●ある月の夜、突然に 危ないから、ここに来ちゃだめって言われてたんだけど。 みんな一緒なら、大丈夫だよね。 お姉ちゃんは、すっごく楽しかったって言ってたし。 じゃ、みんな、いっしょに、え~い! わ~い、きゃ~。 だっこして~!! ●つんでれときどきやん×101 「この間、アザーバイドの送還案件があって、それ自体は問題なく成功したんだけど」 『リンク・カレイド』真白イヴ(nBNE000001)が、そのときの映像を映し出す。 これがその資料と、手元にプリントが配られる。 作戦時間、わずか一分の電撃戦というか電撃もふもふだったらしい。ざくざくでもあったらしいけど。 「ちゃんとD・ホールも壊してきたんだけど、閉まったと判断していたD・ホールAがまた開くみたい」 モニターに、もふもふして目に涙をためている生き物が映し出される。 「これが、前回出現したハリネズミ。丸まってる状態で、大体直径三メートル」 支えているリベリスタと比べても、桁外れに大きい。 リベリスタ達は、ふんふんとおとなしく聞いている。 「今回は、これより小さいのが出てくる」 そっかぁ。おっきいの、ぎゅっとしたかったんだけどなぁ。 「推定数101匹」 ……はい? 「これっくらいのと」 といって、両掌をそろえて上に向ける。掌サイズ。 「これっくらいのと」 といって、軽く手の前で丸を作る。常識的なぬいぐるみサイズ。 「あと、このっくらい」 イヴが一所懸命に手を広げて抱えあげる仕草をする。直径1メートルくらい。 「渾然一体となって、大体、1~2分間くらいかけて、ごろごろ落ちてくる。」 わぁい、数の暴力。 「前回の件も考慮して、討伐するより送還する方が楽。作戦目的は送還とするよ」 イヴは、モニターにむきだしの斜面を映し出した。 「ここ、現在宅地造成中。アザーバイドは、この付近の空中から出現する。このD・ホールはすぐ閉まる」 頂上付近に手書きでAと書き込み、予測範囲はこれと言って、扇形に塗りつぶして行く。 「みんなには、これを受け止めて、拾い集めて欲しい」 リベリスタの間に流れる、不自然な沈黙。 「Aとほぼ同時に、この部分にD・ホールBが開く。集めたハリネズミをこのD・ホールにどんどん入れていって」 すごく簡単。と、イヴ。 「戦闘となると、かなりの長期戦になる。今一人でもリベリスタを損耗させるわけには行かない。今回も戦闘はなし」 斜面の下にBと書き込み、その下に「崖」と書き込んだ。 モニターの映像を見ると、確かに下が見えないほどの崖だ。 「そのままにしておくと、ものの10秒でハリネズミはD・ホールBの出現予定場所を通過し、崖下に落ちる。小さいから、探すの大変。数も多いし、逃がしたら大問題。すごく避けたい」 一昔前のカトゥーンアニメ的にハリネズミが落ちていき、雲の子を散らすように拡散していく情景が、リベリスタの脳裏をよぎる。 「人数を駆り出したいんだけど、今重大案件が複数進行中。この人数で申し訳ないんだけどがんばって欲しいの」 状況は分からないでもないが。 「大丈夫。このハリネズミ、気持ちが針と連動している。自分をぎゅっとしてくれる対象には、うっとりして、とげがふにゃふにゃに軟化する。案件参加者によると、ふわふわで天にも昇る抱き心地」 デレですね。わかります。 その代わり。と、イヴは続ける。 「今回は、針が硬化してる状態で転がってくる。案件参加者によると、愛の試練とか言ってた。かなり痛かったらしい」 ツンですか?わかりません。 攻撃なんてもってのほか。と、イヴは更に続ける。 「攻撃したら、針がミサイル化するから。さすがに案件参加者もこれを試すようなことはしなかった。今回は数が多いから、クラスター爆弾とかクレイモアかフレシェット弾みたいなことになると思う」 ヤンですか!? わかりたくありません! イヴは、リベリスタの恐慌状態を華麗にスルーした。 「我に返らないように、D・ホールに入れるまでずっとぎゅっとしてるのがいいと思う。案件参加者によると、優しくささやくのが大事だって」 問い詰めたい。前案件参加者を小一時間くらい問い詰めたい。 「それから、今回はちゃんとD・ホールAもBも両方壊してきてね。また、発生しないように」 リベリスタに微妙な沈黙。 「壊してきてね」 |
■シナリオの詳細■ | ||||
■ストーリーテラー:田奈アガサ | ||||
■難易度:NORMAL | ■ ノーマルシナリオ 通常タイプ | |||
■参加人数制限: 8人 | ■サポーター参加人数制限: 4人 |
■シナリオ終了日時 2011年06月25日(土)22:39 |
||
|
||||
|
■メイン参加者 8人■ | |||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
||||
|
|
■サポート参加者 4人■ | |||||
|
|
||||
|
|
● (大丈夫、落ち着くのよ、わたし。愛で抱きしめれば、きっと応えてくれるはず。そして、もふもふに。もふもふに) 理論派『プラグマティック』本条 沙由理(BNE000078)のテンションがおかしい。 (ほ、ほわほわ……そして小動物ですか……ほわほわ……) アーク本部のオペレーター兼業『灰燼のかぐや姫』銀咲 嶺(BNE002104)の表情もとろけ気味。 (あ、いけない。集中しなくちゃ……) 開始される高速思考の奔流の中でも、もふもふハリネズミちゃんが一匹、二匹、三匹……。 「前回のお嬢さんは無事帰れたようで何よりだな。楽しかったと思ってもらえるなんて嬉しいじゃないか」 『正義のジャーナリスト(自称)』リスキー・ブラウン(BNE000746)も表情が緩みがち。 血みどろになって押しつぶされながら、次元の狭間に落ちていく巨大なハリネズミを見送ってから、まだ一月たっていない。 その無事が確認できたことは喜ばしいことだ。 「それじゃ、ご期待に添うとしますかねぇ!」 ツァイン・ウォーレス(BNE001520)も、笑顔で答えた。 (可愛いお客さんじゃねぇか。悪意がねぇなら素直に返すだけだ。しかもモフモフできるときた) もふもふ具合では負けないけれど、もふるにはちょっと勇気がいる狼の風貌を持つ武蔵・吾郎(BNE002461) 、42歳。 ヘッドライト式の懐中電灯を装備している。すっげえ、ヤル気満々。 でも、闇夜で向かい合うとすごく怖い。 「子供って、どうして親の云う事を聞かないのかしらねえ?」 『畝の後ろを歩くもの』セルマ・グリーン(BNE002556)は、嘆息する。 (親御さんも心配なさってるでしょうに。ええ、親子の情に世界の差はないと信じているわ。そう思っていた方が幸せだもの) くるぶし丈のスカートの裾から、ヤギの足がのぞいている。 頭に、ヘッドランプを載せて、こちらも準備完了だ。 『為虎添翼』藍坂 久遠(BNE000269)は、足元の灯りを置いた。 (こういうお仕事もあるのか……。戦わないで済むならそれにこしたことないよね) 戦いを好まないリベリスタは、全力を尽くそうと心に決めた。 「この辺りがよかろう」 目にゴーグル。厚手の防護服に山岳用の靴。 そして、肩に竿を二本と布団を担ぎ上げている、『T-34』ウラジミール・ヴォロシロフ(BNE000680)。 寡黙な男は、黙々と竿を地面に突き立て、布団を間に立て、セイフティネットをこしらえる。 これならば、いかに針が鋭利でもきちんと食い込み、布団が裂けることもない。 ハリネズミを取りこぼすこともあるまい。 リベリスタ達は、すでにいまや遅しと、間もなく開く次元の扉の下で待ち構えている。 (素のままじゃ痛いけど抱きしめるともふもふやなんて……これはドMの本領発揮やないかっ!!) 『あいあむエセ中国人』ケイマ F レステリオール(BNE001605)は、燃えている。 「えへへ、待ってろハリネズミ!」 君、ドMなのか。気になるので、その辺りを詳しく……。 「あ、開いたみたいですよD・ホール。ハリネズミも光って綺麗だこと」 セルマはおっとりと言ったあと、のん気こいてる場合じゃありませんね。と走り出す。 きらきらと尾を引いて、空中から地面にぽんぽんと落っこちて来る大小さまざまな光の玉。 あの一匹一匹がハリネズミたんなのだ。 いけ、リベリスタ。 101匹のハリネズミたんが君達の抱っこを待っている。 今は、おっこちてきたショックで針ツンツンだけど、そんなことは瑣末なことだ。 きゅうっとするのだ。きゅう~っと。 ● セルマのところに固まってハリネズミが降りてきた。 でかとちびがゴロンゴロン。 針が、セルマの体に刺さる。 「こんばんわ、坊やたち。歓迎したい所だけれど、ここは危ないの」 痛みをこらえながら、そおっと抱き寄せられると、針が見る見るうちに硬化を解いてホワンとまるかる。 とっさにでか一匹を抱えるのが、精一杯。 「さあ、ママのところに帰りましょうね」 とことこと斜面を降りてくる。 あふれた中くらい三匹は更に下に転がって行った。 「おー……いっぱい転がってきた。かわいー。二匹とるー。一匹お願いー」 『ラグ憑き』ナンカ・ダリィ(BNE000005)がぼんやりとした口調で言いながら、恐ろしく機敏な動きでちび二匹を確保した。 「あぶない系ー」 針が刺さる。ぎゅっと抱きしめてくれるナンカの腕の中でやっと安心したのか、目を細めてふんふんと鼻を鳴らすちびハリネズミたんが二匹。 「もらってー」 ずっと遊んでいたいがそういう訳にも行かない。すぐ次が来る。 下からツァインが走ってきて、ハリネズミたんを受け取った。 ちょっと名残惜しかったのは、秘密だ。 「こわくないですよー。落ち着いてくださいねー」 低空飛行で斜面を降りてくる嶺も、両腕にちびを二匹抱えている。 薄い鎧を突き抜けた針のあとが痛々しい。 しかし、顔が相変わらずデレ気味だ。 その様子をうらやましそうに見上げる交代要員が一人。 「だめよ、わたし。よく見て、いっぱい捕まえないといけないんだから。いつも通り、冷静に、冷静に」 すでに集中を済ませた沙由理は、自分の番と斜面を駆け上がる。 (狙いは、ぷち。限度いっぱいまで抱えなくちゃ) 湧き上がる期待に、胸は高鳴るばかりだった。 ● 手の中にはほんわりとしたぷちが二匹。ぷちの針では吾郎の鎧はびくともしない。 「全く悪い子達だな、でもこうして欲しかったんだろ?」 優しく抱きしめて、微笑む吾郎さんを見ていると、「おじちゃんのお口はそうしてそんなに大きいの?」という禁断のフレーズを思い浮かぶんですが、問題はありませんか、ないですか。ないならいいのです。 問題ありそうな見た目なら、坂東・仁太(BNE002354)だってなかなかだ。童話だと狐さんって狼さんと並ぶに大悪役だもんね。 「恐かったか~? おいちゃんが優しくしてやるけんなぁ~」 そう言って、ほわほわと優しくぷちをなでてる様子をみると、身に宿す獣性因子で人を判断しちゃいけない。要は、心意気の問題だ。 闇夜の中、光ってるのはD・ホールとハリネズミといくつかのライト。その中で吾郎さんと仁太さんが並んでぷちをほわほわしてる図がね、なんだかメルヘン。 『紅蓮の意思』焔 優希(BNE002561)も手の中のぷち二匹にもらったのは、引っかき傷くらい。 そおっと優しく掌で転がすと、安心したように目を細め、てのひらにすりと体を寄せる様子に、すでに亡くなった妹の面影が去来する。 「も……もっと笑ってみろよ。お兄ちゃんが付いてるからさ」 なんか、ハリネズミたん、心の妹になってるし。 (妹のためならば、血まみれになっても構わない。日頃の俺は笑顔を忘れていたが……こいつらの為に顔の筋肉を解し、懸命に自分の笑顔を取り戻そう) 「崖の下には落とさせん! はあぁぁぁぁぁッ!!」 気合におてての中のハリネズミたんがぴょくんと飛び上がるのもご愛嬌。 なにかが少年に火がつけた。がんばれ。超がんばれ。 ● (イエス・ハグ! ノー・ウェポン & ノー・アタック!) リスキーさんは斜面を駆け上がる足取りも軽やかだった。ストライドがやたらと広い。 (女子高生の次は小学生。よし、おにーさん今回も頑張っちゃうぞ! さぁ、おじょーちゃんたち、おにーさんの手の中に飛び込んでくるんだ!!) 次元や種族はとうに飛び越えてましたが、年齢もボーダーレスですか。 ていうか、お坊ちゃんもいる可能性もあるんですけど、そのあたりはどうなんでしょう。 いや、リスキーさんならきっと、「可能性があるなら、すべて『お嬢ちゃん』として扱う!」と言ってくれるに違いない。 (拾う? 違うな。可愛いお嬢ちゃんを『拾う』なんていう表現良くないぜ。そうだな……異世界からやってきたお嬢ちゃん方を保護する。そんな感じか) そう、お嬢ちゃんがバウンドして痛い思いをしないよう、空中に浮いたところでダイビングキャーッチ! 脳内伝達処理を能力使ってまで弄繰り回してあげた集中力は、今この時のためにあるんだぜ。 針がてのひら突き抜けるけどね! でも、リスキーさんはそんなことは織り込み済みのはずだ。前回は、轢かれたし。 (ということで、今回も思う存分もふもふさせてもらうぞ) 愛で、ボトム・チャンネル救えるかもしれない。 斜面の下、D・ホールの辺りでも、お別れが続いている。 「きっと皆心配してるわ」 セルマが、抱っこを気に入って離れないと必死としがみつくでかハリネズミたんの前足を優しく解いて、ホールに入れた。 「お前達は、兄弟揃って困ったちゃんだなぁ?」 ツァインもまんざらでもない顔をしながら、ホールにちびハリネズミたんを入れてやる。 「この小さいのマジ可愛い……うちに連れて帰りたいくらいだぜ」 あの、送り狼は困ります、吾郎さん。大丈夫ですね、信じてますよ。 「元気でな」 D・ホールの向こうに落ちていくハリネズミたん(ぷち) 吾郎さん、信じてました。ちゃんと返してくれるって。信じてました。 「好奇心旺盛で元気いっぱいなのは良いことだけどもうこんなことしちゃダメだぞ?」 リスキーさん、丁寧なのは大変結構と存じますが、一匹一匹とお話とかしてたら、時間が。時間がぁ!? ● そもそも、今回のチームに回復役はいない。 ツァインやウラジミールさんが自動治癒を手透きなときにかけるのがやっとというてんてこ舞い。 よって、どうしても、でかハリネズミたんはなんとなくスルーな感じになっちゃうんだよね。痛いし。 「自分が…」 ウラジミールさんに、どーん。 でかの針でも、ウラジミールさんの防護服は貫けない。 できるだけ丁寧に抱き上げてくれる包容力って素敵だね。 もっふ~んと毛をほわほわにしたでかハリネズミたんを後方に渡し、次の子を受け止める。 ウラジミールさん、パパって呼んでもいいですか。 お見合い、つまり相手が獲るだろうと思ってお互いスルーするのは避けなくてはならない。何しろ、下は崖だし。 「それわたしの獲物、じゃなくて届くから任せて!」 うん、沙由理さん。こういうときの声がけ大事だね! 「わたしの眼からは逃れられない」 カッコイイです。 「さあ、この腕の中に飛び込んでいらっしゃい、やさしく抱きしめてあげるわ」 女性の包容力を感じます。 ぷちたんころころ。ツンツンですけどかまいませんか? 「この痛みも乗り越えなければならない試練だと思えば、なんということもないわ」 うわ~、満面の笑顔でだめなこと言い出した~! むぎゅーっと愛を込めて抱きしめる。 刺さってます。すごい勢いで刺さってます。 きらきら光るぷちを両手いっぱい抱きしめて斜面を駆け下りていく姿は、胸に花束を抱えた乙女のようです。 血まみれですが。 「さようなら、愛しき毛玉たち」 (でも別れを惜しむ暇はないの。次の子が待っているから) 流れる血を気にもせず、次の戦場へ駆け出していく戦士。 というか、足元がスキップっぽいですよ。沙由理さーん! 「サンキュッ」 久遠の取りこぼしを仁太がキャッチした。 額の汗をぬぐう。 (……凄く忙しいなぁ……) 比較的ハリネズミたんに目がくらんでいない久遠は、くるくるD・ホールと斜面の間を行き来している。 「っつぅ……痛いなぁ」 きゅうっとするとほわほわになるのだが、おっかなびっくり軽く触れる程度ではいつまでもツンツンだ。 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ。 もっと身を投げ出すんだ。心も投げ出しちゃうと、ちょっと取り返しがつかない青春になっちゃうかもしれないけど! 「コイツは俺が受け止めよう」 使命感に燃える優希の腕にポスンと収まるちびハリネズミたん。 怖かったのとフルフル震え、きらきらおめめで見上げてくるハリネズミたん。 「素直になったほうが、可愛いって。皆言ってくれるぞ?」 それに答えるように、針がもふもふに変わるハリネズミたん。そっと身を預けてくれたりしてね。 「お……お兄ちゃん、って。呼んで……?」 優希ぃぃ! そっちは足を踏み入れちゃいけない領域だぁ! ハリネズミは絶対お兄ちゃんとは言わないぞおぉ! ● 上空のD・ホールAが、最後のハリネズミたんを放出して、光を失い沈黙した。 リベリスタ達は、それぞれ万感の思いを込めてハリネズミたん達を受け止めた。 「……? モフモフになった時は受け渡さないかんような……ちょっ、待っ」 仁太は声を詰まらせる。 「今度は変な所にでてくるんやないよー? もっとゆっくり可愛がりたかったなあ……」 ケイマも時間の短さを嘆く。 「ほらお姉ちゃんもきっと心配してるぞ?」 最後まで自分のペースを乱さなかったリスキーも、腕に抱えた最後の1匹に鼻の頭にキスして送り返す。 「はあ。なんとか残らず向うに還せたのかしら?」 セルマが大きく息をついた。そう言えば誰も数を数えていなかった。 (この子たちがどうかどうか、お姉様やお母様と離れ離れになりませんように。私みたいな思いを、しませんよう。) 祈るような気持ちで、嶺は低空飛行で斜面にハリネズミたんがいないか探し回る 反対側から斜面全体を確認して戻ってきたウラジミールが頷く。 「うむ。残ったハリネズミはいない。ゲートを破壊してもよかろう」 D・ホールを壊してしまえば、ハリネズミが再びこの地に飛来する可能性は限りなくゼロに近くなる。 「……最後は壊さないといけないのよね。もう2度と会えないかもしれないけれど、あなたたちの柔らかさは忘れないわ」 破壊の間際、沙由理は、目元を潤ませる。 「な、名残惜しくなんかないんだからなっ!!」 優希はそう言って、皆に背を向け、肩を震わせた。 「任務完了」 D・ホールAおよびBの完膚なきまでの破壊状況を確認したウラジミールは、ホールがあった場所に敬礼をした。 「健やかにな」 誰からとなく、皆がそれにならった。 |
■シナリオ結果■ | |||
|
|||
■あとがき■ | |||
|