●オーディションの悲劇 とあるビルの一室に作られたオーディション会場。 見定めするために作られたお立ち台と、登場するための赤い絨毯、それに控え室を覆い隠す赤いカーテンが特徴的な部屋の中は、どきついピンクのハート型のアクセサリーで飾られている。どこか派手で、少女趣味な部屋だ。 そんな会場の中央。お立ち台の上を“特等席”で見ようとしている女性がいる。宝石がさりげなく散りばめられた高級感溢れるアクセサリーを体中に付け、高価なブランド物のコートを纏い、やはり高級な肌着でスタイルのよい体を包んだこの女性の目には、ハートマークが浮かんでいる。きめ細かく手入れの行き届いた肌は、若々しい印象をあたえるが、四十代の女性である。更に言えば、このオーディションを開催したのも彼女である。 そんな経緯のオーディションだが、お題目はある。 彼女が経営している芸能事務所の新人オーディション。 という名目によって、趣味と実益を同時に兼ねようとしているわけだ。 そんなわけで、そのオーディション会場には、芸能人を目指す若者たちが集っていた。主にイケメンや、少女たちである。 「キャー!! キャー!! イヤー!! そこで笑ってー!!」 そして、オーディションが始まれば黄色い声が上がる。お立ち台の上のイケメンに対してそう言っているのは、他でもない四十代の彼女である。 そんな調子が一時間ほど続いて。 「ハァ……。ハァ……。ケーくんありがとうー!! それじゃ、次行ってみようー!! 次のイケメンくんどーぞ!!」 疲労困憊になりながらも、細かく手元のメモに評価を書き加えているのは、流石経営者といったところか。 お疲れ様でしたー。という声と共に、会場に居たスタッフやオーディションに参加した人間は帰っていった。 「はーい、お疲れ様ー」 帰らせたのはこの女性の指示があったからである。 「うーん。今回、確かにかっこいい子とかわいい子がいたけど、こう……頭にピーンと来た子はいなかったわー。覇気がないっていうのかしら? もっと必死さが欲しいわー。若いんだものー」 オーディション中、興奮のあまり脱ぎ捨てていたコートを拾いながら、彼女は今回のオーディションを総括する。どうやら、お目金に叶う候補生はいなかったらしい。あれだけ騒いでおいて、と思うかもしれないが。彼女はこれでも業界でかなりのやり手である。確かな目で見ていた。らしい。 「ああ、私の王子様はどこにいるのかしら?」 演劇めいた動きで、お立ち台の上へと登る四十代の女性。そんな彼女を、遠くから人影が覗いていた。もちろん彼女はそれに気付くはずもない。なぜならば、その人影は透明で、まったくの気配も持たなかったからである。 その人影の名は、エリューション・フォース。 ――彼女はその夜。そのエリューション・フォースによって殺された。 ●潜入せよ、オーディション! 演劇めいた動きを続けていた女性が、何の前触れもなく刺し殺された。そんな場面と犯人……つまりはエリューション・フォースの姿を見たリベリスタたちは、誰が産み出したエリューション・フォースであるのかをすぐに理解した。 このエリューション・フォースはイケメンだ。 そして、リベリスタたちは自分たちがこの場に集められた意味も何となく分かってきた。 「このエリューション・フォースは自分を生み出した女性を狙って動いているみたい。彼女の想いから生まれたのに、不思議だね」 小さくため息をついた『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)がそう言うと、犯人の顔がモニターに映し出される。いかにもなイケメンのパーツを集めたような顔をしているが、狂気に塗られた表情で台無しになっているので、カッコよくはない。 そして、最大の特徴はこのエリューション・フォースの体が半透明になっていることだ。 「このエリューション・フォースはフェーズ1で力も弱い。だけど、エリューション・フォースは自己の存在を遮断する独自の力を持っている。厄介」 近くに寄るまでは、見ることも匂いを嗅ぐことも、気配を感じることもできないという。そうなってしまえば、いくらリベリスタといえども手を出すのは困難だ。 「……その力を弱めるには、生み出した彼女が持っている理想を弱める必要がある」 つまり……。 「オーディションが彼女にアピールするチャンス」 ですよねー、とリベリスタたちは納得した。 つまり、オーディションで活躍すればエリューション・フォースの力も弱まり、倒しやすく、護衛しやすくなるのだという。ならば出るしかないだろう。人々を守り、エリューションを倒すのがリベリスタなのだから。 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:nozoki | ||||
■難易度:EASY | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 0人 |
■シナリオ終了日時 2011年07月01日(金)00:01 |
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■メイン参加者 8人■ | |||||
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●イケメンですか? オーディション会場の様子を覗き見ながら、イケメンたち……もとい、オーディションに参加するため会場に集まったリベリスタたちは、それぞれの思いを胸に抱いていた。 「エリューション・フォースを創り出す程の強烈な想いってのも恐ろしいな」 壁から眼帯をかけていない方の顔を半分出して、『深闇を歩む者』鷹司・魁斗(BNE001460)は会場内の春華を覗き込む。オーディションのために働く姿はどこか必死で、イケメン好きなことは確かなのだと確信できる。 「仕事、こんなにがんばってる人の命を奪うなんて……。絶対にさせない」 同じく顔を半分覗かせている『風牙』ゼロ・ブラッドレイ(BNE001647)は、静かに決意を呟く。 「イケメンを求める思いからって、本当に何でもアリだな? まぁこれも仕事って事で、やっちまうか! たまには文化的な恰好も悪くねぇ」 そんな二人に対して武蔵・吾郎(BNE002461)は、上腕二頭筋が目立つ腕を逞しい胸板の前で組みながらオーディション会場を見ていた。獣化はちゃんと隠している。 「ワイルドなイケメンってこういうモンだよな」 今回、選んできた服装には自信があるらしい。黒いスーツを茶色のトレンチコートで包み、同じく茶色いハットを被る彼の姿は、ちょっと怖い。しかし、ワイルドだ。 「とりあえずこれでも現役時代はぶいぶい言わせてたでござる! そのテクを応用して……拙者は女をメロメロにさせてやるでござるよ!」 吾郎が四十代のワイルドマンならば、こちらの『自称・雷音の夫』鬼蔭 虎鐵(BNE000034)はサングラスをかけた三十代の渋メンだ。そして鍛え上げられた肉体と、その体に染み付いた傷。まるで極道映画のようである。 「あ、でも拙者の嫁にはナイショでござるよ!!」 しかし、当の虎鐵はこんな調子だ。ロリコンがリミッターになっているのだろう。 「イケメンなら任せてくれ。それ以外のことはまあ、出来ること少ないけど、とにかくイケメンなら任せてくれ」 そんなふたりに対して、薄手のシャツにハーフパンツといった少年らしさを抑えているのは『イケメンヴァンパイア』御厨・夏栖斗(BNE000004)だ。少年らしい、金の瞳を輝かせて、これから訪れるオーディションに備えている。 「なにこのイケメン揃い。こんなとこにいられっか! 俺が目立たない」 きょろきょろと『狡猾リコリス』霧島 俊介(BNE000082)が見渡せば、どこもイケメンだらけ。これほどまでにイケメンリベリスタが揃った依頼はそうそうないだろう。 「春華ちゃんには親近感を覚えちゃうのよねぇ。こんなイケメンに囲まれたお仕事なんて初めてだわ、こっちが先に失神しないよう気をつけなくっちゃ!」 だから、『メカニカルオネエ』ジャン・シュアード(BNE001681)はハッキリと口に出していた。リベリスタたちはぞわりとした何かを背筋に感じる。 「でも目移りしちゃうくらい……ハッ! ち、ちゃんと依頼成功を第一に行動するわよ、ええ! ビクビクビク。ゴーグル越しに熱が篭った視線を受けて、リベリスタたちはジャンから距離をとる。 「いやだわ、捕って食おうなんて思ってないわよ?」 もう一度、ジャンから距離をとるリベリスタたち。恐らく大丈夫だろうとリベリスタたちは思うが、やっぱり怖いものは怖いのだ。 「なんや、オトメの夢ってのは壮大よなあ……。でもここはイケメンとしてほっとくわけにいかんねっ。しっかりメロメロにして助け出しちゃうんよ! まってろー春華たん!」 そんなジャンを見ながら、ひとつ理解した『Last Smile』ケイマ F レステリオール(BNE001605)は、カジュアル風のノースリーブチャイナに身を包み、ひとつふたつと元気に腕を回していた。 「……あれ、俺こんなキャラだったっけ?」 まあいいや、と元気よく子犬のように笑顔を咲かるケイマ。その笑顔釣られて、周囲も笑みがこぼれる。 「へっ……」 「ふっ……」 「へへっ……」 笑い方も実にイケメンだ。 ●イケメンなのね そして、オーディションは始まった。 「一番! 霧島俊介! 愛をこめて歌います!」 お立ち台の上でギターを引きながら、俊介は一生懸命に歌う。例え下手だとしても、ここはイケメンアピールさえできれば! 「いやぁーん! 俊ちゃんったら一生懸命でかーわーいーいー。ちょっとギターもお歌も残念だけど、そこが素敵! まるで生まれたての雛鳥みた~い♪」 反応自体は上々ではあるが、残念なことを自覚している俊介はうつむく。歌とギターも止まる。 「お姉さん!!」 「やん、お姉さんだなんて」 しかし間髪を容れずに攻める! 春華の手を掴むと、眼帯越しにその目を見つめて……見つめて……。 「俺、あなたの色に染まる!! だから俺を選んで? お姉さんのためなら、なんだってしちゃうよ? 小さい頃に親なくして今までイイことひとつもなかったんだ。だから、俺! あなたに拾って欲しい! じゃあ待ってるからっ」 捲し立てて、逃げていく。多少強引ではあったが、そこは帰り際のウインクでカバー! 「やぁーん。必死な男の子って、やっぱりいいわぁ。若さだわぁ。私も若返っちゃう」 身をくねくねとしながら、春華は握られた手を頬でスリスリとした。 「二番、鬼蔭虎鐵」 「しっぶぅーい! そうそう、こういうのもいいのよ! やだやだー! 傷いっぱいでこわそー!」 その迫力を前に、くらっとする虎鐵。しかし、これはオーディションを突破するための作戦だ。 「ああ、お前のその甘美な美貌に俺は思わず眩暈がしてしまった……。俺の情熱的なダンスをみてくれ!」 そして、歌いながら踊る。激しいアクションのようなダンスによって晒し出されるその肉体は、虎鐵の豪快さを映し出す。 「きゃー! きゃー! 私のために、あんな強そうなダンスしてくれるのー! 私は私がうらやましいぃー!」 そのダンスを終えてから、虎鐵は何も言わずに去っていった。 「三番! 御厨夏栖斗です。好きなモノはおっぱい! じゃなくって。綺麗なアラフォーのお姉さんでっ……。あ、すみません。審査員長が綺麗すぎてかんじゃった。だって、身につけてる宝石より瞳が綺麗で、見つめられたら照れちゃって緊張しちゃいました。てへぺろ」 舌をぺろりと出して、あざとくアピール。ここで畳みかけなければ負けてしまう。主に自分の中にある何かに! 「僕にできることなら何でもしたいとおもってます。あ、鍛えてるので体には自信あります!」 「はぁ……はぁ……。わ、若い!! とっても若くてスポーツ少年!! ああ! その色黒な肌に汗をびっしょりさせているのよね!? ね!?」 息を荒くした、目がヤバい春華が詰め寄ってくる。「ほら、見せて」とばかりに近寄って、肌と顔を遠慮なく見てくる四十代。 だから、夏栖斗は笑顔を見せたし、シャツを脱いで肌も見せた。 「僕絶対にアイドルになりたい! って思ってますっ!」 「もっちろんよぉ! 絶対サポートしてあげるぅ!」 それから始めた拳法の演武を終えて、夏栖斗は退場した。ダッシュで。 「四番。武蔵吾郎、42歳。迂闊に近づく奴は……喰っちまうぜ」 そして現れるのは、指で上げたハットから鋭い眼光を飛ばす、2mのワイルドマンだ。 「俺が欲しいか……? 言ってみろ」 ターンを決めて、コートを翻しながら春華への視線を向ける。もちろん、その巨体と筋肉を見せつけるように近付いて。 「はーい!! はいはいはい!! 欲しい、欲しいでーす!!」 (う、うがぁぁ!!) 逃げ出すようにして、退場。 「五番。ゼロ・ブラッドレイです、宜しくお願いします」 静かに、そして小さく微笑んだゼロに、春華の興奮も少し落ち着いた。落ち着いた、といってもそれはゼロの雰囲気を壊してはいけないと、表面的なものを抑えているに過ぎない。だから、両手を広げてのカードのキャッチボール、それに続けて行われたカードによるりんごの両断には素直に拍手で迎えた。 「行きますよ」 「……あっ、はいっ! 大歓迎!!」 ゼロは眼で合図をしてから、カードのシャワーを春華へと流していった。すると、その無数のシャワーの中から一輪の紅い薔薇が現れて、春華の膝上に落ちた。これは……、 「プレゼントです」 「……ッ!!」」 屈託のない笑顔を前に、春華は大量出血。もちろん鼻血だ。 「必ず、あなたを……。守る」 そして、ゼロが退場の際に見せた真剣な眼差しと、そのセリフで春華は更に血液が足りなくなった。派手に放出したのである。 しばし休憩を挟み、オーディションは再開された。 「六番。鷹司魁斗だ」 黒で固めたファッションから覗く開いた胸元をアピールしつつ、牙のような歯を見せる。しかもずいぶん上からである。 「オレの芸を見たいか? それなら、分かってるんだろうな」 ニヤリと笑い、オレ様系であることを春華に示す。 「うんうん! 分かってる、分かってるわよー!」 きゃーっ、きゃーっ、と黄色い悲鳴も小さめに、魁斗に合わせていく。 「それなら、仕方ねぇ。特別だぜ?」 それから繰り出されたのは、普段バーテンをやっている彼の得意技。フレアバーテンディング(ボトルなどを使用するパフォーマンス)だ。 「ハッ、運が良かったなお前」 クールに決めて、最後に笑みも忘れない。これで春華もイチコロってわけである。まだギリギリ生きているけど。 「七番、ケイマでっす! よろしくお願いしますっ! 出身はイタリア、育ちは日本のバイリンガル! 最近の趣味は中国茶でーす。今日は皿回しをご披露するんよっ! 審査員さんの名前は~? 春華たん? よし! 春華た~ん見ててねっ」 ワンコ系らしく、手を犬の尻尾のようにぶんぶんと振って、ケイマは無垢な少女のような笑みを浮かべる。 「もちろんもちろんモチのロン! きゃあああ!! かわぁいいぃー! 持ち帰ってもいい―!?」 「それじゃあ、俺の脅威の集中力見てね!!」 そんな訳で始まったケイマの皿回しは、彼がメイド喫茶で培ってきたバランス感覚もあって、回り始めた。 「お、成功してる? やったー」 「やったわねー」 微笑ましく、春華も手を合わせて静かに叩く。しかし……、ボテッという音と共に、無常にも皿は落ちてしまった。彼のバランスが崩れてしまったのだ。 「あれ? もっかい。エヘヘ……」 失敗も愛嬌。だらしなく舌を出して、ケイマは笑うのであった。もちろんこれもかわいいワンコ系アピールであった。 「八番。ジャン・シュアードよ」 そしてリベリスタ達のアピールは最後のジャンに移る。普段のジャンとは違い、ゴーグルもなければ、声帯変化で声を低くしているし、ウネウネもしていない。まるでイケメンだ。 「ここに応募してみようと思った時から思っていたのだけれど、とっても良い名前ね。響きも字も美しいわ。……ねえ、呼んでみてもいい?」 こくこく、と頭を何度も下げる春華。もはや興奮する体力もあと残り僅かなようだ。ノックアウトも近い。 「それじゃ、遠慮無く……。春華」 ころり。 堕ちたという言葉がこれ以上ないほどに、堕ちた。むしろ物理的に倒れた。バタンキューである。溢れ出るイケメンパワーを前に、春華はノックアウトしてしまったのだ。 「あらら。でも、仕方ないわね、これだけイケメンがいるものね」 丸めた上着を枕代わりにしながら受け止めて、ジャンは笑う。 そして、オーディション終了後の控室。 「なんで俺こんなことしてん……俺彼女いるのに」 「なんか……すっごい黒歴史にしたいでござる……」 「アイドルになりたいなんて……思ってねぇよ!」 「慣れない事はするモンじゃねぇな……」 ある者は膝をつき、ある者は壁に頭をぶつける。こういうことに慣れていない方のイケメンたちは、苦痛の中でなんとかメンタルを保っていた。 人助けのため……人助けのため……。 ●イケメンだったんだよ…… オーディションの結果は後に伝えられることが決定している為か、オーディションの撤収はすぐに終わり、春華はひとりだけになった。その様子を見てから、気配遮断を使って隠れていた魁斗はAFを使って、トイレですし詰めになっているはずの仲間たちと連絡をとる。 そう、ここからがリベリスタとしては本番なのだ。……やたらと疲れた気がするが。 さて、ここで作戦を始めたのは、走って会場に戻ってきた俊介だ。先のダメージはまだまだ残っているが、それでも人を助けるためにがんばっているのだ。 「なぁなぁお姉さん遊ぼうぜッ!」 飛び込むように抱きついてきたイケメンに、春華もよろめく。 「はうあっ! もしかして、あなたが王子様!?」 そこから更に魁斗が追撃に移る。気配遮断を解除して、春華を俊介から奪うようにして抱き寄せて、耳元で囁いたのだ。 「そんなに、オレたちが好きなら……。もっとオレの事感じてみるか?」 「あっ……」 S気味な声に痺れた春華は、そのままクラっと頭を振って失神した。本日二度目。 そして、しばらくして。失神した彼女の元に現れたのはイケメン。もとい、イケメンのエリューション・フォースだ。オーディションの結果が良かったため、その体は完全に透明ではなく、むしろくっきりとその顔を映し出した。 「後はたのんだぜ!」 そんなエリューション・フォースから春華を守るべくエスコートしようジャンに夏栖斗は指を立てて、吾郎は結界を張った。 「さて、こちら時間はあまりなさそうでござるな。一気にケリをつけるでござるよ!」 虎鐵の大太刀が煌めいて、戦闘は始まる。イケメン対イケメンの、イケメン対決だ。 お互いに距離を取ってから、イケメンたちはそれぞれ構えを取る。 それから、ケイマのシューティングスターが飛んで行き、拳を振り上げようとしていたエリューション・フォースの体にダメージを与える。 そこからは一方的であった。 「オーケイイケメン、なんつーかモヤモヤしたものをお前にぶつけるわ」 斬風脚、 「これが拙者の全力の一撃でござる!!」 メガクラッシュ、 「お姉さんは殺させない!!!」 マジックアロー、 「おっと、逃がさねーぞっ」 ギャロッププレイ、 「今日の俺は、一味違うぜ」 渋い声で幻影剣、 「ちょっとカミカミさせてね」 数々のスキルによって満身創痍となったエリューション・フォースに対するトドメは、ゼロの吸血だ。首筋から血を吸い取られ、虚脱するようにエリューション・フォースは倒れる。 こうして、イケメンたちの戦いは呆気なく終わった。姿を消し、匂いも消すちからがなくなればこんなもんである。 「さっさと帰ろうぜ。オレは煙草が吸いてぇ」 そして戦いを終えたイケメンは撤収していく。立つイケメン後を濁さず。 「あ。そうだ、林檎あったんだ、カジろっと」 かぷっと甘噛みするゼロ。 「ん、美味しい」 |
■シナリオ結果■ | |||
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■あとがき■ | |||
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