言ってもヘルマンは弓枝先生一筋の様子だったが……、兎に角ゲームは終盤間近まで進んでいた。 けれど終盤が近づけば近づく程に疑問になる事柄が一つ、それはこのゲームの製作者であるフィクサード『クリエイター』は何故このゲームに厭らしい罠を仕込む様な真似をしたかと言う事だ。 少なくとも人を愉しませるゲームが作れるという事は、人としてある程度まともな感覚を持っている、または理解している筈である。少なくとも、ただ人殺しが楽しいだけの狂人になせる事ではないだろう。 シナリオ作成、キャラクターデザイン、イラスト、音楽等を全て一人でこなしてゲームを作るだけで既に離れ業であるのに、何を目的として余計な機能を付けたのか。ゲームに入れ込めば入れ込む程、それがどうしても許せない。 だがその疑問に答えが出る前に、物語は最後の局面『告白』のシーンへと入っていく。 ここまで来てしまえば他のリベリスタ達も、もうヘルマンに対しての口出しは出来ない。 「弓枝先生のことはわたくしに任せてください!!」 と強く言い切るヘルマン・バルシュミーデ22歳、自称イケメン執事が抱き、積み重ねてきた羽束師弓枝への想いを信じるだけだ。 そして主人公に呼び出され、不思議そうな表情を浮かべる弓枝に送られた告白の台詞。それは女性の心境を的確に捉えているとはとても言いがたい不器用なものだったが、誠実で想いにあふれたヘルマンらしい心からの言葉。 弓枝の表情が、驚きから戸惑いへ、更に少し困ったような、恥ずかしげな、それでいて喜びに溢れた、はにかむ様な表情へと変化する。 背景がセピア色になり、エンディングテーマにあわせて弓枝は主人公……否、ヘルマンとの想い出を、そしてヘルマンへの想いを語り始める。 少しお調子物で、格好付けな自称イケメンの彼を、弓枝は最初は放っておけない生徒にしか思っていなかった。けれど自分を慕ってくれるヘルマンと接する間にまるで手のかかる弟が出来たかの様に思い始め、やがて気が付けば何時も目で追ってしまうかけがえのない存在へと想いが変化している事に気がついた。 相手は生徒で自分は教師、そしてヘルマンの周囲には常に同級生の女の子達が居た。ヘルマンは生徒として先生を慕っているだけだと思っていた。 それでも……。 ● 続くエンディングと弓枝の台詞。だが少しずつ周囲の空気が変化していく。 揺らいだ空間から滲み出る様に4人の人影が、選ばれなかったヒロイン達が現れる。 一番ゲームに引き込まれるエンディング中の出来事ではあったが、出現の予測をしていたリベリスタ達に隙はない。 「なんかアタシ達の事は予測済みって感じだね」 構えを取るリベリスタ達……中でも目のあった駆に向かい、綾瀬ななみは戦いの予感にガツンと両の拳を打ち合わせ、嬉しそうに笑む。辺りの空気を震わせるその衝撃に駆が『どんだけ肉食系ヒロインなんだ』と軽く突っ込みを入れるが、勿論ななみが気にする風はない。(パシャリ) 手の中のクナイをクルリとまわして握る庄治エリカの表情は、何処までも慈愛に満ちた優しげな笑顔。(パシャリ) 「ねぇ、邪魔しないでよ。ボクは約束したんだよ。責任とってね☆ミって……だから、邪魔するなら貴方達も容赦しないぞッ☆ミ」 そう言って神海林みるくが釘バットを振るうと同時に、ぶるんと彼女の胸も大きく震える。例えゲームの中でなくとも彼女はサービスを忘れたりはしない。(パシャリ) 笠置真由美が立ちはだかる玲に向けて2本の包丁を向けて叫ぶ。(パシャリ) 「どいて! お兄ちゃん殺せない!!!」 最後に、4人全員が集合してデジカメで自分達を撮影しているリスキーに向かってキラッ☆ミとポーズを決め、……そうして、戦いは始まった。 複数人数同士でのぶつかり合いとなった場合、戦況の変化はめまぐるしく、あらかじめ用意した戦術が役に立たない事は少なくない。特に其れに固執しすぎた場合は危険を招く事もある。 まずは支援能力を持つエリカから潰そうと突出した玲に向かって、横から高速で振るわれる2本の包丁。まるで野菜を切るかの様な気楽さで玲の機械の肉体を切り裂いたのは真由美だ。そしてエリカの支援能力によってヒロイン達の防御力が上昇する。 支援能力を持つ者を狙うのが定石ならば、支援能力を守る事もまた定石であり、支援能力者を囮に相手の隙を突くのは戦術である。 だがリベリスタ達も、やられるままで終わりはしない。思わず膝が折れそうになる玲への追撃は、だがしかし風斗の、 「振られた女が嫉妬に狂って殺戮か。そんなんだから振られるんだよ!」 との台詞で怒りと共にその矛先がずれる。ヒロイン達の中でも主人公に一番近い場所におり、更に年も一番若い彼女は精神的にも未成熟、つまり人一倍強い嫉妬深く、当然其の事には自覚がある。 更にヘルマンだけを狙い、切り込んで来たみるくの釘バットを又一の小太刀がガチリと受け止める。 「さっきまではゲーム。だが此処からは遊びは無しだ。シノギ屋又一、死活打崩候」 その又一の台詞に応じるように武雷が大太刀を大きく振り回し、ヘビースマッシュをみるくの体に叩き込む。 一方、別方向からエリカを狙って攻撃を仕掛けようとしていた駆がななみに捕まり危機に陥っていた。 人中(人間の急所の一つ、鼻の下で唇の上の溝。思いっきり殴られると結構死ぬらしい)に向かって放たれたななみの中指一本拳(急所を突く為に中指だけを突き出して握る拳の形の事。素人がそれで殴ると、殴った方の中指をくじいたりします)を辛うじてバックらーで防ぐ駆だったが、あまりの拳の威力に防いだバックラーごと身体を大きく弾き飛ばされる。 「ヒロインが中指一本拳で人中殴るな!!」 身体をひねって何とかななみの追撃を避けた駆の抗議もななみにとっては褒め言葉に等しいらしく、照れた様に頭をかいてから、更なる苛烈な攻撃を加えてくる。 だがそんなななみの猛攻も「おにーさんとも遊んでおくれ」とばかりに混ざって来たリスキーの援護射撃によって勢いを失う。 ななみのあまりの攻撃力に圧倒されてはいたが、元々攻撃の手数で言えば本来は駆の方が上なのだ。そこに高い命中力でななみの勢いを止めるリスキーの援護射撃があれば、ななみの動きを封じ込める事も不可能ではなくなってくる。 ● 仲間達が他の相手にかかりきりにされ、支援能力の使用を終えて動き始めたエリカを止めれる者は丈だけだった。 エリカの進路へと割り込み、腰撓めに構えたリボルバーの引き金を引く。シリンダーが回り、ハンマーが打ち下ろされ銃口が一発二発と火を噴く。 幾度の射撃を受けても倒れずに突進してきたエリカの身体がグラリと傾き、1$シュートを放ち続けた丈に身体を預ける様に倒れこむ。 あと少し丈の攻撃速度が遅ければ、あるいは逆にあと少しエリカの踏み込みが早ければ、立っている者と倒れている者の立場は逆になっただっただろう。 思わず抱きとめた丈の腕の中で、エリカは礼を言う。 これでもう人を傷付けなくても済む。人に愛される為に生まれてきた自分が、愛されなかったからと言って人を傷付けるなんて事が間違っているのはわかって居たと。 それでも自分ではどうしようもなかった。止めてくれてありがとうと告げるエリカの瞳から、一筋の涙が零れ落ちる。 「俺はコヨーテ。流す涙を星にかえて、願いを叶えるさすらいのコヨーテ。たとえ仮想の世界でも、流した涙に嘘はない……。お嬢ちゃんたちの想いは俺の愛で受け止めてやるぜ!」 腕の中で塵なって散った少女の残滓をかき抱き、丈は立ち上がる。戦いの終わりが見え始めていた。 バラバラに2対1の戦いを行っていた他の戦場でも、次々を決着は付いていく。 なんとかヘルマンを狙おうとし続けたみるくも、武雷のガードを抜ける事が出来ずに又一のブラックジャックを其の身を打ち抜かれて崩れていく。 少し拗ねた様に頬を膨らましながらも、それでもありがとっ☆ミとみるくは消えていく。最後まで☆ミだけは忘れずに。 そして真由美もまた、あれ以来玲に対して有効打を放てぬままに終わろうとしていた。元々攻撃力ではなく手数と鋭さ、そしてその幼な目の容姿で油断させて責めるタイプの真由美だが、相手の方が数が多く更に油断もして貰えないとなれば勝ちの目は極端に薄くなる。 最初の一撃もリベリスタ達の作戦を逆手にとって玲の隙をつけたからこそ可能だったのだ。そしてついに風斗のオーラクラッシュがその身を捉え、その身を塵へと変えていく。 真由美の遺した言葉は、我侭に付き合ってもらってゴメン。 一番最後まで戦い続けたのは、矢張りと言うべきだろうか? ゲーム中でも一番の武闘派であるななみだった。 駆とリスキーのコンビネーションの前に其の動きを封じられながらも、最後の最後まで粘り強く戦った彼女は、もはやヒロインと言うよりは一人の戦士だ。 だがそれでも一度決した戦況は覆る事無く、リスキーの口説きの言葉に「アンタも結構格好良かったよ」と返して膝を折る。 「楽しかったよ。ありがとう」 駆の拳にコツンと自分の拳を軽くぶつけ、スッキリした笑顔を残してななみもまた消えていく。 ● 不意に流れていたエンディングの曲が止まる。ふわりと画面が揺らぎ、弓枝の声だけが聞こえてくる。 もう、愛した人が死ぬのを見なくて済むのね。死なないでくれて有難う。愛してくれて有難う。助けてくれて有難う。 「先生を、忘れないでね」 そして何かが弾けて消える。 彼女達が消えた後には、ただのゲームだけが残された。 その後のリベリスタ達の行動に関しては、野暮になるだけなので語りはしない。 笑いと涙の物語は此処で終わる。 Thankyou for playing Presented by creator 薄暗い部屋の中、一人のフィクサードがモニターから目を離し、天を仰いで呟く。 「彼女達は最後、確かに人に近づいた。感謝するぞリベリスタ共。いずれ会おう。私は必ず、いつか必ず創り出してみせる」 そして再びフィクサードは何かの作業に没頭していく。 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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